時計を修理に出す

結婚した当初
ダンナ様はタグ・ホイヤー（TAG Heuer）の高級腕時計を購入した
私はソノ横に付いて行って
ただ「ボ～～～～～～～」っと
眺めておっただけでなのであったのだが・・・・・・・

ダンナ様は自分一人だけが高級な腕時計を購入するのに
気がひけていたらしく
ただ「ボ～～～～～～～」っと
眺めておっただけの私の視線が
「私も欲しいの～～～～」に変換されて見えていたらしい
よって妻はこの時、一言も声を発せずとも高級腕時計を手に入れた
（ガハハハハハハハハハ）

（注：チビっと違うがこんな感じ～）

それから20年が経ち
ダンナ様は既にあの頃買ったタグホイヤーの腕時計をしておらん
欲しくて買ったのだろうに…
が…別に欲しかった訳でもないのに棚ボタで手に入れた妻は
以前、ズ～っとタグホイヤーの腕時計をし続けておった

海にも山にもテニスコートにもゴルフ場にも温泉にも
裸眼で0.01の視力しか持ってない妻は、いつも時計を頼り
いつしか時計と妻との間には、深い深い愛情まで生まれていたのである

ところが先日この時計をタンスの角にぶっけてしまい
ベルトの部分を壊してしもうたのだ

もちろん私の手を守る為に身を呈して守ってくれた時計君を
放っては置けない！

あわててネットでタグホイヤー修理専門店を検索し持って行った
時計を預けて見積もり査定を依頼して…数日後…

預けた店から電話が掛かってきた

部品代を含め「３万５千円也」っとなります

一瞬、クラクラ～っと眩暈がして幻聴が聞こえてきた…
「こんな古い時計は捨てちまって新しい時計を買っちまおうぜぃ～」

いんにゃ！いけない！
こんな悪魔の声なんぞで崩れ去るような時計君との愛は築いていない！

で…妻はお店の方に丁寧に尋ねた
「あの～～～
円高による差益で、もう少し部品代は安くならんのですかね～」

かしこまった店員さんのすまなそう～な声が受話器から響いてきた
「大変申し訳ございません
タグホイヤーはスイスの腕時計ですので
ドルに対しての円高の影響は受けませんです」

ガ～～～～～～～～ン！

愛する腕時計君の出身国を…
今、初めて知った妻であった～～～

あわてて修理依頼をし
電話を切ったのは…言うまでもない…。
治った時計はダンナ様に取りに行っていただこう～（笑）