バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

センター・レッスン vol.10 ブリゼ・アン・ナリエール

2012-04-05 09:26:26 | 日記
前回練習したブリゼ・アン・ナヴァン、きちんと両脚を打ち合わせることが出来るようになりましたか?
はじめは丁寧にゆっくりのテンポで練習して、そのあとはアレグロのパらしく軽快に動けるようになるといいですね。
前回はアン・ナヴァンを練習しましたから、今回はアン・ナリエールです。
早速はじめましょう。
前回同様、まず動きを分解してご説明しますね。
左脚前5番ポジシオン・クロワゼ⇒ドゥミ・プリエで左脚を1番ポジシオンを通過させエファセ・デリエールにバットマン・デガージェしながら跳び上がる⇒右脚を引き上げて左脚の下に引きつける⇒左脚→右脚の順に左脚前5番ポジシオン・クロワゼ・ドゥミ・プリエに着地する
大事なポイントを確認しておきましょう。
エファセ・デリエールにバットマン・デガージェをするときにウエストの後ろ辺りが縮んで、上体が反らないように気を付けましょう。軽やかな跳躍が出来ず、重い動きになってしまいますよ。
アン・ナヴァンのときと同様に、後からの脚に向かって先にバットマン・デガージェした方の脚を引き下ろしてはいけませんね。後からの脚を先に上げた脚に向かって引き上げることを忘れないで下さいね。
後方へ移動する動きですからトルソーを後ろに引いて上体が反りやすくなりますが、トルソーは前方斜め上に向かって引き上げるようにイメージしましょう。
両脚の間に隙間が出来ないように、膝と足首をきちんと伸ばしましょう。
着地は、先に上げた脚から順に5番ポジシオンに下りますが、両脚がほとんど同時に着地したように見えるくらいに素早く、です。
さあ、それではシンプルなアンシェヌマンにしてみましょう。
左脚前5番ポジシオン・クロワゼ、アームスはプレパラシオンで左アン・ナヴァン・アロンジェ、右ア・ラ・スゴンドに。
→8 プレパラシオン⇒1 ブリゼ・アン・ナリエール→2 左前5番ポジシオン・ドゥミ・プリエ→3 ブリゼ→4 5番ドゥミ・プリエ→5 ブリゼ→6 ブリゼ→7 ブリゼ→8 シャンジュマン・ドゥ・ピエ→右脚前5番クロワゼ⇒1 ブリゼ・アン・ナリエール→2 右前5番ドゥミ・プリエ→3 ブリゼ→4 5番ドゥミ・プリエ→5 ブリゼ→6 ブリゼ→7 ブリゼ→8 シャンジュマン・ドゥ・ピエ→左前5番クロワゼ⇒…
いかがですか?
テンポが速くなるところでもきちんと5番ポジシオンを守れていますか?
アン・ナヴァン・アロンジェに伸ばしたアームスがフラフラと泳いだり跳ねたりしていませんか?
それでは前回練習したブリゼ・アン・ナヴァンと今回のブリゼ・アン・ナリエールを組み合わせてシンプルなアンシェヌマンにしてみましょう。
左脚前5番ポジシオン・クロワゼ、アームスはプレパラシオンで左アン・ナヴァン・アロンジェ、右ア・ラ・スゴンドに。
→8 プレパラシオン⇒1 ブリゼ・アン・ナヴァン→2 ブリゼ・アン・ナヴァン→3 ブリゼ・アン・ナヴァン→4 アントルシャ・カトル→5 ブリゼ・アン・ナリエール→6 ブリゼ・アン・ナリエール→7 ブリゼ・アン・ナリエール→8 アントルシャ・ロワイヤル⇒1 ブリゼ・アン・ナヴァン→2 ブリゼ・アン・ナヴァン→3 ブリゼ・アン・ナヴァン→4 アントルシャ・カトル→5 ブリゼ・アン・ナリエール→6 ブリゼ・アン・ナリエール→7 ブリゼ・アン・ナリエール→8 アントルシャ・ロワイヤル→…
いかがですか?
はじめのブリゼ・アン・ナヴァンで右斜め前方に向かって進み、トルソーの向きを変えないで同じ線の上をアン・ナリエールで後退します。アントルシャ・ロワイヤルで向きを変えて、次は左斜め前方に向かってブリゼ・アン・ナヴァンで進み、同じ線上をアン・ナリエールで戻ります。最後にアントルシャ・ロワイヤルをして右斜めに向きを変えます。
アン・ナヴァンのときよりもアン・ナリエールの方が横向きになりがちですから、自分がどこを向いてブリゼをしているのか、トルソーの向きに気を付けましょう。
連続したブリゼが美しいのは『ジゼル』act2アルブレヒトの踊りでしょうね。舞台面スレスレの低い高さで繰り返されるブリゼ・アン・ナヴァン。
きちんと両脚を交差させることが出来るのは跳躍の高さによるものではない、ということを如実に教えられます。脚先ではなく両脚の内腿をきちんと打ち合わせることが大切ですね。