バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

センター・レッスンvol. 6 グラン・バットマン

2011-03-31 09:07:49 | 日記
前回練習したバットマン・タンジュ、デガージェ・クロシュのあとのリズムが変わる部分、スムーズに動けるようになりましたか?
速くなるといってもただ無闇に速くなるわけではありません。1拍の2分の1の動きに変わるだけですから、カウントがきちんととれていれば慌てることはありませんよ
今回はグラン・バットマンを練習しましょう。
トルソーのコントロールや脚・アームスのポジシオンなどを大切にしながら、少し自分を解放してみると、スムーズに大らかな動きが出来ますよ。
では始めましょう。
右脚前5番ポジシオン・クロワゼ、アームスはアン・バからプレパラシオンで左がアン・オー、右がア・ラ・スゴンド。
→8 プレパラシオン⇒1 グラン・バットマン・ドゥヴァン→2 5番→3 バットマン・ドゥヴァン→ 5番→5 バットマン・ドゥヴァン→6 5番→7 グラン・バットマン・エカルテ・ドゥヴァン→8 右後ろ5番→1 グラン・バットマン・デリエール、アームスはプルミエール・アラベスク→2 5番→3 バットマン・デリエール→4 5番→5 バットマン・デリエール→6 5番→7 グラン・バットマン・エカルテ・ドゥヴァン→8 右前5番→1 バットマン・エカルテ・ドゥヴァン→2 右後ろ5番→3 バットマン・エカルテ・ドゥヴァン→4 右前5番→5 バットマン・エカルテ・ドゥヴァン→6 右後ろ5番→7バットマン・エカルテ・ドゥヴァン→8 右前5番→1 バットマン・ルルヴェ・エカルテ・ドゥヴァン→フェッテ→2 トンベ→右脚軸プルミエール・アラベスク・プリエ→3 左後ろ5番ルルヴェ→パ・ドゥ・ブーレ→4左前4番ドゥミ・プリエ・クロワゼ→5 右にピルエット・アン・ドゥオール→6 4番ドゥミ・プリエ・クロワゼ→7 ピルエット・アン・ドゥオール→8 右後ろ5番ドゥミ・プリエ→プレパラシオン⇒左側繰り返し
エカルテ・ドゥヴァンのアームスは動作脚と同じ側がアン・オー、軸脚側がア・ラ・スゴンドです。
グラン・バットマン・ドゥヴァンのときにはア・ラ・スゴンドのアームスの方にエポールマン、エカルテ・ドゥヴァンのときにはアン・オーのアームスをみあげるようなエポールマンです。
エカルテのグラン・バットマン・ルルヴェをしたら同時にアームスを入れ替えてフェッテ、軸脚側のアームスがアン・オーで動作脚側がア・ラ・スゴンドになります。そしてトンベのときにはア・ラ・スゴンドのアームスを素早くアン・バを通してアン・ナヴァン・アロンジェに引き上げることで、トルソーの重心移動を助けます。同時にアン・オーにしていた軸側のアームスはア・ラ・スゴンドに開きます。
グラン・バットマンはどのポジシオンンにおいても脚を“おっことして”はいけません。上げた脚を“下ろし”て5番ポジシオンに“引き付ける”のです。
グラン・バットマン・ドゥヴァンのときに動作脚がわのお尻がもちあがらないように、またデリエールのときに軸脚側にトルソーが傾いて横向きに伸びて“寝そべった”ような姿勢にならないように気を付けましょう。
エカルテ・ドゥヴァンのバットマンを4回続けたあとの“バットマン・ルルヴェ→フェッテ→トンベ”は一続きの動きではありますが、惰性でズルズルと動くことのないように、ひとつひとつのパ=ポジシオンを粒立てるようにコントロールしてみましょう。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、エカルテのグラン・バットマン・ルルヴェに続くフェッテ→トンベは、“バットマン・ルルヴェの頂点でア・ラ・スゴンドのアームスを大きくアン・オーに引き上げることでトルソーの向きを変えて、トンベに送り出す”イメージで、とアドヴァイスしています。また、トンベをしてプルミエール・アラベスク・プリエをしたときには、アン・ナヴァン・アロンジェの指先とアラベスクにあげた脚の爪先がそれぞれの方向に“ひっぱり合い”をすることを忘れないで、とも伝えています。
グラン・バットマンで大切なのは上がる脚の高さではありません。もちろん高く上がればそれはそれで素晴らしいことではあります。でも大切なのはきちんとコントロールの効いた正確で強い動きです。力任せ勢い任せではない、コントロールされた強い動きが高く大きく美しい跳躍へと発展していきます。

センター・レッスン vol.6 バットマン・タンジュ

2011-03-28 10:04:08 | 日記
前回練習したアダージョのエカルテ・ドゥヴァンからエファッセ・ドゥヴァンへのフェッテ、そのあとのトンベ、スムーズに動けるようになりましたか?
勢いまかせで“ぼてっと落っこちるようなトンベをしないように気を付けましょうね。
今回はバットマン・タンジュです。
右脚前5番ポジシオン・クロワゼ、アームスはアン・バからプレパラシオンで左が低いアン・ナヴァン、右がア・ラ・スゴンド。
→8 プレパラシオン⇒1 右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→2 5番→3 ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→4 5番→5 ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→6 デガージェ・クロシュ・デリエール、アームスは2番アラベスク→7 5番→デガージェ・デリエール→8 右後ろ5番⇒1 右ポワン・タンジュ・デリエール→2 5番→3 ポワン・タンジュ・デリエール→4 5番→5 ポワン・タンジュ・デリエール→6 デガージェ・クロシュ・ドゥヴァン、アームスは左アン・ナヴァン、右ア・ラ・スゴンド→7 5番→デガージェ・ドゥヴァン→8 右前5番⇒1 右ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド、アームスはア・ラ・スゴンド→2 右後ろ5番→3 ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→4 右前5蕃→5 ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→6 右後ろ5番→デガージェ・ア・ラ・スゴンド→7 1番ポジシオン→デガージェ・ア・ラ・スゴンド→1番→デガージェ・ア・ラ・スゴンド→8 右ドゥミ・プリエ、左ク・ドゥ・ピエ・デリエール→1 左脚ルルヴェ、右デガージェ・ア・ラ・スゴンド→2 左ドゥミ・プリエ、右ク・ドゥ・ピエ・デリエール→3 右脚ルルヴェ、左デガージェ・ア・ラ・スゴンド→4 右ドゥミ・プリエ、左ク・ドゥ・ピエ・デリエール→5 左脚ルルヴェ、右デガージェ・ア・ラ・スゴンド→6 右後ろ4番ドゥミ・プリエ→7 ピルエット・アン・ドゥオール→8 左前5番クロワゼ⇒… 左側繰り返し…
このアンシェヌマンは、バットマン・タンジュのあとにデガージェが続き、そこでリズムも変わりますから、脚の動きにトルソーが引きずられないようにコントロールしましょう。
ポワン・タンジュ・ドゥヴァンからのデガージェ・クロシュのとき、脚をデガージェ・デリエールにジュテをする動きにトルソーのコントロールが遅れないように気を付けて下さいね。ウエストの後ろあたりが反ってしまってはいけません。
デガージェ・ア・ラ・スゴンドを1番ポジシオンに引き付けるところではリズムが変わっています。軸脚に動作脚を“ぶつける”ような引き付け方をしてはいけませんね。
最後のデガージェ・ア・ラ・スゴンドを引き付けてドゥミ・プリエをし、反対側の脚をク・ドゥ・ピエ・デリエールに引き上げる“クッペ”は、トルソーをしっかり引き上げておかないと、ドゥミ・プリエに座り込むような動きになってしまいますよ
クッペからデガージェ・ア・ラ・スゴンド・ルルヴェをするときに、トルソーが軸脚のほうに傾いたり、動作脚側の骨盤が持ち上がったりしないよう気を付けて下さいね。
クッペ-デガージェ・ア・ラ・スゴンド・ルルヴェのときにアームスはドゥミ・スゴンド、顔は動作脚とは反対のほうにエポールマンです。
3回目のクッペ-デガージェ・ア・ラ・スゴンドのあとは4番ドゥミ・プリエをしますが、後ろに下ろす動作脚にトルソーが引っ張られて重心が後ろに落ちないように注意しましょう。
センター・レッスンで行うバットマン・タンジュは、バー・レッスンのときよりも動きの変化や移動も多く大きくなりますが、“別物”ではありません。あくまでもバー・レッスンでのきちんとした正確なコントロールの上に成り立っているのです。ただ少しだけ、バーのときよりも“踊る”という要素が強くなりますね。だからといって、ヒラヒラとアームスを無駄に揺らしたりトルソーをくねらせたりして“踊っているつもり”になってはいけません。美しい動きと“踊っているつもりの動き”とではまさに“別物”です。

センター・レッスン vol.6 アダージョ

2011-03-24 12:18:21 | 日記
移動しながらのポール・ドゥ・ブラ、スムーズにそしてエレガントにアームスを動かせるようになりましたか?
アンシェヌマンを美しいバレエの表現に仕上げるか、それとも中途半端で悪趣味な動作のままで終わらせるか、いずれもポール・ドゥ・ブラにかかっているといっても過言ではないでしょう。
ポール・ドゥ・ブラについては、決して表現している“つもり”曲線を描いている“つもり”、という思い込みに陥らないように客観的に自分のアームスの動きに注目してみるといいですよ。
それでは、アダージョの練習を始めましょう。
右脚前5番ポジシオン、アームスはアン・バからプレパラシオンでア・ラ・スゴンドへ。
→8 プレパラシオン⇒1 右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン、アームスは左がアン・オー、右がア・ラ・スゴンド→2 右脚軸ドゥミ・プリエ、左脚ポワン・タンジュ・デリエール、アームスはアン・ナヴァン→3 左脚軸に移動、左にカンブレ・ア・ラ・スゴンドからカンブレ・アン・ロンド→4 左脚軸、右ポワン・タンジュ・ドゥヴァン、アームスはア・ラ・スゴンド→5 4番ドゥミ・プリエを通過して右脚軸、左ポワン・タンジュ・デリエール、アームスはアン・オー→6 ポゼ→7 4番ドゥミ・プリエを通過して→8 右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァンから5番ポジシオン、アームスはア・ラ・スゴンドを通過してアン・バ⇒1 右脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァンからルティレを通過して→2 右脚デヴロッペ・ドゥヴァン、右アームスがア・ラ・スゴンド、左がアン・オー→3 ポワン・タンジュ・ドゥヴァンに下ろし→4 右前5番ポジシオン、アームスはアン・バ→5 右脚をルティレに引き上げて→6 デヴロッペ・エカルテ・ドゥヴァン、アームスは右アン・オー、左ア・ラ・スゴンド→7 ポワン・タンジュにおろして→8 右後ろ5番ポジシオン、アームスはアン・バ→1 右脚をルティレに引き上げて→2 デヴロッペ・デリエール=1番アラベスク→3 ポワン・タンジュ・デリエールに下ろして→4 右後ろ5番ポジシオン、アームスはアン・バ→5 右脚をルティレに引き上げて→6 デヴロッペ・エカルテ・ドゥヴァン、アームスは右アン・オー、左ア・ラ・スゴンド→7 エファセ・ドゥヴァンにフェッテ、アームスは左がアン・オー、右がア・ラ・スゴンド→8 ポゼ→1 左脚ルルヴェ→2 トンベをして右脚ドゥミ・プリエの1番アラベスク→3 パ・ドゥ・ブーレ→4 4番ドゥミ・プリエ・プレパラシオン→5 →6 ピルエット・アン・ドゥオール→7 右後ろ5番ポジシオン・ドゥミ・プリエ・クロワゼ→8 プレパラシオン⇒左側繰り返し…
では、ポール・ドゥ・ブラについて細かい部分を確認していきましょう。
一番初めのカウント1から4までは、前回練習したグラン・ポール・ドゥ・ブラ・アン・ロンドのロシア・メソッドのスタイル、カウント5から8はその前の回に練習した移動しながらのアン・オーのポール・ドゥ・ブラです。
デヴロッペ・ドゥヴァンで右アームスをア・ラ・スゴンドに左をアン・オーにしますが、脚をポワン・タンジュにおろしたときはアームスはそのまま。5番ポジシオンに戻るときにアン・オーのアームスをア・ラ・スゴンドに開いてアン・バに下ろします。次のエカルテ・ドゥヴァンのときも同様です。
1番アラベスクの脚をおろして5番ポジシオンにもどるときにはアン・ナヴァン・アロンジェのアームスは真っ直ぐにアン・バに下ろします。
2回目のエカルテ・ドゥヴァンからエファッセ・ドゥヴァンにフェッテをするところでは、ア・ラ・スゴンドのアームスを大きく引き上げてアン・オーにし、アン・オーにしていたアームスを開いてア・ラ・スゴンドにして腕のポジシオンを入れ替えます。
エファッセ・ドゥヴァンからトンベをして1番アラベスク・ドゥミ・プリエをするところでは、ア・ラ・スゴンドのアームスを素早くアン・バにおろしてからアン・ナヴァン・アロンジェに引き上げ、アン・オーに上げていたアームスはア・ラ・スゴンドに下ろして1番アラベスクのアームスを作ります。
ポール・ドゥ・ブラの基本のポジシオンを美しくまとめるには、自分の肩幅よりも外にアームスがはみ出さないようにすること、アン・オーの場合は肩よりも後ろにハズレないように気を付けること、肘と手首を曲げないことです。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、脚の動きよりもポール・ドゥ・ブラを少しだけ早く、とアドヴァイスしています。ポール・ドゥ・ブラを先行させることで、トルソーをしっかり引き上げて安定させることが出来るからです

センター・レッスン vol.6 ポール・ドゥ・ブラ part2

2011-03-21 11:57:06 | 日記
前回は前後の移動を伴うポール・ドゥ・ブラを練習しましたが、今回練習するのはグラン・ポール・ドゥ・ブラ・アン・ロンド。重心の移動とともに、上半身はカンブレ・アン・ロンドをします。
2つのスタイルがありますよ。
《スタイルⅠ》
右脚前5番ポジシオン・クロワゼ、アームスはアン・バから。
→8 プレパラシオン⇒1 右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン、アームスは左がアン・オー、右がア・ラ・スゴンド→2 右脚ドゥミ・プリエ、左脚デリエール・ア・テール、アームスはアン・ナヴァン→3 右アームスをアン・オーに、左をア・ラ・スゴンドに開きながら、同時にトルソーは左にカンブレ→4 右アームスで大きく円を描きながらカンブレ・アン・ロンド→5 右アームスをア・ラ・スゴンドに開いて→6 トルソーを引き起こす→7 右アームスがアン・ナヴァン、左はア・ラ・スゴンド→8 ポゼ

これはそのまま、ピルエット・アン・ドゥダーンのプレパラシオンになります。
このカウント4から後のアームスの動きを変えて
→4 右アームスで大きく円を描きながらカンブレ・アン・ロンド→5 右アームスをア・ラ・スゴンドに開きながら左アームスをアン・オーに→6 トルソーを引き起こす→7 左アームスをアン・ナヴァンに下ろし、右はア・ラ・スゴンド、4番ドゥミ・プリエ→8 ポゼ
こうすると、ピルエット・アン・ドゥオールのプレパラシオンになりますね。
カンブレ・アン・ロンドは、アームスでトルソーをリードするように、とくに先にアン・オーにするアームスを遠くに指し伸ばすようにすると、大きな円を描くことが出来ます
横にカンブレをしてからカンブレ・アン・ロンドを完了するまで、ア・ラ・スゴンドのアームスが垂れ下がったり、ウエストを縮めたりしてはいけません。
カンブレ・アン・ロンドでデリエールなったとき、骨盤を前に押し出すような動きにならないように気を付けて下さいね。重心が落ちて腰を痛める原因になってしまいますよ
カンブレ・アン・ロンドをしているうちに重心が後ろにズレてしまわないように気を付けましょう。重心は最初から最後までドゥミ・プリエをした前の脚の上にあります
《スタイルⅡ》
右脚前5番ポジシオン・クロワゼ、アームスはアン・バから。
→8 プレパラシオン⇒1 右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン、アームスは左がアン・オー、右がア・ラ・スゴンド→2 右脚ドゥミ・プリエ、左脚ポワン・タンジュ・デリエール、アームスはアン・ナヴァン→3 左脚にトルソーを移動して右脚はポワン・タンジュ・ドゥヴァン→4 右アームスをアン・オー、左をア・ラ・スゴンドに開きながらトルソーは左にカンブレ→5 右アームスで大きく円を描きながらトルソーはカンブレ・アン・ロンド→6 カンブレ・デリエールのところで右アームスがア・ラ・スゴンド、左がアン・オー→7 トルソーを引き起こす→8 右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン、左アームスがアン・オー、右がア・ラ・スゴンドでポゼ

カウント2からカウント3でトルソーの移動をするとき、後ろの脚の膝を緩めてはいけません。ドゥミ・プリエをした脚の上からポワン・タンジュ・デリエールの脚の上にトルソーを移すのですから、移動距離が大きくなりますね。背中をしっかり引き上げてお腹で支えるようにして下さいね くれぐれもお尻を引いてお尻から移動をしないこと、です
ア・ラ・スゴンドにカンブレをしたときに、ポワン・タンジュ・ドゥヴァンにした脚の側の骨盤が持ち上がって、股関節のターン・アウトが失われないように気を付けて下さいね
カンブレ・アン・ロンドが完了してトルソーを引き起こしたとき、背中が反って重心が後ろにズレたり、お尻を後ろにを引いて骨盤が前傾したままのポゼにならないよう注意しましょう。
この《スタイルⅡ》はロシア・メソッドのグラン・ポール・ドゥ・ブラ・アン・ロンドです。
ポール・ドゥ・ブラはポジシオンや動きがシンプルで正確であることが一番です。正確なポール・ドゥ・ブラが身体に浸透し、頭で考えなくても自然にアームスが動くようになったとき、そこに《個性》が表れるようになるのです。きちんとしたポール・ドゥ・ブラが身に付かないうちから、“形”を作ってはいけません。

センター・レッスン vol.6 ポール・ドゥ・ブラ

2011-03-17 09:16:06 | 日記
今回からセンター・レッスンです。
まずポール・ドゥ・ブラの練習をしましょう。
難易度の高い回転技や跳躍のパ、あるいは高く高く上げられた脚、などに較べてアームスの動き=ポール・ドゥ・ブラはなんとなく添え物のように、勘違いされているような傾向が無きにしもあらずです。
ポール・ドゥ・ブラこそが正確で安定したトルソーのコントロールを助け、動きを支える要となる重要な要素だと私は考えています。
今回練習するのは前後への移動を伴うポール・ドゥ・ブラです。
5番ポジシオン・クロワゼで直立したままでどれほど美しいポール・ドゥ・ブラが出来るとしても、それだけでは不十分です。あらゆるパ、アンシェヌマンに応じて美しいポール・ドゥ・ブラが身に付いていなければなりません。
でははじめましょう。
右脚前5番ポジシオン・クロワゼ、アームスはアン・バで準備して下さい。
→8 プレパラシオン⇒1 右ポワン・タンジュ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエ、アームスはアン・ナヴァン→2 右脚軸、左脚ポワン・タンジュ・デリエールに移動、アームスはア・ラ・スゴンド→3 左脚軸、右ポワン・タンジュ・ドゥヴァンにもどる、アームスはア・ラ・スゴンド・アロンジェ→4 右前5番ポジシオン、アームスはアン・バ→5 右ポワン・タンジュ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエ、アームスはアン・ナヴァン→6 右脚軸、左ポワン・タンジュ・デリエールに移動、アームスはア・ラ・スゴンド→7 左脚軸、右ポワン・タンジュ・ドゥヴァンに戻る、アームスはア・ラ・スゴンド・アロンジェ→8 右前5番ポジシオン、アームスはアン・バ⇒1 右ポワン・タンジュ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエ、アームスはアン・ナヴァン→2 右脚軸、左ポワン・タンジュ・デリエールに移動、右アームスはアン・オー、左アームスはア・ラ・スゴンド→3 左脚軸、右ポワン・タンジュ・ドゥヴァンに移動、左アームスがアン・オー、右はア・ラ・スゴンド→4 ポゼ→5 左脚ドゥミ・プリエ、右ポワン・タンジュ・ドゥヴァン、アームスはアン・ナヴァン→6 右脚軸、左ポワン・タンジュ・デリエールに移動、右アームスがアン・オー、左はア・ラ・スゴンド→7 左脚軸、右ポワン・タンジュ・ドゥヴァンにもどる、右アームスをア・ラ・スゴンドに開く→8 右前5番ポジシオン、アームスはアン・バ⇒1 右ポワン・タンジュ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエ、アームスはアン・ナヴァン→2 右脚軸、左ポワン・タンジュ・デリエールに移動、アームスはアン・オーで左斜めしたをのぞくように→3 左脚軸、右ポワン・タンジュ・ドゥヴァンに移動、アームスはアン・オーのまま右斜め上を見上げるように→4 5番ポジシオン、アームスはアン・バ→5 左脚ドゥミ・プリエ、右ポワン・タンジュ・ドゥヴァン、アームスはアン・ナヴァン→6 右脚軸、左ポワン・タンジュ・デリエールに移動、アームスはアン・オーで左斜め下をのぞくように→7 左脚軸、右ポワン・タンジュ・ドゥヴァンに移動、アームスはアン・オーのまま右斜め上を見上げるように→8 右前5番ポジシオン、アームスはアン・バ⇒1 右ポワン・タンジュ-ドゥミ・プリエ、アームスはアン・ナヴァン→2 右脚軸、左ポワン・タンジュ・デリエールに移動、アームスは左がアン・オー、右がア・ラ・スゴンド→3 左脚軸、右ポワン・タンジュ・ドゥヴァンに移動、アームスは右アン・ナヴァン・アロンジェ、左は後ろに引き伸ばす→4 ポゼ→5 右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエ、アームスはアン・ナヴァン→6 右脚軸、左ポワン・タンジュ・デリエールに移動、左アームスがアン・オー、右がア・ラ・スゴンド→7 左脚軸、右ポワン・タンジュ・ドゥヴァンにもどり、左アームスをア・ラ・スゴンドに開く→8 右前5番ポジシオン、アームスはアン・バ
クロワゼを向いたまま前後に移動を繰り返しながらポール・ドゥ・ブラを行いますが、重心を移動するときには4番ドゥミ・プリエを通過するようにして下さいね。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、第4のフレーズのところでは次のように行っています。
右ポワン・タンジュ-ドゥミ・プリエ、アームスはアン・ナヴァン→2 右脚軸、左ポワン・タンジュ・デリエールに移動、アームスは左手を顔の斜め上に高く、右は斜め後ろに引き伸ばす→3 左脚軸、右ポワン・タンジュ・ドゥヴァンに移動、アームスは右アン・ナヴァン・アロンジェ、左は後ろに引き伸ばし、正面から背中が見えるようにトルソーを捻る→4 ポゼ→5 右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエ、アームスはアン・ナヴァン→6 右脚軸、左ポワン・タンジュ・デリエールに移動、左アームスを顔の斜め上に高く、右は斜め後ろに引き伸ばす→7 左脚軸、右ポワン・タンジュ・ドゥヴァンに戻り、左アームスをア・ラ・スゴンドに開く→8 右前5番ポジシオン、アームスはアン・バ
ポール・ドゥ・ブラを美しくするためには、ひとつひとつのポジシオンを正確にすること、少し直線的になるくらいに十分に伸びたラインを描くことです。肘や手首をウネウネクネクネと無意味無駄に動かして、それを曲線と勘違いしてはいけません。正確でもなくシャープな動きもしないアームスではトルソーのコントロールを助けることは出来ませんし、美しいパの妨げにしかなりません。