満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

百日紅(さるすべり)上下

2007-01-22 | 漫画紹介
 杉浦日向子(すぎうら ひなこ)作

NHKのテレビ番組「お江戸でござる」の解説をされていた方です。
「血液免疫系の難病」により体力低下のため漫画家を引退。
その後、「隠居生活」っと称し、休み休みではあるが仕事を続けながら
世界中を旅して回ったりっと人生を楽しんでおられました
03年下咽頭ガンが発見され手術を受け
04年に再発し再度手術を受けられたのですが…残念な事に
この世を旅立たれてしまいました。

今回、この漫画本は「トミーさん」からお借りしました
ありがとうございます

杉浦さんの「江戸」に対する思い入れはスゴイです
本当に江戸に住んでいらっしゃるでしょうっと
思うほど、江戸の文化や庶民の暮らしに精通され、
そして愛していらっしゃいました。

テレビの「お江戸でござる」では
コメディータッチの劇終了後に江戸時代のお話をされていて
そのお話が面白くって…「ほ~っ」っと感心して観ておりました

今回トミーさんにお借りした「百日紅」は
葛飾北斎のお話です
畳120畳の紙に達磨大師を書いたかと思えば
米粒一つに鶏の絵を描いた
あの天才絵師のお話が一話完結で載っています。
昔、「北斎漫画」っという映画がありましたが…
あれも面白かったが…
私は杉浦さんの描いた北斎ジイさんの方が好きです(笑)
北斎ジイさんの娘のお栄(絵師)と
北斎ジイさんの家に同居している善次郎(後の渓斉英泉)
この3人を中心に怪しくズッコケて人情溢れる話が展開します

夢枕漠さんが「あとがき」を書かれていますが…
秀逸過ぎて…ハハハハハ~←笑って逃げる満天
さすが、作家さんじゃの~っと思わせる「あとがき」でした
期せずして同じお話に魅かれてしまったので…
書きようが無い。。。。。
しても、紹介したい。。。葛藤の末…チビットね(笑)

思い返せば悪業の数々を繰り返してしまったお武家様が
北斎の娘のお栄に地獄絵を発注致します。
見事に仕上がった地獄絵を日々見つめながら
自分への戒めにしようと考えたお武家様ですが
その奥様は…辛かった。
なにせ釜で茹でたり針の山を登ったり
鬼や餓鬼・畜生が所狭しと溢れんばかりに描かれています。
怖いのと、夢見が悪いのとで…病気になっちまいます。
そこで、お栄の父の北斎ジイさんが
ムンズっと立ち上がり、お栄の描いた地獄絵に加筆をします
その加筆がお見事!
お武家様も自身の戒めになり、奥様も心安らぐという絶妙な加筆です
最後に北斎ジイさんは、お栄にボツリっと言います
「おめ~も、まだまだ半人前だなあ」チョン!

てなお話がテンコ盛りです。
機会があれば一読をオススメいたします!チョン!チョン!

  

左が杉浦日向子作「お江戸風流さんぽ道」
江戸の行事・行楽・娯楽・様々な暮らしを楽しく解説しています
合わせて博物館やら江戸っ子がこぞって行った場所の現在などが
書かれています(マンガじゃないです)

右が宮部みゆき作「平成お徒歩日記」(おかちにっき)
時代劇でお馴染みの「市中引き廻しの上、獄門」の
市中引き廻しを実際に歩いちゃえ~っといったエッセイです
忠臣蔵赤穂浪士が討ち入り終了後に泉岳寺まで歩いた道を
歩いてみよ~!(ナゼか夏に…)など
江戸の時代の人が歩いた道を現在のアスファルト道路で歩いてみた
っという面白い本です

江戸とダイエットに興味がおアリの方は…
ぜひ一読されてリュックを背負って江戸(東京)を歩いてみては
いかがでしょうか~
どちらにも興味があって買った満天さんですが…
読了後、歩いた気になってしまって…
実際には歩いてはおりませんです…チョン!