絶版プラモデルやじ馬考古学・ボックスアート美術館(なつかしき50~60年代アメリカプラモの世界)

古き良き時代の絶版プラモを発掘する、インターネット考古学。現在、・ボックスアート美術館にてエレール特別展を開催中!

ペンギンシリーズの意外な事実が! フロッグ・ボックスアートギャラリー

2010年11月15日 | プラモデル

ドイツ軍によるボックスアート輸送大作戦

列車は走り出した。
目的地もわからぬまま…


ベルリン市内でも、まだ爆撃の被害を受けていない
地区を通過した。
あまりに不思議な光景に、言葉も出なかった。
ベルリンは、瓦礫の街と化したのではなかったのか。




かつてパリに輸送したときは、特別仕様の装甲列車が使われた。
しかし、あの装甲列車は今はもうない。
ロシアのパルチザン狩りに投入され、情け無用の戦いを展開し、
そして敵の手に落ちた。
その装甲列車と乗員たちは、八つ裂きにされた。
生き残った者はいなかった。


「この暗号は何だ、クソッタレめ!」

通信兵は、総統司令部からの電文を呪った。
輸送列車の目的地は、キールを皮切りに、
ハンブルク、ヴィルヘルムスハーフェン、
ノルウェーのトロントハイムと二転三転し
しまいには何を血迷ったか、フランスのロリアンと
いってきたのだ。

ロリアン、フランス北西部の軍港だ。
わが軍が確保しているとはいえ、
連合軍に幾重にも包囲されている中を
どうやって突破しろというのか。

電文を受け取った指揮官は、
その場で破り捨てた。

つづく


ペンギンシリーズの意外な事実とは‥‥





ヒコーキだけだと思ってしまうが…

実は、ペンギンシリーズとは、
ヒコーキばかりではない!

ク、クルマだ!




お船もあったりして…















ペンギン、甦る!

世界最初のプラモデル、フロッグのペンギンシリーズは歴史の隅に埋もれて
しまったのだろうか…そんなことを考えると、夜も寝られなくなってしまう私だが、
プラモデルの世界はおもしろいもので、こうした古いキットを甦らせてくれる
奇特な会社が存在したりする。
マーリンモデルというメーカーが、これらの復刻版を発売していたことがある。
表示に「レプリカ」とあるので、オリジナルの金型を使用したものではなく、
現存しているパーツを型どりして、新たに金型を製作したのだろう。









さて…
プラモ登場前のフロッグカタログとは!

プラモデルが世に出る前のフロッグのカタログを
いくつか紹介してみよう。
当時の主流は、「空飛ぶヒコーキ」。
ゴム動力で、実際にプロペラを回転させて飛ぶものだ。
しかも、オモチャというよりは実機に似せた本格的スケール
モデル的なものが売られていた。


1932年

1932年のクリスマスプレゼントはコレだ!
…みたいなノリのカタログ。
「ハイグレードトイ」という文字が、高級感を
漂わせる。事実、当時のヨーロッパでは
模型飛行機を実際に飛ばして、その滞空時間を
競う国際大会が開催されていた。
とくにイギリスはこうした競技がさかんで、イギリス
模型協会主催の国際大会が、1928年からスタート
している。
模型飛行機といえども、オモチャとは違う次元の
ものだったのだ。

1933年


1935年



1936年


1937年

いよいよ「飛ばないヒコーキ」プラモデルが登場してくる。

1938年

この時代は、まだまだプラモよりゴム動力の模型飛行機が主役だった。
カタログの前半は、空飛ぶ模型飛行機のオンパレードだ。






今日的視点だとおそろしく地味なアイテムばかりだが、当時のイギリスではこれはこれで
けっこうメジャーな機体ばかりだといえ
る。
上段左から二番目のホーカー・ハートは、1930年から部隊配備が始まっているが
当時「戦闘機より速い爆撃機」として、世界の注目を浴びた。ちなみに、最高速度は
298km/h。


前にもご紹介したが、ヒコーキ周辺グッズがこの当時もうすでにリリースされて
いる。ある程度ヒコーキプラモがそろえば、今度は支援車両とかに目が向くのは
当然といえば当然だが、この時代に商品化しているということは、このフロッグと
いうメーカーは商品企画という点で、かなり画期的なことをしている。
あとは、周辺グッズを別売とするかプラモのオマケとするかが、企業としての
判断なのだろう。


紙面の中央に無尾翼機が見えるが、現代的なデザインに驚く。
飛行性能はどうだったのだろうか。気になるところだ。


専用のゴム巻き機が見える。私がこどものころは、指を使ってプロペラを
回してゴムを巻いたが、欧米人は合理的というか便利なものを発明して
いる。日本でも、専門店にはあったのだろうが、こどもが徘徊する駄菓子屋
には売っていなかったような気がする。

1939年


次回は、「バトル・オブ・ブリテン」が開始された1940年の
カタログをご紹介しよう。


次回のチラリズム





次回は、11月30日夜の更新予定です。



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