絶版プラモデルやじ馬考古学・ボックスアート美術館(なつかしき50~60年代アメリカプラモの世界)

古き良き時代の絶版プラモを発掘する、インターネット考古学。現在、・ボックスアート美術館にてエレール特別展を開催中!

不屈のジョンブル魂!エアフィックス・ボックスアート美術館Part2

2012年05月15日 | プラモデル

ドイツ軍によるボックスアート輸送大作戦




「急げ、ヤーボが来る前に出発だ」






「火の玉特急だぜ」






「ワシントンの政治家どもは
 一体何を考えているのだ
 プラモデルとかいうオモチャの箱絵を
 奪取するのに、わが精鋭部隊を投入
 するわけにはいかぬ
 ドイツの崩壊は時間の問題だ
 つまらん作戦で無駄な犠牲を出したくない
 この作戦は戦略的に何ら寄与しないゾ」


「閣下、これは大統領命令です
 ご決断を…」


「ナチ野郎の列車を探せ
 最初に見つけた者は
 二週間の特別休暇だ
 パリ娘のキュートな尻が
 拝めるゾ」

つづく



不屈のジョンブル魂!
エアフィックス・ボックスアート
美術館陸モノ編

エアフィックスはイギリスを代表する
プラモのトップブランドだ。
過去に倒産劇はあったものの、
ブランド名が存続できたことは
プラモ愛好家のはしくれとして
メチャうれしい。

エアフィックスの創業は1939年というから
プラモメーカーとしては老舗中の老舗だ。
当初は玩具の製造を行っていたが
第二次世界大戦後すぐにプラスチック製の
櫛を手がけ、1949年に販売促進用の
組み立て玩具を製造する。
これは、イギリスの農機具メーカーの依頼で
開発したトラクターのプラモで、販促グッズで
あったが、のちに金型製作コスト回収にため、
市販されるようになった。

1954年には帆船のプラモ「ゴールデン・ハインド」を発売するが、
生産コスト削減のため、あるアイデアが採用された。
それは、ビニール袋にパーツ類を入れ、紙のタグでとめるという
超簡易包装で、年配の人にはなつかしいあの袋入りプラモの登場であった。
このキットは、アメリカでボトルシップ用素材として好評を博し
売上も増大した。

1955年、オーロラ1/48スピットファイアを参考に
1/72スケールの同機を開発し、ヒコーキプラモの
分野にも進出した。
その後のエアフィックスの大躍進は、皆さんもご存じの
ことと思う。ヒコーキはもちろんのこと、AFV、艦船など
スケールモデルの世界で確固たる地位を築いた。
一方、1970年半ば頃から玩具メーカーの買収を積極的に行い、
プラモメーカーからイギリス最大の総合玩具メーカーへと成長していった。

また、見落とせない点としてプラモ雑誌「エアフィックスマガジン」の
創刊がある。当時、オモチャ的扱いで低い評価しか与えられていなかった
プラモを、じっくりと時間をかけて楽しむ趣味のひとつとして
世間に認知させていった功績は偉大だ。





エアフィックスのプラモを使った広告映像。
F1プラモの製作風景だが、ドライバーを
組み立てていくと、いつの間にか生身の
人間に変化していくシーンがオモシロイ。
http://www.youtube.com/watch?v=Xsx7af35TdM

エアフィックス広告映像。
プラモのスピットとメッサーが
『バトル・オブ・ブリテン』よろしくドッグファイトを繰り広げる。
http://www.youtube.com/watch?v=KtbVilcwu4M

旧エアフィックス本社跡

Haldane Place London,SW18,UK.
中央の赤丸地点付近が旧エアフィックス本社跡だが、
現在はホテル、レストラン、店舗、貸ビル、エンターテイメント
関連の複合施設となっている。
敷地が広いことから、エアフィックス時代は本社事務所以外に
工場や倉庫もあったのかもしれない。
周囲は住宅地だ。



1/32兵隊さんシリーズ



初期バージョン




1975年公開のアメリカ映画『暁の七人』 ハイドリヒ襲撃シーン。
アントン・ディフリング演じるナチの貴公子(チョッと老けていたが…)は、リアルでよかった。
http://www.youtube.com/watch?v=FhpSaQ05Nts&feature=related

映画『暁の七人』 暗殺メンバーが潜む教会に、SS部隊が襲撃。
激しい教会内バトル。ドイツ側、死傷者続出!
http://www.youtube.com/watch?v=9ui9BeQ4IVA&feature=related

映画『暁の七人』 教会地下室に立てこもった暗殺メンバーとSS部隊との銃撃戦。
ドイツ側の水攻めで絶体絶命。
http://www.youtube.com/watch?v=vG_aVwKpCf0&feature=related

映画『暁の七人』 全編を見たい人はこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=LkwVGqqqSGE&feature=related













初期のシリーズから大日本帝国陸軍の勇敢なる兵士が
リリースされていたのは嬉しい。
エアフィックスとしては、かつて大英帝国に敵対して
直接ドンパチやった相手なので、無視するわけには
いかなかったのだろうが、少なくともある程度の需要も見込まれるので
発売したのだろう。
イギリスのモデラーからすれば、やはり斬られ役が必要ということか。
しかし、同じ枢軸国側であったイタリアについては、このときは
リリースされていない。
北アフリカで戦った相手なのに、イタリア軍とは所詮
その程度の存在なのか。

南京攻略戦と入城式の模様を伝える当時のニュース映画。
http://www.youtube.com/watch?v=-ogS_LgyodI

日本軍による香港攻略を伝える当時のニュース映画より
http://www.youtube.com/watch?v=JouDlQ5hG5E

太平洋戦争初頭、日本軍捕虜となったアメリカ軍将兵の姿を
伝える当時のニュース映画。やらせなのかもしれないが、
映像で見る捕虜たちの表情は意外と明るい。
http://www.youtube.com/watch?v=a7ZLUPKou2s&feature=relmfu

















コーネリアス・ライアンの著書『遙かなる橋』を映画化したのが、
1977年公開の『遠すぎた橋』で、橋を巡る英独の攻防シーンが見せ場のひとつ。
http://www.youtube.com/watch?v=yiiUJ4sDuX0&feature=related

映画『遠すぎた橋』 イギリス空挺部隊の降下シーン。
http://www.youtube.com/watch?v=lfv-19f8ZG8&feature=related

映画『遠すぎた橋』 全編を見たい人はこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=BH0uC2XUuaA&feature=related








いかにもサッカー王国らしいアイテムだ。



1973年バージョン








































1974~75年バージョン



















こちらは、同じアメリカ兵でもカスター将軍率いる
第7騎兵隊。

Wikipedia
カスター将軍ご本人




騎兵隊といえば、その敵役はインディアン。
モデル化はきわめて珍しい。





1976年バージョン








ドイツ語バージョン




一瞬アメリカ兵かと思ってしまうが、
手にした手榴弾で西ドイツ(なつかしい響きだ)の兵士だと
わかる次第。
でも、戦後も引き続き「ジャガイモつぶし」型手榴弾を
使用していたのだろうか。


ドイツ語バージョン




















グルカ兵のトレードマークである湾曲した特徴ある
短刀、ククリナイフもシッカリ描かれている。







1977年バージョン




























1978年バージョン
 





















1980~81年バージョン












日本兵と同じ巻ゲートル姿だが、あまりダサさを
感じさせないのは、軍服のデザインが優れている
からか。

























1983~84年バージョン












1986年バージョン






























1995年バージョン

ハンブロールの傘下に入った
ときのもの。
スナック菓子感覚の包装で、
パーツがビニール袋にドサッと
入っていた。

2009~10年バージョン




ドイツ兵といえば…

かつてエッシーが発売していた
大ドイツ師団・装甲擲弾兵の
ボックスアートが気に入っている。
エアフィックスとは関係ないけど…























さらに、エアフィックス1/32ものでまたまた発見!
ポスター風ボックスアート




オマケ
エアフィックスでは、動物モノも発売していた。
なかでも動物園関連はチョッと異色。



レトロな絵本を見るような雰囲気だ。
仲良し兄妹(だと思う)を動物たちが
迎える光景は、ほのぼのとしていて良い。
二人の楽しそうな表情がいきいきと
していて、平和でいい。
今風にいうなら、ヒガアロハのほのぼの系ギャグ漫画『しろくまカフェ』の
世界ではないかと思う。





その他、動物モノ





東宝の怪獣ラドンではありません。
実在した翼竜プテラノドンのプラモ。


イギリスBBCのテレビアニメシリーズ『ひつじのショーン』は、
日本でもNHK教育テレビで放送している。
主人公のショーン、牧羊犬のビッツァー、そしてトラクターが
モデル化されている。

次回の更新は、6月15日夜の予定。