バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

センター・レッスン vol.3 スートゥニュ・アン・トゥールナン

2010-05-25 09:42:52 | 日記
前回までのトゥール・シェネに引き続き、今回も回転を続ける動きスートゥニュ・アン・トゥールナンの練習をしましょう。
バー・レッスンのvol.2のところでスートゥニュの練習をしましたね。覚えていますか?
あの1回転のスートゥニュを連続したアンシェヌマンにしますよ。
初めに1回転ずつ分解して動きを確認してみることにしましょう。
スタジオの一番奥で鏡に右肩を向けて横向き、右前5番ポジシオン、アームスはアン・バで準備して下さい。
ドゥミ・プリエ→8 右ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→1 鏡に対してアン・ファスで右爪先の上にシュス・スー、左前5番ドゥミ・ポワント→2 右方向に回転→3 鏡に対して右肩を向けた横向きで停止、4 左ドゥミ・プリエ、右ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド⇒5 鏡に対してアン・ファスで右爪先の上にシュス・スー、左前5番ドゥミ・ポワント→6 右方向に回転→7 鏡に右肩を向けた横位置で停止→8 ドゥミ・プリエ‐ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド⇒…
アームスは、
①初めのドゥミ・プリエ‐ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド(=プレパラシオン)のときに右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンド
②鏡に対してアン・ファスで左前5番ドゥミ・ポワントのときも右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンド
③回転を始めるときにアン・ナヴァン
④回転が終わって初めのプレパラシオンに戻ったところで右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンド
という動きをします。
このスートゥニュ・アン・トゥールナンで最も大切なことは、 両脚が5番ポジシオン・ドゥミ・ポワントにきちんと重なる前に、トルソーが先に回転をはじめてはいけないということです。
ゆっくりのテンポで練習するときに、きちんと鏡に対してアン・ファス、5番ポジシオン・ドゥミ・ポワントで静止したのを確かめてから回転を始めるように気をつけるといいですよ
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、どんなにテンポが速くなっても、5番ポジシオン・ドゥミ・ポワントで確実に一瞬停まってから、改めて回転を始めるイメージで、と伝えています
それでは少しテンポを上げて練習してみましょうか。
左ドゥミ・プリエ‐右ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド⇒1 鏡に対してアン・ファスにシュス・スー、左前5番ドゥミ・ポワント→右方向に回転⇒2 初めのドゥミ・プリエ‐ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド⇒3 鏡に対してアン・ファスでシュス・スー→回転⇒4 ドゥミ・プリエ‐ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド⇒…
シュス・スーをした瞬間、肋骨が上がってトルソーが反っていませんか?もっとテンポが速くなったら、回転が間に合わなくなりますよ
回転を始めるときに、右方向への回転のときは“右”、左方向への回転のときは“左”側のトルソーを縮めて斜め下に引いていませんか?回転軸がブレて直進できなくなりますよ
回転が終わって初めのドゥミ・プリエ‐ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドに下りるとき、トルソーや脚の力を抜いて“崩れるように”プリエに落っこちていませんか?次の動きに間に合わなくなりますよ
プレパラシオンのときからきちんと顔を鏡に向けて、自分と視線を合わせていますか?首=頭部の動きは、トゥール・シェネのときと同じコントロールをします
アームスを乱暴に無頓着に振り回したり、あるいは手首や肘が垂れ下がったりしていませんか?肩から人差し指の先に繋がるなだらかなラインを守りましょう。
回転が終わってプレパラシオンのドゥミ・プリエ‐ポワン・タンジュに下りたとき、股関節のターン・アウトは守れていますか?ポワン・タンジュの膝はきちんと天井の方に向けていますか?
プレパラシオンではドゥミ・プリエの足の上にきちんと重心が載っていますか?ポワン・タンジュした爪先の上にも中途半端に重心が流れていては、トルソーをシュス・スーに押し上げる“ばね”が足りなくなりますよ

本当に速いテンポでスートゥニュ・アン・トゥールナンを繰り返すと、トゥール・シェネと見間違えるほどになります。でもス-トゥニュ・アン・トゥールナンは1回転ずつ確実にドゥミ・プリエに下りることと、シュス・スーに引き上げることとを繰り返します。それが1番ポジシオン・ドゥミ・ポワントを崩さずに回転を続けるトゥール・シェネとの違いです

センター・レッスン vol.3 ピケ・アン・ドゥダーン‐トゥール・シェネ

2010-05-20 10:03:22 | 日記
前回練習したトゥール・シェネ、回転のイメージが掴めるようになりましたか?
初めのうちは目 が回ってしまうこともあるでしょうし、まっすぐに進めないこともあるでしょう。
首=頭部の動きやアームスの動きに気を付けながら、可笑しな癖が付かないように、あるいは悪い癖を直しながら練習していくと、スムーズに回転しながら進めるようになりますよ
さあ、今回は2種類の回転を組み合わせて、短い単純なアンシェヌマンにしてみましょう。
ピケ・アン・ドゥダーンと前回練習したトゥール・シェネを組み合わせます。
もっとも基本のシンプルなパターンで練習しましょう。
右肩を鏡に向けて横向き、右脚前5番ポジシオン、アームスはアン・バで準備して下さい。
7・8 左ドゥミ・プリエ、右ポアン・タンジュ・ア・ラスゴンド、アームスは右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンド→1 右脚軸で右にピケ・アン・ドゥダーン→2 左ドゥミ・プリエ、右ポアン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→3 右にピケ・アン・ドゥダーン→4 左脚ドゥミ・プリエ→5 ピケ・アン・ドゥダーン→6 ドゥミ・プリエ→7 ピケ・アン・ドゥダーン→8 ドゥミ・プリエ⇒1 右方向に半回転して1番ドゥミ・ポワント、アームスはアン・ナヴァン→2 右に半回転して元の方向、アームスは右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンド→3 半回転→4 半回転→5 半回転→6 半回転→7 右脚軸に重心を移して斜め前方を向いて4番ドゥミ・プリエ→8 右脚軸でエファッセのポアン・タンジュ・デリエールでポーズ、アームスはアン・オー
ひとつひとつの動きを確認しながら動くつもりで、ゆっくりのテンポで練習しましょう。
ピケ・アン・ドゥダーンは一つずつきちんとドゥミ・プリエ‐ポアン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドに下りることが出来ますか?ポアン・タンジュした爪先のほうに重心がズレてはいけませんね。
4回目のピケ・アン・ドゥダーンの後のドゥミ・プリエ‐ポアン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドから、トゥール・シェネの最初の半回転に入るときは、右脚⇒左脚とピケをしますが、左脚を振り回すような動きをしてはいけません。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、この最初の半回転のところで、後からピケをする方の脚は1番ポジシオンを通過させるように引き上げて、と伝えています
半回転ずつトゥール・シェネを繰り返す間、トルソーを右→左→右→左と交互に傾けて方向転換をしていませんか?半回転の軸になるほうの脚の上に重心がおっこちないように気を付けましょうね。骨盤を常にまっすぐに立てておきましょう。
ピケ・アン・ドゥダーンもトゥール・シェネも、首=頭部はきちんと鏡に向けていますか?“顔から先”に回りだしていませんか?
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは鏡に映った自分と目を合わせて見つめあったまま そして一瞬視線を外してもまたすぐに見つめあうように、とコントロールのイメージをアドヴァイスしています
トゥール・シェネの最後の半回転が終わって、エファッセの方に4番ドゥミ・プリエをするとき、両方の股関節のターン・アウトが失われないように気を付けましょう。アームスはアン・バを通過してアン・ナヴァンまで引き上げますよ。
エファッセ・ポアン・タンジュ・デリエールのポーズで、トルソーの重心が軸脚のカカトの上にズレて、ポアン・タンジュした爪先の上に体重が落ちていませんか?アン・オーのアームスでトルソーをしっかり斜め前方に引き上げましょう。
今回は初めてですから通常の半分のテンポでゆっくり練習しましたが、動きになれてコントロールが出来るようになったら、トゥール・シェネも半回転ずつではなく1回転でつないでいきましょう。
7・8 左ドゥミプリエ、右ポアン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→1 ピケ・アン・ドゥダーン→2 ピケ・アン・ドゥダーン→3 ピケ・アン・ドゥダーン→4 ピケ・アン・ドゥダーン→5 トゥール・シェネ1回転→6 シェネ→7 シェネ→8 ポーズ
こんな風に1カウント=半回転の動きではなく、1カウント=1回転になり、やがて1カウント=1回転×2回という具合に回転数が増えていきます。
1カウント=1回転×2回のトゥール・シェネが出来るようになると、本当に鎖のように連続した回転という、この動きの名前の意味がわかりますよ


センター・レッスン vol.3 トゥール・シェネ

2010-05-18 11:40:36 | 日記
今回は回転の練習をしましょう。
通常シェネとよんでいる回転です。
トゥール・シェネ(=Tours Chaines)、トゥールはフランス語で“回転”、シェネは“鎖、連鎖・連続”という意味の言葉が元になっています。鎖のように連続した回転ということになりますね。
もっとも基本となる動きを、分解しながら練習してみましょう。
教室の一番奥の壁際で、右肩を鏡に向けて横を向いて1番ポジシオンで準備して下さい。
7・8 1番ポジシオン・ドゥミ・ポワント、アームスは右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンド→1・2 右に半回転、アームスはアン・ナヴァン→3・4 右に半回転、アームスは右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンド→5・6 右に半回転、アームスはアン・ナヴァン→7・8 右に半回転、アームスは右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンド→…→…→…
まずはゆっくり正確にこの動きを繰り返して練習しましょう。
回転の動きでは首=頭部の動きがコントロールを左右します。
一番初めの1番ポジシオン・ドゥミ・ポワントの時には顔を鏡の方に向け、最初の半回転が終わったところでも、顔は鏡に向けておきます。次の半回転でもぎりぎりまで顔は鏡のほうに向けておき、最後にすばやく頭部の向きを変えて、初めと同じ、鏡に顔を向けた状態に戻します。
大切なポイントをチェックしてみましょう。
一番初めの1番ポジシオン・ドゥミ・プリエに立ったとき、爪先の上にアンダー・バストが載っていますか?
初めの半回転のときに、回転しようと急ぐあまり、右側のトルソーを斜め後ろに引き下げていませんか?トルソーの中心軸がズレてしまいますよ
次の半回転のときにも、回転を急いで右側のトルソーを今度は斜め後ろ上向きに傾けていませんか?
1度目の半回転、2度目の半回転が終わって最初の向きに戻ったとき、トルソーが反って重心が後ろにズレていませんか?そのままでは正確な半回転を保てなくなりますよ
半回転ずつ繰り返すうちにだんだんと歩幅が広くなって、2番ポジシオン・ドゥミ・ポワントになっていませんか?身体を“振り回して”いる証拠です 1番ポジシオン・ドゥミ・ポワントの歩幅をきちんと守りましょう
回転に勢いをつけようとして進行方向側(=今回は右)のアームスを乱暴に振り出していませんか?バランスを崩す元です 腕の勢いに引っ張られて次第に進行方向が狂ってしまいますからね、アームスのコントロールも忘れてはいけません。
二つ目の半回転が終わってもとの方向にもどったときのアームスはポジシオンを守れていますか?肘が下がったり手首が折れたりしていてはいけませんね
トゥール・シェネで大切なことは、必ず片脚ずつに均等に体重を載せて“方向転換”を繰り返すことです。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、トゥール・シェネの基本を練習するときには、“1回転の連続ではなく、半回転→半回転、裏→表→裏→表→の方向転換の正確な連続”が、1回転の連続に見えるのだ、ということをきちんと伝えるようにしています
“方向転換の繰り返し”という基本の動きが出来るようになったら、少しずつテンポを速くしていきます。テンポが速くなったら、無駄な力が入らないように身体をリラックスさせることにも気を付けましょう。アームスを乱暴に振り回したり、トルソーを捻って方向を換えたりしているうちに、むやみに速いテンポで練習することは決していい結果は生みません。
ゆっくりで構わないのですから、丁寧にコントロールしながら半回転を繰り返すことを心がけましょう。
どんなに素晴らしいスピードであったとしても、力任せで乱暴なガラガラバタバタのトゥール・シェネは美しいとはいえませんね


センター・レッスン vol.3 デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド‐シャセ

2010-05-13 09:16:11 | 日記
今回はレッスンでのアンシェヌマンや実際の振付でもよく採り入れられるデヴロッペ・ア・ラ・スゴンドシャセを組み合わせて練習してみましょう。
トルソーの重心の移動だけでなく、シャセで実際にフロアーを移動しながらの動きですから、アームス、トルソー、脚、足、それぞれのコントロールが大切です。
まずは鏡に対してアン・ファスで、まっすぐ正面に向かって移動する練習をしましょう。
右足後ろ5番ポジシオン、アームスはアン・バ。
2・3 右ク・ドゥ・ピエ・デリエール、左ドゥミ・プリエ、アームスはアン・ナヴァン⇒1 右脚デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド、左脚ルルヴェ→2→3⇒2 右脚を下ろして→2 前方にシャセ→3 左ク・ドゥ・ピエ・デリエール、右ドゥミ・プリエ、アームスはアン・バを通ってアン・ナヴァン 左デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド、右ルルヴェ→2→3⇒4 左脚を下ろして→2 前方にシャセ→3 右ク・ドゥ・ピエ・デリエール、左ドゥミ・プリエ、アームスはアンン・バを通ってアン・ナヴァン
アン・ナヴァンのあとのアームスはデヴロッペ・ア・ラ・スゴンドに上げる脚と同じ側のアームスをアン・オーのアロンジェに、もう一方をア・ラ・スゴンドのアロンジェにします。
さあ、大事なポイントがたくさんありますね。
ク・ドゥ・ピエ・デリエールからア・ラ・スゴンドにデヴロッペをするとき、脚を上げようと急いで骨盤を斜めに傾けるようなことはしないで下さいね。トルソーの重心が軸脚側に外れてしまいます。
上げた脚は落とさないように、お腹と内腿でコントロールして軸脚の前方の延長線上に“下ろす”ようにします。そうでないと、軽やかなシャセが出来ません
シャセは水面を滑るようにシャープに、両脚を5番ポジシオンに引き付けることを忘れないで下さいね
シャセのあとのク・ドゥ・ピエ・デリエール‐ドゥミ・プリエのときに、シャセからの勢いが余って“下に飛び降りる”ようなドゥミ・プリエをしてはいけません。脱力してしまってトルソーのコントロールが失われてしまいますよ
ク・ドゥ・ピエ・デリエール‐ドゥミ・プリエのとき、軸脚の股関節のターン・アウトを忘れないで下さいね。そしてトルソーを引き上げることを忘れて背中が丸くなり、屈みこむような姿勢にならないように注意しましょう
ただ蹴り上げるように脚を上げては叩きつけるように“バタン”と下ろし、重く沈むようなドタドタのシャセをしてドゥミ・プリエに飛び込んでトルソーの力を抜くような動きは、決してしてはいけません。音楽がどんなに速くてもコントロールすることを忘れてはいけませんね
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、デヴロッペ・ア・ラ・スゴンドの頂点でポーズ写真を1枚撮るように一瞬停まるつもりで、と伝えています。ア・ラ・スゴンドに上げた脚の爪先が自分なりの頂点に達したら、そこから更に上、遠くに爪先を伸ばすイメージで、とも伝えています。

デヴロッペ・ア・ラ・スゴンドはこのほかにもいろいろなパターンがありますし、華やかで大らかなパです。だからこそ、いつも言うように丁寧な動き方を心がけましょう。どんなに脚が高く上がろうと、力任せの蹴り上げるだけの動きは美しくありませんからね。


センター・レッスン vol.3 デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド part2

2010-05-10 09:51:27 | 日記
前回練習したデヴロッペ・ア・ラ・スゴンド、その動きのイメージは掴めましたか?
今回はアームスの動きも合わせて練習してみましょう
鏡に対してアン・ファス、右脚後ろ5番ポジシオン、アームスはアン・バ。
左脚ドゥミ・プリエで右脚をク・ドゥ・ピエ・デリエールに引き上げたときに、アームスをアン・ナヴァンに引き上げ、右脚でデヴロッペ・ア・ラ・スゴンドをするのと同時に、右アームスアロンジェアロンジェ、左アームスア・ラ・スゴンドに開いて手のひらを下に向けます。
脚を下ろすのと同時にアームスもおろしてアン・バに集めます。
左脚でデヴロッペ・ア・ラ・スゴンドをするときには左アームスアロンジェ右アームスア・ラ・スゴンドです。
左脚でドゥミ・プリエをして右脚をク・ドゥ・ピエ・デリエールに引き上げたときにアームスを一度アン・ナヴァンに引き上げ、右脚でデヴロッペをするのと同時にアームスをアン・バに下げてトルソーの前面を通って左右に開き、左はア・ラ・スゴンド・アロンジェ、右はアン・オー・アロンジェに引き伸ばします。
脚を下ろすのと同時にアームスもおろして、アン・バに集めます。
この二つのアームスの動きが一般的ですが、どちらのアームスで動くかは教師や振付師の指定によります。
アロンジェ(Allongee)には細長い、長くなったという意味があって、アームスがアン・ナヴァンやア・ラ・スゴンドの時には手のひらを下に向け、アン・オーの時には手のひらを外に向けた形です。
アロンジェのアームスは丁寧に気を付けないと、“種まき”をするように振り出す動きになってしまったり、アン・オーのアロンジェで手のひらが裏返って“盆踊り”のような手 になったりしますよ。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、デヴロッペで脚を上げる時にはアームスの動きを脚よりも少し早く、脚を下ろすときにはアームスの動きを少し遅らせて、とアドヴァイスしています。先にアームスを引き上げることでトルソーを引き上げて支えることが出来ますし、脚を下ろすときにもアームスを引き上げておくことで、やはりトルソーを引き上げて支えておくことが出来るからです
左右のアームスは、決められた道筋に沿って大きく動き続けているように見えるかも知れませんね。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、ポール・ドゥ・ブラ(=アームス)のさまざまなポジシオンがきちんと身に付くまでは、腕のラインをなるべく直線的に保つようにアドヴァイスしています。アン・バやアン・ナヴァン、アン・オーの楕円形の曲線や、ア・ラ・スゴンドの大きな弧の曲線は美しいものですが、ポール・ドゥ・ブラが身に付かないうちは、肘や手首を曲げすぎて曲線が折れ曲がり動きが小さくなりがちです。伸びやかで大きな曲線を描けるように、はじめのうちは直線的なラインでコントロールするように薦めているのです。
ポール・ドゥ・ブラはバレエの動きにおいてとても大切なものです。もしかしたら脚が高く上がることよりも、ポール・ドゥ・ブラが美しいことのほうが踊りの印象を左右するかもしれません。きちんとポール・ドゥ・ブラが身に付いていないままに、肘や手首でヒラヒラクネクネと動きを作る薄っぺらな腕の動きは美しくありません。無意味で無頓着な曲線に自分が惑わされることのないように、本当に美しいポール・ドゥ・ブラを心がけましょうね