バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

アッサンブレ

2009-05-13 12:06:53 | 日記
《アッサンブレ(=assemble)》の練習をしましょう。
assembleには、集まり、集める、組み合わせるという意味があり、この“パ”にぴったりの名称です。
いつものように先ず両手でバーに掴まって、鏡に対して正面向きで練習しましょう。
右足後ろの5番ポジシオンで立って下さい。
“ドゥミ・プリエ”をして、後ろ側の右脚を“ア・ラ・スゴンド”に押し出して振り上げ、同時に左足で飛び上がります
“空中で”右脚を前に引き付けて(=集めて)から5番ポジシオン“ドゥミ・プリエ”に着地します
  “ア・ラ・スゴンド”に押し出した右脚は“ポワン・タンジュ”の状態で動きを停めてはいけませんよ。“ポアワ・タンジュ”を通過してデガージェに振り上げることで、“ドゥミ・プリエ”をした左脚を引き上げて飛び上がる、とイメージしてみて下さい。
  左右の脚をバラバラに無関係に動かしてはいけません。両脚は互いに連動して動いています。
  いつも言うことですが、“ドゥミ・プリエ”でしっかり床を押すことを忘れないでね。
同じように今度は後ろ側の左脚を“ア・ラ・スゴンド”に押し出してデガージェに振り上げるのと同時に、右脚で飛び上がり、空中で左脚を前に引き付けてから5番ポジシオン“ドゥミ・プリエ”に着地します
  着地した時の“ドゥミ・プリエ”で骨盤が前傾して“お辞儀”のような“ドゥミ・プリエ”になったり、両膝を前に押し出して股関節の“ターン・アウト=アン・ドゥオール”が崩れたりしないように気を付けて下さいね。
  脚を“ア・ラ・スゴンド”に押し出すときに、トルソーが動作脚と反対側に傾かないように気を付けましょう。
  “ドゥミ・プリエ”から飛び上がるほうの脚の足首もきちんと伸ばしましょう。足首が緩んでいるのは美しくありませんね
それではバーから離れて練習してみましょう。
右足後ろの5番ポジシオン、鏡に対して“アン・ファス”、アームス(=腕)は“ア・ラ・スゴンド”にしましょう。
脚の動きもトルソーのコントロールも全て、バーに掴まって練習したときとおなじですよ
飛び上がろうとする時、肩や胸の辺りに力が入って状態が後ろ側に反っていませんか?
アームス(=腕)がバタバタと上下に動いていませんか?それとも肩から“ぶら下がった”ままの状態になっていませんか?
前に進もうと焦って、トルソーが“お辞儀”のように前傾していませんか?
5番ポジシオンと“ドゥミ・プリエ”のターン・アウト(=アン・ドゥオール)は守れていますか?
“爪先から”着地出来ていますか?ボテッ、ドカッとかかとの音がしていませんか?
着地するときもトルソーはしっかり吊り上げておくイメージを忘れないで下さいね。お腹、特にお臍の周りのお腹の力を抜いてはいけません。
後ろ側の脚を空中で前に引き付けて前方に進む《アッサンブレ》は、《アッサンブレ・ドゥシュ》、前側の脚を空中で後ろに引き付けて後方に進むのを《アッサンブレ・ドゥス》といいます。
《アッサンブレ》は“ア・ラ・スゴンド”に脚を押し出す動きだけでなく、“ドゥヴァン”や“デリエール”でも、“クロワゼ”や“エファセ”でも行ないますよ
《アッサンブレ》にも、《ドゥーブル・アッサンブレ》、《アッサンブレ・ストゥニュ(ポアントやルルヴェで行なう)》、《グラン・アッサンブレ》、《アッサンブレ・アン・トゥールナン》などさまざまなヴァリエーションがあります。
まずはもっともシンプルで基本の《アッサンブレ・ドゥシュ》と《アッサンブレ・ドゥス》をしっかり正確に練習して身に付けましょうね。




シャンジュマン・ド・ピエ

2009-05-11 12:35:55 | 日記
《シャンジュマン・ド・ピエ(=Changement de pieds)》を確認しながら練習しましょう。
シャンジュマン(Changement)とは、“変化・変更、交替”という意味で、ピエ(pieds)は“足(足首からしたの部分)”のことです。ですから、《シャンジュマン・ド・ピエ》“足の交替、足を前後に入れ替える動き”ということになりますね
それでは、両手でバーにつかまって、鏡の方を正面にして練習しましょう。
右足前5番ポジシオン“ドゥミ・プリエ”をして、真っ直ぐに飛び上がり、左足前の5番ポジシオン“ドゥミ・プリエ”に着地します。もう一度真っ直ぐに飛び上がって、右足前5番ポジシオン“ドゥミ・プリエ”に着地、この動きの繰り返しです。
  飛び上がる時は“足の裏全体で床を押して自分の足元から遠ざける”とイメージしてみて下さいね。
  両膝と足首をしっかり伸ばしましょう。
  足首が緩んでいたり、膝が曲がったままで飛んではいけませんね。
着地するときは、“爪先から”ですよ。足の裏全体で、“ベタッ”“ボタッ”と落っこちて来るようでは、アキレス腱や膝・腰に負担が掛かってしまいますよ
動きに馴れるまでは少しゆっくりでかまいませんから、丁寧にジャンプをくりかえしましょう
  《エシャッペ》のところでもお話しましたが、着地した後の“ドゥミ・プリエ”で、床を押すことを忘れて、中途半端にトルソーが浮き上がってはいけませんね。次のジャンプのための“バネ”を貯めることが出来なくなります。
  “ドゥミ・プリエ”では、骨盤を床に対して垂直に保って、股関節の“ターン・アウト=アン・ドゥオール”を守りましょう。股関節の“ターン・アウト”が崩れると、後ろ側のかかとが床から離れたり、両膝を前に押し出したり、お辞儀のようなプリエになったりして美しくありませんから、気を付けましょうね。
着地する前に、空中で足の前後を入れ替えますが、両足を開きすぎてはいけません。バタバタと乱暴な動きに見えてしまいますからね。
アンサンブル・ド・ミューズでは、“5番ポジシオンでの左右の爪先と爪先の範囲内”を基準にしています。
最初から最後まで“ドゥミ・プリエ”はいつでも同じ強さ・同じ深さの“ドゥミ・プリエ”が出来るように、5番ポジシオンを守りましょう。何回も続けるうちに股関節の“ターン・アウト”が崩れて、平仮名の“くの字”のような5番ポジシオンになってはいけません

《シャンジュマン・ド・ピエ》にはこのほかに、床からほとんど爪先を離さないで飛ぶ《プティ・シャンジュマン》や、真っ直ぐに高く飛び上がって着地の直前に足の前後を入れ替える《グラン・シャンジュマン》があります。
《シャンジュマン・ド・ピエ》は一見、シンプルで簡単な“パ”ですが、
強く大きく、あるいは優しくエレガントに、または素早く軽快に可愛らしく、と様々に表情を変えることが出来ます。ですから先ず基本の動きを大切にしっかり練習して身に付けましょうね


 


アダージョ

2009-05-03 12:41:09 | 日記
《アダージョ(=adagio)》の練習をしてみましょう。
トルソーが歪んだり、骨盤が傾いたりしないように気を付けるため、まずは鏡に対して正面向き、“アン・ファス”で練習してみましょう。
右足前の5番ポジシオン、アームスは“アン・バ”。
アームスを“アン・バ”から“アン・ナヴァン”を通って“ア・ラ・スゴンド”に“ポール・ドゥ・ブラ”、これが準備の動き=プレパラシオンです。
4カウントで“グラン・プリエ”をしながらアームスを“アン・バ”に下ろしていき、次の4カウントで膝を伸ばし内腿を引き上げながらアームスを“アン・ナヴァン”に引き上げて“ア・ラ・スゴンド”に開きます。
次の2カウントで右膝を横に引き上げて“ルティレ”、2カウントで前に“デヴロッペ”、2カウントで“ポワン・タンジュ・ドゥヴァン”に下ろして、2カウントで右足前の5番ポジシオンに戻ります。
同じく2カウントで右膝を横に引き上げて“ルティレ”、2カウントで“ア・ラ・スゴンド”に“デヴロッペ”、2カウントで“ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド”に下ろして、2カウントで右足後ろの5番ポジシオンに戻ります。
さらに2カウントで右膝を横に引き上げて“ルティレ”、2カウントで後ろに“デヴロッペ”、2カウントで“ポワン・タンジュ・デリエール”に下ろして、2カウントで右足後ろの5番ポジシオンに戻ります。
今度は左足前の5番ポジシオンから、右側と同じ動きを左で繰り返します。
気を付けなければならない大切なポイントが沢山ありますね。
先ずは“グラン・プリエ”
 自分の身体の真ん中に1本の真っ直ぐな心棒が通っているとイメージして下さい。その心棒から外れないように“グラン・プリエ”をします。
  骨盤を前傾させないこと、両膝を前に押し出さないこと、“グラン・プリエ”をしたときにかかとの上に座り込まないこと、“グラン・プリエ”から立ち上がるときに、上体で反動を付けないこと。
 バー・レッスンのときと違って掴まる物がない分、トルソーをしっかり保たないと、正しい“グラン・プリエ”は出来ません。
次に“デヴロッペ”
  前側の動作脚を“ルティレ”に引き上げるとき、軸足のかかとを後ろに引いて、股関節の“ターン・アウト=アン・ドゥオール”を崩さないように気を付けましょう。
  前=“アン・ナヴァン”に“デヴロッペ”をするときに、骨盤が後ろに倒れて下腹部を掬い上げるような形にならないよう、骨盤は垂直に保ちましょう。
  膝よりも膝から下の内くるぶし側を先に前に出していく、とイメージすると、動作脚の股関節の“ターン・アウト”が守れますよ。
  “ア・ラ・スゴンド”に“デヴロッペ”をするときには、動作脚よりも先に骨盤が持ち上がらないように、逆に軸脚側にお尻が落ちてしまうことがないように気を付けましょう。
  トルソーが軸脚側に傾いたり、反対に動作脚側のウエストのところが縮んで潰れたりしないように、左右の鎖骨が描く横線と、バスト・トップを結ぶ横線が軸脚側や動作脚側に斜めに傾かないように常にチェックするといいですよ。
  後ろ=“アン・ナリエール”に“デヴロッペ”をする場合、動作脚を伸ばすよりも先にトルソーを前傾させてはいけませんね。また骨盤を前傾させて背中を必要以上に反らすこともよくありません。腰を傷めてしまいますよ 
  膝から下を先に動かして脚をあげようとすると、膝が閉じて股関節の“ターン・アウト=アン・ドゥオール”が崩れてしまいます。“ルティレ”から膝と内腿を後ろに伸ばしていく、とイメージするといいですよ。
 “アン・ナリエール”に脚をあげるときには、背中を斜め上の前方に引き上げて、その背中で脚を引き上げる、とイメージしてみて下さいね。
 高く沢山脚を上げることに囚われて、股関節の“ターン・アウト”を守ることやトルソーのコントロール、“ポール・ドゥ・ブラ”をおろそかにしてはいけませんね
トルソーのコントロールも股関節の“ターン・アウト”も失われてただ“高く上がっているだけ”のデヴロッペよりも、コントロールが良く利いていて膝や足首がきちんと伸びた90度以下のデヴロッペの方がずっと美しいと、私は思いますよ