バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

ピケ

2009-07-17 13:32:02 | 日記
ピケ(=piquer)は、刺す、突く、~を突き刺す、突き立てるという言葉がもとになっている動きです。
脚の付け根から爪先までを1本の針のように伸ばして、“突き刺す”ように立つのが基本です。決して膝が緩んではいけません。
《ピケ》が正確に出来なければ、様々なで、きちんとバランスを取ることが出来ずに不安定になりますし、美しく動くことは出来ません。
女性の場合は最終的にはポワントで立つことになりますから、まずは脚やトルソーのコントロールを正確に身に付けられるように練習してみましょう。
初めにバーを使って基本の基本になる動き方を練習しましょうね。
バーに対して正面を向いて、右前の5番ポジシオンで立って下さい。
左脚でドゥミ・プリエをしながら右脚をポワン・タンジュ・ドゥヴァンに伸ばします。
次に左脚ドゥミ・プリエのバネ(=反動)を利用して、トルソーを右足爪先の真上に押し上げます。このとき 右膝を緩めたり曲げたりしてはいけません。
左脚はク・ドゥ・ピエ・デリエールに引き付けましょう。
  左脚でトルソーを押し上げるときに、ポワン・タンジュした右脚を引き戻してはいけません。ドゥミ・プリエが中途半端になりますし、右膝も曲がりやすくなってしまいます。
  ポワン・タンジュした右脚の股関節のターン・アウトを守りましょう。かかとを後ろに引いて膝が正面を向くようでは強いピケは出来ませんし、そのあとのバランスのコントロールも悪くなってしまいますよ。
  床に対して垂直に立てた骨盤を爪先のうえに載せましょう。骨盤が前傾していたり、前に押し出しすぎてトルソーが後ろに傾いたりするとバランスを崩してしまいますからね。肋骨が開いて上がっていたり、肩甲骨のあたりが縮んでいたり、腰が縮んだりしていないか丁寧にチェックしてみましょう。
  横から見ると、爪先の真上に骨盤の真ん中が載り、その延長上真上に肩が載ります。そして肩から上に引いた線が耳の後ろを通って頭の天辺に伸びていきます。
今回はトルソーを押し上げたあとの脚をク・ドゥ・ピエに引き付けましたが、もちろんデガージェ・デリエールに伸ばしても構いませんし、ルティレに引き上げたり、アラベスクやアティチュードでも構いません。でも、爪先の上にしっかりトルソーを押し上げることが出来ないと、アラベスクやアティチュードに上げようとする脚そのものが“おもり”のようになって、バランスを崩すことになります。ですから、アンサンブル・ド・ミューズでは、しっかりトルソーを押し上げる感覚がつかめるまでは、ク・ドゥ・ピエ・デリエールに引き付けるように練習しています。
それでは、バーから離れてセンターでピケを練習しましょう。
右前5番ポジシオンから、左脚ドゥミ・プリエで右脚をポワン・タンジュ・ドゥヴァン、左のドゥミ・プリエで右爪先の上にトルソーを押し上げて、左脚はク・ドゥ・ピエ・デリエール、ここまではバーのときと同じですね。
次にク・ドゥ・ピエ・デリエールの脚を下ろしてドゥミ・プリエ、右脚ポアワ・タンジュ・ドゥヴァンに戻ります。スタートした位置より前方に進んでいるはずです。
この動きを繰り返しながら前方に進んでみましょう。アームスはア・ラ・スゴンドです。
で左脚ドゥミ・プリエ&右脚をポワン・タンジュ・ドゥヴァンの準備でピケ&ク・ドゥ・ピエ・デリエールで左脚を下ろしてで準備のポーズでピケ&ク・ドゥ・ピエ・デリエールで左足を下ろしてでまた準備のポーズ

  バーで練習したときに説明したように、ポワン・タンジュした右脚を引き戻してはいけません。前に進めなくなりますよ。
  ク・ドゥ・ピエにした脚を下ろして次への準備をするとき、トルソーが後ろに傾かないように気を付けて下さいね。逆に骨盤が前傾して、トルソーが“お辞儀”のように前傾するのも です。
同じように左脚でも練習しましょう。
次回は横方向への移動を練習しましょうね。