つれづれなるままに、日くらし、硯にむかひて、心に移りゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。
<口語訳>
つれづれなままに、一日暮らし、硯にむかって心に移りゆく由ない事を、そこはかとなく書きつければ、怪しく こそ もの狂おしくなる。
<意訳>
つれづれなまんま今日を過ごし、硯にむかって、心の中に現れたり消えたりする良いことや悪いことを、なんとなく書いているうちに、怪しいぐらいおかしくなる。
<感想>
これは、有名な「吉田兼好」作『徒然草』の「序段」である。
ようするに、この段で吉田兼好こと兼好の言いたい事は、
「ヒマだったので一日じゅう硯の前に座っていました。そんでもって、なんとなく机に向かってなにかを書こうとしているうちに、なんだか怪しいぐらい狂いそうになりました」
というようなコトだ。
おそろしく現代的な感覚で兼行は『徒然草』を書きはじめている。
現代風のシュチエーション及びロケーションに置き換えるなら、こんなかんじだろうか。
<超現代語訳>
今日もまたつまんない一日を過ごした。
パソコンのモニターに向かって、心の中のつまらないことを、思いつくままにタイピングしているうちに、自分がわからなくなって、なんだか狂いそう。
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