墨汁日記

墨汁Aイッテキ!公式ブログ

三文の得

2004-08-17 22:19:01 | 仕事
 おれの現在の仕事は朝早い仕事である。普通のシフトで起床4時半。早出の時は2時半に起きる。ぜひ「早起きですね。」とほめてほしい。そんくらいしか、ほめられるような事はしてないのだ。必ずほめてくれ。
 ほめたかな?一通りほめ終わったようなので、次は弱音をはく。実は明日も二時半に起きねばならんのだ。で現在の時刻はというと夜の9時50分である。ああ、起きれるのか。こんなブログの記事なんか書いてないで早く寝ろよ。でも寝たとして今度は明日ちゃんと起きれるかと不安になる。いつも二時半に起きる時は必ず8時には寝ているのに。今日は仕事の都合でさっき帰宅したばかりだ。あぁ、駄目だ寝たら起きれそうもない。かといって、寝ないで仕事に行けば確実に辛い。どうしたらいいのだろうか。頭の中グルグルして、もう、とにかく、なんか眠れそうにない。たぶん、このままじゃ寝れないだろう。だが、こんな時の俺の強い味方がいる。
「どこでもビール!」(ジャンジャカジャンジャンジャ~ン)
んぐっんぐっんぐっ。
「んふあ~。うまい。」
もう大丈夫!もう安心だ。遅刻しようが起きれなかろうと関係ない。もう寝る。寝てしまうともさ!いまの時刻は10時5分だ。ビデオに予約録画しといた「かいけつゾロリ」を見つつ、もう一本開ければ「二人はプリキュア」のコマーシャル前には寝ているはずだ。では、夢で会いましょう。


カエルの子

2004-08-17 08:18:37 | コンピュータ
  最近、職場で週に一回だけ、材料の発注の為に職場に設置されたパソコンで入力をしている。
実は俺のマイ・パーソナルコンピュータは、嬉し恥ずかしのMacなのである。
だけど、職場のパソコンは当然だろとばかりにWindowsなのだ。
実を言うと俺はウィンドウズというOSが良く判らない。いや、よくどころかぜんぜん判らない。基本的に俺は肉体労働担当なので今まで自分のパソコン以外は触った事がないからである。

 職場では、班長か店長が朝来てから、パソコンを立ち上げる。
そしておはよう処理という謎の儀式終了後、本店と接続されたパワーウィンドウズとして目覚める。要するに閉店まで、一日中立ち上がりっぱなしのパソコンなのだ。よって、職場のパソコンの電源の入れ方も切り方も実は判らない。
 これは、どういう事かと言うと、トラブルった時になんの善処もできないということである。だからトラブらないよう最善の注意を払ってあつかっているが、やはり、コンピュータといえど人の子、カエルの子。たまにトラブる。
 入力すると言っても、発注すべき商品名はすでに打ち込まれている、発注数のみ打ち込めば良いように出来ている。これくらいなら、テンキーと矢印キーの世界だ。マカーな俺にも楽勝である。五分程で楽勝に打ち込みを終えて、しからば送信と。マウスを送信にあわせてクリック。が、今日は手がすべった。つい、だぶりクリックしてしまったのだ。凍り付く画面。フリーズだ。やってもうた。こんな時、慌てちゃいかんぞ。俺とて西暦2000年にコンピュータを買った、経験歴3年以上の経験者だ。このくらいで慌てちゃいかんよな。あ、なんかウインドウズのOS自体は固まってないご様子だ。
 ならば強制終了。これがマカーの鉄の掟だ。コマンド アーンド オプション と エスケープ!ないよ、コマンドキーがない。なんか、この田んぼの田みたいなキーが、コマンドっぽい。よーな気はする。確証はないが。てゆーか、オプションキーは確実にない。エスケープキーのみはうちのキーボードとおんなじとこにあるよ。
 どーしよ、とりあえずエスケープキーだけ押してみようか。押してみる。反応なしだ。Uh Ohとも言ってくんない。今はなき、いかりや長介さんの霊が我が身に乗り移る。だめだこりゃ。世の中押して駄目なら引いてみりゃいいのである。ちょとだけパソコン本体をずらしてみたりする。どうやら、Macだけでなくウィンドウズでもこの手は通用しないらしい。
 でも俺も経験歴3年以上の経験者だ。もうすぐ4年になる。そろそろ、パワーユーザーとしての自覚と誇りもわいてきた頃だ。初心者はついついいろんな、よけいな事して泥沼のドロドロにしてしまうが、パワーユーザーともなると下手にじたばたなんかしない。自分の出来る事。限界をわきまえているからだ。ようするに、こんな時どうしたら良いか。判んない時は「人に聞け」である。
 人に聞けっていっても、パワーユーザーである前に、俺とて社会人だ。社会人歴はパワーユーザー歴より、はるかに長い。忙しい店長や班長に聞きに行くのも申し訳ない。かといって作業中の人間をつかまえて聞くのも気がひける。
 どっかに良い獲物はいないだろうか。
いたいた正社員のA元さんがファイル片手に暇そうにブラブラ歩いている。彼女に聞こう。こういう時は事態の要約が大事だ。なるべく簡潔に潔く報告しなければならない。
「コンピュータ壊れた。」
「え。」
「コンピュータ動かない。」
「あ、なんだフリーズしたんでしょ。フ・リー・ズ!」
俺とてフリーズぐらい知っている。そんな自慢げにフリーズと教えて頂かなくても、ノーサンキュウだ。だが、致し方ない今は彼女に頼るしかないのだ。
「なんとかしてくれ。」
「もー、しょうがないわね~」
いきなし彼女お得意のままごと口調だ。フォントでは読者の皆様に通じなかったであろうので、ここはぜひ小さい女の子が、おままごとの最中にママになりきりっこしている時の口調を思いうかべて上の彼女の台詞を、もう一度読み直して欲しい。

 ところで話は変わるが、子供の時の遊びがその後の人格形成に大きくかかわると俺は考える。例えば女の子が好む「おままごと」と「お人形遊び」という二つの遊びがある。この二つは男からみると、あまり区別がつかない。だが、実際はかなり異質の遊びであるのだ。「おままごと」は男の子でいうところの「ライダーごっこ」に似ている。要するになりきり遊びなのである。女の子は「おままごと」を楽しむ時、自分の理想とする人間「お母さん」になりきって遊ぶ。では「お人形遊び」はどうであろうか。本来は「お人形遊び」も「おままごと」の亜種である。「おままごと」に「お人形」が付加した形で「お人形遊び」が生まれる。
 だが、成長すると「お人形」に感情移入しすぎる女の子が出てくる。これが「お人形遊び」の原点である。「お人形遊び」が高度に発展をみせると、女の子は自分の個をなくす。「おままごと」がどこまでも、なりきり遊びであり演技者としての個「わたし」をなくさないのと対立的だ。「お人形遊び」で女の子が例えばモンチッチの、ののちゃんに感情移入したとする。女の子はののちゃんを巧みに操りののちゃんの一日を見事に再現してくれるだろう。そうした時、女の子は自分の個をなくしている。「わたし」なんかどこにもいない。いるのは「ののちゃん」だけなのだ。男の子が戦闘機のおもちゃでヒューダダダン、なんてやっている時も同様の現象が見られる。男の子が戦闘機を急降下させている時、「ぼく」を確実になくしている。もし「ぼく」がいるとすれば男の子が手に持つ戦闘機のコックピットの中だろう。
 「おままごと」は女の子の社会性を育て、「お人形遊び」は女の子の想像力を育てる。だが、なんでもかたよりは駄目で、やりすぎると大人になってから、ややかたよりぎみの性格になる傾向があるようだ。
 「おままごと」に熱中しすぎた女の子は責任感が強く、良妻賢母になる可能性がある、しかし下手するとしきりやのお局になる。
 「お人形遊び」に熱中しすぎた女の子は心優しく、作家などの表現者として活躍する可能性がある。しかし下手するとヲタクになる。

 A元さんは絶対おままごとのやりすぎだな。そう勝手に決めつける。とりあえずA元さんにパソコンの前に座ってもらう。同僚の若い彼が面白がって覗きに来た。
「内山さんコンピュータ持ってんでしょ?」
あぁ、パワーユーザーだとも。
「うちはマックだから、ウィンドウズは良くわからん。」
さりげなく、Mac自慢。彼はウィンドウズのノートパソコンのユーザーだ。本体価格は彼のパソコンのほうが高い。
 A元さんは、モニターの前に座ると早速トラブルの処置にとりかかる。まずは、パソコン本体に手をさしのべ、なんかゴソゴソとやる。
 ブチッ
いきなし画面が消えた。ブチッて、もしかして電源切ったの?ウィンドウズはいきなり電源切っても大丈夫なものなの?そんな心配を他所に再度彼女は
 ブチッ
モニターがほんわかと色を帯びてくる。なーんだ、モニターのケーブルを抜き差ししただけか、なら安心だな。さすがウィンドウズは物がちがうね。そんなことでフリーズから立ち直れるなんて。マカーな俺には想像もつかなかったよ。などと思いつつも、となりの彼の顔をちらりと見ると、苦笑いしている。やはり、どのようなOSであれモニターケーブルの抜き差しでトラブル回避はありえん。俺はそう思う。
 いきなしケーブルを抜き差しされてモニターもびっくりしたのか、変な紫色に染まっている。
「本格的に壊した?」
と聞いてみると、うるさい黙れジジイ。私の処置に文句つけるなという笑みを浮かべて黙っている。仕方ないので見てるとやがて、モニターは正常な画面を映し出した。まんまフリーズしてる。俺、思うんだけどさOSは生きてんだから、一回終了させるか、再起動してみたら?ま、どうやったら終了させられるかが俺には判んないんだけどね。
「終了させてみれば。」
と俺がいうと、彼も、
「うん、一回終了させよう。」
と言う。
「駄目!今いーところなんだから!」
は、いーところ?君がやったのはモニターのケーブル抜き差しとマウスの連打だけじゃん。
 てゆーか、あれだね。こんなとこに突っ立って、彼女の手際に熱い熱視線を注いでいてもトラブル解消の手助けにはならないよね。むしろ俺は邪魔なはずだよね。
「じゃあ、俺帰りますんで、後よろしく。発注データの送信もお願いします。」
 それだけ言うとそそくさと出勤簿に記入をして、その場を離脱する。
ひどい男である。でも仕方ないのだ。これ以上、彼女の儀式めいた処置につきあっていられるほど暇ではないのだ。やることが山ほどある。うちかえってビール飲んだり、ビール飲んだりだ。あー早く帰ってビール飲みてぇ。
 製造室をぬけ控え室に出る。誰かのおみやげが棚においてある。「広島に行ってきました。ぜひ皆さんで食べて下さい。ハート」クッキーである。俺もたぶん皆さんのはずであるから、いただいとこう。こういうかわきもんを食っとくと家に帰った時にちょうど良い具合にのどが乾いていてビールがうまいのだ。
 ボリボリクッキーをむさぼり食べている所に、いきなり控え室の扉をバンと開けて彼女が入場してきた。
「直したから!データも送信しといたから!」
 最高に自慢げである。こんなに自慢げな女は、あまり見た事がない。俺はというと口にほおばったクッキーで「フンガグオコ」サザエさん状態である。
「ありがとうございます。お先にしつれいします。」
 俺はそれだけ言うとそこから逃げる様に退場する。

 意外に早く直ったな。彼女のあの処置でここまで早く復帰できるとは、なかなか、ウィンドウズもあなどれないOSである。てゆーか俺もウィンドウズのノートパソコン欲しいよとか思う。