バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

センター・レッスン vol.10 ブリゼ・ヴォレ

2012-04-10 09:24:27 | 日記
前々回と前回練習したブリゼ・アン・ナヴァンとブリゼ・アン・ナリエール、どちらもきちんと両脚を引き付けて前方へ、あるいは後方へ素早い移動をすることが出来るようになりましたか?
バトゥリーを含むパは、必ず両脚をきちんと動かすことがコツです。そして先に上げた脚を後から追いかける脚の方に下すのではなく、あくまでも後からの脚を先に上げた脚のほうに引き上げることです。カブリオールもそうだったでしょう?
アン・ナヴァンとアン・ナリエールのブリゼを練習しましたから、今回はその両方を交互に連続して行うブリゼ・ヴォレの練習をしてみましょう。
ブリゼ・ヴォレが見せ場となっている作品は『眠れる森の美女』ブルー・バードの男性ヴァリアシオンが有名ですから、興味のある方も多いのではないでしょうか?
基本となるブリゼがまだ十分に出来ないならば無理することはありませんが、遠からず挑戦する日は来るのですから少しずつ丁寧に練習してみるといいですよ。
でははじめましょう。
まず前回までと同じように動きを分解してご説明しますね。
右脚後ろ5番クロワゼ・ドゥミ・プリエ→右脚を1番を通過してバットマン・デガージェ・ドゥヴァン→同時に跳び上がって左脚を右脚の後ろに引き上げ引きつける→右脚で着地→左脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン、右脚ドゥミ・プリエ⇒左脚を1番ポジシオンを通過してバットマン・デガージェ・デリエール→同時に跳び上がって右脚を左脚の前に引き上げ引きつける→左脚で着地→右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール、左脚ドゥミ・プリエ⇒
こんな動きです。
アームスは
Ⅰ.ブリゼ・アン・ナヴァンをして左脚のク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエで着地するまでは右アームスがアン・ナヴァンで左がア・ラ・スゴンド
Ⅱ.左脚がバットマン・デガージェ・デリエールをするのに先行して右アームスをアン・オーのアロンジェに引き上げて、右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエの着地までアームスは下げない
Ⅲ.ク・ドゥ・ピエ・デリエールの右脚がバットマン・デガージェ・ドゥヴァンをするのに先行して右アームスをアン・ナヴァンに下げる

大事なポイントは
それぞれのブリゼで着地をしたときのク・ドゥ・ピエでターン・アウトが失われて膝が閉じてしまわないように気を付けましょう。
アン・ナヴァンのときには前方に、アン・ナリエールのときには上体を起こして、とトルソーを引き上げる方向も変わりますから、お腹と背中でしっかり支えて、背中が丸くなったり逆に腰が反りすぎたりしないように注意して下さいね。
アン・ナヴァンの着地でク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァンにした足が、不必要に緊張して“バナナ 足”にならないように気を付けて下さい。
それではシンプルなアンシェヌマンにしてみましょう。
右脚後5番ポジシオン・クロワゼ、アームスはプレパラシオンで右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンドに。
→8 プレパラシオン⇒1 ブリゼ・アン・ナヴァン→2 左脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエ→3 ブリゼ・アン・ナリエール→4 右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエ→5 ブリゼ・アン・ナヴァン→6 左脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエ→7 ブリゼ・アン・ナリエール→8 右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエ→1 ブリゼ・アン・ナヴァン→2 ブリゼ・アン・ナヴァン→3 ブリゼ・アン・ナヴァン→4 ブリゼ・アン・ナヴァン→5 右にグリッサード・ドゥシュ→6 ブリゼ・アン・ナヴァン→7 シャンジュマン・ドゥ・ピエ→左後ろ5番クロワゼ・ドゥミ・プリエ→8 ポゼ⇒… … … … 
いかがですか?
ブリゼ・ヴォレは無理に速いスピードで練習することはありません。まずはゆっくり丁寧に練習しましょう。そうすればやがて速いテンポで動くことになっても脚の動きが乱れることなく、キレイに動けるようになりますよ。
今回は着地のときの脚をク・ドゥ・ピエでご説明しましたが、ほかにもドゥミ・アティチュードにするスタイルや膝を曲げずにデガージェにするスタイルがあります。