バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

グリッサード

2017-02-14 11:33:44 | 日記
グリッサード(=pas glissade)の練習をしましょう。
グリッサードはglissere=滑る、滑るように動く、という言葉がもとになっている動きです。
先ずはもっとも基本となる横方向への動きを練習してみましょう。
グリッサード・ドゥシュ
右足前5番ポジシオン・ドゥミ・プリエから。
右脚をポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドに伸ばす
右方向に押し出しながらすぐにトルソーを右足の上に移動する
ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドになった左脚を右足のに引き付けて、5番ポジシオン・ドゥミ・プリエで収める。
グリッサード・ドゥス
右脚をポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドに伸ばす
右方向に押し出しながらすぐにトルソーを右足の上に移動する
ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドになった左脚を右足のに引き付けて、5番ポジシオン・ドゥミ・プリエで収める。
ドウシュとドゥスの違いは、後から引きつける方の脚が前側になるか後ろ側になるか、です。
グリッサードは高く飛び上がる動きではありません。
爪先が少しだけ床から離れる程度に“浮く”のです。そうですね、リニア・モーターカーのように“浮いて”動くのです。
先行する脚の膝・足首・爪先をしっかり伸ばし、その足の上にトルソーを移したら引き付ける脚も膝・足首・爪先をきちんと伸ばしましょう。
左右の膝が十分に伸びないまま、カックン…カックン…とカニが跳ねているような動きにならないように気を付けて下さいね
骨盤は床に対して垂直に保たれていますか?
股関節のターン・アウトは守れていますか?
動き初めと同じドゥミ・プリエに収めていますか?
お辞儀のようにトルソーが前傾していませんか?
肋骨が上がって肩甲骨の辺りから後ろに反っていませんか?
ひとつずつチェックしながら、正しい動きを身に付けましょう。
グリッサードは横方向=ドゥ・コテの移動だけではありません。
アン・ナヴァン(=前方)への移動、アン・ナリエール(=後方)への移動もあります。
もちろん身体の向きも、アン・ファスだけでなく、クロワゼでもエファセでも移動します。
身体の向きや移動の方向が変わっても、両脚の膝・足首・爪先をキチンと伸ばすこと、飛び上がらずに“浮いて”動くことを忘れないで下さいね、グリッサード=滑るような動きです。
グリッサードは、様々な跳躍の助走としてアンシェヌマン(=コンビネーション)に組み入れられます。
グリッサード・アッサンブレ、グリッサード・ジュテ、グリッサード・グラン・ジュテ…etc.etc.…、必ず次に来る跳躍を効果的に美しく跳ぶための“バネ”をしっかり貯めなければなりませんから、グリッサードのコントロールをおろそかにしてはいけません。


<2009.06.17初出 2017.02.14修正>

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