バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

ピケ・アラベスク

2009-08-17 13:27:48 | 日記
前回まで《ピケ・ルティレ》をしながら移動する練習をしましたから、今回は《ピケ・アラベスク》を練習しましょう。
要領やコツは《ピケ・ルティレ》とほとんど同じですが、改めて動きを分解してポイントを確認しながら練習してみましょう。
先ずバーの方をむいて右前の5番ポジシオンに立って下さい。
最初の準備動作は、《ピケ》《ク・ドゥ・ピエ・デリエール》で練習した時と同じです。
5番ドゥミ・プリエから右脚をポワン・タンジュ・ドゥヴァンに伸ばし、左脚のドゥミ・プリエの“バネ”でトルソーを右爪先の上に押し上げます。同時に左脚をデリエールに伸ばして上げます。
トルソーを右爪先の上に押し上げて《ピケ》に立つのと同時にバーにつかまってバランスを取るようにしてみましょう。
そのまま鏡で確認しましょう。
軸脚となっている右脚は股関節のターン・アウトを守れていますか?
爪先の小指側に重心が落ちて足が“バナナ足 ”になっていませんか?
アラベスクした左脚が腰の幅より左外に上がっていませんか?
アンダー・バストは腰骨よりも前に引きあがっていますか?
アラベスクした左脚がわのウエストのあたりが縮んでトルソーが傾いていませんか?
不必要に肋骨が上がり、肩甲骨の下辺りが縮んで、重心が後ろに傾いていませんか
無理に高く脚を上げる必要はありません。45度以下でも十分ですから、まずは軸脚とトルソーを正しくコントロールすることを覚えましょう。
ドゥミ・プリエした脚でトルソーを押し上げるのと同時に、素早くその脚をアラベスクに引き上げましょう。その引き上げが遅れると脚そのものが錘のようにトルソーを後ろに引っ張ることになってしまいますから、要注意です
左側も同じように確認と練習をしたら、バーを離れてセンターで練習してみましょう。
先ずは鏡に対して正面向き、右前5番ポジシオンで立ち、アームスは右をアン・ナヴァン、左をア・ラ・スゴンドに伸ばして手の平を下に向けます。
プルミエール・アラベスク=1番アラベスクでの《ピケ・アラベスク》の練習です。
5番ドゥミ・プリエから左脚でトルソーを押し上げて、右脚軸で《ピケ・アラベスク》、右前5番ドゥミ・プリエに収めます。まずはゆっくりこれを繰り返して練習しましょう。
ドゥミ・プリエの脚でトルソーを押し上げるとき、アン・ナヴァンのアームスを少し前に指し伸ばすようにすると、スムーズに《ピケ》で立つことが出来ますよ。
さあ、鏡を見ながらチェックしてみましょう。チェックのポイントはバーを使って練習したときと同じです。
《ピケ》のあとドゥミ・プリエに収めた時に、骨盤が前傾したお辞儀のようなトルソーにならないよう、股関節からのターン・アウトを守るように気を付けましょうね。
アン・ナヴァンに伸ばしたアームスが、自分の肩幅より外側に流れてしまわないよう、そしてア・ラ・スゴンドに伸ばした腕がぶら下がった状態にならないように、アームスもしっかりコントロールすることを忘れないで下さいね。
今回は、1回ずつの《ピケ・アラベスク》を正確に動くために必要な練習をしました。次回はこれを少し変化させましょう。

ピケvol2

2009-08-03 13:49:54 | 日記
前回はピケで前=アン・ナヴァンに進む練習をしましたので、今回は横に進む練習をしましょう。
横=ドゥ・コテ(de cote)です。
右前5番ポジシオンから左脚でドゥミ・プリエ、同時に右脚でポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド。左脚ドゥミ・プリエの〈バネ=反動〉を利用して、トルソーを右爪先の上に押し上げます。左脚をク・ドゥ・ピエ・デリエールに引き付けましょう。
次に、ク・ドゥ・ピエ・デリエールの左脚を真っ直ぐに下ろしてドゥミ・プリエ、同時に右脚をポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドに伸ばします。これを繰り返しながら横方向へ進んでみましょう。
注意しなければならないポイントは前=アン・ナヴァンに進むときと同じです。
ピケに立つ脚を決してドゥミ・プリエした脚の方に引き戻してはいけません。
ピケから次のドゥミ・プリエにおりてポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドに脚を伸ばしたとき、トルソーがドゥミ・プリエの脚の方に傾いていませんか?
ドゥミ・プリエした脚の股関節はターン・アウトが守れていますか?
ピケに立つ脚のカカトを後ろに引いてしまって、ターン・アウトが失われていませんか?
両肩・ウエスト・左右の腰骨は同じ高さに保たれていますか?
不自然に胸が上がって後ろに反っていませんか?
ク・ドゥ・ピエに引き付けた脚の方の骨盤が上がって、腰が傾いていませんか?
ピケした時にはピケで立っている脚の方にトルソーが傾き、ドゥミ・プリエにおりた時にはドゥミ・プリエした脚の方にトルソーが傾く、という壊れたシーソーのようにならないよう、骨盤とトルソーを真っ直ぐに支えましょう。
注意しなければならないことは沢山ありますが、正確に美しいピケをマスターするためには必要なことですね。
少し動きになれてきたら、アームスをあわせてみましょう。
ドゥミ・プリエする脚の側のアームスをア・ラ・スゴンドにおき、ピケする脚の側のアームスをアン・ナヴァンにおきます。頭部はアン・ナヴァンにおいたアームスの肩の方に向けてエポールマンを守りましょう。
アン・ナヴァンにおいたアームスの肘が曲がり過ぎたり、肘が垂れ下がってはいけません。
ア・ラ・スゴンドにおいたアームスが垂れ下がったり、バストの延長ラインよりも後ろに外れてはいけません。
顎が上がって頭部が後ろに傾いてはいけません
このピケが回転に発展するときにアームスが重要な役割を担いますから大切にしましょうね。
前回も今回も片方の脚をク・ドゥ・ピエに引き付ける形で練習しましたが、ルティレに引き付けるときには、膝を素早く引き上げるために《内腿》の筋力が必要になります。
軸脚の方にもう片方の脚を引き上げるのではなく、ドゥミ・プリエした脚でトルソーを強く素早く爪先の上に押し上げるとイメージしてみて下さいね。
そして、ク・ドゥ・ピエでもでも、アラベスクでも、いち早くそれぞれのポジシオンに脚を引き上げることが出来なければ、ピケで静止することは出来ません。
たとえ一瞬でもピケで静止することが出来なければ、美しく回転することは難しいでしょう。
正確で美しいピケをマスター出来れば、2回転でも3回転でも安定した回転をすることが出来るようになりますよ。先ずは焦らずに丁寧にピケの練習をしておきましょう