墨汁日記

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奴隷な低賃金

2007-10-06 19:09:50 | 駄目
 思考実験として、『奴隷』と『低賃金労働者』のどちらがお得か考えてみた。

 俺は新しい鉱脈を発見して鉱山の採掘権を得た、鉱山の経営者である。
 坑夫とは別に、山から採掘した鉱石を、村まで運搬する人手が欲しい。
 この運搬係は、バカでも protozoa でも出来る簡単な肉体労働である。

 さて、100人ほど運搬係が欲しい。
 出来れば、コストは低くおさえたい。

 奴隷を購入する場合の相場は、1人につき100万円である。

 低賃金労働者へ与える手当の相場は、1ヶ月で10万円。

 これだけの情報だと、奴隷はすごくお得に思える。
 1日の奴隷の飯代が300円として、365日で10万8千円。
 奴隷の購入代金と飯代で、最初の1年で110万8千円。
 それに比べて、低賃金労働者にかかるコストは1年で120万円。
 もう最初の1年だけで、奴隷の方が低賃金労働者よりお得なのが分かる。

 そもそも奴隷は、購入代金は高いが、長く使えば使うほど得する。
 ようするに初期投資は高く、維持費が安いのが奴隷の特徴だ。
 なんだけど、奴隷は『なまもの』である。
 生きている。
 もちろん、奴隷は人間じゃない。
 家畜である。
 奴隷は家畜。
 農耕や運搬をする、農耕馬や車を引く牛に近い存在。
 そういう物を死なせないで、長く使うのは意外に大変な事だ。
 奴隷を買った次の朝に奴隷が死んだら丸損である!
 奴隷だって生き物だから、いつ死ぬか分からないし、死ななくても怪我したり病気になったら働けない。
 ようするに、奴隷はコストは安いがリスクが高いのだ。
 奴隷に死なれたら丸損である。

 さて。

 次に低賃金労働者であるが、一番の目玉は初期投資が安いこと。
 100人の人手が欲しいなら、奴隷だと1億円かかるが、低賃金労働者なら月末に1千万円あれば良い。
 なんならだけど、それさえも金がなければ、全員クビにして、新しい低賃金労働者を雇い直しても良いのだ。
 奴隷は家畜だ。
 死なしたら自分が損する。
 死なさないように使う。
 なんだけど、低賃金労働者はレンタルだ。
 別に死んでもかまわないし、死んだら新品をレンタルすれば良い。
 だから、死ぬまでこき使える。
 低賃金労働者はレンタルだから、なんの責任もない。

 奴隷が家畜なら。

 低賃金労働者は、レンタルした機械。
 自分の持ち物でないから、経営者に何の責任もない。
 ようするに、低賃金労働者はコストは高いがリスクは低い。
 そんでもって。
 低賃金労働者の変わりなんかいくらでもいる。

 さて。

 あなたが経営者ならどっちを使いますか?


土曜の朝

2007-10-06 05:47:11 | インポート
 今朝は良く晴れた。太陽はまだ昇りきらず、東の空から明るくなりかけている。暗い空に三日月や星が輝いているのが見える。肌寒く感じるが風は弱い。通勤電車に揺られて目的の駅に着くと、空はすっかり明るくなって青空が広がっている。