満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

なくもんか

2010-11-29 | 映画・ドラマ紹介


 「ひょっとしたら皆ひとりぼっちで 歩いているんじゃないかな」

「いきものがかり」が歌う主題歌が胸に染みる~(笑)



 ザックリとした内容~(ネタバレ、少しあり) 

あんまりにもロクでもない父だったもんで、母は離婚を決意した。

幼い祐太(阿部)は、父に引き取られた。が、父はロクでもないので子供を育てられない。
そこでまったくの他人だが、ハムカツ屋「デリカの山ちゃん」に祐太を置き去りにした。
祐太を捨てた時、父は「デリカの山ちゃん」の売上金を盗んで行った。

父と母が離婚した時、祐介(瑛太)は母の腹の中に居た。
だから祐太と祐介二人の兄弟は、面識もなければ共通の思いでもない。

まったくの赤の他人に育ててもらった祐太は、回りの大人の顔色をうかがい過ぎて
過剰な気くばりを身に付けてしまっていた。そして、NOと言えない性格の大人となった。
そんな祐太に、山ちゃんのご主人(竹山)は「デリカの山ちゃん」を譲る。
祐太は、その後亡くなったご主人のハムカツの味を守り、現在も繁盛させている。

弟の祐介は、赤の他人とお笑いコンビを組み、「兄弟」と詐称して活躍していた。
早くに母親を亡くし、親戚をたらい回しにされた過去があるので
とてもクールに世の中を見つめている。

そんなある日。「デリカの山ちゃん」の亡くなった初代店主(竹山)の
デブでブサイクだった一人娘徹子(竹内)が、超美人となって帰って来た。
しかも未婚の子持ちで…。そんな徹子の整形疑惑や過去の疑惑をもモノともせず
祐太は彼女と、結婚することとなったのだが…

 出演者 

阿部サダヲ、瑛太、竹内結子、カンニング竹山、高橋ジョージ、陣内孝則、
藤村俊二、小倉一郎、光石研、伊原剛志、いしだあゆみ、ほか

「実にオモロイ映画であった」

誰もが阿部サダヲ演じる祐太を頼りにし、甘えているのに
誰一人、彼の本名の「祐太」とは呼ばずに、店の名前の「山ちゃん」と呼ぶんだな~
こんなに一生懸命に努力しているのに、ちょっとした事で関係は崩れてしまうしの
人って何だろう。。。。

認めてもらえない努力をしても、無駄なのかな~
なんて思ってしまった(笑)

それでも「祐太」は、最後まで頑張る。
それしかやり方を知らないのだから、頑張るっきゃないのだ。

夫はこの映画を見て涙しておったが…相変わらず人な私は涙なんぞ出なかった(笑)
エエ~映画なんで泣く人も多かろうと思うがの(ハハハハハ)

私にとってこの映画は、気持ちが解り過ぎるくらいに解るもんで切なかった
他人と生活しなきゃならない状況で育つと、誰が何を欲しているのかに敏感になってしまう
この映画の主人公のように、ここまで相手の欲に同調してしまう性格に育つのは珍しいが
それでもある程度までは、自分を殺して頑張ってしまう。

そんな生活に嫌気が差すと、私のように早くから家を出てしまうのだ
それでもだ。この歳になってもまだ回りの人の行動に敏感に反応してしまう時がある。
三つ子の魂百までとは…よくぞ言ったもんだと思う(笑)

ヘタすりゃ八方美人とも取られるこの性格の最大の難点は…
他人を上手に叱れないのだ。叱った相手から帰ってくる反応が怖いのだ。
だから他人のサポートは出来ても、上にはとてもじゃないけど立てない。
頭ごなしに何でも叱る上司はアホだが、それでも少しは叱らなければ前に進まない。
そういう舵取りが私は、苦手なのである。

昔会社の先輩に言われたことがある。「満天ちゃんはズルイ人ね~」っと。
叱らない先輩は後輩に好かれる。でもそれは後輩の為にはならないのだ。
何をやっても叱らない私は、後輩に好かれておった。それを見て先輩が言った言葉である

この映画の「祐太」もそうだ。叱るっということが出来ないのだ。
彼の場合は怒るということも出来ない。精一杯の愛嬌を振りまくことしか出来ないのだ。

よく笑顔で居れば何でも乗り越えられるっと言う人がいるが
笑顔の下の泣き顔を隠したって回りは騙せても、自分を騙すことなんぞ出来ない。
人は、笑って、泣いて、怒って、叱って、うろたえて、謝って…
様々な表情が出来るから人なのだ。

私の経験からだが、乏しい表情しか出来ない自分に気が付いたら
転校するなり、家を出るなり、引越しするなり、自分が新たに出発出来る場所を探そう。
引きこもったり、人生を終わりにしても結果は変らない
自分が変わらなければ回りが変わらないのだから、
環境を変えて自分が変わる足がかりを作ってみるのも一つの手だてだ。私には有効だった

でも「祐太」は同じ場所で踏ん張ってた。
もうイイんじゃない?って思うほど踏ん張っていた。
表題通り「なくもんか」っと踏ん張っていた。

私があの場所で、最後まで踏ん張っていたら、私はどう変わっていただろう?

その人が歩んできた人生や、その人の年齢によって受ける印象のまったく違う映画だと思う

映画を見終わって…「ハムカツ食いてぇ~」っと思ったのは…
私だけじゃ~ないと思うがの~(笑)


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20 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
この映画 (hirorin)
2010-11-29 20:43:19
そんなに深い映画だったのね。
TVで紹介されてる時に見たら「おいしそう」と思ってたのだけど。
ハムカツが私も食べたいですなあ。
関西を舞台にしてましたっけ?
阿部サダオおもしろいよねえ。
ポテチのCMが好き!
返信する
こんばんは! (くろねこ)
2010-11-30 01:06:52
私もハムカツ食いたくなったです--(笑)
この映画DVDでみましたがやりきれなかったです---。
わたしも「もうイイんじゃない--」って何度も思いましたよ。
人はここまでふんばらなきゃだめなの?って。
阿部さんはやっぱうまいですよね。
彼だから笑えたし救いもあったきがしますもん。
そんな彼「大奥」では一番色っぽかったよ--(笑)
返信する
ご返事どす~ (hirorinちゃんへ)
2010-11-30 11:19:59

深いというか…笑ながらも、辛いと感じる映画じゃったよ~(ハハハハ)

よく、腕のないお笑い芸人がイジメなのか笑いなのか微妙になる時があるじゃろう
最初は笑っておったんだども、だんだん笑じゃなくなるっていうか(笑)
でもこの映画は阿部サダオの力量が大きくて
最後まで笑えるし、辛い部分は泣けるし
巧く出来てる映画だの~っと思っただ
あまり日本映画は見ない方なんだけど、友達が「滅法オモロイ」っと貸してくれたもんでな

場面は…あれ?んっ?
確か…東京の下町風じゃったが…(多分…笑)

ハムカツって小学校の時の給食に出ておったが
皆で争うほどの人気メニューであった(笑)
いつのまにやら自分でも作らなくなったな~
中身は今のハムより、ソーセージタイプの油がゴロゴロ入っていた
あのハムの方が美味しいと思うだ(ハハハハ)
返信する
ご返事どす~ (くろねこどんへ)
2010-11-30 11:42:49

おお~~。大奥を見に行ってきただか?
ああいう現場は、きっと楽しいだろうの~~
阿部サダオさんがエエ味だしているのは
想像だけでも楽しいだよ(アハハハハハ)
なんか彼。ジっと見つめる眼に潤いを感じる時があるもんね(笑)
大奥は見たいと思ってるんだ~
もちろんDVDでだけど(笑)

やっぱ、くろねこどんも「もうイイんじゃない--」って思ったか
最後は一応のハッピーエンドだけれど…なんか途中の辛さを拭うには物足りなかった(笑)
あんだけ「もうイイじゃろう」っと観客に思わせた分、
もそっとスッキリ、コッキリ、ああ、良かったネっと言える場面が欲しかった(笑)

ただ阿部サダオもそうだったけど…いしだあゆみもエエ~味出しておったの~
もそっと彼女の演技が見たいわって思ったよん
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Unknown (ブータン)
2010-11-30 16:15:15
わたしも、見ましたよ~
おもしろいし、ホロッとするし

阿部サダオさんの演技、好きなんですよ。
舞妓は~~んも面白かったしね。
ハムカツ食いて~~~(笑)
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Unknown (トマトジュース)
2010-11-30 16:48:29
わたしも昔、後輩に叱れなかったです。だってキツイこと言うと辞められてしまうのでした。ただでさえ人手不足な仕事でしたので。(遠い目…)
そしたらある日、自分のノルマの仕事放棄して帰ってしまった。途中なのに…納期日の夜に…
わたしは一人で全部尻拭いして仕事を上げて翌日ぶっ倒れ、親はカンカンに怒って会社を辞めさせてくれと勝手に電話してしまいました。
しばらく経ってわたしは自分の不甲斐なさを反省しました。自分がもっと厳しくしていたら…(;´д`)
人間関係って難しいですね。
ハムカツは安いプレスハムが好きです(笑)
高校の購買にそのハムカツが売っていていつも一瞬で完売してしまうのです。
わたしは1回しか買えなかった。
ペラペラのプレスハムのハムカツなのになぜかめっちゃ美味でした。
女子高だったので、朝購買のパン屋さんが来るとまるでバーゲン会場のようでした。
返信する
似てる… (ちか)
2010-11-30 22:51:35
私も後輩や友達に注意が出来ない…
小学校の頃、掃除をサボる友達を注意もせずに一人で掃除をしていた事があった。
それを見た先生に褒められ…るのかと思ったら怒られた。
「あなたはそれで良いかもしれないけど、サボった人の事を考えなさい!」と…

至極もっともなのだが…その時、子供心に「サボった奴の事なんかなんで考えなくちゃいけないんだ?」と思った…笑

確かに後輩を叱るのは大切な事だし、それが出来ないのは先輩や上司としては失格かもしれない。
私だって叱られながら一人前になったから良くわかる。

しかし、叱れない人は何も良い人だと言われたいわけでも、人気取りをしたいわけでも無いと思う。
要するに…自分がやった方がストレスが無いのだ…笑
そのストレスを乗り越えてまで叱るほどの相手なら…そもそも叱られるような事をしないだろうし…

申し訳無いが、叱るのが上手でストレスも感じない人に任せるのも手…笑

ちなみにハムカツが「ものすごくご馳走」の世代です…笑
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気になってます (すーざん)
2010-12-01 10:07:19
私もこの映画気になってました~。
レンタルで見ますね。
私も、顔いろいろ伺ってしまうひとりとして
共感できる気がします。
今はそーでもありませんが
幼いころは、あまりにも出来すぎる弟にジェラシーを感じ
母の気がこちらに向くようにとご機嫌伺いばかりでした。
満天さんの言うように、人の反応が気になるので叱れないってのも、私もなんですが
この人って何をすれば喜ぶんだろうって日々考えるんで
秘書向きとか、かゆい所に手が届くとかって言われたりもするんで
良いのかもですね?
すっごく神経使って、ストレス溜まりますけどね(笑)
今は、ひきこもり生活でさみしいですが
わりにストレスフリーな生活をおくっています。
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映画、観てねぇですだ (さくら)
2010-12-02 00:56:57
こんばんは。
映画を観ないと心のゆとりがない人間に感じるざます。
叱るというより、どの世代の人にも「毒を吐く」といわれる私も、ある意味ズルイのかしらね。
怒鳴る人が嫌いですが、うまく叱れる人にシビレたりします(笑
ハムカツはどうも苦手なんですが、最近のハムカツはどんどん分厚くなってるらしいですな。
情緒がない…
返信する
ご返事どす~ (ブータンどんへ)
2010-12-02 10:46:34

なんと、ブータンどんもこの映画を見ただか?
意外に多いの~(笑)日本映画に偏見を持ちながら育ったもんで…
なかなか日本映画に手が出てなかったんだけど
最近は洋画を抜いて日本映画がトップに並んでおるもんね

阿部さんの演技は上手い!本当にそう思うだ。
あの役は阿部さん以外の人がやったら、きっと途中で嫌になって見るのを辞めたと思うだ
彼だからこそ、あそこまで追い詰められている姿を見ても
笑ってみてられたんじゃないかな?っと思う

上コメに載っておるが「大奥」でもエエ味出しておるそうじゃよん(笑)
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