バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

センター・レッスン vol.10 フェッテ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トゥールナン

2012-04-19 09:32:31 | 日記
前回練習した3番アラベスクでのグラン・ピルエット・アン・ドゥオール、軸脚の上にしっかり立ち上がって回転することが出来るようになりましたか?
回転している僅かな間であってもアームスやトルソーのポジシオンを正しく保つように気を付けましょう。
“惰性で、運よく、それっぽく”出来たとしても、それは決して美しいバレエの動きではありませんからね
今回ももう一つ回転の練習をします。
フェッテ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トゥールナン、一般に“グラン・フェッテ”と呼びならわしている回転です。
『白鳥の湖』act.3の黒鳥のグラン・パ・ドゥ・ドゥのコーダや、『ドン・キホーテ』act.3のグラン・パ・ドゥ・ドゥのコーダで女性バレリーナが披露するあの32回の回転、見たことがありますね。
簡単に出来る動きではありませんが、ゆっくり丁寧に練習を重ねていきましょう。
もう随分前のことになりますが、バー・レッスンのドゥミ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レールにトゥール・アン・ドゥオールを採り入れて練習したことがありました。覚えていますか?あれがフェッテ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トゥールナンの基本です。あのときに確認した大事なポイントをもう一度思い出してみて下さいね。
でははじめましょう。
まずは動きの構成を分解してご説明します。
右脚後ろ5番ポジシオン・アン・ファス、アームスはアン・バ⇒右脚ポワン・タンジュ・デリエールから4番ドゥミ・プリエ、アームスは右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンド⇒右にピルエット・アン・ドゥオール⇒右脚デヴロッペ・ドゥヴァン・クロワゼ、左脚ドゥミ・プリエ⇒右脚ドゥミ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レール・アン・ドゥオール⇒右脚ルティレ、左脚ルルヴェで回転⇒右脚デヴロッペ・ドゥヴァン・クロワゼ、左脚ドゥミ・プリエ⇒右脚ドゥミ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レール・アン・ドゥオール⇒右脚ルティレ、左脚ルルヴェで回転⇒………
アームスは
はじめのピルエット・アン・ドゥオールでアン・ナヴァンに集めたら、右脚デヴロッペ・ドゥヴァンと同時に右アン・ナヴァン-左ア・ラ・スゴンド、回転と同時にアン・ナヴァン、またデヴロッペ・ドゥヴァンのときに右アン・ナヴァン-左ア・ラ・スゴンドの繰り返し
先に大事なポイントを確認しておきましょう。
回転が終わってクロワゼ・ドゥヴァンにデヴロッペをする動作脚は膝下を蹴りだすような動きで足首から先が緩んでいたりはねたりしてはいけません。遠くの床に向かって爪先を突き刺すように伸ばしましょう。このデヴロッペ・クロワゼ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエに着地することで回転にブレーキをかけるのです。
次にドゥミ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レールをする動作脚の高さが波打つように揺れてはいけませんね。低くてもいいのですから高さが変わらないように気を付けましょう。
ドゥミ・ロン・ドゥした動作脚がア・ラ・スゴンドに到達すると同時にルティレに引き上げ軸脚はルルヴェに立ち上がって回転します。動作脚をルティレに引き上げるときにさらにターン・アウトを進めようとすることで回転が起こる、と考えてみて下さい。動作脚をルティレに引き上げるのが遅れてア・ラ・スゴンドを通過し、それにトルソーがついていくようにタイミングがズレると、次第に回転の方向がズレていってしまいますよ。
動作脚をクロワゼ・ドゥヴァンにデヴロッペしてからア・ラ・スゴンドにドゥミ・ロン・ドゥするまで、トルソーの向きもクロワゼからアン・ファスに移りますが、それ以上に向きが変わることはありません。
ドゥミ・プリエに着地する軸脚もターン・アウトが失われないようにしっかり気を付けないと、やはり少しずつ着地の方向がズレていってしまいますよ。
それではアンシェヌマンにして練習しましょう。
右脚後ろ5番ポジシオン・アン・ファス、アームスはアン・バから。
右脚ポワン・タンジュ・デリエール→6 4番ドゥミ・プリエ→7 ピルエット・アン・ドゥオール→8 デヴロッペ・ドゥヴァン・クロワゼ-ドゥミ・プリエ⇒1 ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トゥールナン→2 デヴロッペ・ドゥヴァン・クロワゼ-ドゥミ・プリエ→3 ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トゥールナン→4 デヴロッペ・ドゥヴァン・クロワゼ-ドゥミ・プリエ→5 ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トゥールナン→6 デヴロッペ・ドゥヴァン・クロワゼ-ドゥミ・プリエ→7 ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トゥールナン→8 デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド-ドゥミ・プリエ→ストゥーニュ・アン・ドゥダーン→右脚前5番ドゥミ・ポワント・クロワゼ
いかがですか?
少しゆっくりのテンポでもいいのですから、クロワゼの方向、ドゥミ・ロン・ドゥ・ジャンブ、ルティレとルルヴェのタイミングを確認しながら練習しましょう。
そして徐々に4回から8回、12回、16回と回数を増やしていきながら練習を重ねて下さいね。
強く素早いドゥミ・ロン・ドゥが大事な鍵ですから、勢い任せで振り回したり投げ出すような乱暴な動きをしないように気を付けましょう。動作脚のドゥミ・ロン・ドゥの範囲はクロワゼ・ドゥヴァンからア・ラ・スゴンド・アン・ファスまでですよ。『それ以上でもそれ以下でもダメ』とはじめのうちはイメージしながら自分の動きを確認してみて下さいね。