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烏合庵奇譚

Welcome to Raven's roost
渡烏の戯言など… お聞き流し下さい.

かすべの燻魚風

2011-04-03 23:28:44 | 烏合庵の食卓
前の記事でも触れたが,小欄で検索からの閲覧が多い記事が“かすべのぬた”である.
駿河出自の私がかすべを食べたのは此方に来てから(初見は煮付け)だが,今では好物のひとつ.定番はやっぱり煮付け,気分で唐揚げ(北海道流に言えばザンギ)だが,今回はチト新作を.

仕入れはコチラ,“水かすべ(ドブカスベ←何とも可哀相な和名だ)”.
確かに真かすべ(メガネカスベ)と食べ較べれば筋繊維がやや粗いし水気も幾分多めだが,供給量は多いようだし何より安い(真かすべの半値ほど).喰わないテは無いでしょう!


で,“燻魚(シュンユイ:xun yu)”.大元は字義どおり魚の燻製だが,宛も燻製したように仕上げる揚げ物(くすべ揚げ)の手法.ただ,これをやると揚げ油が滅法傷んでしまうので使い回しの油が無い今回は変則法.


先ずは下拵え.かすべはざっと洗って水気を切り,酒2:醤油1,味醂(または砂糖)少々と微塵の長葱・生姜を併せた漬け汁に2時間ほど漬け込んでおく.


で,変則の仕立て.かすべの漬け汁を切ったら(漬け汁はタレ用に残しておく)片栗粉(馬鈴薯澱粉)を叩きサラダオイルを引いたフライパンを暖め中火で焼き付ける.確りと,“一寸,過ぎたかな?”,ムニエルで食べるには躊躇する焼き目が付くくらい.下地の醤油(と酒や味醂の糖分)が焦げて燻製紛いの香りが漂えば頃合だ.供する器に上げておく.


たれはササっと.かすべを焼いた鍋を強火に掛けて少々の胡麻油を垂らし,かすべの漬け汁を回し入れて煮立てる.半量ほどに詰まったら弱火に落し,鍋縁のこびり付きを汁に確りこそげ戻して水溶き片栗粉でまとめ,取り置いたかすべに掛ける.
白髪の葱をたっぷり天盛りして,“かすべの燻魚風”,出来上り!


うん,美味しい.たっぷりの油で狸色に揚げるのがベストだけど,これはこれ.惣菜には十分美味いです.
出来れば,皮付きの真かすべ(真かすべの真価はやはり皮付きと思う)でやってみたいなァ.
コメント
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