バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

センター・レッスン vol.10 グラン・アレグロ(グラン・フェッテ・ルルヴェ・アン・トゥールナンまで)

2012-04-30 08:23:40 | 日記
前回練習したグラン・フェッテ・ルルヴェ・アン・トゥールナン通称イタリアン・フェッテ、スムーズにデヴロッペ・ア・ラ・スゴンドとフェッテを続けることが出来るようになりましたか?
いつもいうことですが、デヴロッペ・ア・ラ・スゴンドの脚を闇雲に高く上げる必要はありませんし、とにかく速いスピードで一連の動きを継続する必要もありません。大事なのは正確なポジシオンが守られたゆったりと大らかな動きをすることですよ。
それでは今回は後半にこのフェッテを組み入れたアンシェヌマンを練習しましょう。
上手奥で右脚アティチュード・ア・テール・クロワゼ、またはバランシン・プラス。アームスはドゥミ・スゴンド。
右脚ドゥミ・プリエ、左脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン→8 左脚デヴロッペ・ドゥヴァン-ルルヴェ⇒1 トンベ・シャセ・アン・ナヴァン・クロワゼ→2 グリッサード→3 グラン・アッサンブレ・→4 ポルテ・ア・ラ・スゴンド→5 左にトンベ-パ・ドゥ・ブーレ→6 グリッサード→7 グラン・アッサンブレ・→8 ポルテ・ア・ラ・スゴンド→1 右にトンベ-パ・ドゥ・ブーレ→2 グリッサード→3 カブリオール・エファセ→4 ドゥヴァン・ウーヴェルト→5 ピケ・アラベスク→6 シャセ→7 フェッテ・ソテ→8 右脚アティチュード・クロワゼ・デリエール-ドゥミ・プリエ→1 右にバランセ→2 左にバランセ→3 右にピケ・アティチュード・アン→4 トゥールナン・アン・ドゥオール→5 左にバランセ→6 右にバランセ→7 左にピケ・アティチュード・アン→8 トゥールナン・アン・ドゥオール→1 右にバランセ→2 左にバランセ→3 右にピケ・アティチュード・アン・→4 トゥールナン→5 歩いて→6 移動→7 →8 右脚クロワゼ・デリエールの大きい4番ドゥミ・プリエ→1 右脚デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド-ルルヴェ→2 フェッテ・アン・トゥールナン→3 右脚デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド-ルルヴェ→4 フェッテ・アン・トゥールナン→5 右脚デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド-ルルヴェ→6 フェッテ・アン・トゥールナン→7 右脚デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド-ルルヴェ→8 フェッテ・アン・トゥールナン→1 デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド-ルルヴェ→2 右脚前5番ドゥミ・プリエ→ルルヴェ→3 左にトンベ→4 右脚クロワゼ・ドゥヴァン・ポワン・タンジュ→5 グリッサード・アン・トゥールナン→6 グリッサード・アン・トゥールナン→7 グリッサード・アン・トゥールナン→8 左脚にトンベ、右脚ポワン・タンジュ・デリエール・クロワゼでポゼ
アームスは
Ⅰ.プレパラシオンの左脚デヴロッペ・ドゥヴァン-ルルヴェのときに右アン・オー、左ア・ラ・スゴンド
Ⅱ.グラン・アッサンブレ・ポルテは進行方向側のアームスをアン・オーのアロンジェに
Ⅲ.カブリオール・エファセ・ドゥヴァン・ウーヴェルトは左アン・オー、右ア・ラ・スゴンド
Ⅳ.ピケ・アラベスクは1番アラベスク
Ⅴ.フェッテ・ソテの着地のアティチュード・デリエールでは右アン・オー、左ア・ラ・スゴンド
Ⅵ.大きい4番ポジシオン・ドゥミ・プリエ(=プレパラシオン)ではドゥミ・スゴンド
Ⅶ.最後のポゼは右アン・オー、左ア・ラ・スゴンド

いかがですか?
では大事なポイントを確認しましょう。
はじめのプレパラシオン(=デヴロッペ・ドゥヴァン・ルルヴェ)をしたら大きくトンベをして滑るように大きくシャセをして前方に移動しましょう。
カブリオール・エファセ・ドゥヴァン・ウーヴェルトで着地したときに骨盤を掬い上げるように腰が丸くなったり、トルソーが前かがみになったりしないように気を付けて下さいね。そしてウーヴェルトにのこした脚を大きくふみだしてトンベ→ピケをします。ウーヴェルトに残す脚を打ち下ろすように落っことしてはいけませんよ。
フェッテ・ソテはドゥヴァンにバットマンをして跳び上がったら、きちんとエカルテ・デリエールを通過することを忘れないようにしましょう。単純に“後→前”とひっくり返すような薄っぺらい動きになっては美しくありませんね。
バランセは下手前にドゥ・ファス。対角線上でピケ・アティチュード・アン・トゥールナンをします。
歩いて移動するところは、息抜きの時間でも休憩時間でもありません。そここそバレリーナの技量の問われるところ、と言っても過言ではないかもしれませんね。
フェッテ・アン・トゥールナンはここでは4回にしましたが、8回、16回と徐々に回数を増やして練習しましょう。
4回フェッテ・アン・トゥールナンをしたあとのデヴロッペ・ア・ラ・スゴンドを5番ポジシオン・ドゥミ・プリエに収めるところでは、くれぐれも力尽きたように脚を落っことさないように丁寧にプリエをしましょう。
最後のグリッサード・アン・トゥールナンは5番ポジシオン・ドゥミ・ポワントを大切に。5番ポジシオンに脚が揃う前に回転を焦ってはいけません。

グラン・アレグロは大きな跳躍とグラン・フェッテなどの連続する回転技で構成されていますから、続けて何度も繰り返し練習していると体力的に辛くなることもあるでしょう。ポジシオンを正確に守りきちんとコントロールしながら動くことはもっとも大切なことですが、ときには華やかなヴァリアシオンやコーダを踊っているつもりになってアンシェヌマンを楽しむことも必要ですよ。笑顔でアンシェヌマンに取り組んでみましょう。そうすれば呼吸も楽になるはずですし、一点を見つめるような深刻な顔で動いているときよりも、軽やかな動きができるはずですよ

センター・レッスン vol.10 グラン・フェッテ・ルルヴェ・アン・トゥールナン

2012-04-26 08:38:38 | 日記
前回練習したグラン・アレグロのアンシェヌマン、終盤のフェッテ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トゥールナン、そしてポゼまで繋ぐことが出来るようになりましたか?
フェッテ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トゥールナン、有名な回転技でもありますし“ここが見せ場”という意識も濃厚に働きますから、ついフェッテの部分に集中しがちでしょう。
でも、アンシェヌマンは全体を通してバランスのとれた“踊り”にならなければ意味がありません。“見せ場”のフェッテを引き立てたければ、それに先行する部分をきちんと丁寧に動きまとめることが大切ですよ。
“行き当たりばったり”で美しい踊りが紡ぎだされることはありません。
さぁ、今回はもう一つ、フェッテの練習をしましょう。
こちらも様々な女性ヴァリアシオンのクライマックスなどで有名な技術です。
日本ではア・ラ・スゴンド・フェッテとかイタリアン・フェッテと通称している、華やかな回転技です。
では、はじめましょう。
まず、動きの構成を分解してご説明しましょうね。
左脚軸、右脚ポワン・タンジュ・デリエール・アン・ファス→右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエ→右脚デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド-ルルヴェ→右脚を1番ポジシオンに下しながら左方向に向きを変え→1番ポジシオン・ドゥミ・プリエで下手奥を向く→右脚グラン・バットマン・ドゥヴァン-ルルヴェ→フェッテ→右脚アティチュード・クロワゼ・デリエール-ルルヴェ→左軸脚ドゥミ・プリエ-右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール
これがグラン・フェッテ・ルルヴェ・アン・トゥールナン・アン・ドゥダーンのもっとも基本の動きです。
アームスは
Ⅰ.はじめのク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエではアン・ナヴァン
Ⅱ.デヴロッペ・ア・ラ・スゴンドのときにア・ラ・スゴンド、または動作脚側のアームスを高くしてアロンジェ
Ⅲ.脚を下しながらアームスもアン・バに下げて1番ポジシオン・ドゥミ・プリエではアン・ナヴァン
Ⅳ.グラン・バットマン・ドゥヴァン-ルルヴェでアン・オー
Ⅴ.フェッテとともに軸脚側のアームスをア・ラ・スゴンドに開く
グラン・バットマン・ドゥヴァンをするときにアン・オーではなくアン・ナヴァンにする方法もあります。

先に大事なポイントを確認しておきましょうか。
デヴロッペ・ア・ラ・スゴンドに上げた脚を1番ポジシオンに向かって下しながら向きを変え、必ず1番ポジシオン・ドゥミ・プリエを通過します。勢い任せで脚を振り回すような動きをしないように気を付けて下さいね。
グラン・バットマン・ドゥヴァン-ルルヴェからのフェッテは、必ずエカルテ・デリエールを通過することを忘れないようにしましょう。
グラン・バットマン・ドゥヴァンからフェッテをするときはバットマンした脚が下がらないように、常に引き上げておくことを忘れないで下さいね。勢いよくバットマンした脚が成り行き任せで垂れ下がり、それをアティチュードに引き上げなおす、という動きでは美しくありませんからね。
アティチュードの脚をク・ドゥ・ピエ・デリエールに引き下ろすのと軸脚のドゥミ・プリエは同時です。このとき、骨盤が前傾して前かがみの姿勢にならないように注意しましょう。
それでは練習してみましょう。
左脚軸・右脚ポワン・タンジュ・デリエール・アン・ファス、アームスはアン・バ。
→8 右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエ→1 右脚デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド-ルルヴェ→2 1番ポジシオン・ドゥミ・プリエからバットマン・ドゥヴァン・-ルルヴェ→3 フェッテ→アティチュード・デリエール・クロワゼ→4 右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエ→5 右脚デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド-ルルヴェ→6 1番ポジシオン・ドゥミ・プリエからバットマン・ドゥヴァン・-ルルヴェ→7 フェッテ→アティチュード・デリエール・クロワゼ→8 右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエ→1 右脚デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド-ルルヴェ→2 1番ポジシオン・ドゥミ・プリエからバットマン・ドゥヴァン・-ルルヴェ→3 フェッテ→アティチュード・デリエール・クロワゼ→4 右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエ→5右脚デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド-ルルヴェ→ 6 1番ポジシオン・ドゥミ・プリエからバットマン・ドゥヴァン・-ルルヴェ→7 フェッテ→アティチュード・デリエール・クロワゼ→8 右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエ→
いかがですか?
まず4回続けてみましょう。そして徐々に回数を増やしていきましょう。
テンポもはじめはゆっくりでいいのですよ。
速いテンポに無理に合わせることで勢い任せの動きになって、脚を振り回すような動きをするくらいなら、少しゆっくりのテンポで丁寧に正確に動ける方が美しいフェッテが出来ますよ。

センター・レッスン vol.10 グラン・アレグロ(フェッテ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トゥールナンまで)

2012-04-23 11:47:26 | 日記
前回練習したフェッテ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トゥールナン、スムーズに回転を続けられるようになりましたか?
はじめから32回続けられなくてもいいのです。そしてはじめから速いテンポでなくてもいいのですから、丁寧に正確に、回数を積み上げていきましょう。
今回はグラン・アレグロのアンシェヌマンを練習しましょう。最後の部分にフェッテ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トゥールナンをとりいれます。
でははじめましょう。
上手奥でアン・ファス、右脚デリエール・アティチュード・ア・テール、アームスはドゥミ・スゴンド。
→8 プレパラシオン⇒1 右へパ・ドゥ・→2 ブーレ→3 グリッサード→4 パ・ドゥ・シャ→5 パ・ドゥ・→6 ブーレ→7 グリッサード→8 パ・ドゥ・シャ→1 左へファイィ・エ→2 アッサンブレ→3 左へファイィ・エ→4 アッサンブレ→5 右へピケ・アラベスク・クロワゼ→6 シャセ→7 グリッサード→8 ジュテ・アン・ナヴァン・クロワゼ→1 左へクロワゼ・アラベスク-ルルヴェ→2 シャセ→3 グリッサード→4 ジュテ・アン・ナヴァン→5 右にピケ・アラベスク・エファセ→6 シャセ→7 トンベ→アッサンブレ・→8 アン・トゥールナン→1 右へパ・ドゥ・→2 ブーレ→3 グリッサード→4 アッサンブレ・ポルテ→5 フロア中央へ→6 歩いて移動→7 プレパラシオン→8 ピルエット・アン・ドゥオール→1 右脚クロワゼ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエ→2 フェッテ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トゥールナン→3 右脚クロワゼ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエ→4 フェッテ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トゥールナン→5 クロワゼ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエ→6 フェッテ・アン・トゥールナン→7 クロワゼ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエ→8 フェッテ・アン・トゥールナン→1 クロワゼ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエ→2 フェッテ・アン・トゥールナン→3 クロワゼ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエ→4 フェッテ・アン・トゥールナン→5 クロワゼ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエ→6 フェッテ・アン・トゥールナン→7 デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド-ドゥミ・プリエ→8 右にストゥーニュ・アン・ドゥダーン→右前5番ドゥミ・ポワント・クロワゼ→ポゼ
アームスは
Ⅰ.パ・ドゥ・シャのアームスはアン・オーに。
Ⅱ.ピケ・アラベスク・クロワゼは2番アラベスク。
Ⅲ.ジュテ・アン・ナヴァンのアームスはア・ラ・スゴンド。
Ⅳ.2回目のジュテ・アン・ナヴァンの次のピケ・アラベスク・エファセは1番アラベスク。
Ⅴ.アッサンブレ・アン・トゥールナンはアン・オー。
Ⅵ.アッサンブレ・ポルテは進行方向のアームスがアン・オーのアロンジェ、もう一方はア・ラ・スゴンド
Ⅶ.最後のストゥーニュ・アン・ドゥダーンはアン・オー。

ピケ・アラベスク・クロワゼからジュテ・アン・ナヴァンについて
ピケ・アラベスク・クロワゼをしたら正面に背中を向ける方向でシャセ→グリッサードをしながら半円を描くように移動してクロワゼのジュテ・アン・ナヴァンをします。クロワゼ・アラベスクで着地をしたら、着地をした脚でルルヴェをして次のシャセ→グリッサード・ジュテ・アン・ナヴァンに繋ぎます。
いかがですか?
大事なポイントをチェックしてみましょう。
ファイィが単なるシソンヌ・ウーヴェルトにならないように、立体的な動きをするように注意しましょう。
ピケ・アラベスク・クロワゼからのシャセ→グリッサードのときに上体が前かがみになって背中が丸くならないように気を付けましょう。
ジュテ・アン・ナヴァンではクロワゼの方向をしっかり捉えて跳んで下さいね。角度が浅くなって横方向に跳んでいってはいけませんね。
アッサンブレ・アン・トゥールナンは、きちんとア・ラ・スゴンドに脚を上げたアッサンブレの姿勢を見せることを忘れないで下さいね。
アッサンブレ・ポルテのあとフロア中央に移動するときには歩くにしろ走るにしろ、せかせかちょこまかした動きにならないように気を付けましょう。次のピルエット・アン・ドゥオールをする場所に行き着くことだけで精一杯というのでは困ります。しっかりトルソーを引き上げて、自分の全身が“観られている”ことを忘れないで下さいね。
今回はフェッテ・アン・トゥールナンを7回にしましたが、もしも途中で続けられなくなってもそのままにしないで、もう一度ピルエット・アン・ドゥオールをして最後のストゥーニュ・アン・ドゥダーンから最後のポゼまできちんと繋ぎましょう。
フェッテ・アン・トゥールナンの7回が安定して出来るようになったら、次は12回(11回+ストゥーニュ)、16回(15回+ストゥーニュ)と回数を増やして練習しましょう
アンシェヌマンの最後にフェッテ・アン・トゥールナンという“見せ場”がくるのですから、体力的には大変かもしれません。でもバレリーナにとってその見せ場は大抵の場合、最後の最後に設けられているものです。全幕物のバレエの場合は最後の幕のクライマックスに。ですから日々のレッスンのときにもそのことを思い浮かべて、たとえフェッテが続かなくなってしまっても投げ出さないで最後のポゼまできちんと繋ぐことを大切にして下さいね。途中で姿勢を崩して音楽が終わるのを待つ、などということはしてはいけません。

センター・レッスン vol.10 フェッテ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トゥールナン

2012-04-19 09:32:31 | 日記
前回練習した3番アラベスクでのグラン・ピルエット・アン・ドゥオール、軸脚の上にしっかり立ち上がって回転することが出来るようになりましたか?
回転している僅かな間であってもアームスやトルソーのポジシオンを正しく保つように気を付けましょう。
“惰性で、運よく、それっぽく”出来たとしても、それは決して美しいバレエの動きではありませんからね
今回ももう一つ回転の練習をします。
フェッテ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トゥールナン、一般に“グラン・フェッテ”と呼びならわしている回転です。
『白鳥の湖』act.3の黒鳥のグラン・パ・ドゥ・ドゥのコーダや、『ドン・キホーテ』act.3のグラン・パ・ドゥ・ドゥのコーダで女性バレリーナが披露するあの32回の回転、見たことがありますね。
簡単に出来る動きではありませんが、ゆっくり丁寧に練習を重ねていきましょう。
もう随分前のことになりますが、バー・レッスンのドゥミ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レールにトゥール・アン・ドゥオールを採り入れて練習したことがありました。覚えていますか?あれがフェッテ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トゥールナンの基本です。あのときに確認した大事なポイントをもう一度思い出してみて下さいね。
でははじめましょう。
まずは動きの構成を分解してご説明します。
右脚後ろ5番ポジシオン・アン・ファス、アームスはアン・バ⇒右脚ポワン・タンジュ・デリエールから4番ドゥミ・プリエ、アームスは右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンド⇒右にピルエット・アン・ドゥオール⇒右脚デヴロッペ・ドゥヴァン・クロワゼ、左脚ドゥミ・プリエ⇒右脚ドゥミ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レール・アン・ドゥオール⇒右脚ルティレ、左脚ルルヴェで回転⇒右脚デヴロッペ・ドゥヴァン・クロワゼ、左脚ドゥミ・プリエ⇒右脚ドゥミ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レール・アン・ドゥオール⇒右脚ルティレ、左脚ルルヴェで回転⇒………
アームスは
はじめのピルエット・アン・ドゥオールでアン・ナヴァンに集めたら、右脚デヴロッペ・ドゥヴァンと同時に右アン・ナヴァン-左ア・ラ・スゴンド、回転と同時にアン・ナヴァン、またデヴロッペ・ドゥヴァンのときに右アン・ナヴァン-左ア・ラ・スゴンドの繰り返し
先に大事なポイントを確認しておきましょう。
回転が終わってクロワゼ・ドゥヴァンにデヴロッペをする動作脚は膝下を蹴りだすような動きで足首から先が緩んでいたりはねたりしてはいけません。遠くの床に向かって爪先を突き刺すように伸ばしましょう。このデヴロッペ・クロワゼ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエに着地することで回転にブレーキをかけるのです。
次にドゥミ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レールをする動作脚の高さが波打つように揺れてはいけませんね。低くてもいいのですから高さが変わらないように気を付けましょう。
ドゥミ・ロン・ドゥした動作脚がア・ラ・スゴンドに到達すると同時にルティレに引き上げ軸脚はルルヴェに立ち上がって回転します。動作脚をルティレに引き上げるときにさらにターン・アウトを進めようとすることで回転が起こる、と考えてみて下さい。動作脚をルティレに引き上げるのが遅れてア・ラ・スゴンドを通過し、それにトルソーがついていくようにタイミングがズレると、次第に回転の方向がズレていってしまいますよ。
動作脚をクロワゼ・ドゥヴァンにデヴロッペしてからア・ラ・スゴンドにドゥミ・ロン・ドゥするまで、トルソーの向きもクロワゼからアン・ファスに移りますが、それ以上に向きが変わることはありません。
ドゥミ・プリエに着地する軸脚もターン・アウトが失われないようにしっかり気を付けないと、やはり少しずつ着地の方向がズレていってしまいますよ。
それではアンシェヌマンにして練習しましょう。
右脚後ろ5番ポジシオン・アン・ファス、アームスはアン・バから。
右脚ポワン・タンジュ・デリエール→6 4番ドゥミ・プリエ→7 ピルエット・アン・ドゥオール→8 デヴロッペ・ドゥヴァン・クロワゼ-ドゥミ・プリエ⇒1 ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トゥールナン→2 デヴロッペ・ドゥヴァン・クロワゼ-ドゥミ・プリエ→3 ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トゥールナン→4 デヴロッペ・ドゥヴァン・クロワゼ-ドゥミ・プリエ→5 ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トゥールナン→6 デヴロッペ・ドゥヴァン・クロワゼ-ドゥミ・プリエ→7 ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トゥールナン→8 デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド-ドゥミ・プリエ→ストゥーニュ・アン・ドゥダーン→右脚前5番ドゥミ・ポワント・クロワゼ
いかがですか?
少しゆっくりのテンポでもいいのですから、クロワゼの方向、ドゥミ・ロン・ドゥ・ジャンブ、ルティレとルルヴェのタイミングを確認しながら練習しましょう。
そして徐々に4回から8回、12回、16回と回数を増やしていきながら練習を重ねて下さいね。
強く素早いドゥミ・ロン・ドゥが大事な鍵ですから、勢い任せで振り回したり投げ出すような乱暴な動きをしないように気を付けましょう。動作脚のドゥミ・ロン・ドゥの範囲はクロワゼ・ドゥヴァンからア・ラ・スゴンド・アン・ファスまでですよ。『それ以上でもそれ以下でもダメ』とはじめのうちはイメージしながら自分の動きを確認してみて下さいね。

センター・レッスン vol.10 グラン・ピルエット(3番アラベスクで)

2012-04-16 12:38:05 | 日記
前回練習した1番アラベスクのグラン・ピルエット・アン・ドゥダーン、軸脚をしっかりルルヴェに引き上げアラベスクした脚の高さを保ったままで回転出来るようになりましたか?
上級者になればアラベスクの脚を90度に保ったまま2回転出来るようになりますが、初めは無理をせずきちんとキレイに1回転出来るように練習しましょう。
今回はアン・ドゥオールのグラン・ピルエットを練習します。
アン・ドゥダーンに比べるとアン・ドゥオールの方が脚を上げるタイミングや回転軸の支え方など少し難しい面もあります。
アラベスクをしたときのトルソー、アームスや脚のポジシオンを守ることを大切にして下さいね。
ではまず動きの構成を分解してご説明しましょう。
右脚後ろ4番ポジシオン・クロワゼでドゥミ・プリエ、アームスは右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンド⇒右方向にトルソーを振り向けながら右脚をバットマン・デガージェ・デリエール、同時に左脚ルルヴェ⇒右方向に回転を進める⇒3番アラベスクのドゥミ・プリエで着地
大事なポイントを確認してみましょう。
はじめの4番ドゥミ・プリエはピルエット・アン・ドゥオールのプレパラシオンと同じです。前側の脚の上にしっかり重心を載せて、後ろ側の脚の上に重心が落ちないように気を付けましょう。
トルソーを右方向に振り向けながらバットマン・デガージェ・デリエールをすることが回転の推進力になります。ただし、このときに軸脚のカカトを先に引いてはいけません。それでは軸脚のターン・アウトが失われてしまいますからね。
アン・ナヴァン・アロンジェのアームスが肩幅よりも外にはみ出したり、アラベスクの脚が腰の幅よりも外にはみ出したりしないように気を付けましょう。
はじめのバットマン・デガージェをしてルルヴェに立ち上がるときに、トルソーを前に押し出すつもりでバットマンとルルヴェをしましょう。そしてトルソーは常に前方斜め上方向に引き上げます。ウエストの後ろ辺りが縮んで上体が反ってしまうと、重心が後ろに落ちてスムーズな回転が出来なくなりますよ。
3番アラベスク・ドゥミ・プリエに着地して回転が終わったときに、トルソーが前のめりにならないように気を付けて下さいね。
それではシンプルなアンシェヌマンにして練習してみましょう。
右脚前5番ポジシオン・クロワゼ、アームスはアン・バ。
プレパラシオン→8 ドゥミ・プリエ⇒1 左脚バットマン・デガージェ・デリエール、右脚ルルヴェ→2 左後ろ4番ドゥミ・プリエ→3 左脚バットマン・デガージェ・デリエール、右脚ルルヴェ→4 左後ろ5番ドゥミ・プリエ→5 左脚バットマン・デガージェ・デリエール、右脚ルルヴェ→6 左後ろ4番ドゥミ・プリエ→7 左方向にグラン・ピルエット・アン・ドゥオール→3番アラベスク・ドゥミ・プリエで着地→8 左後ろ5番ポジシオン・ドゥミ・プリエ⇒1左脚バットマン・デガージェ・デリエール、右脚ルルヴェ→ 2 左後ろ4番ドゥミ・プリエ→3 左脚バットマン・デガージェ・デリエール、右脚ルルヴェ→4 左後ろ5番ドゥミ・プリエ→5 左脚バットマン・デガージェ・デリエール、右脚ルルヴェ→6 左後ろ4番ドゥミ・プリエ→7 左方向にグラン・ピルエット・アン・ドゥオール→2番アラベスク・ドゥミ・プリエで着地→8 左脚前5番ドゥミ・プリエ⇒1 右脚バットマン・デガージェ・デリエール、左脚ルルヴェ→2 右後ろ4番ドゥミ・プリエ→3 右脚バットマン・デガージェ、左脚ルルヴェ→4 右後ろ5番ドゥミ・プリエ→5 右脚バットマン・デガージェ・デリエール、左脚ルルヴェ→6 右後ろ4番ドゥミ・プリエ→7 右方向にグラン・ピルエット・アン・ドゥオール→3番アラベスク・ドゥミ・プリエで着地→8 右後ろ5番ドゥミ・プリエ→1 右脚バットマン・デガージェ・デリエール、左脚ルルヴェ→2 右後ろ4番ドゥミ・プリエ→3 右脚バットマン・デガージェ、左脚ルルヴェ→4 右後ろ5番ドゥミ・プリエ→5 右脚バットマン・デガージェ・デリエール、左脚ルルヴェ→6 右後ろ4番ドゥミ・プリエ→7 右方向にグラン・ピルエット・アン・ドゥオール→2番アラベスク・ドゥミ・プリエで着地→8 右脚前5番ポジシオン・ドゥミ・プリエ
いかがですか?
はじめにバットマン・デガージェ-ルルヴェをするときに、トルソーを前に押し上げるつもりでバットマン-ルルヴェをして、回転軸を確認しましょう。
2回目のグラン・ピルエット・アン・ドゥオールは1回転ではなく4分の3回転で着地をしますから、右エファセの方向に2番アラベスクです。
2番アラベスクと3番アラベスクの違いは、エファセかクロワゼかでしたね。混乱しないように落ち着いて

グラン・ピルエットはこのほかにアティチュード・デリエールとアティチュード・ドゥヴァン、ドゥヴァン、またはア・ラ・スゴンドにバットマンをして回転するもの、そのそれぞれにアン・ドゥオールとアン・ドゥダーンがあります。どのポジシオンでももっとも気を付けなければならないことは、
アン・ドゥダーンのときには軸脚のターン・アウトを先行させること
アン・ドゥオールのときには軸脚のカカトを先に引かないこと
の2点です。