バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

センター・レッスン vol.10 グラン・ピルエット(1番アラベスクで)

2012-04-12 09:19:08 | 日記
前回練習したブリゼ・ヴォレに挑戦してみましたか?
はじめはぎこちない動きになってしまっても、練習を続けていけばスムーズに跳び続けられるようになりますよ。
しばらく跳躍するパの練習が続きましたから、今回は回転するパ、グラン・ピルエットの練習です。
グラン・ピルエットにもアラベスクやアティチュード、ア・ラ・スゴンドなどさまざまなポジシオンでの回転があります。
今回はアラベスクでのグラン・ピルエットを練習しましょう。
まずブリゼのときと同じように、グラン・ピルエットの動きを分解してご説明しますね。
右脚ドゥミ・プリエの大きい4番ポジシオン・クロワゼ、アームスは右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンド⇒トルソーを右方向に振り向けながら左脚バットマン・デリエール、同時に右脚ルルヴェ⇒右方向に回転⇒エファセの1番アラベスクで右脚ドゥミ・プリエ
これがグラン・ピルエット・アラベスク・アン・ドゥダーンです。
大事なポイントを確認しておきましょうね。
動作脚がバットマン・デリエールをするのと軸脚のルルヴェ、そしてトルソーを回転方向に振り向けるタイミングはほとんど同時です。トルソーが捻じれて傾いたりしないように気を付けましょう。
アン・ナヴァンのアームスを回転方向に開いて先行させますが、勢いを付け過ぎたり乱暴に開いたりして自分の肩幅よりも外にアームスがはみ出さないように注意しましょう。
バットマン・デリエールで上げた脚が回転の間に下がったりポジシオンから外れたりしないように気を付けて下さいね。後ろに上げた脚の高さが変わったりして動いてしまうと、それによって重心が後ろに引っ張られてバランスを崩しやすくなりますからね、脚の高さは低くても構いませんから動かさないようにしっかり背中で支えておきましょう。
プレパラシオンではクロワゼの方向を向いていますが、回転終わりはエファセの方向、または正面に対しての横方向でルルヴェの軸脚をドゥミ・プリエにします。
回転は軸脚のターン・アウトを推し進めることで生まれます。トルソーだけが先行して軸脚のターン・アウトが失われないように気を付けて下さいね。
回転を急ぎ過ぎてバットマン・デリエールする脚が外方向にずれないように注意しましょう。
回転する方向にいきなりトルソーを振り向けるのではなく、クロワゼのプレパラシオンからそのままクロワゼ・アラベスクに立ち上がるつもりでトルソーを引き上げるようにすると、捻じれたり傾いたりするのを抑えることが出来ますよ。
それでは練習してみましょう。
右脚前5番ポジシオン・クロワゼ、アームスはアン・バ。
→8 プレパラシオン⇒1 右脚バットマン・デガージェ・ドゥヴァン、左脚ルルヴェ、アームスはアン・オー→2 トンベ・アン・ナヴァン→右脚ドゥミ・プリエの大きい4番ポジシオン→3 左脚バットマン・デリエール、右脚ルルヴェで4分の1回転→4 左脚前5番クロワゼ・ドゥミ・プリエ→5 左脚バットマン・デガージェ・ドゥヴァン、右脚ルルヴェ、アームスはアン・オー→6 トンベ・アン・ナヴァン、左脚ドゥミ・プリエの大きい4番ポジシオン→7 右脚バットマン・デリエール、左脚ルルヴェで4分の1回転→8 右脚前5番クロワゼ・ドゥミ・プリエ⇒1 右脚バットマン・デガージェ・ドゥヴァン、左脚ルルヴェ、アームスはアン・オー→2 トンベ・アン・ナヴァン→右脚ドゥミ・プリエの大きい4番ポジシオン→3 左脚バットマン・デリエール、右脚ルルヴェで右方向に1回転→4 エファセの1番アラベスクで着地→左脚前5番クロワゼ・ドゥミ・プリエ→5 左脚バットマン・デガージェ・ドゥヴァン、右脚ルルヴェ、アームスはアン・オー→6 トンベ・アン・ナヴァン、左脚ドゥミ・プリエの大きい4番ポジシオン→7 右脚バットマン・デリエール、左脚ルルヴェで左方向に1回転→8 エファセの1番アラベスクで着地→右脚前5番クロワゼ・ドゥミ・プリエ⇒
いかがですか?
はじめの4分の1回転のところで、軸脚をルルヴェにしっかり引き上げ同時にバットマン・デリエールをすること、軸脚のうえにきちんとトルソーを引き上げること、アン・ナヴァンのアームスが横に逸れないようにすることなどを確かめるようにするといいですよ。

センター・レッスン vol.10 ブリゼ・ヴォレ

2012-04-10 09:24:27 | 日記
前々回と前回練習したブリゼ・アン・ナヴァンとブリゼ・アン・ナリエール、どちらもきちんと両脚を引き付けて前方へ、あるいは後方へ素早い移動をすることが出来るようになりましたか?
バトゥリーを含むパは、必ず両脚をきちんと動かすことがコツです。そして先に上げた脚を後から追いかける脚の方に下すのではなく、あくまでも後からの脚を先に上げた脚のほうに引き上げることです。カブリオールもそうだったでしょう?
アン・ナヴァンとアン・ナリエールのブリゼを練習しましたから、今回はその両方を交互に連続して行うブリゼ・ヴォレの練習をしてみましょう。
ブリゼ・ヴォレが見せ場となっている作品は『眠れる森の美女』ブルー・バードの男性ヴァリアシオンが有名ですから、興味のある方も多いのではないでしょうか?
基本となるブリゼがまだ十分に出来ないならば無理することはありませんが、遠からず挑戦する日は来るのですから少しずつ丁寧に練習してみるといいですよ。
でははじめましょう。
まず前回までと同じように動きを分解してご説明しますね。
右脚後ろ5番クロワゼ・ドゥミ・プリエ→右脚を1番を通過してバットマン・デガージェ・ドゥヴァン→同時に跳び上がって左脚を右脚の後ろに引き上げ引きつける→右脚で着地→左脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン、右脚ドゥミ・プリエ⇒左脚を1番ポジシオンを通過してバットマン・デガージェ・デリエール→同時に跳び上がって右脚を左脚の前に引き上げ引きつける→左脚で着地→右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール、左脚ドゥミ・プリエ⇒
こんな動きです。
アームスは
Ⅰ.ブリゼ・アン・ナヴァンをして左脚のク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエで着地するまでは右アームスがアン・ナヴァンで左がア・ラ・スゴンド
Ⅱ.左脚がバットマン・デガージェ・デリエールをするのに先行して右アームスをアン・オーのアロンジェに引き上げて、右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエの着地までアームスは下げない
Ⅲ.ク・ドゥ・ピエ・デリエールの右脚がバットマン・デガージェ・ドゥヴァンをするのに先行して右アームスをアン・ナヴァンに下げる

大事なポイントは
それぞれのブリゼで着地をしたときのク・ドゥ・ピエでターン・アウトが失われて膝が閉じてしまわないように気を付けましょう。
アン・ナヴァンのときには前方に、アン・ナリエールのときには上体を起こして、とトルソーを引き上げる方向も変わりますから、お腹と背中でしっかり支えて、背中が丸くなったり逆に腰が反りすぎたりしないように注意して下さいね。
アン・ナヴァンの着地でク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァンにした足が、不必要に緊張して“バナナ 足”にならないように気を付けて下さい。
それではシンプルなアンシェヌマンにしてみましょう。
右脚後5番ポジシオン・クロワゼ、アームスはプレパラシオンで右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンドに。
→8 プレパラシオン⇒1 ブリゼ・アン・ナヴァン→2 左脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエ→3 ブリゼ・アン・ナリエール→4 右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエ→5 ブリゼ・アン・ナヴァン→6 左脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエ→7 ブリゼ・アン・ナリエール→8 右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエ→1 ブリゼ・アン・ナヴァン→2 ブリゼ・アン・ナヴァン→3 ブリゼ・アン・ナヴァン→4 ブリゼ・アン・ナヴァン→5 右にグリッサード・ドゥシュ→6 ブリゼ・アン・ナヴァン→7 シャンジュマン・ドゥ・ピエ→左後ろ5番クロワゼ・ドゥミ・プリエ→8 ポゼ⇒… … … … 
いかがですか?
ブリゼ・ヴォレは無理に速いスピードで練習することはありません。まずはゆっくり丁寧に練習しましょう。そうすればやがて速いテンポで動くことになっても脚の動きが乱れることなく、キレイに動けるようになりますよ。
今回は着地のときの脚をク・ドゥ・ピエでご説明しましたが、ほかにもドゥミ・アティチュードにするスタイルや膝を曲げずにデガージェにするスタイルがあります。

センター・レッスン vol.10 ブリゼ・アン・ナリエール

2012-04-05 09:26:26 | 日記
前回練習したブリゼ・アン・ナヴァン、きちんと両脚を打ち合わせることが出来るようになりましたか?
はじめは丁寧にゆっくりのテンポで練習して、そのあとはアレグロのパらしく軽快に動けるようになるといいですね。
前回はアン・ナヴァンを練習しましたから、今回はアン・ナリエールです。
早速はじめましょう。
前回同様、まず動きを分解してご説明しますね。
左脚前5番ポジシオン・クロワゼ⇒ドゥミ・プリエで左脚を1番ポジシオンを通過させエファセ・デリエールにバットマン・デガージェしながら跳び上がる⇒右脚を引き上げて左脚の下に引きつける⇒左脚→右脚の順に左脚前5番ポジシオン・クロワゼ・ドゥミ・プリエに着地する
大事なポイントを確認しておきましょう。
エファセ・デリエールにバットマン・デガージェをするときにウエストの後ろ辺りが縮んで、上体が反らないように気を付けましょう。軽やかな跳躍が出来ず、重い動きになってしまいますよ。
アン・ナヴァンのときと同様に、後からの脚に向かって先にバットマン・デガージェした方の脚を引き下ろしてはいけませんね。後からの脚を先に上げた脚に向かって引き上げることを忘れないで下さいね。
後方へ移動する動きですからトルソーを後ろに引いて上体が反りやすくなりますが、トルソーは前方斜め上に向かって引き上げるようにイメージしましょう。
両脚の間に隙間が出来ないように、膝と足首をきちんと伸ばしましょう。
着地は、先に上げた脚から順に5番ポジシオンに下りますが、両脚がほとんど同時に着地したように見えるくらいに素早く、です。
さあ、それではシンプルなアンシェヌマンにしてみましょう。
左脚前5番ポジシオン・クロワゼ、アームスはプレパラシオンで左アン・ナヴァン・アロンジェ、右ア・ラ・スゴンドに。
→8 プレパラシオン⇒1 ブリゼ・アン・ナリエール→2 左前5番ポジシオン・ドゥミ・プリエ→3 ブリゼ→4 5番ドゥミ・プリエ→5 ブリゼ→6 ブリゼ→7 ブリゼ→8 シャンジュマン・ドゥ・ピエ→右脚前5番クロワゼ⇒1 ブリゼ・アン・ナリエール→2 右前5番ドゥミ・プリエ→3 ブリゼ→4 5番ドゥミ・プリエ→5 ブリゼ→6 ブリゼ→7 ブリゼ→8 シャンジュマン・ドゥ・ピエ→左前5番クロワゼ⇒…
いかがですか?
テンポが速くなるところでもきちんと5番ポジシオンを守れていますか?
アン・ナヴァン・アロンジェに伸ばしたアームスがフラフラと泳いだり跳ねたりしていませんか?
それでは前回練習したブリゼ・アン・ナヴァンと今回のブリゼ・アン・ナリエールを組み合わせてシンプルなアンシェヌマンにしてみましょう。
左脚前5番ポジシオン・クロワゼ、アームスはプレパラシオンで左アン・ナヴァン・アロンジェ、右ア・ラ・スゴンドに。
→8 プレパラシオン⇒1 ブリゼ・アン・ナヴァン→2 ブリゼ・アン・ナヴァン→3 ブリゼ・アン・ナヴァン→4 アントルシャ・カトル→5 ブリゼ・アン・ナリエール→6 ブリゼ・アン・ナリエール→7 ブリゼ・アン・ナリエール→8 アントルシャ・ロワイヤル⇒1 ブリゼ・アン・ナヴァン→2 ブリゼ・アン・ナヴァン→3 ブリゼ・アン・ナヴァン→4 アントルシャ・カトル→5 ブリゼ・アン・ナリエール→6 ブリゼ・アン・ナリエール→7 ブリゼ・アン・ナリエール→8 アントルシャ・ロワイヤル→…
いかがですか?
はじめのブリゼ・アン・ナヴァンで右斜め前方に向かって進み、トルソーの向きを変えないで同じ線の上をアン・ナリエールで後退します。アントルシャ・ロワイヤルで向きを変えて、次は左斜め前方に向かってブリゼ・アン・ナヴァンで進み、同じ線上をアン・ナリエールで戻ります。最後にアントルシャ・ロワイヤルをして右斜めに向きを変えます。
アン・ナヴァンのときよりもアン・ナリエールの方が横向きになりがちですから、自分がどこを向いてブリゼをしているのか、トルソーの向きに気を付けましょう。
連続したブリゼが美しいのは『ジゼル』act2アルブレヒトの踊りでしょうね。舞台面スレスレの低い高さで繰り返されるブリゼ・アン・ナヴァン。
きちんと両脚を交差させることが出来るのは跳躍の高さによるものではない、ということを如実に教えられます。脚先ではなく両脚の内腿をきちんと打ち合わせることが大切ですね。

センター・レッスン vol.10 ブリゼ・アン・ナヴァン

2012-04-03 09:29:24 | 日記
前回練習したジュテ・バチュ、きちんと両脚をクロスすることが出来るようになりましたか?
足先の動きではなく腿の動きだということを忘れないで下さいね。
今回もバチュに類するパ、ブリゼを練習をしましょう。
トルソーと脚の位置関係など少し難しい点もありますが、慌てないで丁寧に練習すれば大丈夫ですよ。
でははじめましょう。
まずはブリゼの動きを分解してご説明しますね。
左脚前5番ポジシオン・クロワゼ⇒右脚を1番ポジシオンを通過してエファセ・ドゥヴァンにバットマン・ジュテしながら跳び上がる⇒左脚を引き上げて右脚の後ろに引きつける⇒右脚→左脚の順に左脚前5番ポジシオンに着地する
トルソーとアームスは
右アームスがアン・ナヴァン、左がア・ラ・スゴンド⇒右脚をバットマン・デガージェして跳び上がったときにトルソーを脚の方に傾ける⇒着地と同時にトルソーをもとの位置に起こす
これがブリゼ・アン・ナヴァンです。
大事なポイントを確認しておきましょう。
5番ポジシオン・クロワゼの後ろ側の脚を先にバットマン・デガージェして跳び上がったら、その脚に向かって後からの脚を引き上げて引きつけます。決して後から引き上げる脚のほうに先に上げた脚を下ろしてはいけません。
後からの脚を先に上げた脚に向かって引き上げるときにトルソーを脚のほうに傾けますが、背中が丸くならないように気を付けて下さいね。トルソーを前に傾けることで、前方への移動を助けるのですよ。
後からの脚を先に上げた脚に引きつけたらしっかり両脚を閉じましょう。5番ポジシオン・タン・ルヴェの脚を斜め前に伸ばしたイメージですね。両脚とも膝が曲がったり、爪先が離れたりしないように気を付けましょう。
両脚を空中でぴったり合わせたら、先に上げたほうの脚から順に素早く着地します。
ブリゼを1回だけ行う場合は前に傾けたトルソーを着地のときに戻しますが、通常、ブリゼを連続して行う場合は着地のときにも傾けたままです。
さぁ、それではシンプルなアンシェヌマンを練習してみましょう。
左脚前5番ポジシオン・クロワゼ、アームスはプレパラシオンで右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンドに。
→8 プレパラシオン⇒1 右脚からブリゼ→2 5番ポジシオン・ドゥミ・プリエ→3 ブリゼ→4 5番ドゥミ・プリエ→5 ブリゼ→6 ブリゼ→7 ブリゼ→8 シャンジュマン・ドゥ・ピエ⇒1 左にブリゼ→2 5番ポジシオン・ドゥミ・プリエ→3 ブリゼ→4 5番ドゥミ・プリエ→5 ブリゼ→6 ブリゼ→7 ブリゼ→8 シャンジュマン・ドゥ・ピエ⇒…
いかがですか?
3回続けてブリゼをするところは、空中で脚を引き付けて毎回きちんと5番ポジシオンに着地出来ていますか?
シャンジュマン・ドゥ・ピエで右脚前のクロワゼに向きを変えますが、中途半端な向きや、横を向きすぎにならないように気を付けて下さいね。
シャンジュマンのときに両アームスをア・ラ・スゴンドに開いて、着地のときにアームスのポジシオンを変えましょう。
今回練習したのはブリゼ・アン・ナヴァン、前方に移動するブリゼです。ということは、後方に移動するブリゼ、ブリゼ・アン・ナリエールもあるわけです。次回はアン・ナリエールを練習しましょう。