バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

センター・レッスン vol.10 グラン・フェッテ・ルルヴェ・アン・トゥールナン

2012-04-26 08:38:38 | 日記
前回練習したグラン・アレグロのアンシェヌマン、終盤のフェッテ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トゥールナン、そしてポゼまで繋ぐことが出来るようになりましたか?
フェッテ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トゥールナン、有名な回転技でもありますし“ここが見せ場”という意識も濃厚に働きますから、ついフェッテの部分に集中しがちでしょう。
でも、アンシェヌマンは全体を通してバランスのとれた“踊り”にならなければ意味がありません。“見せ場”のフェッテを引き立てたければ、それに先行する部分をきちんと丁寧に動きまとめることが大切ですよ。
“行き当たりばったり”で美しい踊りが紡ぎだされることはありません。
さぁ、今回はもう一つ、フェッテの練習をしましょう。
こちらも様々な女性ヴァリアシオンのクライマックスなどで有名な技術です。
日本ではア・ラ・スゴンド・フェッテとかイタリアン・フェッテと通称している、華やかな回転技です。
では、はじめましょう。
まず、動きの構成を分解してご説明しましょうね。
左脚軸、右脚ポワン・タンジュ・デリエール・アン・ファス→右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエ→右脚デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド-ルルヴェ→右脚を1番ポジシオンに下しながら左方向に向きを変え→1番ポジシオン・ドゥミ・プリエで下手奥を向く→右脚グラン・バットマン・ドゥヴァン-ルルヴェ→フェッテ→右脚アティチュード・クロワゼ・デリエール-ルルヴェ→左軸脚ドゥミ・プリエ-右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール
これがグラン・フェッテ・ルルヴェ・アン・トゥールナン・アン・ドゥダーンのもっとも基本の動きです。
アームスは
Ⅰ.はじめのク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエではアン・ナヴァン
Ⅱ.デヴロッペ・ア・ラ・スゴンドのときにア・ラ・スゴンド、または動作脚側のアームスを高くしてアロンジェ
Ⅲ.脚を下しながらアームスもアン・バに下げて1番ポジシオン・ドゥミ・プリエではアン・ナヴァン
Ⅳ.グラン・バットマン・ドゥヴァン-ルルヴェでアン・オー
Ⅴ.フェッテとともに軸脚側のアームスをア・ラ・スゴンドに開く
グラン・バットマン・ドゥヴァンをするときにアン・オーではなくアン・ナヴァンにする方法もあります。

先に大事なポイントを確認しておきましょうか。
デヴロッペ・ア・ラ・スゴンドに上げた脚を1番ポジシオンに向かって下しながら向きを変え、必ず1番ポジシオン・ドゥミ・プリエを通過します。勢い任せで脚を振り回すような動きをしないように気を付けて下さいね。
グラン・バットマン・ドゥヴァン-ルルヴェからのフェッテは、必ずエカルテ・デリエールを通過することを忘れないようにしましょう。
グラン・バットマン・ドゥヴァンからフェッテをするときはバットマンした脚が下がらないように、常に引き上げておくことを忘れないで下さいね。勢いよくバットマンした脚が成り行き任せで垂れ下がり、それをアティチュードに引き上げなおす、という動きでは美しくありませんからね。
アティチュードの脚をク・ドゥ・ピエ・デリエールに引き下ろすのと軸脚のドゥミ・プリエは同時です。このとき、骨盤が前傾して前かがみの姿勢にならないように注意しましょう。
それでは練習してみましょう。
左脚軸・右脚ポワン・タンジュ・デリエール・アン・ファス、アームスはアン・バ。
→8 右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエ→1 右脚デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド-ルルヴェ→2 1番ポジシオン・ドゥミ・プリエからバットマン・ドゥヴァン・-ルルヴェ→3 フェッテ→アティチュード・デリエール・クロワゼ→4 右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエ→5 右脚デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド-ルルヴェ→6 1番ポジシオン・ドゥミ・プリエからバットマン・ドゥヴァン・-ルルヴェ→7 フェッテ→アティチュード・デリエール・クロワゼ→8 右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエ→1 右脚デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド-ルルヴェ→2 1番ポジシオン・ドゥミ・プリエからバットマン・ドゥヴァン・-ルルヴェ→3 フェッテ→アティチュード・デリエール・クロワゼ→4 右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエ→5右脚デヴロッペ・ア・ラ・スゴンド-ルルヴェ→ 6 1番ポジシオン・ドゥミ・プリエからバットマン・ドゥヴァン・-ルルヴェ→7 フェッテ→アティチュード・デリエール・クロワゼ→8 右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエ→
いかがですか?
まず4回続けてみましょう。そして徐々に回数を増やしていきましょう。
テンポもはじめはゆっくりでいいのですよ。
速いテンポに無理に合わせることで勢い任せの動きになって、脚を振り回すような動きをするくらいなら、少しゆっくりのテンポで丁寧に正確に動ける方が美しいフェッテが出来ますよ。