バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

バー・レッスン vol.8 パンシェとカンブレ

2011-08-29 10:42:31 | 日記
前回練習したフォンデュ・トンベ・アン・トゥールナン、トンベでのスムーズな重心の移動とそれに続く方向転換、そしてフォンデュへと滑らかに動きを繋ぐことが出来るようになりましたか?
また、最後にご紹介したアン・ドゥダーンとアン・ドゥオール、右と左を続けて行うスタイルにも挑戦してみましたか?
今回はアダージョなど脚を高く上げた状態で行うパンシェカンブレを練習しましょう。
これらのパンシェもカンブレもポジシオンがきちんと守られていないと、やがては腰を痛める原因になってしまいます。
ですから、“とにかく高く脚を上げる”とか“とにかくたくさん反る・深く体を倒す”という拘りを捨てて、正しくポジショニングすることを優先しましょう。
でははじめましょう。
左手バーで右脚前5番ポジシオン、アームスはアン・バ。
→8 プレパラシオン⇒1 右脚ク・ドゥ・ピエから→2 ルティレ、右アームスはアン・ナヴァンに→3 デヴロッペ・アン・ナヴァン、アームスはア・ラ・スゴンドに→4 アームスをアン・バを通してアン・ナヴァンに→5 カンブレ・アン・ナリエール→6 アームスはアン・オー→7 トルソーを起こす→8 右アームスをア・ラ・スゴンドに→1 右脚をルティレに→2 同時にアームスはアン・バを通してアン・ナヴァン→3 デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド→4 アームスも同時にア・ラ・スゴンドに→5 カンブレ・ア・ラ・バール→6 アームスはアン・オーに→7 トルソーを起こす→8 アームスをア・ラ・スゴンドに開く→1 右脚をルティレに→2 右アームスはアン・バを通してアン・ナヴァン→3 デヴロッペ・アン・ナリエール→4 アームスはアロンジェに→5 パンシェ→6 デリエールの脚をトルソーの前傾に合わせてあげていく→7 トルソーを起こす→8 アームスはア・ラ・スゴンドに→1 右脚をルティレに→2 アームスはアン・バを通してアン・ナヴァン・アロンジェ→3 カンブレ・アン・ナリエール→4 →5 トルソーを起こす→6 アームスをア・ラ・スゴンドに→7 右脚前5番ポジシオンに脚を下ろす→8 アームスをアン・バに下げる
いかがですか?
大切なポイントは…。
ドゥヴァンに脚を上げてカンブレ・デリエールをするとき。
①骨盤を前に押し出してお腹から反るようなことをしてはいけません。骨盤をしっかり立てて、アンダー・バストから上をさらに引き上げてカンブレをしましょう。
 ②ドゥヴァンに上げた脚が下がらないようにしっかり引き上げておきましょう。
 ③重心はあくまでも軸脚の真上にあり、アン・オーにしたアームスとドゥヴァンに上げた脚の爪先とがそれぞれの方向に引っ張り合うようにバランスをとります。
ア・ラ・スゴンドに脚を上げてカンブレ・ア・ラ・バールをするとき。
 ①軸脚の上にしっかり骨盤を立てて、ウエストから上の部分でカンブレをするようにします。だからといってウエスト辺りを縮めてはいけません。トルソーを上に引き上げながらバーの方に大きく伸ばしていきましょう。
 ②ア・ラ・スゴンドに上げた脚が下がらないように引き上げておかなければなりませんが、脚を高く上げようとするあまり重心が動作脚の方にズレたり、動作脚側の骨盤が持ち上がったりしないように気を付けましょう。
アラベスク・パンシェをするとき。
 ①アン・ナヴァン・アロンジェにしたアームスでリードしながらトルソーを前に倒していきます。このとき背中をまっすぐに平らに保ったままで前傾していきます。ウエストの後ろ辺りを縮めないように気を付けて下さいね。
 ②トルソーを前傾させながら同時にアラベスクの脚も上げていきましょう。トルソーだけを倒して脚がぶら下がったままでは腰に負担が掛かってしまいますよ。
 ③パンシェは、アラベスクに上げた脚と背中とで描くラインがどこまでトルソーを倒しても変わらないのが理想的です。
ルティレでのカンブレ。
 ①デヴロッペ・ドゥヴァンのカンブレと同じように、骨盤をしっかり立ててアンダー・バストから上をさらに引き上げてカンブレをしましょう。骨盤を押し出すようにお腹から反ってはいけません。
 ②アン・ナヴァン・アロンジェにした手の指先と頭のてっぺんがそれぞれの方向にひっぱりあうようにイメージして下さね。
 ③ルティレをした脚の股関節のターン・アウトが失われないように気を付けましょう。
今回は全部ア・テールで練習しましたが、ルルヴェでも行いますしもちろんポワントでも行います。

現代のバレエではドゥヴァンでもア・ラ・スゴンドでも、そしてアラベスク・パンシェで180度に脚を上げることは珍しいことではなくなりました。骨格や筋肉の質など条件は人それぞれですが、180度に脚を上げられるだけの身体的条件が整っているのならば上げても構わないと思います。
ただ、勘違いしてほしくないのは、“高く脚を上げること”がバレエではないということです。バレエは“踊り・舞踊”であって“競技”ではありません。高く脚を上げることだけに捉われて大切なポジシオンのことや“美しさ”“優雅さ”といったものを忘れてしまわないように気を付けて下さいね。
180度に脚を上げなくても、美しいパやポゼはいくらでも表現できるんですよ

バー・レッスン vol.8 バットマン・フォンデュ・トンベ・アン・トゥールナン

2011-08-25 12:17:32 | 日記
前回練習したバットマン・フォンデュ・パッセ・デヴロッペ、スムーズに動作脚を引き上げることが出来るようになりましたか?安定した動作脚の高さを保てるようになるといいですね。
今回ももう一つバットマン・フォンデュの練習をしましょう。
バットマン・フォンデュ・トンベ・アン・トゥールナン、トンベのあと、ドゥミ・プリエのまま半回転します。
でははじめましょう。
まずアン・ドゥオールからです。
左手バーで右脚前5番ポジシオン、アームスはアン・バからプレパラシオンでアン・ナヴァンを通ってア・ラ・スゴンドに。
プレパラシオン→8 右動作脚ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド⇒1 右脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエ→2 フォンデュ・アン・ナヴァン-ルルヴェ→3 トンベ→4 右脚ドゥミ・プリエ、左脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール→5 バーの方を通って→6 半回転→7 左脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン、右ドゥミ・プリエ→8 左脚フォンデュ・アン・ナヴァン・ルルヴェ→1 左脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエ→2 フォンデュ・アン・ナヴァン・ルルヴェ→3 トンベ→4 左脚ドゥミ・プリエ、右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール→5 バーの方を通って→6 半回転→7 右脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン、左ドゥミ・プリエ→8 右脚フォンデュ・アン・ナヴァン・ルルヴェ→…
いかがですか?
アームスはトンベをするときに、ア・ラ・スゴンドにしていたアームスをアン・バを通してアン・ナヴァンに引き上げ、トルソーがバーの方を向いたときに両アームスをアン・ナヴァンに集めます。そしてさらに回転を進めながら次の動作脚と同じ方のアームスをアン・ナヴァンに残しフォンデュ・アン・ナヴァンとともにア・ラ・スゴンドに開きます。
気を付けたいポイントを確認していきましょう。
トンベをするときにはお腹を突き出すような姿勢にならないように、背中からお尻まで全体を斜め前方に押し上げられるようにイメージして、トルソーを移して下さい。
トンベで動作脚が着地すると同時にもとの軸脚をク・ドゥ・ピエ・デリエールに引きつけます。このときトルソーが沈んでドゥミ・プリエの上に座り込まないように気を付けましょう。
バーの方に向きを変えながら半回転を進めていきますが、股関節のターン・アウトが失われないように、またク・ドゥ・ピエに引きつけた脚の膝が前後にフラフラと揺れたりしないように気を付けて下さいね。
半回転が終わったあとのバットマン・フォンデュはアンシェヌマンの構成によってはア・ラ・スゴンドにすることもありますよ。
ではアン・ドゥダーンの練習をしましょう。
左手バーで右脚前5番ポジシオン、アームスはアン・バからプレパラシオンでアン・ナヴァンを通ってア・ラ・スゴンドに。
プレパラシオン→8 右脚ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド⇒1 右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエ→2 フォンデュ・アン・ナリエール・ルルヴェ→3 トンベ→4 右脚ドゥミ・プリエ、左脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン→5 バーに背を向ける方向に→6 半回転→7 左脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール→8 左脚フォンデュ・アン・ナリエール・ルルヴェ→1 左脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエ→2 フォンデュ・アン・ナリエール・ルルヴェ→3 トンベ→4 左脚ドゥミ・プリエ、右脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン→5 バーに背を向ける方向に→6 半回転→7 右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール→8 右脚フォンデュ・アン・ナリエール・ルルヴェ→…
気を付けたいポイントは…。
アン・ナリエールにトンベをするとき、トルソーのウエスト辺りから上が不必要に反らないように、真っ直ぐ上に引き上げながらトンベをしましょう。
股関節のターン・アウトを守るためにもドゥミ・プリエをした軸脚の内側全体そしてカカトをしっかり前に押し出しながら方向を変えていきましょう。
この動きは、
右脚フォンデュ・アン・ナヴァン・ルルヴェ→トンベ→アン・ドゥオール→左脚フォンデュ・ア・ラ・スゴンド⇒左脚フォンデュ・アン・ナリエール・ルルヴェ→トンベ→アン・ドゥダーン→右脚フォンデュ・ア・ラ・スゴンド⇒右脚フォンデュ・アン・ナリエール・ルルヴェ→トンベ→アン・ドゥダーン→左脚フォンデュ・ア・ラ・スゴンド⇒左脚フォンデュ・アン・ナヴァン⇒トンベ→アン・ドゥオール→右脚フォンデュ・ア・ラ・スゴンド
このようにアン・ドゥオール&アン・ドゥダーン、右→左を続けて行うことも出来ます。
方向感覚のトレーニングにいいですよ。

バー・レッスン vol.7 バットマン・フォンデュ・パッセ・デヴロッペ

2011-08-22 10:09:24 | 日記
前回練習したカンブレ、軸脚や骨盤の位置・股関節のターン・アウトを守ってスムーズな動きが出来るようになりましたか?
ポワン・タンジュ・ドゥヴァン-・ドゥミ・プリエでのカンブレ・アン・ナヴァンは、色々な振り付けにも取り入れられますから美しいカンブレが出来るように丁寧に練習しましょう。
今回はバットマン・フォンデュの練習をします。
これまでバットマン・フォンデュの動作脚の高さは角度30度か45度で練習してきました。高く上げたとしても60度でした。
今回練習するのは角度90度以上に動作脚を上げるバットマン・フォンデュです。
ク・ドゥ・ピエからの動作脚の動きが変化します。
でははじめましょう。
左手バーで右脚前5番ポジシオン、右アームスはアン・バからプレパラシオンでアン・ナヴァンを通ってア・ラ・スゴンドに。
プレパラシオン→8 右脚ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド⇒1 右脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン-軸脚ドゥミ・プリエ→2 右脚をルティレまで引き上げて→3 デヴロッペ・アン・ナヴァン
→4 90度のデガージェ・ドゥヴァン、軸脚の膝も伸ばす→5 ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエ→6 右脚をルティレまで引き上げて→7 デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド→8 90度のデガージェ・ア・ラ・スゴンド、軸脚の膝も伸ばす→1 ク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエ→2 右脚をルティレまで引き上げて→3 デヴロッペ・アン・ナリエール→4 90度のデガージェ・デリエール、軸脚の膝も伸ばす→5 ク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエ→6 右脚をルティレまで引き上げて→7 デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド→8 90度のデガージェ・ア・ラ・スゴンド、軸脚の膝を伸ばす⇒…

いかがですか?
それでは大切なポイントを確認していきましょう。
動作脚をク・ドゥ・ピエからルティレに引き上げてデヴロッペをしながら軸脚の膝も伸ばしはじめ、90度のデガージェが完了するのと軸脚の膝が伸びきるのが同時です。
軸脚がドゥミ・プリエの状態で動作脚をルティレに引き上げるとき、股関節のターン・アウトが失われたり、骨盤が前傾してお尻が出たりしないように気を付けて下さいね。
ア・ラ・スゴンドにパッセ・デヴロッペをするときに、脚より先に動作脚側の骨盤が持ち上がってトルソーがバーの方に傾かないように気を付けましょう。
アン・ナリエールのパッセ・デヴロッペをするとき、くれぐれも股関節のターン・アウトが失われないように気を付けましょう。脚の裏から先に脚が上がっていくのでは美しくありませんよ。膝を後ろのほうに押し出していくつもりでデヴロッペをしましょう。
デガージェ・デリエールから動作脚をク・ドゥ・ピエに引きつけるときは、まずトルソーを引き上げて前傾した骨盤をまっすぐに立て直すことを忘れないで下さいね。それを忘れてしまうと、お尻が出っ張ったままのク・ドゥ・ピエ-ドゥミ・プリエをすることになってしまいますよ。
角度90度以上に動作脚を上げるバットマン・フォンデュにはもう一つの動き方があります。それはク・ドゥ・ピエから90度のアティチュードに脚を引き上げ、そこから動作脚と軸脚の膝を同時に伸ばしてフォンデュをする方法です。
パッセ・デヴロッペでフォンデュをする場合も90度のアティチュードを通過する場合も、軸脚と動作脚の膝が伸びきるタイミングは同時です。
決して無理に角度90度以上のフォンデュをする必要はありませんが、軸脚の上にしっかり重心を置いてトルソーを引き上げることが出来て、股関節のターン・アウトを守ることが出来るのなら90度以上のバットマン・フォンデュも練習するといいですよ。
例えば、右方向にグリッサード・グラン・ジュテ・アン・ナヴァン・エファセを跳んで右脚のドゥミ・プリエで着地したら、すぐに左脚をク・ドゥ・ピエに引きつけてフォンデュ・パッセ・デヴロッペ・アン・ナヴァンというアンシェヌマンのとき、デヴロッペする脚の高さが高ければ華やかですものね。

バー・レッスン vol.8 ポール・ドゥ・ブラ、カンブレ

2011-08-18 08:58:01 | 日記
前回練習したコーダ、安定した回転を続けながら真っ直ぐに進むことが出来るようになりましたか?
しっかり首を回すことやアームスを無暗に振り回さないこと、身体を振り回すような回転にならないように気を付けて練習を重ねて下さいね。
さて、今回からまたバー・レッスンに戻りましょう。
もうすでに基本は練習してきましたから、グラン・プリエから順番に、という練習ではなく、これからのバー・レッスンやセンター・レッスンのアンシェヌマンに採り入れられるいろいろなパやポジシオンを練習していきましょう。
今回はポール・ドゥ・ブラを伴うカンブレの練習です。
でははじめましょう。
左手バーで右脚前5番ポジシオン、右アームスはアン・バ。プレパラシオンで右アームスはアン・ナヴァンを通ってア・ラ・スゴンドへ。
→8 プレパラシオン⇒1 ドゥミ・プリエ→2 右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→3 →4 カンブレ・アン・ナヴァン、右アームスはアン・オーに→5 トルソーを起こしながら→6 軸脚の膝をのばす、アームスをアン・ナヴァンに→7 カンブレ・アン・ナリエール→8 トルソーを起こす→1 右脚をア・ラ・スゴンドにドゥミ・ロン・ドゥ、アームスもア・ラ・スゴンドに→2 軸脚ドゥミ・プリエ→3 →4 カンブレ・ア・ラ・バール、アームスはアン・オー→5 トルソーを起こして→6 軸脚の膝を伸ばす、アームスはア・ラ・スゴンドに→7 ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドの右脚をデリエールにドゥミ・ロン・ドゥ→8 ポワン・タンジュ・デリエール→1 →2 軸脚ドゥミ・プリエから→3 →4 グラン・プリエ、右脚は後方へスライド→5 →6 アームスをアン・オーに引き上げながらカンブレ・アン・ナヴァン→7 トルソーを引き上げて→8 大きい4番ポジシオン、ポワン・タンジュの脚はカカトを床につける→1 →2 カンブレ・アン・ナリエール→3 →4 トルソーを起こす→5 軸脚の膝を伸ばして右脚ポワン・タンジュ・デリエール→6 右脚を後ろ側に引きつけながら5番ポジシオン・ドゥミ・ポワント→7 アームスはチェケッティの3番アラベスク→8 ポゼ
チェケッティの3番アラベスクのアームスは、アン・ナヴァンのアロンジェで軸脚側のアームスを頭より少し高い位置に引き上げて両アームスを前方に伸ばします。≪ア・ド・ブラ≫と呼びます。
それでは大切なポイントを確認していきましょう。
ポワン・タンジュ-ドゥミ・プリエでのカンブレ・アン・ナヴァンはトルソーを倒しながら同時にア・ラ・スゴンドのアームスをアン・オーに引き上げていきます。このとき背中を丸めてはいけませんね。背筋をしっかり伸ばして股関節の位置から身体を前に倒すようにして下さい。カンブレで完全にトルソーを倒したとき、アームスもアン・オーになっています。ポワン・タンジュした脚のうえにぴったりトルソーをくっつけられるようになるのが理想ですね。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは“携帯電話を閉じるときのように二つ折りに”、そして“自分のふくらはぎにキッスするように”とイメージを伝えるようにしています。
カンブレ・アン・ナヴァンからトルソーを引き上げたらカンブレ・アン・ナリエールをしますが、このときアン・ナヴァンのアームスの指先と頭のてっぺんがそれぞれの方向に引き離されていくようにイメージしてみて下さい。顔の向きはエポールマンを守りましょう。“後ろのほうに身体を曲げる”と考えるとコントロールを誤るもとです。“後方へ高く長く引き伸ばされていく”と考えるといいでしょう。
まるで仰け反っているようにお腹や骨盤を前方に押し出してはいけません。腰を痛める原因になってしまいますよ
軸脚のドゥミ・プリエでバー・のほうにカンブレをするときには、ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドした脚側の骨盤が持ち上がらないように気を付けましょう。そしてバーに近い方の体側を縮めてはいけませんね。
ポワン・タンジュ・デリエールから軸脚のグラン・プリエに従って後方に爪先をスライドさせていきますが、重心が引きずられてはいけません。重心が軸脚の上から外れてしまうと、もとの位置に引き上げることが出来なくなりますよ。そしてくれぐれも股関節のターン・アウトが失われないように気を付けて下さいね。
一番深い位置に達したとき、頭のてっぺんから後ろに伸ばした爪先までがまっすぐな1本の直線を描きます。軸脚の上に座り込むようなプリエをしないようにしましょうね。
トルソーを起こして引き上げるときに、お尻が先に持ちあがらないように気を付けて下さいね。アン・オーのアームスで斜め前方上に向かって1本の線をつり上げるようにイメージして下さい。
大きい4番ポジシオン・でのカンブレ・アン・ナリエールのとき重心が後ろの脚のほうに中途半端にズレていたり、お腹を押し出して仰け反るようなカンブレをしないように気を付けて下さいね。後ろの脚の膝が緩んで骨盤が下がったりするのも間違いですよ。
最後のポゼのアームスは両腕が自分の肩幅よりも外にはみ出さないように気を付けましょう。頭部はエポールマン、または両腕の間にドゥ・ファスで遠くに視線をむけましょう。

いろいろなバレエ作品の中でも、またお稽古場でもしなやかに深いカンブレが出来る人を見なれていることでしょう。でもその1点だけを見て、カンブレは深く反るもの・曲がるものと単純に思い込むのは間違いですし危険ですよ。自分の身体の柔軟性の度合いを無視して無暗にたくさん反ろう、曲がろうと考えてはいけません。まず重心の位置、股関節のターン・アウトをしっかり守ったうえで、今もっとも深く身体を倒せるところ、反れるところ、それで十分なんですよ。
骨盤の位置をずらして無理やり深くカンブレ・アン・ナヴァンをしたとしても、スムーズに起き上ってくることが出来なかったり、まるでスプリッツでもするようにポワン・タンジュ・デリエールの脚を後ろに引いて思い切り深く腰を下したとしても、お尻から力任せに持ち上げて反動をつけないとトルソーを引き上げることができなかったり…。それでは美しくないでしょう?
まず丁寧に、きちんとコントロールすることが出来る範囲でのカンブレを大切にしましょう。練習を繰り返していくうちに少しずつ柔軟性が高まっていきますよ。

センター・レッスン vol.7 コーダ

2011-08-15 10:16:35 | 日記
前回練習したグラン・アレグロ、フレーズを大切にしながらスムーズに動けるように、そして“踊れる”ようになりましたか?
前半部分に採り入れたアッサンブレ・ポルテセンター・レッスン vol.4 で練習しましたね、思い出せましたか?
今回はヴァリアシオンなど踊りのコーダの部分によく採り入れられる速い回転の練習をしてみましょう。
最終的にはマネージュという円周上を移動していくアンシェヌマンになりますが、まずしっかり直線上を移動できるように練習しましょう。
でははじめましょう。
上手奥から下手前へ移動します。
プレパラシオンで右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼ、アームスは右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンド、右方向にエポールマンに。
プレパラシオン→8 右脚アン・ドゥオールにドゥミ・ロン・ドゥ⇒1 左脚前ドゥミ・ポワント・クロワゼにグリッサード→アン・トゥールナン→2 右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼからドゥミ・ロン・ドゥ→3 左脚前ドゥミ・ポワント・クロワゼにグリッサード→アン・トゥールナン→4 右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼからドゥミ・ロン・ドゥ→5 左脚前ドゥミ・ポワント・クロワゼにグリッサード→アン・トゥールナン→6 右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼからドゥミ・ロン・ドゥ→7 左脚前ドゥミ・ポワント・クロワゼにグリッサード→アン・トゥールナン→8 右脚ポワン・タンジュ・エカルテ・ドゥヴァンにジュテ→1 ピケ・トゥール・アン・ドゥダーン→2 右脚ポワン・タンジュ・エカルテ・ドゥヴァンにジュテ→3 ピケ・トゥール・アン・ドゥダーン→4 右脚ポワン・タンジュ・エカルテ・ドゥヴァンにジュテ→5 ピケ・トゥール・アン・ドゥダーン→6 右脚ポワン・タンジュ・エカルテ・ドゥヴァンにジュテ→7 ピケ・トゥール・アン・ドゥダーン→8 右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼからドゥミ・ロン・ドゥ⇒…

いかがですか?これが1セットです。
ひとつひとつの動きを正確に練習して全体が安定した繋がりになるように、4分の2拍子の1小節で一つの回転を完結して次の回転のプレパラシオンをする、という少しゆっくりのテンポで練習してみて下さい。
8分の6拍子の場合は1小節に二つの回転です。
それでは大事なポイントを確認していきましょう。
グリッサード・アン・トゥールナンは回転を急ぎすぎて5番ポジシオン・ドゥミ・ポワントを無視しないように気を付けましょう。5番ポジシオン・ドゥミ・ポワントが完了したことを確認してから回転を始めるくらいのつもりで、ポジシオンを大切にしましょう。
グリッサード・アン・トゥールナンのグリッサードで5番ポジシオン・ドゥミ・ポワントの前側に引きつける脚の動きが遅くならないようにしましょう。そうでないと5番ポジシオン・ドゥミ・ポワントのポジシオンを無視して回転しないとテンポに間に合わなくなってしまいますからね。
ピケ・トゥール・アン・ドゥダーンもルティレをする脚でトルソーを軸脚の上にきちんと押し上げて、それから回転するようにしましょう。ゆっくりのテンポのときにポジシオンをきちんと捉えることを身につけておかないと、テンポが速くなったときに中途半端なポジシオンのまま力任せの回転を続けなければならなくなってしまいますよ。
アームスのコントロールも大切です。右方向への回転のときは右腕を、左方向への回転のときには左腕を無暗に大きく振り回さないように気を付けましょう。コーダのように速いテンポの動きのときは動きそのものに勢いがありますからね、ア・ラ・スゴンドからの腕をアン・ナヴァンに素早く合わせるだけで回転を進めることが出来ますよ。
斜めの対角線上をまっすぐに移動するときには、その対角線にトルソーの中心を向けて回転をはじめ、ポワン・タンジュ・クロワゼ・ドゥヴァンで着地します。この二つの方向を正確に捉えるようにすると真っ直ぐに進むことが出来るようになりますよ。クロワゼ・ドゥヴァン・ポワン・タンジュの脚をドゥミ・ロン・ドゥしたとき、その爪先が対角線上にあるように気を付けましょう。
一つの回転が終わったらドゥミ・プリエで着地をしドゥミ・ロン・ドゥやエカルテ・ドゥヴァンにジュテをするときにドゥミ・プリエが崩れたり、重心の位置がズレたりしないように気を付けて下さいね。
それでは、このアンシェヌマンで左右に移動する練習をしてみましょう
プレパラシオンで右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼ、アームスは右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンド、右方向にエポールマンに。
プレパラシオン→8 右脚ドゥミ・ロン・ドゥ→1 右にグリッサード・アン・トゥールナン→2 ドゥミ・ロン・ドゥ→3 グリッサード・アン・トゥールナン→4 ドゥミ・ロン・ドゥ→5 グリッサード・アン・トゥールナン→6 ドゥミ・ロン・ドゥ→7 グリッサード・アン・トゥールナン→8 エカルテ・ドゥヴァン・ポワン・タンジュにジュテ→1 ピケ・トゥール・アン・ドゥダーン→2 エカルテ・ドゥヴァン・ポワン・タンジュにジュテ→3 ピケ・トゥール・アン・ドゥダーン→4 エカルテ・ドゥヴァン・ポワン・タンジュにジュテ→5 ピケ・トゥール・アン・ドゥダーン→6 エカルテ・ドゥヴァン・ポワン・タンジュにジュテ→7 右脚にトンベ、左脚ク・ドゥ・ピエを通ってポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼ⇒8 左脚ドゥミ・ロン・ドゥ→1 左にグリッサード・アン・トゥールナン→2 ドゥミ・ロン・ドゥ→3 グリッサード・アン・トゥールナン→4 ドゥミ・ロン・ドゥ→5 グリッサード・アン・トゥールナン→6 ドゥミ・ロン・ドゥ→7 グリッサード・アン・トゥールナン→8 エカルテ・ドゥヴァン・ポワン・タンジュ・にジュテ→1 ピケ・トゥール・アン・ドゥダーン→2 エカルテ・ドゥヴァン・ポワン・タンジュ・にジュテ→3 ピケ・トゥール・アン・ドゥダーン→4 エカルテ・ドゥヴァン・ポワン・タンジュ・にジュテ→5 ピケ・トゥール・アン・ドゥダーン→6 エカルテ・ドゥヴァン・ポワン・タンジュ・にジュテ→7 左脚にトンベ、右脚ク・ドゥ・ピエを通ってポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼ⇒8 右脚ドゥミ・ロン・ドゥ→…
いかがですか?
右→左→右→左と2セット繰り返して練習して、なれてきたら更に回数を増やしたりテンポを速くして練習するようにしましょうね。
このアンシェヌマンで大切なことは進行方向を変えるための動きです。
トンベをして片方の脚をク・ドゥ・ピエに引きつけポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼに伸ばすとき、クロワゼの角度が右も左も同じでなければなりません。そうでないと斜めの移動の角度が左右で異なってしまいますからね。

以前にもお話したと思いますが、回転する動きで大切なことは“回ろう回ろう”と考えて力を7使うより、“真っ直ぐに立つ”ことですよ。真っ直ぐに立つことが出来てポジシオンが正しければ、少しの力で回転することが出来ますからね。