バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

バー・レッスン vol.2 カンブレvol.2

2009-10-26 12:03:18 | 日記
《カンブレ・アン・ナヴァン》《カンブレ・アン・ナリエール》の練習をしましたので、今回は《カンブレ・ア・ラ・スゴンド》です。
《グラン・プリエ》のとき、2番グラン・プリエのあとに続けることが多いですから、まずは2番ポジシオンで練習しましょう。
左手をバーに置いて2番ポジシオンで立って下さい。右のアームスはア・ラ・スゴンドです。
右のアームスを《アン・オー》に向かって引き上げ、更にバーの方へ引き上げて行きます。そうするとトルソーが自然にバーの方に傾いていきますね。これが基本の《カンブレ・ア・ラ・スゴンド》です。
バーに近いほうのウエストを縮めてトルソーを横に倒してはいけませんね。あくまでもバーを越えて斜め上に引き上げる、とイメージしてみて下さい。
センターに近い方の足の上に重心をズラして、トルソーを傾けてはいけませんよ。重心は両かかとの真ん中にあります。
長く高く引き上げるように動くアームスにリードされて、トルソーが《カンブレ》をする、と考えて下さいね。
次にセンターの方に《カンブレ・ア・ラ・スゴンド》をしてみましょう。
バーに置いた左手を離して、そのアームスを先ず《アン・オー》に向かって引き上げ、更にセンターの方に引き上げることで、トルソーがセンターの方に引かれて傾いていきます。ア・ラ・スゴンドの右腕は、トルソーが傾くのに合わせて自然に下げていき、《アン・バ》のポジシオンにしましょう。
両足でしっかり床を押して、重心が安定していないとグラグラしてしまいますね
バー側の足の上に骨盤をずらしてはいけません。センター側のウエストが縮んでしまいますよ。
バー・レッスンではこのほかに、《ロン・ドゥ・ジャンブ・パール・テール》の後半にも《カンブレ》を続けますね。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンで主に採り入れているのは、ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドのポジシオンに脚を置いて、先ずバーの方に、続いてセンターの方にという順番です。
バーの方への《カンブレ》をするとき、ポワン・タンジュした脚の側の骨盤が傾いて持ち上がらないように気をつけましょう。
センターの方に《カンブレ》をするときには、軸脚側の骨盤を横に突き出さないように気を付けましょう。
も、その反対側のウエストが不必要に縮んでしまって美しくなくなります
ポワン・タンジュした足のかかとは床に近づかないように、足指の裏全体が床に付いたりしないように、そして膝が正面を向かないように、股関節のアンドゥオールをしっかり守りましょう。
《カンブレ》ポール・ドゥ・ブラにも採り入れられ、様々に変化もします。いつでも、捻れ・歪み・縮みのない、伸びやかに美しい《カンブレ》を大切にして下さいね。

バー・レッスン vol.2 カンブレ

2009-10-21 10:46:50 | 日記
これまで一番の基本になるシンプルなバー・レッスンで脚の動かし方やトルソーのコントロール、《アン・ドゥオール(=ターン・アウト)》の確認や練習をして、そしてセンター・レッスンでもシンプルな《パ》《アンシェヌマン》の確認と練習をしてきましたね。
ここで、もう一度バー・レッスンに戻りましょう。
今後、センターでの《パ》《アンシェヌマン》が少しずつ難しくなっていきますから、それを無理なく身に付け動けるようになるためにも、バー・レッスンで動きの基本を身に付けることと身体作りが大切です
一番初めのバー・レッスンは、鏡に対して正面向きで両手でバーにつかまってのレッスンが中心でした。
それは、アンサンブル・ド・ミューズでは、キッズクラスや大人の入門・初心者の方に自分の身体を真っ直ぐ にコントロールすることを覚えて頂くため、動きに伴う“歪み”や“捻じれ”を、ご自分の目 でも確認して頂くために、必ず最初は《両手バー》でのレッスンを採り入れているからです。
ここからのバー・レッスンは、特に指定がない限り《片手バー》でレッスンしましょう。
それでは左手をバーに置いて、1番ポジシオンで立って下さい。
アームスを“アン・バ”から“アン・ナヴァン”を通って“ア・ラ・スゴンド”に…、ここまでがプレパラシオン(=準備の動作)です。
先ず、ドゥミ・プリエを2回、グラン・プリエを1回行います。
そして脚の付け根(=股関節)からトルソーを前に倒していきます。アームスは身体が下へ行くのに従って下げていき、トルソーが完全に下に降りたときにはアームスも床スレスレまで降ろしています。ここまでが《カンブレ・アン・ナヴァン》です。
次にアームスでトルソーを前方に引き上げるように背中から起こしていき、元の1番ポジシオンに戻ってアームスは“アン・オー”になります。
そこから今度はトルソーを後ろに反らしています。アームスは常に顔の横に沿わせておきましょう。ここまでが《カンブレ・アン・ナリエール》です。
胸から身体を起こしていきます。アームスを大きく“ア・ラ・スゴンド”に開きながら身体を起こす動きと、そのまま“アン・オー”に引き上げてくる動きとがあります。
さあ、ここで大切なポイントの確認をしましょう
《カンブレ・アン・ナヴァン》で深く沢山曲がろうとして、お尻を先に後ろに引いてはいけませんよ。バーを握り締めてしがみつかなければならないようでは、重心が完全に後ろにズレています
レッスンを始めてまだ日が浅い方や身体の硬い方は、無理に“二つ折り”になろうとする必要はありません。無理をすると腰を痛めてしまいますご自分の最大の角度で十分です。
《カンブレ・アン・ナヴァン》で深く曲がろうとして、肩に力が入って首が縮まないように気を付けて下さいね。
トルソーを起こす時に、背中よりも先に顔を上げて、首の後ろが縮まないように気を付けて下さいね、あまり美しい形ではありませんよ
《カンブレ・アン・ナリエール》をするとき、骨盤を前に押し出してウエストの辺りから急角度にトルソーを曲げてはいけません 腰を痛めてしまいます。
トルソーを後ろに反らす前に、顎が上がって首の後ろが縮んではいけません。呼吸が通らなくなってしまいますし、頚椎(=首の骨)に負担がかかります。
《カンブレ・アン・ナヴァン》のときは、胸からトルソーを一旦斜め上前方に引き上げておき尾てい骨から背骨を順に1個ずつ下に向けて降ろしていき、最後に首の骨を降ろす、《カンブレ・アン・ナリエール》のときは、トルソーを斜め上後方に引き上げ続けるとイメージするといいですよ
この《カンブレ・アン・ナヴァン》《カンブレ・アン・ナリエール》は1番から5番までのどのポジシオンでも行なえますが、一般的には1番プリエと5番プリエのあとに続けて行なわれます。アンサンブル・ド・ミューズでは、中級クラス程度になると2番ポジシオンでも続けることがあります。
2番と4番のプリエの後には横方向、つまりバーの方とセンターの方へのカンブレを続けるのが一般的ですが、横方向へのカンブレの練習と確認は次回にしましょう

グリッサード・アラベスク

2009-10-06 14:46:32 | 日記
《ピケ・アラベスク》《アラベスク・ルルヴェ》を練習してきましたので、今回は《グリッサード》と組み合わせて練習してみましょう。
まずアンサンブル・ド・ミューズのレッスンで取り入れている一番初歩の動き方をご紹介します。
鏡に対してアン・ファス(=正面)、右前の5番ポジシオン、ドゥミ・プリエから右方向グリッサード・ドゥシュ。右後ろ5番ドゥミ・プリエから右脚をポワン・タンジュ・ドゥヴァンに伸ばしながら右方向 に身体の向きを変えます。このときアームスはアン・ナヴァンに引き上げておきましょう。左脚ドゥミ・プリエのバネを利用して、トルソーを右爪先の上に押し上げ、同時に左脚をデガージェ・デリエール(=アラベスク)にあげます。アームスは右がアン・ナヴァン、左がア・ラ・スゴンドでそれぞれ手の平を下に向けます。最後に左前5番ドゥミ・プリエに収め鏡に対してアン・ファス(=正面)に戻ります。アームスもアン・バに収めましょう。
同じように今度は左方向グリッサード・ドゥシュ。左後ろ5番ドゥミ・プリエから左脚をポワン・タンジュ・ドゥヴァンに伸ばしながら左方向 に身体の向きを変えます。右脚ドゥミ・プリエのバネを利用して、トルソーを左爪先の上に押し上げ、同時に右脚をデガージェ・デリエール(=アラベスク)にあげます。アームスは左がアン・ナヴァン、右がア・ラ・スゴンドでそれぞれ手の平を下に向けます。最後に右前5番ドゥミ・プリエに収め鏡に対してアン・ファス(=正面)に戻ります。
一番シンプルなカウントに合わせるなら、2・3で準備のドゥミ・プリエ、2・3グリッサードをして、
2・3で右脚をポワン・タンジュ・ドゥヴァンに伸ばしながら方向を変え、
2・3ピケ・アラベスクに立ち、2・3で左前5番ドゥミ・プリエ、アン・ファスに収める、ですね。
アンサンブル・ド・ミューズでは通常8カウントでカウントをとってレッスンしています。
さあ、注意しなければならないポイントがいろいろあります。
グリッサードのあとのドゥミ・プリエが緩んでトルソーが浮き上がってはいけません。
片方の脚をポワン・タンジュに脚を伸ばしながら身体の向きを変えるときに、ドゥミ・プリエをしている脚のターン・アウトをしっかり守りましょう。勢いにつられて膝と爪先が閉じないようにしましょうね。
ピケ・アラベスクに立つ前に、ポアン・タンジュに伸ばした脚を引き戻してはいけませんよ。ポワン・タンジュの爪先を“追い越す”くらいのイメージでトルソーを押し上げましょう。
ピケ・アラベスクに立ったときのトルソーが後ろに引かれないように気を付けましょう。“前方斜め上”に向かって、とイメージすることです。
最後に5番ドゥミ・プリエに収めるときに、後ろに上げた脚を落としてはいけませんね。脚を5番ドゥミ・プリエに“引き戻す”とイメージしてみて下さい。そしてトルソーが脱力することのないように気を付けましょうね。
今回は一番初歩の動き方ということで真横にグリッサードをしてピケ・アラベスクをする練習をしましたが、グリッサードで斜め前方に移動してエファセ・アラベスクのポジシオンをとれば、左右ジグザグに、舞台奥から前に向かって進んでくることが出来ます。その分動きに立体感が出ますよ。
ただし、斜め方向にグリッサードをするときは、くれぐれも進行方向側のお尻から動き出さないように気を付けて下さいね。