絶版プラモデルやじ馬考古学・ボックスアート美術館(なつかしき50~60年代アメリカプラモの世界)

古き良き時代の絶版プラモを発掘する、インターネット考古学。現在、・ボックスアート美術館にてエレール特別展を開催中!

プラモよ あれが巴里の灯だ!エレール・ボックスアート美術館Part2

2015年09月30日 | プラモデル

アメリカ軍によるボックスアート奪還大作戦
       ※このストーリーはフィクションです







「ヤンキーどもが
 逃げていくぞ」


「追え 戦車で蹂躙だ」










「命中!!

つづく

それは
印象派絵画だった!













モラーヌ・ソルニエ MS.406モノホン画像

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実機映像

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モーターカノン発射シーンが
見られる貴重な映像。
画像ではイマイチわかりにくいが、
手前の機体のスピンナー先端部分から
発射炎が確認できる。
動画はこちら!
https://www.youtube.com/watch?v=Q5IhYRTeSm4



















エレールのボックスアートは、他国にはない
特徴がある。とくに1960年代にリリースされた
キットについては、それが顕著だ。
いわばフランス印象派絵画を思い起こさせる
ような作品が多いのだ。

色彩は抑えられ、色鮮やかなアメリカの
ボックスアートとは対照的である。
背景などはちょっとピントを甘くした感の
ある独特な描き方で、はっきりとした線を
用いず多少荒めのタッチでソフトな印象
なのが特徴だ。
このアーティストは、フランス印象派絵画の
影響を受けた人物なのでは…?などと
思ったりもしてしまう。

参考 印象派絵画

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モノホン画像

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国産もあるでよヨー









ドイツ空軍カラーだと、印象が
かなり違ってくる。
ハインケルHe100もどき風の
雰囲気が感じられる(余計な話だが)。

ハインケルHe100モノホン画像

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リンドバーグからリリースされていたナ




MPMもあったゾ!


ハインケルHe100実機映像
https://www.youtube.com/watch?v=hPzw3LNPgpU





オヤ?ドイツ機も…




Bf108といえば…

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安全なパリの司令部から発せられる無茶な
命令に対して吼えまくるヨーゼフ・プリラー(ハインツ・ラインケ)。
彼の後方にはBf108の姿がチラリ…


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映画『史上最大の作戦』より
上陸した連合軍部隊に
機銃掃射を敢行する有名なシーン。


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突然の銃撃に
右往左往する連合軍兵士ら。
彼らの頭をかすめるような
地上スレスレ飛行が印象的。
実際の戦闘ではFW190が攻撃したそうだが、
映画ではドイツ戦闘機風のBf108でも
エエじゃんという気がする。


YouTube


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フランス製Bf108のノール・パングァン。
ドイツ占領下のフランスではBf108の
生産が行われていたが、ドイツの勢力が
駆逐されると自国のエンジンを搭載した
Bf108を引き続き生産した。
これがノール・パングァンと呼ばれる機体。

映画『史上最大の作戦』における
プリラーの地上攻撃シーン。
https://www.youtube.com/watch?v=oTBjqppPCRk


のコラボ
オーロラエレール提携品

かつてオーロラはエレール製品を
発売していたことがある。
「Prestige Series」と銘打ったもので、
王冠をデザインしたシリーズ名とオーロラの
ロゴをあしらったパッケージだったが、
エレールとの提携をアピールするためか
基本的には従来のエレールと同じ
ボックスアートが使用された。

























ノルマンディ・ニーメン?







Dailymotion
1960年公開フランス・ソ連合作映画『ノルマンディ・ニーメン』Part1
http://www.dailymotion.com/video/x1bo2bo_normandie-niemen-partie-1_shortfilms

『ノルマンディ・ニーメン』Part2
http://www.dailymotion.com/video/x1boi5p_normandie-niemen-partie-2_shortfilms


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『ヨーロッパの解放・大包囲撃滅作戦』にも
ノルマンディ・ニーメンのエピソードがあった。
再生開始後47分45秒あたりから登場する。

https://www.youtube.com/watch?v=O-dbgLHIUa0

上の画像は同映画のソ連軍とノルマンディ・ニーメン(右)の
パイロット。飛行服ではないが、両者の制服デザインの
違いがわかる。
なんとなく野暮ったいソ連軍に対し、センスのよさが
光るのはフランスというお国柄からか。


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ノルマンディ・ニーメンが所属
するソ連軍飛行場の女性スタッフ。
殺伐とした戦争映画にならないよう
配慮した観客向けサービスか。


ソ連軍の女性兵士といえば、
このボックスアートを思い出す。
大西先生の腕が冴えすぎて
中央の女性がホントに輝いて見えた。
ドキドキしながら中身を見たら、
女性のプラモがあまりにショボすぎて
ガッカリした人も多いのでは?


一見地味な印象の戦闘機だが、
モデル化されている(ただしYak-9だが)。
老舗のエアフィックスでも
しっかり発売している。



ジャパニーズ製も…ネ





あらっ!
なつかしいこと。
ニチモの世界傑作戦闘機シリーズでは
ありませんか!

ニチモのプラモデルで
実機の存在を知った。
当時、小学生だった私は
スピットファイアーもどきの
ヒコーキだな…くらいの
認識しかなかった。

脱線するが、ニチモの
1/72前後の世界傑作戦闘機シリーズは、
メチャなつかしい。

このシリーズの中で零戦52型は、作っては壊し
作っては壊しの繰り返しで
いくつも買った。

数ある零戦のボックスアートの中で、
これが一番強烈な印象(あくまで個人的な印象です)。

当時は可動プラモが全盛で、
脚が引き込み可能だとか、方向舵が
動きます的なものが多かった。
子供が喜ぶと思ったのか、それとも
リアリズムを狙ったのかは知らないが
そんな作りのキットが多かった。

しかし、これらがスムーズに動く
ようにするには、子供には限りなく
不可能のように思われた。
そんなガタの温床になりやすい
ところをスッパリと捨て、可動部を
廃したニチモの零戦52型は、パーツ構成が
シンプルで製作が容易で、完成品の見た目も
スッキリとした仕上がりだった。

これは半オモチャ的プラモが多かった当時の
国産プラモのなかでは画期的なことであり、
100円プラモとはいいながらも日本の
本格的スケールモデルのはしりとして
大いに評価している。


可動部を廃して、必要最小限のパーツで
まとめ上げた零戦のプラモで、オジサンモデラーには
印象的なものとしてレベルの1/72キットがある。

当初、240円という価格だったが、グンゼが
100円で販売してからは小学生だった私にも
買えるようになり、本格的スケールモデルを
体験できるようになった。
この零戦は、いまの目で見ると怪しげな部分も
多々あるのだが、細かく丁寧に打たれたリベットなど
リアルさを追求したプラモとして記憶に残る。

再びニチモの話















こちらは1/120スケールのプラペットシリーズ






再びエレールの話






























P-51が登場する映画といえば…


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1956年公開のアメリカ映画
『大空の凱歌』が思い出される。
アメリカ軍のパイロットだった主人公は
WW2時ドイツの孤児院を誤爆して
多数の孤児を死傷させてしまい、
そのことが心の傷として彼を苦しめていた。

やがて朝鮮戦争が勃発すると、韓国空軍の
訓練教官として戦地に赴くのだが、そこで
戦火に巻き込まれた多くの孤児たちを
見つけ、救出に奔走するという話だった。


Dailymotion
朝鮮戦争におけるアメリカ軍の活躍を
描いた航空映画といえば、空軍ものでは
F-86、海軍ものではF9Fパンサーが
よく登場するが、この映画では韓国空軍
仕様のP-51なのが珍しい。


Dailymotion
北朝鮮の戦闘機と思われる機体の
攻撃に対して、緊急発進をするP-51。
敵機役をしていたのは、おそらく
ノースアメリカンT-28練習機。

T-28練習機

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Dailymotion
孤児たちを救出するために飛来したC-119。
現在からすれば、なんとも古色蒼然とした
スタイルだが、昭和30年代生まれのオジサンには
なつかしい機体だ。
ただ、実際の救出にはC-119ではなくC-54スカイマスターが
使用されていたらしい。

C-54スカイマスター

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C-119といえば、やはりオーロラのプラモが
印象的。大きなパーツがガラガラ入っている
キットで出来もイマイチだったが、C-119の
独特なスタイルを楽しむにはよかった。

この映画は実話に基づいており、
原作が存在する。

映画の原作が、コレ
写真の人物は、劇中
ロック・ハドソンが演じていた
ディーン・ヘス本人。


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孤児たちとヘス(中央の略帽スタイルの人物)。


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ヘスは原作の印税と映画化による収入を
使って、1961年に韓国のソウルに
孤児施設を開設した。
上の画像はその施設を
撮影したもの。
その立派さに驚いてしまう。
のちに韓国政府はヘスを叙勲し、
その功績を称えた。

『大空の凱歌』前編
http://www.dailymotion.com/video/x1dkxbv_battle-hymn-1957-1-2_lifestyle#from=embediframe

『大空の凱歌』後編
http://www.dailymotion.com/video/x1dky90_battle-hymn-1957-2-2_lifestyle































またもや…
Me109といえば

Wikipedia
1957年公開の西ドイツ(西…が時代を感じさせる)映画
『撃墜王アフリカの星』といえば、いわずと知れた
ハンス・ヨアヒム・マルセイユの伝記映画。
ハリウッド製戦争映画と異なり、登場する
ドイツ軍人たちがドイツの俳優で、ちゃんと
ドイツ語をしゃべっているところがいい。

また、マルセイユの愛機もよくありがちな
アメリカ製戦闘機にドイツ軍のマーキングを
施しただけというお手軽メッサーシュミットにせず、
スペイン製ではあるけれど一応オリジナル・メッサーの
血が流れる機体を使用しているところも
好感がもてる。


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ご本人の有名な写真。


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スペイン製の機体は機首部分を除けば
オリジナルのメッサーと同じなので、それほど
違和感はない。


YouTube


YouTube
「君たちもパイロットにならないか」
ドイツ空軍の少年航空兵募集用ポスターに
出てきそうな画像だ。

有名なJG27のエンブレムも
ちゃんと再現されているのがうれしい。

実機は近くで見ると、けっこうゴツイ造り
なのがわかる。実物のもつ質感というのは、
プラモではなかなかわからないものだ。


YouTube
劇中登場したシュトルヒ






ドイツ空軍の写真雑誌
「デァ・アードラー」の表紙を
飾ったマルセイユ。

『撃墜王アフリカの星』を全編見るには…
https://www.youtube.com/watch?v=b7IyZg1IzxM

『撃墜王アフリカの星』テーマ曲、サウンドトラック盤。
異国情緒あふれる曲の雰囲気が、アフリカの星・マルセイユの
伝説性をさらに高めている。
https://www.youtube.com/watch?v=Q_kMydI1Sd4























オマケ

たまたまYouTubeで発見したマルサンのカタログ集。
なつかしいプラモばかりだ。

YouTube
マルサンのボックスアートといえば、
巨匠・橋本喜久男氏の作品が
目に浮かぶ。

当時の航空絵画の第一人者であり、
マルサンのボックスアートはいうに及ばず
同社の航空機プラモ基本図面を制作するなど
多面的な活躍をされていた。

1970年代の雑誌『航空ファン』では、
豪華な大判カラー側面図の制作で活躍した。
また、グンゼ・レベル時代の1/32スケール
航空機プラモでは資料としてカラー側面図が
付属したが、これも橋本氏の作品であり
従来のプラモにはない新鮮な驚きがあった。

https://www.youtube.com/watch?v=sVop_YMQtBY


YouTube
勇ましい戦闘シーンではなく、
タンカーから給油中の風景を
描いたところは、日本のボックスアートでは
珍しい。力強いタッチはなんだか
ジョン・スティール先生が手がけた
レベルの艦船プラモ・ボックスアートを
彷彿させる。

艦船のボックスアートならば、
艦全体を描くのが普通だが、ここでは
意図的に艦橋部分を中心に描くところが
大胆でもあり、意表をつく手法だ。
艦橋付近の複雑な構造をダイナミックに
表現し、巨大戦艦のもつ重厚感、安定感を
たくみに再現しているところが素晴らしい。

https://www.youtube.com/watch?v=o3j1raEZy1g



Google Earth
かつてマルサンがあったと
思われる場所周辺映像。
東京都台東区浅草寿町1-12(当時の
住所)のマルサン本店の写真が
下記文献に掲載されていたが、
木造2階建てのいかにも古そうな
建物だった。


マルサンを知るには
手ごろな資料といえる。

さらに…
オマケのオマケ

プラモデルの製造過程を紹介した
タミヤの会社案内映像。
一見地味と思われる作業の連続によって、
ようやく店頭に並ぶプラモデル。
あまり知られることのないプラモデル・メーカーの
内側を描いたものとして、とても興味深い。


YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=pCh6_JXJoeY

次回の更新は、12月31日夜の予定です。