『徒然草』の作者である「吉田兼好」は、長生きした。
そして、歌人として認められて活躍したのも晩年であるため、老人のイメージが強い。
だが、けして生まれついてのジジイではない。
現在、『徒然草』は、兼好の若い頃から何十年にも渡って書きためていたものを晩年に編集したものであろうと言われている。また、その説によれば『徒然草』の序段から30段ぐらいまでは、かなり若い兼好が書いた物ではないかとも言われる。たしかに、『徒然草』の初期の章段は、かなり若い感覚で書かれている。
とりあえず、「吉田兼好」は老人というイメージを捨ててみよう。
縁側で書物をくり広げてる老人なんてイメージは捨てて、薄暗い部屋で、若い情熱をぶつける場所も相手もなく、一人、硯の前に座る孤独な青年をイメージしてみよう。
そんなのが、『徒然草』を書きはじめた頃の兼好ではないかと思うのだ。
『徒然草』は、兼好の精神的な成長の物語でもあると、俺は思う。
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