洋服の青山

　スーツは洋服の青山の吊るしで、時計がロレックスちゅう奴は軽蔑する。スーツが青山なら時計はカシオであるべきである。それが分不相応と言う物だ。
　見栄でそろえるものは分不相応であるべきだ。なにか一点だけ、特別高いと馬鹿に見える。
　だが、趣味は別だ。趣味や好きな物に分不相応はない。俺は黒ラベルが好きだ。できれば他の酒は一滴だって飲みたくない。だが、俺の収入からすれば、せいぜい、２リッター８９０円の日本酒がふさわいだろう。事実、今日の酒はそれだ。でも余裕があれば、黒ラベルしか飲まない。
　
　好きな物は好きだから好きなんだ。分不相応などない。見栄と好きは違う。好きなもんに金をかけんのは正当な感性だと思う。
　知人がうちに遊びに来たとき、うちのCDラックに林原が置いてあるのを見て「やっぱりオタクなんだ」と軽蔑したような目で俺を見てたが、好きなもんは好きだ。
　　

　好きな物に分不相応はない。なになにだから何々が好きであるべきと言う発想自体が北島のファンを愚弄していると思う。

お誕生日

　昨日は俺の３５才の誕生日だった。昨日の夜は帰りが遅く、帰ってきてすぐに寝たので、気づかなかったが、おふくろがバースデイケーキを買ってきてくれていたらしい。
　今日帰ってみると冷蔵庫の中にケーキが切り分けられて入ってた。「Happy Bilthday　のりひさ」と かざりがついてる。

　魚肉ソーセージの煮物と、ケーキをつまみに８９０円の日本酒を酒屋でもらったサントリーのグラスに注いで飲む。あぁ、日本って、うちんちってマジに病んでるよな。

見たことない具

　うちの両親はとしよりなんで、晩飯のおかずが煮物である事が多い。ちょっと気を許すと、すぐ煮物だ。
　たまには肉でも食わせろよ。トリのささみ以外の肉だ。
　あぶらののったサンマも食いたい。安いんだしサンマはいいんじゃないか？
　おふくろはとしよりだから、サンマ焼いた後の、油ぎとぎとの換気扇を掃除する気力がないんだよね。だからサンマを食わせてくんないんだ。
　なんなら焼いたのを買ってきてオーブンでチンでもいーぜ。最近は野菜も高い事だしさ。サンマ食おうぜ。もう、煮物はいいだろ。正直飽きたよ。

　今、煮物をつまみに日本酒を飲んでる。今日の煮物はおでん風煮物だ。こんにゃく、にんじん、ゆで卵、厚揚げ。それらにまじって見たこともない具が混入している。
　なんかピンク色で、つるんとしている。ピンクローター？って印象だ。なんだこれ、こんなおでん種があったんだ。試しに食ってみる。
　魚のネリモノ系の味だ。ちくわかなんかの親戚らしい。しかし、なんだこれどっかで食った事のある味だ、ああそうだよ。これは単なる魚肉ソーセージだ。
　いくら野菜が高いからって、なんでも煮るなよ。