絶版プラモデルやじ馬考古学・ボックスアート美術館(なつかしき50~60年代アメリカプラモの世界)

古き良き時代の絶版プラモを発掘する、インターネット考古学。現在、・ボックスアート美術館にてエレール特別展を開催中!

フロッグといったら、ヤッパこれ!PartⅢ フロッグ・ボックスアートギャラリー

2011年01月31日 | プラモデル

ドイツ軍によるボックスアート輸送大作戦

「鉄道はダメです。ことごとく破壊されました」 

「あれを使うしかないだろう。私が、総統の許可をとる。
 列車を至急ベルリンに呼び戻せ」



「最初から使えば、こんな失態はなかったぞ。
 またしても怠慢が繰り返された。

 輸送作戦を立案した者は誰か!
 一兵卒に降格のうえ、総統大本営の便所掃除を命ずる!
 いますぐだ!!」


1940年8月26日、イギリスはベルリンに対する
初空襲を敢行した。
被害は比較的少なかったが、総統の受けた衝撃は
計り知れないものがあった。



総統は、若き建築家アルベルト・シュぺーアに
爆撃にも耐える鉄道用地下トンネルの建設を命じた。
これをドイツ全土に張り巡らせ、第三帝国の動脈を支えるのだ。


トート機関や国家労働奉仕団に総動員がかけられた。
慢性的な労働力不足を解消するため、ヒトラーユーゲントの
若い力も動員された。


彼らは過酷な条件のもと、突貫工事で完成を急いだ。
1943年以降、ドイツに対する空襲が激化すると、
工事はさらに拍車がかけられた。

しかし、1945年の時点で一部の地下トンネルが完成しただけだった。
繰り返される設計変更、資材不足、労働力不足、さらにはドイツ国内の
あらゆる資源の枯渇が足かせとなってしまったのだ。

しかも総統は、地下トンネルの存在を軍事機密として封印してしまった。
側近の一部の者しか、その存在を知らされていなかった。
使用するにも、そのつど煩雑な総統の特別許可が必要だったのだ。
ベルリンが敵に包囲されようとしている、まさにその瞬間にも…


つづく
地下トンネルの話は、架空です。

フロッグ・ボックスアートギャラリー 



 







ハセガワ・フロッグ提携時代のフロッグ・ボックスアート展示

このときは、ハセガワ製品がフロッグブランドで
発売されていた。
購入した大半のイギリス人は、中身が自国の製品だと
思っていたのではないだろうか。










オマケ・なつかしいハセガワ版ボックスアート









                                                          

        







フロッグのいいところは、自国イギリスばかりでなくモノによってはオーストラリアの
マーキングも楽しめるという点だ。
日本製のプラモで、オーストラリア軍のデカール付というのは、ほとんど見当たらない。
ボックスアートを見ることで、オーストラリアは大英帝国の一員として強い絆で
結ばれていることがよくわかり興味深い。

相当地味なアイテムだが、かつてハセガワ・フロッグブランドで国内生産していたのが思い出される。
どれくらい売れたのか、チョッと気にかかる。





別バージョンのボックスアート。
構図は同じだが、上とはまったくの別モノ。絵の仕上がりは、こちらの方がいい。


レーンウッド先生風ボックスアートがいいな。

もうひとつオマケ

なつかしきハセガワ・フロッグブランドのパッケージ。
タミヤ・MMシリーズのボックスアート風に、背景を白に
している。マルサンの1/50航空機プラモの後期のもの(ボックスサイドが
黒のタイプ)も白の背景だったが、何となく目新しくて新鮮だった。

チョッとひといき イギリスの懐メロ

どうも懐古趣味にドップリ浸かってしまい、申し訳ないです。

髪型や服装に、時代を感じる。
ワシのオカンも、一時期こんなファッションをしていたナ。


ヘレン・シャピロの「悲しきかた想い」を聴きたい方は、こちらへ。
1961年の大ヒット曲!…でも、動画じゃないんだよね。
http://www.youtube.com/watch?v=5I2cG-ed6hw

彼女の古き良きモノクロ動画は…
http://www.youtube.com/watch?v=GvBfm2XPIiw&feature=related

YouTubeやじ馬映像館
当やじ馬考古学が、独断と偏見で選んだ、チョッと気になる映像集。

フェアリー・ガネット実機映像 YouTubeでなければ、多分
映像を見る機会はないかも… 
http://www.youtube.com/watch?v=NhZRVc9SS0M

スーパーセイバー・ゼロ距離発進映像
http://www.youtube.com/watch?v=wDstVGAmI74

スーパーセイバー事故シーン この映像は全編7秒なので、しっかり見るように
http://www.youtube.com/watch?v=NyJkKcXYqSU&NR=1

F-101が世界最高速記録を樹立したことを伝える当時のニュース映画
http://www.youtube.com/watch?v=Zvvzxf4WQZ4

新鋭機F-101の優秀性を伝える1957年アメリカ空軍の記録映画
http://www.youtube.com/watch?v=YcXY38mqQ9E&feature=related

1959年のニュース映画より、F-105初期タイプ飛行映像
http://www.youtube.com/watch?v=-n7df2CjxKA&feature=related

バルティー・ベンジャンス 1941年記録映画より  総天然色だぞ
こんな地味な機体なのに、YouTubeにはチャンと映像があるなんて、すごい!
http://www.youtube.com/watch?v=QBSqai34fr4&feature=related

次回の更新は、2月15日夜の予定。
オーロラ・スロットカーをやりますヨ。


フロッグといったら、ヤッパこれ!PartⅡ フロッグ・ボックスアートギャラリー

2011年01月15日 | プラモデル

ドイツ軍によるボックスアート輸送大作戦

輸送列車は、夜間敵の目を避けつつ、迂回路を爆走した。


「諸君、われわれの目的地は
 ヴィルヘルムスハーフェンと決まった」


しかし、鉄道網はいたるところで破壊されていた。


われわれが進むべきルートには、破壊された車両が
無惨にも横たわっていた。


大型クレーンを持たない輸送部隊には
線路の復旧など、とてもできない相談だ。


かつてパリにボックスアートを輸送したときは、
国防軍全軍による支援作戦があった。
しかし、いまは…何もなかった。
 

 つづく

フロッグ・ボックスアートギャラリー 

 





 
主役がやられている。エンジンも停止し、片肺状態。
銃座から激しく発砲して、敵機に抵抗はするものの
このままでは墜落は時間の問題、まさに絶体絶命のピンチだ。

連合国側の機体でありながら、これだけボコボコにされている絵も
珍しい。敵国ドイツ並みの扱いだ。
でも、所属が自由フランス軍だから、まあいいか…あいつら居候だし、
自国イギリス軍でもないし…そんなイメージがあるから、
ボコボコにされたのだろうか。


「ロレーヌの十字架」をイメージした自由フランス軍のマークが
目新しい。日本では、ド・ゴール将軍が率いる軍隊として知られて
いるが、実際どのような塗装やマーキング類が施されていたのか
ほとんど知られていない。
自由フランス軍を知る資料として、このプラモは貴重だ。


自由フランス軍の国籍マーク

参考資料

「ロレーヌの十字架」が描かれた自由フランス軍旗。

この十字架は、フランスの国民的英雄ジャンヌ・ダルクを
象徴しているともいわれている。
祖国フランスを征服したドイツに対する、抵抗のシンボルでも
あった。まさに「ロレーヌの十字架」VS「カギ十字」の「十字」決戦
だったのだ。


こちらは、対独協力政府
フランス・ヴィシー政権の軍旗。
三色旗をベースにしたデザインは
自由フランス軍と同じだ。


イギリス仕様のヘルキャットは、アメリカ仕様を見慣れた日本人には新鮮だ。
ヤンキースタイル丸出しのヘルキャットだが、イギリス軍の塗装をすると渋くて
トラディショナルな雰囲気になるから不思議だ。

フロッグの好きな点のひとつは、たとえアメリカのヒコーキでも自国イギリスとか
オーストラリア、自由フランスといった日本人には珍しい仕様のデカールをいれて
あることだ。国産プラモでは味わえない楽しさがあって、エエなあ。



スピットファイアーとシャークマウス、珍しい組み合わせだ。
でも、曲線が多く女性的なスタイルのスピットには、あまり似合わないな
…そんな気がする。





オーストラリア軍の国籍マーク
(WWⅡ時)



現行タイプは、中央にカンガルーが
描かれている。




ハセガワ・フロッグ版で、国内でも流通していたのを思い出す。
昔も今も日本のメーカーでは、とてもモデル化しないような地味な機体では
あるけれど、プラモがあったおかげで実機の存在を知ることになったのは、
よかったと思う。
このようなケースは、割と多いのではないか…




ポルトガル軍の国籍マークが珍しい。
ハセガワ・フロッグ版でも、確かこのデカールが入っていたと記憶する。
フロッグとの提携により、イギリス製のプラモがとても身近になり、当時金欠病の
中学生だった私には、懐に優しいプラモの出現は大変助かったものだ。
純国産プラモにはない驚きや楽しさが多々あって、とても新鮮だった。



ポルトガル軍の国籍マーク

キリスト騎士団の十字をデザインしている。
こうやってみると、十字の国籍マークは
ドイツの専売特許ではないことがわかる。




インドシナ戦争時のフランス軍バージョンが珍しい。

オマケ



機体に補助ロケットや爆弾、増槽などフル装備の物々しさがよかったナ。

YouTubeやじ馬映像館
当やじ馬考古学が、独断と偏見で選んだ、チョッと気になる映像集。

アラドAr234実機映像 そり付機体は、着陸がメチャ恐そう。
http://www.youtube.com/watch?v=o6oxQYECkgQ&feature=related

世界最初のジェット機ハインケルHe178飛行映像
http://www.youtube.com/watch?v=5oCdKGnWWxc

さらに、出血大サービス!

カナダ航空雑誌の
  レーンウッド先生特集記事
              日本初公開!






























こんな特集記事を、日本の雑誌でもやってくれないかなー!

プラモ・ボックスアート以外の、先生の作品。





先生は航空機ばかりでなく、このような絵も手がけている。
「ノアの方舟」を翻弄する洪水の表現がすばらしい。
このリアルな筆さばきは、往年のレベル艦船プラモのボックスアート
以上に冴えている。


プラモのボックスアートに
書かれたサインは、小さすぎて
判読しにくかったが、拡大して
みると特徴あるサインがよくわかる。

次回の更新は、1月31日夜の予定。


ボックスアート美術館からのお知らせ

2011年01月14日 | プラモデル

新年を迎え、当ブログではさらなるパワーアップを目指し
ガンバリます。
今後の掲載予定を、アバウトながらお知らせしますので、
ご期待ください。

オーロラ・スロットカーの世界

スロットカー自体は、手のひらサイズなのだが、ビッグスケールものに
匹敵するような迫力を感じさせる。
この絵を見た子どもたちは、もうイチコロだろう。






サーキットの雰囲気を伝える絵がイイ。
男の子なら、見た瞬間にワクワクドキドキすること請け合いだ。
イラストレーターの職人技が光る一枚だ。




ジオラマ風に作られたサーキットに、購買欲がそそられる。
子どもをその気にさせるオーロラの広告手腕は、いつ見てもすばらしい。




アメコミ風広告というのは、オーロラばかりでなく
レベルやモノグラムを始めとした各メーカーが
よくやっていた。
いかにも広告ですよ、といったものよりアメコミに
した方が、子どもたちには抵抗感なく受け入れて
もらえたのだろう。

アメリカのソリッドモデル

1950年代前半のアメリカでは、ヒコーキモデルといえばソリッドモデルが
主流だった。日本では取り上げられることのない、この時代のソリッド
モデルを取り上げる。モノグラムを始め、有名無名各メーカーの
ボックスアート・インストを一挙ご紹介。本邦初公開!

モノグラムは元々ソリッドモデルの販売をしていた。
プラモデルメーカーのモノグラムをご存じの方は多いと思うが、
ソリッドモデルメーカーとしては、どうだったのだろうか。
未知なる世界が、いま明かされる!

スピーデイビルト・シリーズ

メーカーロゴが異なるバージョンを、ふたつご紹介。
上のロゴはごくごく初期のもので、日本ではほとんど知られていないタイプ。



ヒコーキを持つ少年が描かれた初期のロゴ。
日本でおなじみのモノグラム商標は、このロゴの次のタイプで
少年のイラストや全体のデザインが、より洗練されている。

















上のシリーズとは別モノ

1952年発売のF-84サンダージェット。




一見プラモのように見えるが、胴体や主翼などの主要パーツはバルサ材でできている。
従来のソリッドモデルなら木材を削るなどして、自分で加工しなければいけないのだが、
消費者に配慮して最初から成形してあるのはうれしい点だ。
木材では作ることが困難な車輪などの小物パーツにいたっては、プラ製にするなど
細かいところまで神経が行き届いているのが、すばらしい。





完成品を見ると、プラモとそれほど変わらない精度に驚かされる。

もう一つの老舗・リンドバーグ

当時のプラモがわかるイラストによる商品一覧。



























アメリカ中小メーカーのボックスアート
中小メーカーでも、なかなかイイ絵があるゾ!

ITC


ホビータイムス


ストロンベッカー


コメット


IMC
などなど…

当ブログを、今後ともよろしくお願いいたします。

フロッグものは、まだ続きます。