絶版プラモデルやじ馬考古学・ボックスアート美術館(なつかしき50~60年代アメリカプラモの世界)

古き良き時代の絶版プラモを発掘する、インターネット考古学。現在、・ボックスアート美術館にてエレール特別展を開催中!

プラモよ あれが巴里の灯だ!エレール・ボックスアート美術館Part5

2016年04月01日 | プラモデル

アメリカ軍によるボックスアート奪還大作戦
       ※このストーリーはフィクションです




駐米ソ連大使館


「合衆国政府はキューバ国内の
貴国部隊の戦闘を即刻停止するよう
強く求める」


「戦闘ですと?
 とんでもない
 あれは単なる事故です
 極度の緊張状態に事故はつきものです
 それより貴国の上陸部隊はキューバの
 山中で何をしているのか」


「墜落した偵察機の乗員を
 救助しているのです
 現在撤収中です

 どうです
 この辺でお互いの平和共存の道を
 話し合いませんか」








「救援を要請しろ
   全滅しちまうゾ!」


「フィデルに報告だ
   帝国主義者どもを一掃しつつありと」

つづく
Thirteen Days
キューバ危機におけるアメリカ政府内の動きを
描いた映画。Full Movieで、もっと高画像のものが
YouTubeにあったのだが、残念ながら削除されてしまった。
画質はかなり落ちるが、これでガマンしてちょ! 
https://www.youtube.com/watch?v=skrksTTxw9Y

我らの海軍
クリーグスマリーネ


KRIEGSMARINE - DIE FLOTTENMARSCH
ドイツ版軍艦行進曲
https://www.youtube.com/watch?v=-rnfNlNN2qw





Uボートのプラモといえば、
やっぱこれだナ~。


高荷先生の筆が冴える。
荒れた海にUボートは似合う(?)。

チョッと毛色の変わった奴だが…

内部構造がしっかり再現された潜水艦
プラモは、かつて同社のポラリス潜水艦を
知る者にとっては、ある意味なつかしさを感じる。

Uボートとはいっても
水中高速性を追求したデザインは
従来のUボートと異なり、現代的で
洗練されている。
備砲を廃止して、対空機銃も
流線形のカバーをつけて艦橋と
一体化するなど斬新なスタイルが
印象的。

U-Boat Lied(Uボートの歌)
Uボート総天然色映像付!
https://www.youtube.com/watch?v=kYWTt1HuSMc

潜水艦といえば…脱線編

かつて潜水艦をテーマとした
海洋冒険漫画があった。
タイトルは『サブマリン707』。
週刊少年サンデーに昭和38年(1963年)から
昭和40年(1965年)までの期間に連載された
人気漫画で、当時としてはかなりマニアックな内容で
一見地味な存在の潜水艦が海中を縦横無尽に走り回り、
魚雷を派手に撃ちまくるところが画期的だった。
潜水艦とその乗組員を主人公にした漫画は、
おそらくこれが最初だったと思う。

この漫画には「サブマリン教室」という潜水艦に関する
ミニ解説記事があって、ストーリーの中で登場する兵器やメカ、
用語の説明がされていた。
ホーミング魚雷とかシュノーケルが
どのようなものなのか年少者にもわかるように
イラスト付でやさしく書かれていたのは、印象的だった。
ちなみにホーミング魚雷というものは、この漫画で知った。

秋田書店『サブマリン707』


秋田書店『サブマリン707』


秋田書店『サブマリン707』

また、セリフの中で何気なく使われる軍隊用語では
「くわれた」が撃沈された意味だ…なんて
さりげなく説明されていたりすると、子供にとっては
非日常的な軍隊用語がとても新鮮なものに感じられた。

秋田書店『サブマリン707』


初代707






二代目707

















707
プラモといえば
イマイだった



漫画の世界の潜水艦なのに
高荷先生の手にかかると
あたかも実在するかのような
リアルな絵になる。
この力量はすばらしい。




707といい、ジュニアといい
男の子にとってはお風呂遊びの
重要なアイテムとなったことに
疑いの余地はない。

とくにジュニアは先端に装備された
スクリューが、あたかもレシプロ戦闘機を
イメージさせ、軽快感やらスピード感を与えた。
しかし実際は、当時の国産プラモで潜水艦の動力源といえば
定番のゴム動力だったので、水中速度はたいしたことはなかった。

初代707のモデルは
これだ!

Wikipedia
アメリカのガトー級潜水艦ミンゴを戦後に日本が
譲り受け、「くろしお」として運用した。
この艦が707のモデルといわれている。

もとに戻ると



タミヤもあるでよー



海面に対し垂直の艦首形状をした
改修前のバージョンをモデル化している。
艦首が前方に突き出た精悍なスタイルを
見慣れているせいか、何となく旧式感が
漂うと感じるのは私だけか。


シャルンホルストが撃沈された北岬沖海戦(1943年12月26日)に
参加していたイギリス軽巡洋艦ベルファーストのプラモ。
ちなみに北岬とはノルウェー最北端付近の岬のこと。


こちらは姉妹艦のグナイゼナウ。




シャルンホルストとグナイゼナウの
最大の殊勲は、1940年6月8日の
ノルウェー沖海戦においてイギリス空母
グローリアスを砲撃で撃沈したことだろう。


グローリアスの同型艦カレイジャスのプラモ。
二段式飛行甲板などモロ旧式感が漂うが
艦橋構造と煙突を一体化したスタイルは、
なかなか現代的。


Wikipedia
上のボックスアートは、この写真を手本に
描かれた(?)かどうかは知らない。
参考までに。


YouTube
ノルウェー沖海戦におけるシャルンホルストと
グナイゼナウの活躍映像。
Scharnhorst & Gneisenau VS british aircraft carrier
Glorious - June 1940
https://www.youtube.com/watch?v=np3Dwzl2_5A



エレールの数ある艦船ボックスアートの中でも
秀逸な作品。
夕陽(だと思うが)と軍艦という組み合わせが
フランス印象派絵画風タッチと相まって、素晴らしい!

参考

同じく夕陽が美しいボックスアート。
当初はハワイ沖の風景かと思っていたが、
本艦は飛行甲板がアングルド・デッキ化される前までは
地中海方面に配備されていたので、南フランスあたりの風景かと
勝手に想像している。



参考文献


ドイツ海軍の看板といったら
やっぱコレでしょ!



ビスマルクにとって致命傷となった
右舷後部魚雷命中のシーンを描いた
ボックスアート。
この魚雷攻撃でビスマルクはスクリューと
舵に損傷を受け、艦内に大量の浸水が生じてしまった。
この結果、速力が出せずイギリス艦隊に捕捉
されてしまう。





エアフィックスでもレベルと同じような
イギリス艦載機との戦闘を描いたボックスアートが
存在する。
ビスマルク追撃戦では同艦が撃沈されるきっかけを
つくった象徴的な戦闘であり、自らを守る海上航空戦力を
もたない艦船にとって、いかに旧式な艦載機とはいえ
航空機が危険な存在であることを知らしめた戦闘でもあった。
これと同様のことが、のちの日本海軍の艦艇に降りかかる
こととなる。
嗚呼!歴史は繰り返す…





旧式機と侮ると大ケガするゾ
必殺の雷撃機


見た目の旧式さとは裏腹に、ロケット弾という
飛び道具を装備しているのがスゴイ!











ビスマルクとプリンス・オブ・ウエールズが
対決したデンマーク海峡海戦(1941年5月24日)に
参加していたのが重巡洋艦サフォーク。
3本煙突が何ともレトロ感たっぷりだが、この
海戦ではビスマルク、プリンツ・オイゲンと
砲撃を交わした。
結果は、プリンス・オブ・ウエールズは被弾し
離脱、巡洋戦艦フッド轟沈というドイツ側の勝利に終わった。

参考文献



YouTube
『ビスマルク号を撃沈せよ!』
 Die letzte Fahrt der Bismarck 1960。
Sink The Bismarck のドイツ語バージョン。
やっぱ、ドイツ軍将兵はドイツ語でしゃべらなければ
見ていてシラケてしまうゾ。
https://www.youtube.com/watch?v=kqfUPWdLxvU





ダズル迷彩が楽しい
ボックスアート各種


ノルウェーのフィヨルド奥深くに潜んだ
「北海の孤独な女王」テルピッツが
空爆を受けるシーンを描いた
ボックスアートはなかなか印象的だ。
背景の山々も神秘的な北欧の雰囲気が出ていて
秀逸。








艦の輪郭や速度、進行方向を惑わすために
施されたダズル迷彩が見ていて楽しい。
戦艦にこれだけ完璧に施されたということは、
本艦がいかに「虎の子」だったかという証拠
なのかもしれない。


Wikipedia
ホンモノ画像

参考文献

「北海の孤独な女王」テルピッツを
倒すべく、海と空から執拗な攻撃を
続けるイギリスとそれを阻止しようとする
ドイツの壮絶な戦いが描かれている。

映画もあったゾ

Wikipedia


Dailymotion
『潜水戦隊帰投せず 』1955年公開
Above Us The Waves
イギリスの豆潜水艇によるテルピッツ攻撃を
描いた映画。X艇の内部構造などがわかり、
いろいろ勉強になる。

Above Us The Waves part 1
http://www.dailymotion.com/video/x2402h6_above-us-the-waves-part-1_shortfilms

Above Us The Waves part 2
http://www.dailymotion.com/video/x2405pv_above-us-the-waves-part-2_shortfilms

さらに、イギリス空軍によるテルピッツ空爆映像。
RAF bombers sink the German battleship Tirpitz! 1944
https://www.youtube.com/watch?v=YuKyYn0B0dQ

これは!番外編

Wikipedia


Wikipedia


空母アークロイヤルというと、
雷撃された結果艦が傾斜した状態で
描かれることが多い「悲劇」の空母
でもある。



なんと!
国産プラモまで


傾斜状態なしボックスアート





1938年に就航した空母だが、艦首と飛行甲板を一体化した
デザインでなかなか現代的である。
それでいて艦載機が古色蒼然たる複葉機というのが
なんというか絶妙なアンバランス感覚で
おもしろい。

こちらは2代目空母のアークロイヤル


ニューヨーク(?)の摩天楼を背景した
ボックスアートが気に入っている。


YouTube
With The 'ark Royal' (1940) 音声なし
https://www.youtube.com/watch?v=Rn77MzyWs9M








この水柱付ボックスアートは、
グンゼ・レベル時代にも使われていた。



こちらは、水柱なしのもの。
上記ボックスアートを修正した
もののようだ。






YouTube
LAUNCHING OF KRIEGSMARINE CRUISER PRINZ EUGEN 1938 73712 音声なし
https://www.youtube.com/watch?v=kkmjg6hBx48


YouTube
 Prinz Eugen im ersten Gefecht - THE PRINZ EUGEN FILM
The Battle of the Denmark Strait音声なし
https://www.youtube.com/watch?v=pPmkOtSveXY


YouTube
Project Crossroads - Nuclear Test Film (1946)
https://www.youtube.com/watch?v=2HkLZekOZLU
ビキニ環礁における核実験の標的艦となったときの映像あり。

オマケ
日米双方から見たレイテ沖海戦の
ニュース報道合戦

戦争を遂行する政府の立場上
戦闘に負けました‥とは口が裂けても
言えないきびしい事情があることが
痛いほどわかるのが日本側の報道で、
映像の編集次第では負け戦も
空前の大勝利となるところが興味深い。

日本側

YouTube
比島沖海戦
https://www.youtube.com/watch?v=ahtnUyUbbec&nohtml5=False
敵艦隊を撃滅!帝国海軍の大勝利‥みたいな
ノリの報道がいい。
烈火の対空砲火、火を噴く敵機、
被弾して膨れ上がった飛行甲板、
燃料切れで不時着水する艦載機、
そしてその場を盛り上げる劇的なナレーション‥
などなど、けっこうドラマチックな仕上がりと
なっており、これを見せられたら疑いもなく
日本の勝利を信じてしまう。

アメリカ側

YouTube
Brought To Action! Leyte Gulf 1944
https://www.youtube.com/watch?v=-I8z64NFCKc&nohtml5=False
こちらもアメリカ海軍の大勝利(事実だから当然だが)を
宣伝する内容になっているが、機上カメラで撮影した日本艦隊への
攻撃シーンやド派手な対空戦闘シーンなど上記日本側の報道にはない
迫力に満ちたものがテンコ盛りで、見る者に強烈なインパクトを与えている。
さすがは映画大国のアメリカで、完全にアクション映画のノリで制作している。
また、自軍の損害や負傷者の収容シーン、戦死者の水葬(機上戦死した
乗員を機体に乗せたまま、海上へ投下している)の様子など日本側では
取り上げないような映像も紹介している。まあ、これが勝者の余裕なのだろう。

おっ、シュペーではないか!

高荷先生の筆の冴えが光る







シュペーといえば、本艦が劇的な
最期をとげたラプラタ沖海戦で知られて
いる。通商破壊作戦中にイギリス艦隊と
交戦し、損傷を受けた本艦は南米の
中立国ウルグアイのモンテビデオ港に
入港し修理を行おうとしたが、ウルグアイ
政府から72時間以内の退去を迫られ、
港外で自沈した。1939年12月17日の
出来事。

シュペーの映画もあったゾ

Wikipedia

Wikipedia
本物


YouTube
劇中グラーフ・シュペー役を演じたアメリカ海軍の
重巡洋艦セーラム。
本物のシュペーよりもはるかに強力!

1956年(昭和31年)公開の
映画『戦艦シュペー号の最後(原題:The battle of the river Plate)』
ドイツ語版
https://www.youtube.com/watch?v=yrbFBQB-6Jc


お詫び しばらくお休みいたします。