絶版プラモデルやじ馬考古学・ボックスアート美術館(なつかしき50~60年代アメリカプラモの世界)

古き良き時代の絶版プラモを発掘する、インターネット考古学。現在、・ボックスアート美術館にてエレール特別展を開催中!

不屈のジョンブル魂!エアフィックス・ボックスアート美術館Part12

2013年07月31日 | プラモデル

ドイツ軍によるボックスアート輸送大作戦


「罠か?」






「見ろ!スコルツェニーだぞ」



Sieg Heil!



Sieg Heil!
           Sieg Heil!
                       Sieg Heil!


駆逐戦車が猛スピードでやって来た
われわれは戦友の姿を見て歓喜した


総統は約束を守ったのだ
ドイツ第三帝国の国家的財産を敵の手に渡さぬため
彼らは現場にはせ参じたのだった




GIの格好をした特殊部隊員に
感謝の気持ちを伝えた
彼らは危険を承知で飛び込んできたのだ

つづく


不屈のジョンブル魂!
エアフィックス・ボックスアート
美術館











★ライバル・プラモ



機体に迷彩塗装を施すと、かなり印象が違ってくる。
これはベトナム戦争便乗商品だが、戦争はときとしてプラモメーカーに
売上増大のチャンスを与えることがある。
古いキットのリニューアルには、いまドンパチやっている
戦争に便乗することが大切で、ときとしてお客さんに対するインパクトを
強める効果が期待される。


Wikipedia

…こ、これは!?

USAF
B-57を撮影したら、ナントUFOが紛れ込んでいたという
有名な写真。
円盤といわれれば、そんな気もしないではないが
実際はネガのキズが原因らしい。









































★ライバル・プラモ

飛行甲板上のファントムを描いたものとしては
1965年に発売したレベル1/72がある。
グンゼ・レベルでも同一のパッケージデザインで
発売していたので、ご存じの方もいることと思う。







★ライバル・プラモ

お尻から核爆弾を放出するギミックが
オモシロい。
リアルな手をわざわざ描いて、ここを押すと
ギミックが楽しめますという表示方法は
わかりやすくて親切ではあるが古さを感じる。










ハセガワの旧ロゴタイプがなつかしい。


US NAVY

ヴィジランティの発艦・着艦・飛行映像。
http://www.youtube.com/watch?v=oYR8QByIOKY













★ライバル・プラモ

日本では地味な存在のG91だが、タミヤでも
1/100スケールで発売していた。
実機自体小柄な機体なので、完成すると
じつにカワイイものとなる。






背景のロンドン市街もイイ感じに描かれている。


1957年(昭和32年ですゾ!)、世界最初のVTOL旅客機と銘打って
イギリス航空界の期待の星として華々しくデビューした本機だったが
運行コストや騒音、操縦の難しさなどがネックとなって実用化されずに
消えてしまった。
当時、未来の乗り物として航空界をにぎわしたが運行コストや騒音が
足を引っ張ったという点は、のちの超音速旅客機コンコルドの運命を
暗示(考えすぎか)しているようで興味深い。

★ライバル・プラモ

本家イギリスよりもアメリカのメーカーの方が、カラフルな
パッケージデザインをしている。
LOOKなどと表示してプラモの特長を並べたてているところを
見ると、イギリスには絶対に負けたくないというレベルのメンツが
にじみ出ているのがオモシロい。


世界最初のVTOL旅客機というふれこみは、
アメリカのレベルも動かした。
米英プラモメーカーのライバル対決となったが、肝心の本機が
開発中止になってしまったため、何となく尻切れトンボ的結末と
なってしまったのが惜しまれる。

フェアリー・ロートダイン実機映像
http://www.youtube.com/watch?v=u4Z1UnRZDyo
















世界最初のジェット旅客機として航空界に
華々しくデビューしたコメットだったが、
繰り返し与圧を受けることで胴体部分の
金属疲労が発生し、空中分解事故を起こした。
徹底的な調査により事故原因が判明し、その
改良型も登場したが、より高性能のボーイング707や
ダグラスDC-8などのアメリカ勢の追い上げにより
販売競争から脱落してしまったのは歴史の皮肉か。

コメット初飛行映像
機体が全面無塗装だと、一風ちがった印象を受ける。
http://www.youtube.com/watch?v=Kd9Qy4q73-M






イギリスの国営航空会社だったBOACも
愛国精神だけでは国際競争に対応できないため、
コメットよりも大型で高速のボーイング707を
導入した。



1955年の707原型機初飛行での珍事映像。
大勢の招待客が見守るなか、ボーイング社初の
大型4発ジェット旅客機が離陸した。
このときのテストパイロットは、きわめて衝撃的な
サプライズを用意していた。
こともあろうに独断で背面飛行をやらかし、招待客の
ド肝をぬいたのだ。
イチバン驚いたのは何も知らないボーイングの社長で、
目前で事故が発生したと勘違いし、思わずオシッコを
チビってしまったとか…
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=CLDr54dlw6s



ケネディ政権時代の大統領専用機映像。
JFKのベルリン訪問、運命のダラス訪問、
そしてワシントンへの無言の帰還まで。
http://www.youtube.com/watch?v=9CKL-k5vatA




































元祖ホバークラフトといえば、イギリスのサンダース・ロー社が
開発したSR-N1が知られている。
見た目は試作機的要素が強いが、イギリス航空界が生み出した
画期的製品には間違いない。
エアフィックスも売れる・売れないにかかわらず、この歴史的機体を
ちゃんとモデル化しているところが素晴らしい。
歴史を重んじるイギリスらしい。


Wikipedia

Wikipedia

日本では知られていないが、イギリスでは1966年より
フェリー運航のホバーロイド社が英仏海峡の高速移動手段として
BHC(ブリティッシュホバークラフト)社製造のホバークラフトを
投入していた。
当初は旅客のみの運行であったが、自動車の搭載が
望まれるようになり、より大型のホバークラフトが
登場した。これがエアフィックスがモデル化したSR.N4
だった。

その後、ホバーロイド社は英仏の国鉄が合弁で設立した
英仏海峡フェリー会社シースピードと合併し、ホバースピード社
として活躍することとなる。
2000年、船体の老朽化によりホバークラフトの運行を
終了した。




ホバーロイド社時代のSR.N4。

日本人にはなじみのない英仏海峡横断ホバークラフトだが、
イギリス人にはメジャーな存在だった。


Wikipedia
ホバースピード社時代のもの。

ド迫力の大型ホバークラフト走行映像。
内部の様子も見られるゾ。
http://www.youtube.com/watch?v=8ddvSMUzNs8














観音開きのカーゴドアが特徴の機体で、
当初旅客機として開発されたが、広い
荷室を利用して乗用車などを搭載し
イギリスとヨーロッパを結ぶ空飛ぶ
カーフェリーとして使用された。

頭でっかちのナマズみたいなユーモラスな
スタイルがおもしろい。

Wikipedia

1986年の映画『ザ・レスキュー』に実機が登場している。
デカ頭ナマズをイメージさせるようなスタイルと固定脚が特徴。
http://www.youtube.com/watch?v=LKH_-WD75Lw&feature=related











エアフィックス広告集
































































































オマケ


イギリス・レベルの広告。
P-39やワイルドキャットのボックスアートは、
日本では知られていないパージョンで興味深い。

★たのしい脱線特別講座 オーロラの狂気…?


1964年にリリースされた
ギロチンプラモは、単発もの
ではなくもともとあるシリーズの
第一弾だった。

パッケージのいちばん上に
「MADAME TUSSAUD'S」という
文字が見えるが、これはきわめて
リアルなろう人形の展示で知られる
ロンドンのマダムタッソーろう人形館の
こと。
このろう人形館の一角に「恐怖の部屋
(CHAMBER OF HORRORS)」と
呼ばれるブースがあり、ここで展示されている
物をモデル化していこうとしたきわめて異色
…いや異常な企画の第一弾が、この
ギロチンだった。

この「恐怖の部屋」にはフランス革命時に
フランス全土に吹き荒れた恐怖政治の
様子が再現されている。
ギロチンによる処刑やらジャコバン派
指導者ロべスピエールの生首(もちろん
ろう人形)やら、はたまた入浴中に刺殺された
ジャコバン派重鎮マラーの暗殺現場
再現やらでなんともすさまじい。
そのなかでメチャ人目を引くギロチンに
オーロラは目をつけたらしい。

他メーカーならモデル化など二の足を
踏むギロチンだが、それを堂々と
やってのけてしまうオーロラに感動する。

なお、この「恐怖の部屋」にはフランス
革命モノ以外に、拷問具・処刑具、
殺人現場の再現、欧米の有名犯罪者
などが展示されている。

パッケージに「マダムタッソーの恐怖の
部屋」と表示されているのは、そういう
理由なのだ。

ところで、このオバチャンは…?

Wikipedia
MADAME TUSSAUD(1761-1850)
ですよ。

このマダムタッソーいう人物はフランス
生まれで、フランス革命期の人物だ。
その卓越したろう人形製作技術により
ときの国王ルイ16世によって召し抱えとなって
おり、ベルサイユ宮殿内に居住していた。

しかし、フランス革命が起きると国王と
関係があったことが裏目となってしまい
革命派に逮捕され、あわやギロチンで処刑
されそうになってしまう。
ところが、芸は身を助けるとは
よくいったもので、そのろう人形技術を
買われてギロチンで処刑された人々の
デスマスク作りを任されるようになったという。
おそらく革命派としては処刑記録(いまなら
写真か)としてデスマスクが必要だったと推測される。
彼女が作ったデスマスクには、彼女の
元雇い主ルイ16世、その他マリー・アントワネット、
ロべスピエールなどもあったそうだ。

その後、混乱の続くフランスを避け、イギリスへ
渡った。イギリス各地で巡回ろう人形展を
行い、最終的にはロンドンに落ち着いたという。






頭部と身体が分離できるようになっており、
切断された頭部がカゴの中にストンと
落ちた状態にできる。


こうゆうゲテモノには、ナゼか燃えるオーロラ。
ギロチンを完璧に再現している。




マダムタッソーろう人形館との契約がないためか
ポーラーライツ版では「マダムタッソー」の文字が
入れられていない。

危ないプラモは
まだあった!


『Aurora Model Kits』

これは昔の「背を伸ばす機械」では
なく、レッキとした拷問具。
「オーストリア式梯子」と呼ばれ、
斜めに置かれているのが特徴。
容疑者の足もとに取り付けられた
巻き取り機を回転させて、身体を
強引に引っ張る仕掛けだ。
自白しなければ、どこかの関節が
脱臼することになる。

オーロラの狂気は、
とどまることを知らない。
エスカレートした先は…


絞首刑にされた人物の
プラモなど、前代未聞だ。
まあ、それがオーロラの
魅力になってくるわけなんだが…


『Aurora Model Kits』

こんなプラモを作り出したのは
オーロラくらいだろう。
店頭で買うには、チョッと勇気が
いる。
でも、いまのようなネット販売だったら
意外に売れるのではないだろうか。

なお余談だが、オーロラでは
電気イスの開発計画もあり
実際図面も製作されていた。
しかし、諸般の事情で中止と
なっている(当然か…)。


Wikipedia

上のイラストは、オーロラの電気イス・プラモとは
関係ないが、もし商品化したとすればイラストのように
イスと死刑囚をセットにしたものだろう(私の勝手な
想像だが)。

 次回の更新は、9月30日夜の予定。



1950年代のアメ車(ホンモノ)広告集だよーん!