バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

センター・レッスン vol.4 パ・バランセ part2

2010-08-30 09:55:22 | 日記
前回はパ・バランセ;3拍子のステップの基本を練習しましたが、3拍子=拍が3つ=歩数が3つということ、ご自分の動きを通して理解できましたか?
今回も3拍子のワルツ・ステップの練習をしましょう。
前回は左右交互に重心を移すだけで大きな移動を伴う動きではありませんでしたが、今回練習するのは、移動のためのステップです。
では始めましょう。
右脚前5番ポジシオン・クロワゼ、アームスはアン・バで準備して下さい。
2・32・3;右脚のジュテで右斜め前にトンベ→ 右脚ドゥミ・プリエ、左脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼ→2;左脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、右脚デガージェ・デリエール・クロワゼ→3;右脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、左脚デガージェ・ドゥヴァン・クロワゼ→左斜め前にトンベ⇒ 左脚ドゥミ・プリエ、右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼ→2;右脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、左脚デガージェ・デリエール・クロワゼ→3;左脚ドゥミ・ポワント、右脚デガージェ・ドゥヴァン・クロワゼ→右斜め前にトンベ⇒ 右脚ドゥミ・プリエ、左脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼ→2;左脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、右脚デガージェ・デリエール・クロワゼ→3;右脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、左脚デガージェ・ドゥヴァン・クロワゼ、左斜め前にトンベ⇒ 左脚ドゥミ・プリエ、右脚デガージェ・ドゥヴァン・クロワゼ→2;右脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、左脚デガージェ・デリエール・クロワゼ→3;左脚ドゥミ・ポワント、右脚デガージェ・ドゥヴァン・クロワゼ、右斜め前にトンベ⇒
アームスの動きは、それぞれトンベをしてドゥミ・ポワント‐ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼのときに、ポワン・タンジュ・ドゥヴァンに伸ばした脚と同じ側のアームスアン・オーに、もう一方をア・ラ・スゴンドにします。次のトンベをするときに、アン・オーのアームスをア・ラ・スゴンドに下ろし、ア・ラ・スゴンドにしていたアームスをアン・オーに引き上げます。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、アン・オーのアームスをア・ラ・スゴンドに下ろす時には、アン・オーから一瞬さらに引き上げるようにして大きくア・ラ・スゴンドに開くことで次のトンベをリードするイメージで、そして、ア・ラ・スゴンドからアン・オーに引き上げるアームスの動きでトルソーの移動をリードするイメージで、とステップとアームスの関連性を伝えています
頭部=顔はアン・オーのアームスの方に向けてエポールマンのポジシオンをとります。
大事なポイントをご説明しましょうね。
トンベをしてポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼに伸ばす脚は、1番ポジシオンを通過させてジュテをします。でも、無頓着に放り上げるような動きをしてはいけませんよ。脚全体を遠くに押し伸ばすとイメージしてみて下さい
2拍目・3拍目はそれぞれデガージェ・デリエール・クロワゼ、デガージェ・ドゥヴァン・クロワゼと呼んでいますが、脚を上げるのではありません。厳密にいえば床スレスレのポワントで、体重が載ることはありません。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、2拍目・3拍目の動きは縦方向 に向かって引き上げる動きとイメージするように伝えています
右斜め、左斜めと向きを変えながら、水面を滑るように軽やかに進んでいきましょう 力強いのは結構ですが、“ポッコン ポッコン”と無闇に跳ねてはいけませんね
1拍目のドゥミ・プリエ‐ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼにトンベをしたとき、お尻を後ろに引いて“お辞儀”のような上半身になっていませんか
アン・オーのアームスでトルソーを吊り上げるつもりで、トルソーを引き上げておきましょう。
パ・バランセ=ワルツ・ステップは、滑るように、たゆたうように、あるいは軽快に、弾むように、大きくも小さくも様々な表現が出来る美しい動きです。見せかけの3拍ではなく、正確にリズムを刻んで動けるように練習しましょう。


センター・レッスン vol.4 パ・ドゥ・ブーレ・アン・ドゥールナン

2010-08-19 14:05:02 | 日記
パ・ドゥ・ブーレは5番ポジシオンと2番ポジシオンを通過するもの、軸脚を踏み代えながらルティレやク・ドゥ・ピエにピック・アップをするものの二つを、横移動で練習しましたね。
今回はピック・アップするパ・ドゥ・ブーレに回転が伴うパ・ドゥ・ブーレ・アン・トゥールナンを練習しましょう。
回転といってもピルエットのように一気に回転するのではなく、どちらかといえば方向転換というのに近いかも知れません
まず基本の動きを分解してご説明しましょうね。
鏡に対してアン・ファス、左脚前5番ポジシオン、アームスはアン・バで準備して下さい。
左脚ドゥミ・プリエ、右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール、アームスは右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンド→右斜め後ろに向きを変えながら 右脚ルルヴェ、左ルティレ、アームスはアン・ナヴァン→さらに右方向に向きを変えながら 左脚ルルヴェ、右ルティレに踏み代え→右脚前5番ドゥミ・プリエ・アン・ファス、アームスはドゥミ・スゴンド
はじめに右斜め後ろに向きを代えたとき、ロシア派のメソッドでもチェケッティ・メソッドでも《4番》の方向を向きます。
次に軸脚を踏み代えて向きを変えたときは、ロシア派の《6番》=チェケッティの《3番》の方向を向きます。
同じ動きを左側から始めた場合ははじめにロシア派の《6番》=チェケッティの《3番》の方向に向きを変え、次に軸脚を踏み代えたときにロシア派でもチェケッティでも《4番》の方向を向きます。
それでは、パ・ドゥ・ブーレ・アン・トゥールナンをいれたアンシェヌマンを練習してみましょう
鏡に対してアン・ファス、左脚前5番ポジシオン、アームスはアン・バで準備して下さい。
ドゥミ・プリエ→8 右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール→1 右脚ルルヴェ、左脚ルティレ→2 左方向に移動して左脚ルルヴェ、右脚ルティレ→3 右脚ドゥミ・プリエ、左脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール→4 ポーズ⇒5 左ルルヴェ、右ルティレ→6 右方向に移動して右ルルヴェ、左ルティレ→7 左ドゥミ・プリエ、右ク・ドゥ・ピエ・デリエール→8 ポーズ⇒1 右ルルヴェ、左ルティレで《4番》の方向→2 左ルルヴェ、右ルティレに踏み代えてロシア派の《6番》=チェケッティの《3番》の方向→3 右ドゥミ・プリエ、左ク・ドゥ・ピエ・デリエール、アン・ファス→4 ポーズ⇒5 左ルルヴェ、右ルティレでロシア派の《6番》=チェケッティの《3番》→6 右ルルヴェ、左ルティレに踏み代えて《4番》の方向→7 左ドゥミ・プリエ、右ク・ドゥ・ピエ・デリエール、アン・ファス→8 ポーズ⇒…
いかがですか?
横移動のときもアン・トゥールナンのときも同じように一定した軸脚の踏み代えやルティレの引き上げが出来ましたか?
アン・トゥールナンの最初のルティレ‐ルルヴェからルティレの脚を下ろして軸脚を踏み代えるときは、必ず5番ポジシオン・ルルヴェで脚を踏み代えます。
5番ポジシオン・ルルヴェで軸脚を踏み代えるときは、正面に対して真後ろを向くように気を付けるといいですよ
アン・トゥールナンをはじめるときの最初の軸脚のルルヴェで、ターン・アウトが中途半端になってはいけません。ルティレの脚が閉じてしまいます
次に軸脚を踏み代えるとき、ルティレの脚を5番ポジシオンに下ろすことを無視して、1歩踏み出すような動きになってはいけません。バランスを崩したように見えますよ
アン・トゥールナンが終わったあとドゥミ・プリエ‐ク・ドゥ・ピエに崩れ落ちるようなプリエをしてはいけませんね。丁寧にドゥミ・プリエに踏み込むように気をつけましょう
今回は横移動のパ・ドゥ・ブーレはアン・ファスのままで練習しましたが、動きになれてトルソーのコントロールが安定して、アン・トゥールナンの方向も正確にトルソーを向けられるようになったら、横移動のパ・ドゥ・ブーレのク・ドゥ・ピエ‐ドゥミ・プリエクロワゼに角度をつけるといいですよ。そうすると横移動のパ・ドゥ・ブーレにも立体感が加味されます




センター・レッスン vol.4 プロムナード

2010-08-16 09:17:34 | 日記
今回からセンター・レッスンです。
今回はプロムナード(=promenade)を練習しましょう。
プロムナードとは散歩、あるいは散歩道・遊歩道という意味です。
でも、バレエでのパとしては、移動することなく1点での動きです。
まずはルティレで、基本中の基本の動きを練習してみましょう。
鏡に対してアン・ファス、右脚前5番ポジシオン、アームスはアン・バで準備して下さい。
7・8 左脚ルティレ、アームスはアン・オー⇒1・2・3・4・5・6 右周りに自転→7・8 左前5番ポジシオンに脚を下ろす→
自転を促すためには、軸脚のカカトを前へ前へ押し出すように股関節のターン・アウトを続けます。
トルソーだけが先に動いたり、重心をカカトの上に落としたまま反動をつけるようにトルソーを振り動かして自転をしてはいけません。お尻を振るように骨盤が動くのはきちんとバランスが取れていない証拠ですよ
ルティレの膝から下がフラフラと揺れ動いてはいけません。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、頭のてっぺんから足の土踏まずまで真っ直ぐに通った心棒をまわすようにと、動きのイメージを伝えています
螺旋階段を上がっていくように、上へ上へと自転しながらトルソーが引き上げられていく、とイメージしてもいいでしょうね。
自転を促すカカトの動きは、小刻みに前へ押し出し続けると身体全体が安定しますよ。

それでは、プルミエール・アラベスク(=1番アラベスク)で練習してみましょう。
右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→8 右脚軸で左脚アラベスク→1・2・3・4・5・6 右にプロムナード⇒7 左脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→8左脚軸で右脚アラベスク→1・2・3・4・5・6 左にプロムナード⇒7 右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→8 右脚軸で左脚アラベスク→………
アラベスクからポワン・タンジュ・ドゥヴァンに移るときは、下ろした脚を1番ポジシオンを通過させましょう。
一旦ルティレに引きつけてからポワン・タンジュ・ドゥヴァンに下ろす動き方もありますが、今回は1番ポジシオンを通すことにしましょう
トルソーが軸脚側に傾いていませんか?自転を急ぐあまりトルソーが斜め後ろに引っ張られるように反っていませんか
アラベスクに上げた脚が、上下に揺れていませんか
アラベスクに上げた脚と背中とが互いに引っ張り合うような力の伸びを感じられていますか?
プルミエール・アラベスクのアームスはきちんと守られていますか?アームスがフラフラと泳ぐように揺れてはいませんか
プロムナードの途中で軸脚の膝が緩んではいけませんね
アラベスクに上げた脚の方に重心が引っ張られていると、プロムナードの途中でカカトに重心が落ちてしまい自転を続けられなくなりますし、上げた脚を落っことすことになりますから気をつけましょう
無理をして90度に脚を上げる必要はありません。脚の高さは低くても構わないのです。まずきちんと安定したプロムナードを身に付けることを優先しましょう
今回練習したのは、プロムナードのアン・ドゥオールです。アン・ドゥダーンは回転軸のコントロールが一層難しくなります
プロムナードはアラベスクだけでなくドゥヴァンに脚を上げても、もちろんアティチュードでも、ア・ラ・スゴンドでも行う動きです。女性の場合はいずれはポワントで立って、男性のサポートによってプロムナードをすることにもなります。まず自分の回転軸がしっかり安定しターン・アウトが守られていなければ、たとえ男性のサポートがあったとしても、美しいプロムナードをすることは出来ません。

バー・レッスン vol.4 ストレッチ

2010-08-12 08:18:55 | 日記
グラン・プリエから順に身体をコントロールし、筋肉を目覚めさせ、強くするレッスンをした後にストレッチを取り入れることは、バー・レッスンで暖まった身体を落ち着かせ、さらに柔軟性をプラスするのに効果的です。
今回は、バーに脚を載せて行うストレッチを練習してみましょう。
まずはドゥヴァン、ア・ラ・スゴンド、デリエールそれぞれのポジシオンでの脚とトルソーの関係、注意点についてご説明します。
《ドゥヴァン》
バーに対して斜め45度、クロワゼでバーに脚を載せます。
バーに載せるのはカカト(=くるぶし)の部分です。股関節をターン・アウトしていますから、外くるぶしの部分ですね。
ターン・アウトを無視してアキレス腱をバーに引っ掛けるようなことをしてはいけません。痛める原因になってしまいますよ
爪先がお臍の延長上に位置するように、また骨盤は軸脚の土踏まずの上に真っ直ぐ立ち上がっているように気を付けましょう。
バーに脚を載せる側のお尻が持ち上がったり、トルソーがバーの方に向きすぎてクロワゼ・ドゥヴァンのポジシオンを失ってはいけません
《ア・ラ・スゴンド》
トルソーはバーに対してアン・ファス、しっかりターン・アウトして脚をバーに載せます。バーに載せるのはカカト、決してアキレス腱を引っ掛けてはいけません。
トルソーの重心は軸脚の土踏まずの上にしっかり引き上げます。骨盤がバーに載せた脚のほうに引っ張られたり、お尻が持ち上がったりしてはいけません。
《デリエール》
バーに対して斜め45度に背を向けてエファッセ・デリエールで脚をバーに載せます。
バーに載せるのは内くるぶしの部分です。
ターン・アウトを忘れて、足首の部分を載せて膝が下向きになったり、足首から先を脱力して“バナナ状”にブラ下がることがないように気を付けましょう。
バーに載せた脚と、その脚の側の背中とが互いに遠ざけあうようなイメージでトルソーを真っ直ぐに支えましょう。
バーに脚を載せた側のウエストを縮めて、トルソーの向きがバーの方にズレてはいけませんね。
バーに載せた脚の爪先が、腰の幅よりも外にズレないように気を付けるといいですよ
ではもっとも一般的なストレッチを通して練習してみましょうか
バーに対して右脚前5番ポジシオン・クロワゼ、左手バー、右はアン・バで準備して下さい。
5・6 右脚ルティレ、右アームスはアン・ナヴァン→7・8 デヴロッペ・ドゥヴァンでバーに足を載せる、右アームスはア・ラ・スゴンドに→1・2 軸脚ドゥミ・プリエ→3・4 戻る→5・6 ドゥミ・プリエ→7・8 戻る→1・2・3 脚の上に上体を倒す、アームスはアン・オー→4 上体を起こす→5・6 カンブレ・デリエール→7 上体を起こす→8 ア・ラ・スゴンドに向きを変える、両手バー⇒1・2 ドゥミ・プリエ→3・4 戻る→5・6ドゥミ・プリエ→7・8 戻る→1・2・3 脚の方にカンブレ・ア・ラ・スゴンド、左アームスがアン・オー→4 上体を起こす→5・6 軸脚の方にカンブレ・ア・ラ・スゴンド、右アームスがアン・オー→7 上体を起こす→8 エファッセ・デリエールに向きを変える、右手バーで左はア・ラ・スゴンド⇒1・2 ドゥミ・プリエ→3・4 戻る→5・6 ドゥミ・プリエ→7・8 戻る→1・2・3 前に上体を倒してパンシェ→4 上体を起こす→5・6 カンブレ・デリエール、左アームスはアン・オー→7 上体を起こす→8 ポーズ、左アームスはアン・オー・アロンジェ⇒…
デリエールでのポーズのあとには、土踏まずに手をかけて脚をドゥヴァンやア・ラ・スゴンドに引き上げるストレッチやスプリットなどが続きます。
バーに脚を載せるストレッチはバーの高さが高ければ効果があるというものではありません。身体の状態を無視した無闇なストレッチは故障の原因にもなりかねません。
それぞれの柔軟性や身長・脚の長さなどに応じて、バーの高さを調節したり選ぶ必要があります。

バー・レッスン vol.4 グラン・バットマン・バランソワール

2010-08-09 09:49:17 | 日記
今回はグラン・バットマン・バランソワール(=グラン・バットマン・アン・クロシュ)を練習しましょう。
バー・レッスン vol.3 バットマン・デガージェ・クロシュのレッスンをしたこと、覚えていますか?
動作脚を、1番ポジシオンを通過させて振り子のように前後に動かしましたね。
グラン・バットマンでも動きの基本は同じですが、動作脚を振り上げる高さが高くなるだけに、軸脚やトルソーのコントロールが難しくなります。
グラン・ジュテグラン・ジュテ・アントルラセなど、高さと大きさとスピードが不可欠なパのために、正確で強く美しいグラン・バットマンはとても大切です。
では、始めましょう。まずは無理をせず動きをしっかり確認するためにも、脚の高さは90度程度でかまいません。
左手バーで右脚前5番ポジシオン、右アームスはアン・バ。
右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン、右アームスはアン・ナヴァン→8 右脚は1番ポジシオンを通過してポワン・タンジュ・デリエール、アームスはア・ラ・スゴンド⇒1 1番ポジシオンを通過してグラン・バットマン‐ドゥヴァン→2 1番ポジシオンを通過→3 グラン・バットマン‐デリエール→4 1番ポジシオンを通過→5 グラン・バットマン‐ドゥヴァン→6 1番ポジシオンを通過→7 グラン・バットマン‐デリエール→8 1番ポジシオン…→
さぁ、いかがですか?
上げる脚の高さや、上げた脚を下ろすスピードが要求されますから少し難しいでしょう?とくにデリエールはトルソーのコントロールが難しいですね。
一つずつチェックしてみましょうか。
基本的にはドゥヴァンとデリエールでは、脚を振り上げる高さは同じにします。上げやすいドゥヴァンは勢いに任せて高く、トルソーのコントロールがしづらいデリエールは低く、というのは間違いです
ドゥヴァンにグラン・バットマンをしたら、内腿をお腹に向かって引き上げるつもりで上げた脚を引き戻しますが、ポワン・タンジュ・ドゥヴァンを通過する瞬間に股関節のターン・アウトが守られていることを確認して下さいね。
1番ポジシオンを動作脚が通過する時に、トルソーも少し前方に移動します。
少し前方に移動したトルソーの背中の力でデリエールのグラン・バットマンを支えます。決して動作脚側のウエストの後ろを縮めたり、腰を縮めたりしてはいけません。腰の故障の原因になりますよ
グラン・バットマン‐デリエールの脚を下ろすのと同時進行で、トルソーを元の位置に戻します。いつまでも前方に移動させたままでは、ポワン・タンジュ・デリエールでお尻を突き出すような姿勢になってしまいます
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、グラン・バットマン・アン・クロシュという動きの特性が理解出来るまでは、振り子のように振り動かす練習ではなく、ドゥヴァンからデリエールへの流れを分解して、正確に脚をあげるよう練習しています。
ポワン・タンジュ・デリエール→グラン・バットマン‐ドゥヴァン→ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→グラン・バットマン‐デリエール→ポワン・タンジュ・デリエール→というふうに、です。
こうすることで、振り上げた脚を下ろした時のターン・アウトの確認と修正が出来ますし、きちんとターン・アウトを守って1番ポジシオンを通過させることが出来るようになります
脚を振り上げる高さが90度くらいですとトルソーにそれほど大きな影響はありませんが、
135度を超えて180度に近くなればなるほどトルソーのコントロールが重要になります
最大限に近い高さまで脚を振り上げる場合、について確認してみましょう。
限界に近い高さのドゥヴァンにグラン・バットマンをする場合は、トルソーが少し後ろに反ります。でも肋骨から上の部分だけが仰け反るように反ってはいけませんし、骨盤を前に突き出すような姿勢になってもいけません。
脚を振り上げる勢いにつられて動作脚側のお尻が上がったり、トルソーの向きがバーの方にズレたりしてはいけません。両肩は常に同じ高さで、正面に向けましょう。
限界に近い高さまでデリエールにグラン・バットマンをする場合は、トルソーを倒してパンシェの位置で支えます。“お辞儀”のようにただ前屈してはいけません。背中をしっかり引き上げておきましょう。
トルソーがパンシェをしても、両肩の高さや向きは同じにします。動作脚側のウエストを縮めたり、トルソー全体がバーと反対側の向きに捻れたりしてはいけません。腰や股関節を痛めてしまいますよ
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、ドゥヴァンとデリエールそれぞれのグラン・バットマンから脚を下ろすことが次のグラン・バットマンのプレパラシオンになる、とイメージするように伝えています
グラン・バットマン・アン・バランソワールという動きに慣れて、脚を振り上げるタイミング、下ろすタイミング、1番ポジシオンを通過するときのトルソーのコントロールなどが理解できるまでは無理して高く脚を上げる必要はありませんよ
グラン・ジュテ・アン・ナヴァンなどのジャンプは一方の脚を前にグラン・バットマンをして跳び上がると同時に後ろ側の脚で床を蹴り退けるようにグラン・バットマンをしなければなりませんし、グラン・ジュテ・アントルラセでも、ドゥヴァンにグラン・バットマンをして跳び上がり半回転しながらもう一方の脚をデリエールにグラン・バットマンをしなければなりませんね。
決して前か後ろどちらかにだけ脚が上がればいい、ということはありえません。強く正確なグラン・バットマンを心がけましょう