バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

パ・ドゥ・バスク

2013-08-27 08:38:46 | 日記
前回はカンブレ・アン・ロン・ドゥを練習しましたが、スムーズに無理のない動きが出来るようになりましたか?
今回はパ・ドゥ・バスクです。
一昨日のアンサンブル・ド・ミューズのクラスで練習しましたので、生徒のおさらいにも役立つようにと考えて取り上げました。
パ・ドゥ・バスクとは“バスク人のステップ”という意味です。
フランスとスペインの国境近くにバスク地方という独特の文化を持った土地があるそうで、そこの民族舞踊のステップをバレエに採り入れたもののようですよ。
でははじめましょう。
右脚前5番クロワゼ、アームスはアン・バから。
プレパラシオン→8 ドゥミ・プリエ→1 右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン、右アームスはアン・ナヴァン、左はア・ラ・スゴンド→2 右脚をエカルテ・ドゥヴァンまでドゥミ・ロン・ドゥ、右アームスもア・ラ・スゴンドに→3 アン・ファスを通過して→4 右脚ドゥミ・プリエにトンベして左脚をク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァンに、右アームスがアン・バ、左はア・ラ・スゴンド→5 左脚は5番ポジシオンを通過して→6 クロワゼ・ドゥヴァンにポワン・タンジュ→7 タン・リエして左脚軸、右脚ポワン・タンジュ・デリエール、アームスは2番アラベスク→8 左脚前5番ドゥミ・プリエ、アームスはアン・バ⇒1 左脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン、左アームスはアン・ナヴァン、右はア・ラ・スゴンド→2 左脚をエカルテ・ドゥヴァンまでドゥミ・ロン・ドゥ、左アームスもア・ラ・スゴンドに→3 アン・ファスを通過して→4 左脚ドゥミ・プリエにトンベして右脚をク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァンに、左アームスがアン・バ、右はア・ラ・スゴンド→5 右脚は5番ポジシオンを通過して→6 クロワゼ・ドゥヴァンの方向にポワン・タンジュ→7 タン・リエして右脚軸、左脚ポワン・タンジュ・デリエール、アームスは2番アラベスク→8 右脚前5番ドゥミ・プリエ、アームスはアン・バ⇒
でトンベをしたとき、片方の脚をク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァンに引きつけていますが、これは次の動きできちんと5番ポジシオンを通過するためです。もともと1番ポジシオンに引きつけるスタイル、5番ポジシオンに引きつけるスタイルが一般的です。アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、5番ポジシオンをきちんと認識するためにあえてこのスタイルにしています。動きのテンポが速くなったり生徒が動き馴れてきたら、ク・ドゥ・ピエのポジシオンは一瞬の通過点となります。
アームスの動きものときには両方がアン・ナヴァン、2→3でア・ラ・スゴンド→でアン・バからアン・ナヴァンというスタイルでも行います。また最後のアームスも2番アラベスクだけでなく片方がアン・オーでもう一方がア・ラ・スゴンドにすることも多々あります。
いかがですか?
パ・ドゥ・バスクの動きの構造は分かりましたか?
のドゥミ・プリエからのドゥミ・ロン・ドゥまで軸脚のプリエが浮き上がったり不安定にならないように気を付けて下さいね。
を通過してに移行するところでは、しっかりトルソーを引き上げて両膝を伸ばし大きく移動しましょう。跳び上がる必要はありませんが、グリッサードをイメージするといいですね。
に移行したあとはタン・リエを丁寧に行いましょう。
のポワン・タンジュ・ドゥヴァンからまで大らかなドゥミ・ロン・ドゥと移動が出来るようになるといいですね。
パ・ドゥ・バスクは今回練習したア・テールのほかにもソテでも行います。
いずれの場合もドゥミ・ロン・ドゥを大切にして下さいね。
では、また。

カンブレ・アン・ロン・ドゥ

2013-08-16 11:14:03 | 日記
前回練習したシャッセ、シャープにスムーズに大きく移動出来るようになりましたか?
基本のシャッセがきちんと出来るようになれば、シャッセ・アン・トゥールナンに発展したときにも伸びのある動きになりますよ。
今回はカンブレ・アン・ロン・ドゥの練習をしましょう。
カンブレ・アン・ロン・ドゥにもアン・ドゥオールアン・ドゥダーンがあります。
アン・ドゥダーンは、カンブレ・アン・ナヴァンからトルソーをバーの方に引きあげてカンブレ・アン・ナリエールまで大きな半円を描くように上体を動かします。
アン・ドゥオールは、カンブレ・アン・ナリエールからトルソーをバーの方に伸展させてさらにカンブレ・アン・ナヴァンに下げるまでの動きです。
どちらも上体が大きく回旋しますから、きちんとポジシオンを理解したうえで行わないと腰を痛める原因にもなってしまいます。
ですから私のアンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、生徒の身体の柔軟度やトルソーの強さなどを考えて、場合によっては分解して練習したりしています。
左手バーで右脚前5番ポジシオン
≪1≫アン・ドゥダーン:カンブレ・アン・ナヴァン→トルソーが下りきったときにアームスはトルソーに対してアン・オー→アン・オーの指先でトルソーをリードしてバーの方に引き上げる→カンブレ・ア・ラ・スゴンドのポジシオン→トルソーを引き起こしてアームスはア・ラ・スゴンド
≪2≫アン・ドゥオール:カンブレ・アン・ナリエール→トルソーが十分反ったときにアームスはトルソーに対してアン・オー→アン・オーの指先でトルソーをリードしてバーの方に→カンブレ・ア・ラ・スゴンドのポジシオン→トルソーを引き起こしてアームスはア・ラ・スゴンド
この2分の1のロン・ドゥを十分に練習するようにしています。
カンブレ・アン・ナヴァンからア・ラ・スゴンドに引き上げたとき、トルソーの正面は真っ直ぐに前を向いていますか?アン・オーに上げたアームスの側の体側が前に被さるように捻じれていませんか?
カンブレ・アン・ナリエールを深く反ろうとして無理に骨盤を前に押し出したり、アン・オーのアームスよりも下に頭が落ちていませんか?腰を痛める原因になってしまいますよ
カンブレ・アン・ナリエールからア・ラ・スゴンドまでトルソーを伸展させたとき、トルソーが斜めに仰け反っていませんか?トルソーの正面が真っ直ぐに前を向くように気を付けましょう。
この3点に気を付けてトルソーに捻じれや歪みが生じないようになったら、アン・ドゥダーンもアン・ドゥオールもグラン・ロン・ドゥの練習をしましょう。
左手バーで右脚前5番ポジシオン
≪1≫アン・ドゥダーン:カンブレ・アン・ナヴァン→トルソーが下りきったときにアームスはトルソーに対してアン・オー→アン・オーの指先でトルソーをリードしてバーの方に引き上げる→カンブレ・ア・ラ・スゴンドのポジシオン→アームスでトルソーをリードしてカンブレ・アン・ナリエールのポジシオンへ→トルソーを引き起こしてアームスはア・ラ・スゴンド
≪2≫アン・ドゥオール:カンブレ・アン・ナリエール→トルソーが十分反ったときにアームスはトルソーに対してアン・オー→アン・オーの指先でトルソーをリードしてバーの方に→カンブレ・ア・ラ・スゴンドのポジシオン→アームスでトルソーをリードしてカンブレ・アン・ナヴァンのポジシオンへ→トルソーを引き起こしてアームスはア・ラ・スゴンド
カンブレ・ア・ラ・スゴンドのポジシオンからカンブレ・アン・ナリエールに伸展していくときにはアームスをさらに遠くに引き伸ばしながら大きく円を描くイメージを持って下さい。バー側のウエストの後を縮めたり、アゴが上がって首の後ろが縮んだりしないように気を付けましょう。
カンブレ・ア・ラ・スゴンドのポジシオンからカンブレ・アン・ナヴァンにトルソーを下していくときには背中が丸くならないように気を付けて下さいね。
ロン・ドゥを伴わないカンブレは勿論のこと、カンブレ・アン・ロン・ドゥでも頭頂の中心から尾骶骨までの中心軸が捻じれたり歪んだりしないように、そしてカンブレに引きずられて骨盤の位置がズレないように注意しましょう。

カンブレ・アン・ロン・ドゥはセンター・レッスンで行うポール・ドゥ・ブラのグラン・ポール・ドゥ・ブラやカンブレ・アン・フォンデュなどに発展していきます。掴まるもののない場所でしっかりと安定したカンブレ・アン・ロン・ドゥをするためにも、バーでの練習を丁寧にしましょう。
とくにカンブレ・アン・ナリエールのときに安直に見た目の深さを求めて無理をしないように気を付けて下さいね。
では、また…。