バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

バー・レッスン vol.7 バットマン・タンジュ(タンジュ&フレックス)

2011-05-26 09:55:11 | 日記
前回練習したポール・ドゥ・ブラを変化させながらのグラン・プリエ、プリエをする下半身の動きとポール・ドゥ・ブラとがきれいに連動するようになりましたか?
バレエの動きは、脚も腕もそれぞれが独自の動きをしながら美しい全体としてのポゼやパを生み出すものですから、ギクシャクした調和の取れていない動きになったり、かといって必要以上にウネウネとアームスをくねらせるような過剰な動きをして調和を崩すようなことがあってはいけませんね。
抑制の効いた動きも大切ですよ。
今回はバットマン・タンジュの練習をしましょう。アンシェヌマンは極めてシンプルですが、足首をフレックスする動きを取り入れます。
でははじめましょう。
左手バーで1番ポジシオン、右アームスはアン・バからプレパラシオンでアン・ナヴァンを通ってア・ラ・スゴンドへ。
→8 プレパラシオン⇒1 ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→2 フレックス→3 ポワン・タンジュ→4 1番ポジシオン→5 ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→6 フレックス、軸脚ドゥミ・プリエ→7 ポワン・タンジュ、軸脚を伸ばす→8 1番ポジシオン→1 ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→2 フレックス→3 ポワン・タンジュ→4 1番ポジシオン→5 ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→6 フレックス、軸脚ドゥミ・プリエ→7 ポワン・タンジュ、軸脚伸ばす→8 1番ポジシオン→1 ポワン・タンジュ・デリエール→2 フレックス→3 ポワン・タンジュ→4 1番ポジシオン→5 ポワン・タンジュ・デリエール→6 フレックス、軸脚ドゥミ・プリエ→7 ポワン・タンジュ、軸脚伸ばす→8 1番ポジシオン→1 ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→2 フレックス→3 ポワン・タンジュ→4 1番ポジシオン→5 ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→6 フレックス、軸脚ドゥミ・プリエ→7 ポワン・タンジュ、軸脚伸ばす→8 1番ポジシオン

では大事なポイントを確認しましょう。
ポワン・タンジュから足首をフレックスにするとき、脚が持ち上がってはいけません。フレックスした足首を伸ばして、その脚をポワン・タンジュに置きにいく=下す、という動きをしてはいけません。フレックスした足首を伸ばしたらそのままポワン・タンジュになるように気をつけましょう。
フレックスするときは内腿をお腹に向かって引き上げ、膝から下はアキレス腱に向かってしっかり伸ばしましょう。アキレス腱も十分にストレッチするようにします。
足首をフレックスにするときには、ドゥヴァンとデリエールでは爪先が横を向くように、ア・ラ・スゴンドでは真上を向くように股関節のターン・アウトを守りましょう。
フレックスと同時に軸脚がドゥミ・プリエをするときにも注意が必要です。ドゥヴァンのときは軸側の骨盤が持ち上がって動作脚の骨盤が下がったり、ア・ラ・スゴンドのときにはトルソーの重心が動作脚側にハズレたり、デリエールのときにはお尻が後ろに引かれて股関節のターン・アウトが失われたり、動作脚の膝が緩んだり、とそんなことにならないように気を付けましょうね。
ではアンシェヌマンを少し変化させてみましょう。
左手バーで1番ポジシオン、右アームスはアン・バからアン・ナヴァンを通ってア・ラ・スゴンドへ。
→8 プレパラシオン⇒1 ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→2 フレックス→3 ポワン・タンジュ→4 フレックス→5 ドゥミ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・ドゥオール→6 ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→7 1番ポジシオン→ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→8 1番ポジシオン→1 ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→2 フレックス→3 ポワン・タンジュ→4 フレックス→5 ドゥミ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・ドゥオール→6 ポワン・タンジュ・デリエール→7 1番ポジシオン→ポワン・タンジュ・デリエール→8 1番ポジシオン→1 ポワン・タンジュ・デリエール→2 フレックス→3 ポワン・タンジュ→4 フレックス→5 ドゥミ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・ドゥダーン→6 ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→7 1番ポジシオン→ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→8 1番ポジシオン→1 ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→2 フレックス→3 ポワン・タンジュ→4 フレックス→5 ドゥミ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・ドゥダーン→6 ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→7 1番ポジシオン→ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→8 1番ポジシオン

フレックスとポワン・タンジュを繰り返すときに、脚が持ち上がったり下がったりしないように気を付けましょう。
ドゥミ・ロン・ドゥ・ジャンブはアン・ドゥオールもアン・ドゥダーンもフレックスしたまま、その脚の高さを守って90度のロン・ドゥをします。脚の位置が変わっても、フレックスした足首を伸ばしたらそのままポワン・タンジュになることに変わりはありません。
ア・ラ・スゴンドのフレックスからデリエールへドゥミ・ロン・ドゥをするときに、脚の動きよりも先に動作脚を前に倒して股関節のターン・アウトを失わないように気を付けて下さいね。また、デリエールからア・ラ・スゴンドへドゥミ・ロン・ドゥするときにも、ア・ラ・スゴンドの位置に来てからいきなりターン・アウトするようなことはしてはいけません。

今回練習したバットマン・タンジュ&フレックスは5番ポジシオンで練習してもいいですよ。またはじめのアンシェヌマンと2つ目のアンシェヌマンとを続けて練習してもいいでしょう。
大切なのはフレックスしたときにその動作脚が持ち上がらないようにきちんとコントロールすること、抑制の効いた動きが出来るように練習することです

バー・レッスン vol.7 グラン・プリエ(ポール・ドゥ・ブラとともに)

2011-05-23 08:10:12 | 日記
前回まで練習したグラン・アレグロやコーダのアンシェヌマン、慌てずに落ち着いて動けるようになりましたか?
とくにコーダは、音楽がリズミカルですからつい気持ちが煽られ、実際のテンポよりも速いと勘違いしてどんどん動きが先走ってコントロールが利かなくなったりしますから気を付けましょうね。
音楽を追い駆けるのでも追い駆けられるのでもなく、音楽の上に楽しく乗っかる、とそんなイメージでコーダの曲を聴けるようになるといいかもしれませんね
今回からまたバー・レッスンに戻ります。
センター・レッスンは勿論ですが、バー・レッスンも、教師の数だけそのアンシェヌマンにはヴァリエーションがあります。そして一人の教師が1パターンのアンシェヌマンしか持たないということはありえませんから、実際には無限にパターンがあるということになりますね。
毎日、何か月も何年もほぼ同じようなアンシェヌマンを繰り返し繰り返し練習することで、やがてはバーに掴まっている時やバレエ・シューズを履いている時でなくても、日常生活の中にあっても、その仕草そのものがバレリーナらしいしなやかで美しいものに変わっていくのです。
でははじめましょう。今回はグラン・プリエのパンシェやカンブレ、ポール・ドゥ・ブラを中心に練習します。
左手バーで1番ポジシオン、アームスはアン・バ。
→8 プレパラシオン→1 ドゥミ・プリエ、アームスをドゥミ・スゴンドに→2 戻る、アームスはアン・バ→3 ドゥミ・プリエ、アームスをドゥミ・スゴンドに→4 戻る、アームスはアン・バ→5 ドゥミ・プリエ、アームスをアン・ナヴァンに向かって上げる→6 グラン・プリエ、アームスはアン・ナヴァン→7 ドゥミ・プリエに戻る、アームスはア・ラ・スゴンドに開く→8 1番ポジシオン・ア・テール、アームスはア・ラ・スゴンド→1 アン・ナヴァンにパンシェを始める→2 完全に前屈、アームスはトルソーに対してアン・オーの位置に→3 トルソーを起こし始める、アームスはアン・オーを保ったまま→4 1番ポジシオン・ア・テール、アームスはアン・オー→5 カンブレ・デリエールを始める→6 デリエールへ最大の伸展→7 トルソーを起こしながらアームスをア・ラ・スゴンドに開く→8 1番ポジシオン・ア・テール、アームスはアン・バに下す→2番ポジシオンに移行⇒1 2番ポジシオン・ドゥミ・プリエ、アームスはドゥミ・スゴンドに→2 戻る、アームスはアン・バ→3 ドゥミ・プリエ、アームスはドゥミ・スゴンド→4 戻る、アームスはアン・バ→5 ドゥミ・プリエ、アームスはア・ラ・スゴンド→ 6 グラン・プリエ、アームスはアン・オー→7 ドゥミ・プリエ、アームスはアン・ナヴァン→8 2番ポジシオン・ア・テール、アームスはア・ラ・スゴンド→ドゥミ・ポワントに→1 カンブレ・ア・ラ・バー、アームスはアン・オーに→2 最大の横方向への伸展→3トルソーを起こしはじめる→4 2番ポジシオン・ドゥミ・ポワントに戻る→5 そのまま両アームスをアン・オーに引き上げてポゼ→6 →7 →8 ア・テールに下りて右前4番ポジシオン⇒

まずは1番ポジシオンと2番ポジシオンで大事なポイントをチェックしてみましょう。
1番ポジシオン・グラン・プリエのポール・ドゥ・ブラが今回はアン・バから始まります。いつもとはポール・ドゥ・ブラのテンポが変わりますから、それに惑わされてプリエのポジシオンやテンポが狂わないように気を付けましょう。
アン・ナヴァンにパンシェをするときによく“胸から”と注意しているのを耳にすることがありますが、これは“背中を丸めて頭から下げていかないように”という意味です。これを勘違いしてお尻を突出し胸を突き出した状態でパンシェをしてはいけません。あくまでもア・テールで立っているときの背中のまま、真っ直ぐな背中でパンシェをしていきましょう。
一番深い前屈の状態になったときに、お尻を後ろに引いて下半身が斜めになっていませんか?両足のかかとの真上に坐骨が位置するように、を目安にするといいですよ。
後ろへのカンブレはアン・オーのアームスでトルソーをさらに引き上げるように後方へ長く引き伸ばしていきます。以前のレッスンでもご説明したと思いますが、骨盤を前に押し出したりお腹を突き出すような動きをしてはいけません。腰を痛める原因になってしまいます 深くたくさん反ることが良いことではありません。決して勘違いをしないように気を付けましょう。
2番ポジシオンでのグラン・プリエのアームスはドゥミ・スゴンドからア・ラ・スゴンド、アン・オーを通過するアン・ドゥダーンのポール・ドゥ・ブラです。グラン・プリエをしたときにアームスはアン・オーにあり、トルソーを引き上げる支えとなります。
2番ポジシオン・ドゥミ・ポワントでのカンブレ・ア・ラ・バーは、トルソーをバーの方向に倒すにしたがって骨盤がバーと反対の方にズレないように気を付けましょう。重心は常にルルヴェした両爪先の真ん中に支えなければなりません。
それでは4番ポジシオンと5番ポジシオンを続けます。
4番ポジシオン・ドゥミ・プリエ、アームスはドゥミ・アン・ナヴァン→2 戻る、アームスはアン・バに→3 ドゥミ・プリエ、アームスはドゥミ・アン・ナヴァン→4 戻る、アームスもアン・バに→5 ドゥミ・プリエ、アームスはアン・ナヴァン→6 グラン・プリエ、アームスはアン・オー→7 ドゥミ・プリエ、アームスはア・ラ・スゴンドに開く→8 4番ポジシオンア・テール→1 カンブレ・オー・ミリュ、アームスはバー側の手がアン・オー、反対側がアン・バ→2 最大の伸展→3 戻る→4 4番ポジシオン・ドゥミ・ポワント、アームスはバー側がアン・ナヴァン、反対側がア・ラ・スゴンド・アロンジェ→5 ポゼ→6 →7 →8 ア・テールに下りて5番ポジシオン、アームスはアン・バ⇒1 5番ポジシオン・ドゥミ・プリエ、アームスはドゥミ・スゴンド→2 戻る、アームスもアン・バに→3 ドゥミ・プリエ、アームスはアン・バ→4 戻る、アームスはアン・バ→5 ドゥミ・プリエ、アームスはアン・ナヴァン→6 グラン・プリエ、アームスはアン・オー→7 ドゥミ・プリエ、アームスはア・ラ・スゴンドへ→8 5番ポジシオン・ア・テール、アームスはア・ラ・スゴンド→1 パンシェ・アン・ナヴァンから→2 カンブレ→3 アン・ロンド→4 アン・ドゥダーン→5 カンブレ・デリエールから→6 カンブレ→7 アン・ロンド→8 アン・ドゥオール⇒1 5番ポジシオン・ドゥミ・ポワント、アームスはアン・オーで→2 ポゼ→3 →4 →5 →6 →7 →8
では注意点を確認していきましょう。
4番ポジシオン・グラン・プリエをするときにアームスをアン・ナヴァンからアン・オーへと引き上げていきますが、アームスの動きにつられてトルソーの重心が前側の足のほうにズレて骨盤が傾いたり、バーのほうに捻じれたりしないように気を付けましょうね。
カンブレ・オー・ミリュ(バーと反対の方向)は、トルソーの向きがバーの方にズレないように気を付けて、真っ直ぐに正面を向いたままでカンブレをするようにしましょう。お尻を後ろに突き出したり胸を突き出したりして背骨に前後のゆがみを作ってはいけません。
4番ポジシオンのドゥミ・ポワントに上がるときには足の位置を変えてはいけません。ア・テールしたそれぞれの爪先の上に真っ直ぐにトルソーを引き上げましょう。
カンブレ・アン・ロンドはバー・レッスン vol.6 でご説明したとおりですが、今回はテンポが速くなっていますから、適当に大きくトルソーを振り回すようなカンブレをしないように十分に気を付けて下さいね。
最後の5番ポジシオン・ドゥミ・ポワントでのポゼは、アン・オーに引き上げたアームスでトルソーを引き上げながら肩の力を抜いて、上昇していくイメージで静止してください。動かないようにズレないようにと身体に力を入れて固めてはいけません。それでは逆効果ですよ。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、最後のドゥミ・ポワントでのポゼは、“音楽の最後の余韻が消えるまで上昇を続けるイメージで”とアドバイスをしています。目に見える動きではなくても、アン・オーのアームスを引き上げ続けることを忘れないように、とも伝えています

センター・レッスン vol.6 コーダ

2011-05-19 09:05:50 | 日記
前回練習したグラン・アレグロ、慌てずに大らかに動けるようになりましたか?
アンシェヌマンの順番を追いかけることでいっぱいいっぱいになって緊張すると、力が入って縮こまってしまいますからね。
なるべく早く順番を覚えてしまうこと、出来れば順番の説明を受けたらその時の1回で覚えてしまうように心掛ける。それも練習のうちですよ
今回はコーダとして連続する回転の練習をしましょう。
グラン・パ・ドゥ・ドゥアダージョから始まって男性女性それぞれのヴァリアシオンがあり、最後に二人がそれぞれにテクニックを競い踊りを盛り上げるために回転技を披露するコーダで締めくくられますね。
そのコーダの基本の“き”です。前回グラン・アレグロの練習をしましたからちょうどよいタイミングでもあります。
でははじめましょう。
正面に対して左奥、ロシア派のメソッドでの6番の位置から2番に向かって、チェケッティ・メソッドでは3番の位置から1番に向かって進みます。
プレパラシオンは右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼ、アームスは右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンド。
プレパラシオン→8 左脚ドゥミ・プリエ、右脚ドゥミ・ロン・ドゥでア・ラ・スゴンド(=エカルテ・ドゥヴァン)へ→1 &2 ピケ・アン・ドゥダーン→3 &4 ピケ・アン・ドゥダーン→5 &6 ピケ・アン・ドゥダーン→7 &8 ピケ・アン・ドゥダーン→1 &2 トゥール・シェネ→3 &4 トゥール・シェネ→5 &6 トゥール・シェネ→7 &8 トゥール・シェネ→1 &2 ピケ・アン・ドゥダーン→3 &4 ピケ・アン・ドゥダーン→5 &6 ピケ・アン・ドゥダーン→7 &8 ピケ・アン・ドゥダーン→1 &2 トゥール・シェネ→3 &4 トゥール・シェネ→5 &6 トゥール・シェネ→7 右脚タン・リエ・アン・ナヴァン→8 左脚ポワン・タンジュ・デリエール・エファセでポゼ、アームスは左アン・オー、右ア・ラ・スゴンド、左にエポールマン

まずはこんなふうに少し抑えたテンポで一つ一つの回転のポジシオンや移動の方向に気を付けながら練習しましょう。
ピケ・アン・ドゥダーンは、ルティレに引き上げる脚の膝から下を後ろに跳ね上げてからルティレに引き上げることのないように気を付けましょう。回転することにばかり意識が向いてトルソーと軸足の動きにルティレに引き上げる脚の動きが遅れてしまうと、膝から下を後ろに跳ね上げるような、無意味な動きが生まれてしまいます
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、ピケ・アン・ドゥダーンのときのルティレの脚について、膝から下の部分で腿を素早く押し上げるようにルティレをするように、と動きのイメージを伝えています。引き上げた腿に膝から下がぶら下がってはいけません、とも伝えます
ピケ・アン・ドゥダーンは決して回転を急いではいけません。1回転ごとに確実にドゥミ・プリエに下りてエカルテ・ドゥヴァンのポワン・タンジュを守るようにしましょう。ドゥミ・プリエした脚とポワン・タンジュの脚の間に重心がズレてしまっては、次の回転のときに十分にトルソーを押し上げることが出来なかったり、カウントを無視して飛び出すように次の回転を急がなければならなくなってしまい、進行方向が狂いやすくなりますよ
ピケ・アン・ドゥダーンのあとのドゥミ・プリエとポワン・タンジュがきちんと出来ていないと、次のトゥール・シェネにトルソーをきちんと押し上げることが出来なくなります。そうすると、本来は必要のない力でトルソーを振り回すように回転をかけなければならなくなり、その力に振り回されるようにあとから引きつける脚の歩幅が無駄に大きくなったり、軸脚に深く被さるような位置に脚が出たりして、やはり進行方向に狂いが出ます
トゥール・シェネは1回転のパと見なしてはいますが、実はアン・ドゥダーン+アン・ドゥオールの半回転二つで構成されたパだということを忘れないで下さいね。片脚だけの勢いで無頓着に1回転してしまってはトゥール・シェネではなくなります。
トゥール・シェネは1番ポジシオン・ルルヴェを守るようにしましょう。回転を続けるうちにコントロールが利かなくなってだんだんと歩幅が広がり、2番ポジシオンに近い脚で回転するようでは無駄な力ばかり使うことになって疲れてしまいますし、方向も定まりにくくなりますよ。
最後のポゼに移動するところは、5番ポジシオン・ドゥミ・プリエから4番ポジシオン・ドゥミ・プリエをとおってトルソーを引き上げるように、両脚のターン・アウトを改めてきちんと修正してくださいね。そして軸脚の上にしっかりトルソーを引き上げて、ポワン・タンジュ・デリエールした脚の爪先の上に体重を落とさないように気を付けましょう。

連続した回転のアンシェヌマンは、はじめは抑えたテンポで構いませんからしっかり方向を定めて真っ直ぐに進めるように練習を繰り返しましょう。直線を真っ直ぐに進めないようでは、マネージュ=周回をすることは出来ません。自分がどこに向かって回転しつつ進んでいるのか分からなくなってしまいますからね

センター・レッスン vol.6 アンシェヌマン(グラン・アレグロ)

2011-05-16 09:55:24 | 日記
前回練習したジュテパ・ドゥ・シャのアンシェヌマン、リズムにのって軽快に動けるようになりましたか?
テンポの速いリズムで動くときは力まずに落ち着いて、パとパの繋がりを考えるようにしましょう。
今回はグラン・アレグロの練習をしましょう。
グラン・アレグロは大きな跳躍や回転など様々なパを組み合わせてアンシェヌマンを構成しますし、片側1セットに充てる音楽の長さも長くなって体力も必要です。力任せに動いていたのでは複数回繰り返す途中で力尽きてしまいますよ。
でははじめましょう。
プレパラシオンは左脚クロワゼ・デリエールのアティチュード・ア・テール、アームスはアン・バ。
左脚をア・ラ・スゴンドにポワン・タンジュ→8 左脚にトンベしてドゥミ・プリエ、右脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン→1 右脚をエカルテ・ドゥヴァンにデヴロッペ、左脚ルルヴェ→2 右脚にトンベ→シャセ→3 グリッサード→4 グラン・ジュテ・アン・ナヴァン→右脚ドゥミ・プリエ、左脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン→5 左脚をエカルテ・ドゥヴァンにデヴロッペ、右脚ルルヴェ→6 左脚にトンベ→シャセ→7 グリッサード→8 グラン・ジュテ・アン・ナヴァン→左脚ドゥミ・プリエ、右脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン→1 右脚をエカルテ・ドゥヴァンにデヴロッペ、左脚ルルヴェ→2 右脚にトンベ→シャセ→3 グリッサード→4 グラン・ジュテ・アン・ナヴァン→5 右脚軸でピケ・アラベスク→6 左斜め後方にトンベ→シャセ→7 アッサンブレ・アン・トゥールナン→8 右前5番ドゥミ・プリエ→1 右脚軸でピケ・アラベスク→2 左斜め後方にトンベ→シャセ→3 アッサンブレ・アン・トゥールナン→4 右前5番ドゥミ・プリエ→5 右前5番シュス・スー→6 ポゼ→7 左脚ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドからトンベ→8 右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼ→1 ピケ・トゥール・アン・ドゥダーン→2 ピケ・トゥール・アン・ドゥダーン→3 ピケ・トゥール・アン・ドゥダーン→4 ピケ・トゥール・アン・ドゥダーン→5 ピケ・トゥール・アン・ドゥダーン→6 ピケ・トゥール・アン・ドゥダーン→7 右脚にトンベ、左脚ポワン・タンジュ・デリエール・エファセ→8 アームスは左アン・オー、右ア・ラ・スゴンドでポゼ
アームスは
デヴロッペ・エカルテ・ドゥヴァンのときにデヴロッペする脚と同じ側の腕がアン・オーで軸側の腕がア・ラ・スゴンド
グラン・ジュテ・アン・ナヴァンのときは前にジュテする脚と反対側の腕がアン・ナヴァン。つまり2番アラベスクのアームス。
アッサンブレ・アン・トゥールナンのときはアン・オー。
シュス・スーのときもアン・オー。
ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼではポワン・タンジュの脚と同じ側の腕がアン・ナヴァン、軸側がア・ラ・スゴンド。

それでは大切なポイントをチェックしていきましょう。
エカルテ・ドゥヴァンにデヴロッペした脚を下してトンベ、そしてシャセまでの動きは途切れることなく、一つのパのようにまとめて下さいね。エカルテ・ドゥヴァンへのデヴロッペの頂点でポゼを見せるようにしっかりトルソーを引き上げたあと、トンベ→シャセを素早くすると、動きにメリハリが生まれます
次のグリッサードはグラン・ジュテのための助走のパですから、シャセからの勢いに任せて無頓着に大きなジャンプをしてはいけません。床の上スレスレのところを滑るように、ということを忘れないで下さいね。
グラン・ジュテは前にジュテする脚をしっかりグラン・バットマンをするように振り出すこと、そして跳び上がった直後に後ろ側の脚もグラン・バットマンをするようにしっかり引き上げることです。
グラン・ジュテを跳ぶときには視線を下げてはいけません。視線をさげるようにと指定されない限り下を向いてはいけません。力強く軽やかな跳躍が出来なくなって、下に落っこちるようなジャンプになってしまいますよ
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、グラン・ジュテのときには“自分が跳んでいきたい、跳んで手を届かせたいと思うところに視線を向けて跳びなさい”とアドバイスしています
アッサンブレ・アン・トゥールナンの助走のシャセのときにも下を向かないように気を付けましょう。
アッサンブレ・アン・トゥールナンはアームスを素早くアン・オーに引き上げることでトルソーをしっかり引き上げて跳びます。空中で5番ポジシオン・タン・ルヴェの形に両脚をきちんとまとめてから着地すると美しい動きになりますね。
5番ポジシオン・ドゥミ・プリエに着地したときもアームスはアン・オーのまま、トルソーを引き上げておきいましょう。
終盤のピケ・トゥール・アン・ドゥダーンは勢い任せに回り急いではいけませんね。ルティレに引き上げる脚、アン・ナヴァンにまとめるアームス、首の動きなどひとつひとつのポジシオンや動きをきちんと守りましょう。
最後のポゼで顔の向きはアン・オーに上げた腕の方にエポールマン、少し上を見上げるように顔を上げ視線を上げましょう。
最後のポゼをしたら一呼吸おいてから解放しましょう。どんなに息があがっていても疲れていても、ポゼの形をちょっと作っただけでさっさと終わりにしてしまうようなことは決してしてはいけません。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、最後のポゼをしたら、その音の余韻が消えるまでポゼを崩さないこと、とアドバイスするようにしています。
グラン・アレグロの練習をするときは大らかで華やかな自分なりのイメージを描いて、そのイメージを表現するために“踊る”ことを忘れないようにしましょうね。

センター・レッスン vol.6 アンシェヌマン(ジュテ、パ・ドゥ・シャ、ピルエット)

2011-05-12 10:45:44 | 日記
今回もこれまでに練習してきたパを組み合わせてアンシェヌマンの練習をしましょう。
シンプルなアレグロのプティ・ソテです。
早速始めましょう。
プレパラシオンは右脚後ろの5番ポジシオン、アームスはアン・バからア・ラ・スゴンドへ。
→8 プレパラシオン⇒1 右脚ジュテ→2 タン・ルヴェ→3 左脚ジュテ→4 タン・ルヴェ→5 右にパ・ドゥ・シャ→6 パ・ドゥ・シャ→7 エシャッペ・ソテ→右後ろ4番ドゥミ・プリエ→8 右にピルエット・アン・ドゥオール→右前5番ポジシオン・ドゥミ・プリエ⇒1 左脚ジュテ→2 タン・ルヴェ→3 右脚ジュテ→4 タン・ルヴェ→5 左にパ・ドゥ・シャ→6 パ・ドゥ・シャ→7 エシャッペ・ソテ→左後ろ4番ドゥミ・プリエ→8 左にピルエット・アン・ドゥオール⇒…
アームスの動きは
ジュテとタン・ルヴェのときは跳ぶ脚の側のアームスがアン・ナヴァン、ク・ドゥ・ピエ・デリエールの脚の側がア・ラ・スゴンド。アン・ナヴァンに引き上げるアームスはアン・バを通過します。
パ・ドゥ・シャの時は進行方向の側のアームスがアン・ナヴァン、もう片方はア・ラ・スゴンド。
2回目のパ・ドゥ・シャのアームスを、アン・ナヴァンのアームスはア・ラ・スゴンドを通して素早く両方アン・バに下げて、エシャッペ・ソテのときにアン・ナヴァンに引き上げます。

順番は決して難しいものではありませんね。1セット=4分の2拍子で8小節、2セットで16小節です。
この右側の動き→左側の動きを1セットとして、少なくとも2セットを1回としましょう。このくらいの短いアンシェヌマンなら、本来は1回に4セットが望ましいですよ。
では大切なポイントをチェックしていきましょう。
ジュテは空中で一度、両脚を爪先まできちんと伸ばしてから、着地と同時に片方の脚をク・ドゥ・ピエ・デリエールに引きつけます。十分に両脚を伸ばして跳ぶことなく、中途半端に飛び降りて脚を踏みかえるような跳躍をしてはいけませんね
ジュテの次のタン・ルヴェも跳ぶ脚を爪先まできちんと伸ばしましょう。このタン・ルヴェに必要なのは跳躍の高さではなく、トルソーと脚を引き上げる力です
このタン・ルヴェのときに、ク・ドゥ・ピエ・デリエールにおいた脚が不用意に跳ね上がったりしないように気を付けましょうね。跳ぶ脚から離れたり、跳ぶ脚のふくらはぎのほうに浮き上がったり、股関節や膝のターン・アウトが失われてはいけませんね
次のパ・ドゥ・シャは、カウント1で一つのパを完結しなければなりませんが、慌てて中途半端な動きにならないように気を付けましょう。必ず空中で両膝を曲げたポジシオンを形作ることを忘れないで下さい。ここでも大切なのは高さではなく、トルソーと脚を引き上げる力ですよ。
エシャッペ・ソテはパ・ドゥ・シャのあとの5番ポジシオンから真っ直ぐに跳び上がり4番ポジシオン・ドゥミ・プリエに着地します。この4番ポジシオン・ドゥミ・プリエは、次のピルエット・アン・ドゥオールのプレパラシオンですから、くれぐれもトルソーの重心が後ろ側の脚の上に落ちないように気を付けましょう
ピルエット・アン・ドゥオールを5番ポジシオンに収めたらすぐに反対側のジュテを始めますから、この5番ポジシオン・ドゥミ・プリエは次のジュテのためのプレパラシオンと考えましょう。片側が終わったところでほっとして力を抜いてはいけません。カウントに遅れてしまいますよ
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、アレグロは“音を聞いてから動くのではなく、音の上に乗っかるようなイメージで”とアドバイスしています。カウント=リズムを追いかけて動くのではなく、自分の中にリズムをもつことが大切だと思いますよ