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★年表盗用は「つくる会」の仕業だった-松本謙一氏証言

【追記】「編集担当者松本謙一氏の回答文書への反駁」と題する「新しい歴史教科書をつくる会」の文書が出されました←クリック 。杉原誠四郎(本名・平田誠四郎)が年表の主任執筆者であることは否定しているものの、「つくる会」事務局員が東京書籍平成14年版の年表の文字情報をスキャナーで読み取ってフロッピーに保存し、松本氏の事務所に送ったことを認めています。その動機などについては見解の相違があるようですが、いずれにせよ「つくる会」自由社の内部で起こった問題であることには変わりありません。
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「新しい歴史教科書をつくる会」の自由社版中学校歴史教科書が自虐教科書(東京書籍)から年表を盗用した問題は、師走になって急展開しました。
 
「新しい歴史教科書をつくる会」=自由社は問題発覚後、「当時の編集長と連絡が取れず、経緯が確認できていないが、編集者として常識外の行動で申し訳ない」(毎日新聞へのコメント)などと、当時の編集担当者の松本謙一氏(元「つくる会」東京支部長)に責任を転嫁してきました。
 
「新しい歴史教科書をつくる会」理事の小山常実に至ってはブログで
「つくる会」には金がなく、人もいなかったので、元編集者M氏にしわ寄せが行った。M氏は時間を節約するためであろうが、東京書籍平成14年度版の年表を流用した。その1年後平成21年春、氏は別件でけんか別れして出ていった。氏は、年表のことを隠したまま出ていった。
と名誉毀損行為を行っています。
 
ところが、松本謙一氏は「新しい歴史教科書をつくる会」副会長・福地惇からの内容証明郵便(連絡取れないんじゃなかったの?)に対し、8日付で回答書を送り、驚くべき事実関係を証言しました(関係者や報道機関にも送付。下記サイトに全文あり)。
 
松本謙一さんに年表盗用の罪を着せた藤岡信勝。真犯人は…←クリック
 

 
松本謙一氏の回答書の骨子は次の通りです。
 
▼自由社版の年表を作成したのは「新しい歴史教科書をつくる会」事務局員。松本謙一氏はその電子データをそのまま使用しただけで、盗用に関与も関知もしていない
▼データを松本氏に送ったのは鈴木尚之事務局長
▼その際、鈴木事務局長は「杉原誠四郎(本名・平田誠四郎)副会長(現会長)の指示。これを使うように」と発言した
▼年表の執筆担当者は主任が杉原(本名・平田)副会長、補佐は福地惇副会長。ゲラをチェックしたのも両氏
▼「つくる会」=自由社は年表盗用発覚後「当時の編集担当者はすでに退職しており連絡がつかない」と責任を松本氏になすりつけていたが、松本氏は連絡がつく所にいた。現に今回連絡してきた。一連の対応は非常に不可解

 
真相はなお不明なものの、杉原誠四郎(本名・平田誠四郎)が盗用を指示していなかったとしても年表作成の監督責任者であることは間違いありません。鈴木尚之が今年5月に死亡しているため、杉原(本名・平田)や事務局員(関係者によると既に退職)による口裏合わせも心配されますが、関係者によると杉原(本名・平田)は10日朝に松本謙一氏に電話をかけ(連絡取れないんじゃなかったの??)「調べが不十分で申し訳ありません」と謝罪したそうです。
 
年表盗用は「新しい歴史教科書をつくる会」の責任だったのです。「つくる会」は「他社の年表を引き写してつくられたとは夢にも思わず、従って他社の年表と比較・照合するなどの問題意識がそもそも生じませんでした」(8月2日付「自由社歴史教科書の年表問題に関する『つくる会』の見解 」)と言っていますが、松本謙一氏にしてみれば「それはこっちのせりふだよ」です。
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この機会に「年表盗用問題の年表」を掲載しておきます。
 
■平成20年
4月17日
自由社(石原萠記社長)が文部科学省に中学校歴史教科書(平成22年度版)を検定申請。このとき申請された白表紙本で東京書籍から盗用した年表を使用

12月4日
文科省は516カ所の欠陥を指摘し不合格に。ただし年表盗用には気付かず(「新しい歴史教科書をつくる会」はこのときの不合格の事実を未だに会員に公表していない)

12月24日
自由社が指摘された部分を修正し再申請。盗用年表はそのまま
 
■平成21年
4月9日
文科省が自由社版の検定合格を発表。年表盗用には気付かず。その後、自由社(石原萠記社長)はなぜか同名の別法人・自由社(加瀬英明社長)に版権譲渡
 
4月15日
自由社(石原萠記社長)で教科書編集を一手に担い、自由社(加瀬英明社長)の取締役教科書編集室長だった松本謙一氏が突如解任・追放される
 
5月24日
自由社版の市販本『日本人の歴史教科書』が発売。盗用年表はそのまま
 
そのころ
自由社が全国の教育委員会などに採択手続き用の見本本を発送。盗用年表はそのまま
 
7月16日
自由社版の年表が豊臣秀吉の朝鮮出兵(文禄・慶長の役)を「朝鮮侵略」と表記していることを当ブログ←クリック が指摘。このときわれわれプロジェクトJは、なぜ「保守の教科書」を自称する自由社が秀吉の朝鮮出兵について「侵略」という自虐教科書と同じ用語で断罪しているのか不思議に思い「どこかの参考書か教科書を写しているのかもしれない」と感じていたが、盗用元は分からず。同じ疑問は「つくる会」関係者も持ったはず
 
■平成22年
4月
横浜市の18区中8区の市立中など採択校で自由社版供給本が生徒に配られる。「朝鮮侵略」は「朝鮮出兵」に直したが、その他の盗用年表はそのまま
 
4月21日
自由社が文科省に平成24年度版を検定申請。盗用年表はそのまま
 
■平成23年
3月30日
文科省が自由社版の検定合格を発表(盗用年表が2度目の検定合格)

4月28日
自由社版の市販本『市販本 新しい歴史教科書』が発売。盗用年表はそのまま
 
そのころ
自由社が全国の教育委員会などに採択手続き用の見本本を発送。盗用年表はそのまま
 
5月4日
「つくる会」事務局長・鈴木尚之が死亡
 
5月5日
自由社版市販本の年表が秀吉の朝鮮出兵を前回供給本の「朝鮮出兵」から再び「朝鮮侵略」に戻した事実を当ブログ←クリック が指摘。不可解な行動を受け、プロジェクトJが参考書や他社教科書の年表との照合作業に着手
 
5月26日
自由社版の年表(日本史部分)が東京書籍の平成14年度版からの盗用である事実を当ブログ←クリック が指摘。藤岡信勝はツイッターで「採択が本格化する5月になるのを待って匿名の謀略ブログで公表」と書いているが、盗用に気付いたのはこの数日前。4月なら「採択手続き開始早々」、7月なら「採択決定直前」と都合よく書くのだろう
 
6月14日
朝日新聞が年表盗用を報道。「つくる会」関係者は前日の朝日新聞からの取材が「晴天の霹靂」(正しくは青天の霹靂)などととぼけているが、当ブログには5月26日以降、関係者とみられるアクセスが多数記録されている
 
6月16日
「つくる会」会長・藤岡信勝と自由社の社長・加瀬英明、編集部長・榎本司郎が東京都北区の東京書籍を訪れ謝罪。文科省にも報告
 
7月27日
自由社がようやく市販本の回収を要請する文書を出版取次会社に送る。ここまで回収を引き延ばした理由として、「つくる会」=自由社が採択を期待していた28日の東京都教委の審議前に回収が明るみに出てはまずいとの判断があったという指摘がある

8月1日
読売新聞や毎日新聞などが夕刊で年表盗用と回収開始を報道。共同通信も配信(産経新聞は翌日朝刊で報道)
 
8月2日
藤岡信勝らが文科省記者クラブで記者会見。「当時の作成担当者は2年前に退社しており、なぜこのようなことになったのか、その経過を確かめることはできません。執筆者としては他社の年表を引き写してつくられたとは夢にも思わず、従って他社の年表と比較・照合するなどの問題意識がそもそも生じませんでした」と釈明
 
8月3日
翌日の横浜市教委の採択で自由社の勝ち目がないと悟った藤岡信勝が、謝罪から一転して、年表盗用が発覚したのは育鵬社支援グループと左翼、朝日新聞、中国共産党の謀略だとツイッターやメーリングリストでわめき始める。自分たちがこのタイミングで回収を始めたにもかかわらず「横浜の採択日の2日前にあわせて一斉に報道した」と被害妄想を展開
 
8月4日
横浜市教委が育鵬社の歴史・公民教科書を採択
 
8月9日
藤岡信勝が年表問題の責任を取り「つくる会」に会長辞任を申し出る。ツイッターに「つくる会を汚い手段で踏みつけているのが八木グループということになります。育鵬社は中韓にへつらっている教科書です」と醜い捨てぜりふを残す

 
8月31日
「つくる会」緊急理事会で藤岡信勝が会長辞任。新会長に杉原誠四郎(本名・平田誠四郎)が就任
 
9月5日
「つくる会」が文科省記者クラブで記者会見し、藤岡信勝の会長辞任などを5日遅れで発表
 
11月29日
「当時の編集長と連絡が取れない」と言っていた「つくる会」が副会長・福地惇の名で松本謙一氏になぜ無断で流用したのかと尋ねる照会書を発送
 
12月8日
松本謙一氏が回答書で、当時の杉原誠四郎(本名・平田誠四郎)副会長の指示を受けた鈴木尚之事務局長から送られたデータをそのまま使用しただけで、自分は盗用に一切関与も関知もしていないと証言
 
12月10日
「当時の編集長と連絡が取れない」と言っていた「つくる会」の会長・杉原誠四郎(本名・平田誠四郎)が松本謙一氏に電話をかけ謝罪
 
※この年表は盗用自由です。
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