バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

バー・レッスン vol.4 グラン・プリエ ‐ ポール・ドゥ・ブラ

2010-06-24 09:41:57 | 日記
センター・レッスンでの様々なテクニックの練習を続けてきましたが、今回からはバー・レッスンです。
レッスンを始めたばかりの頃は、真っ直ぐに骨盤を支え股関節のターン・アウトを守って立つだけでも大変だったでしょう。
いまでは背すじも腹筋も、そして内腿も随分強くなり柔軟性も増して、重心がズレていたり身体のどこかが歪んだり縮んだりすると、自分でそれを感じ取れるようになってきたのではないでしょうか?
それではグラン・プリエを始めましょう。
今回のグラン・プリエは一つ一つのプリエがポール・ドゥ・ブラを伴います。
左手をバーにおいて1番ポジシオン、右腕はアン・バから。
プレパラシオン アームスをアン・バからアン・ナヴァンへ引き上げる→3 ア・ラ・スゴンドに開く→4 アン・バに戻す→
ドゥミ・プリエ、アームスはドゥミ・スゴンドに→3 膝を伸ばす、アームスはアン・バに戻す→ ドゥミ・プリエ、アームスはドゥミ・スゴンド→3 膝を伸ばしてアームスはアン・バ→ グラン・プリエ、アームスはアン・バからアン・ナヴァンへ→ 膝を伸ばしてトルソーを引き上げる、アームスはア・ラ・スゴンドに開く⇒
この後に前と後ろへのカンブレが続きますが、今回は省略します。
後ろへのカンブレの後、ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドから2番ポジシオンへ、アームスはアン・バ。
ドゥミ・プリエ、アームスはドゥミ・スゴンドに→3 膝を伸ばす、アームスはアン・バに戻す→ ドゥミ・プリエ、アームスはドゥミ・スゴンド→3 膝を伸ばしてアームスはアン・バ→ グラン・プリエ、アームスはアン・バからア・ラ・スゴンドを通ってアン・オーへ→ 膝を伸ばしてトルソーを引き上げる、アームスはア・ラ・スゴンドに開く⇒
横方向へのカンブレやドゥミ・ポワントでのポゼなどが続きます。
ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドからドゥミ・ロンド・アン・ドゥ・ダーンでポワン・タンジュ・ドゥヴァンへ、そして4番ポジシオン。
ドゥミ・プリエ、アームスは低い位置でのアン・ナヴァン・アロンジェ→3 膝を伸ばす、アームスはアン・バに戻す→ ドゥミ・プリエ、アームスは低い位置でのアン・ナヴァン・アロンジェ→3 膝を伸ばしてアームスはアン・バ→ グラン・プリエ、アームスはアン・バからアン・ナヴァン通ってアン・オーへ→ 膝を伸ばしてトルソーを引き上げる、アームスはア・ラ・スゴンドに開く⇒
カンブレやポゼが続きます。
ポワン・タンジュ・ドゥヴァンから5番ポジシオン。
ドゥミ・プリエ、アームスはドゥミ・スゴンド→3 膝を伸ばす、アームスはアン・バに戻す→ ドゥミ・プリエ、アームスはドゥミ・スゴンド→3 膝を伸ばしてアームスはアン・バ→ グラン・プリエ、アームスはアン・バからア・ラ・スゴンドを通ってアン・オーへ→ 膝を伸ばしてトルソーを引き上げる、アームスはアン・ナヴァンまで下げてからア・ラ・スゴンドに開く⇒
カンブレやポゼなどが続きます。
いかがですか?
1番・2番・4番・5番のそれぞれのポジシオンごとにポール・ドゥ・ブラが変化するでしょう?
2番と4番、5番のグラン・プリエではアームスをアン・オーのポジシオンまで引き上げますが、上げたアームスに押されて、バーに近い方のトルソーが縮んだり、バーの方に重心が傾いたりしないように気を付けて下さいね。
ドゥミ・スゴンドへのポール・ドゥ・ブラと顔=頭部の向きはエポールマンで、ドゥミ・スゴンドの指先を超えたところ視線を向けます。
2番ポジシオンと4番ポジシオンのグラン・プリエでアームスをアン・オーに引き上げたときは顔=頭部は上げた手のひらの方に向けます。もちろん、首の後ろを縮めてアゴを上げてはいけません
5番ポジシオンのグラン・プリエでアームスはア・ラ・スゴンドを通ってアン・オーに上がります。このアン・オーのポジシオンのとき、顔=頭部はバーの方にエポールマンです。
1番ポジシオン・グラン・プリエのときのポール・ドゥ・ブラはアン・ドゥオール、5番ポジシオンのときの動きはアン・ドゥダーンというわけです。
もしも、ポール・ドゥ・ブラを伴うことで上体が揺れたりクネクネと傾いだりするようなら、ここで練習したポール・ドゥ・ブラをする必要はありません。どんなポール・ドゥ・ブラを伴うとしても、トルソーの中心軸は自然に真っ直ぐにコントロールされていなければなりません。
ポール・ドゥ・ブラを不必要なほどくねらせたり、トルソーを縮めたり捻ったり傾けたりとくねらせて“曲線的な雰囲気を表現しているつもり”になるのは間違いです。トルソーの中心軸のコントロールが優先されなければなりません

バー・レッスン vol.3 バロネ part3

2010-06-21 13:43:28 | 日記
前回、前々回とバロネの練習をしましたが、今回もバロネです。
今回はルルヴェで練習しましょう。
左脚軸で右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・エファッセ、アームスは左がアン・ナヴァン、右がア・ラ・スゴンドです。
左脚ドゥミ・プリエで右脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン→左脚がルルヴェに立ち上がるのと同時に右脚を素早くデガージェ・ドゥヴァンに伸ばす→右脚をク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァンに引き戻しながら左脚ドゥミ・プリエ→繰り返し…
動作脚をデガージェ・ドゥヴァンに伸ばしながら軸脚がルルヴェをするときに、前方に移動します。
動作脚の動きは、デガージェに伸ばすときもク・ドゥ・ピエに引き戻すときも、バットマン・フォンデュと同じ動きをします。ただ、素早くシャープにコントロールすることです。
注意点や大切なポイントは跳躍のバロネと同じですよ。
ルルヴェに立ち上がる軸脚の股関節が閉じて、トルソーの重心が後ろにズレないように気を付けましょう。
動作脚をク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァンに引き戻して軸脚がドゥミ・プリエをしたとき、骨盤が前傾した“お辞儀”のような姿勢にならないように注意して下さいね。
顔=頭部は、“跳躍のバロネ”と同様に軸脚側の肩の方に向けてエポールマンのポジシオンです。
軸脚がルルヴェに立ち上がったとき、肋骨が上がって上体が不必要に後ろに反り、肩甲骨の辺りが縮んでいませんか?
胸を引き上げてエポールマンのポジシオンを保つことと、ただ上体を後ろに反らすこととを混同して勘違いしてはいけませんね
ただ“伸びて→縮んで→伸びて→縮んで→”という平板な動きにならないように、大きく伸びてから一気に縮むとイメージして、動きをコントロールして下さい。
デガージェ・ドゥヴァンに伸ばした脚を素早くク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァンに引き戻すには、股関節をしっかりターン・アウトして内腿を開き膝から引き戻す強さが必要です
プリエとルルヴェを同じ1拍ずつの均等割りのリズムではなく、ルルヴェのほうを少し長くすると、動きに変化をもたせることが出来ますよ。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでのリズムを少しご紹介しましょうね。
カウントは7⇒8:ドゥミ・プリエ⇒1:バロネ・ルルヴェ⇒2:ドゥミ・プリエ⇒3:バロネ・ルルヴェ⇒4:ドゥミ・プリエ⇒です。
この1拍の4分音符を8分音符にしてカウントします。そして、ドゥミ・プリエ→バロネ・ルルヴェ→ドゥミ・プリエのところが、平板なカウントの捉え方ならば
ドゥミ・プリエ→バロネ・ルルヴェ→ドゥミ・プリエ
となるところを
ドゥミ・プリエ→バロネ・ルルヴェ→ドゥミ・プリエ→バロネ・ルルヴェ→
とバロネのところを強調するのです。
こうすると、風船が大きく膨らむように伸び上がり、一気に縮む、また大きく膨らんでは一気に縮むという動きの特性を、リズムによってイメージすることが出来るようになりますよ。
女性の場合はオン・ポワントでのバロネも求められますから、力任せの乱暴な動きにならないように、トルソーをしっかり引き上げておくこととドゥミ・プリエで決して脱力しないこと、この二つを忘れないで下さいね

センター・レッスン vol.3 バロネ part.2

2010-06-17 10:12:17 | 日記
前回練習したバロネ・ア・ラ・スゴンド・ドゥシュー、動きのイメージは掴めましたか?
決して脚を高く上げる必要はありません。安定した跳躍を繰り返すことですね。
今回はバロネ・アン・ナヴァン・エファッセを練習しましょう。
左脚軸で右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・エファッセ、アームスは左がアン・ナヴァン、右がア・ラ・スゴンドで準備します。
左脚ドゥミ・プリエと同時に右脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン⇒右脚をバットマン・フォンデュの要領で伸ばしながら左脚で跳びあがる⇒左脚ドゥミ・プリエで着地、同時に右脚をバットマン・フォンデュの要領でク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァンに引き戻す⇒繰り返し
これが基本の動きです。
跳び上がった位置から空中で前方に(=アン・ナヴァン)移動して着地します
左脚ドゥミ・プリエ、右ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン⇒1 前方斜め上にバットマン・フォンデュをしながら跳躍⇒2 左脚ドゥミ・プリエ、右ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァンで着地⇒3 跳躍⇒4 着地⇒5 跳躍⇒6 着地⇒7 跳躍⇒8 着地
バロネはバットマン・フォンデュを跳躍しながら繰り返すようなものです。着地したとき、きちんと両股関節のターン・アウトを守りましょう
動作脚の膝を前に向けて“蹴り出す”ような動きになってはいけません。足首も緩まないようにきちんと伸ばしましょう
バロネ・アン・ナヴァン・エファッセの間、顔=頭部は軸脚側の肩のほうに向けてエポールマンのポジシオンを守りましょう
エポールマンのポジシオンでは、片側の首筋を縮めたり、アゴが不自然に上がったりしてはいけません。両方の首筋から頭部全体を斜め上に引き上げるつもりで、捻れや歪みを作らないように気を付けましょうね
軸脚側のウエストの辺りが縮んで、トルソーが歪んでいませんか?
肋骨が上がって上体が後ろに反っていませんか?それでは必要以上の力で無理をしないと前方に進めなくなりますし、背中に負担がかかってしまいますよ
ただ単に前方へ飛び出すだけの平板な跳躍をしてはいけませんね。バロネ=膨らんだ、風船のようなという語源を考えてみて下さい。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、バロネは1回のジャンプのたびに一つの丘を飛び越えていくようなイメージで、と伝えています 上弦の曲線を描くように、です。
アームスで反動を付けて跳び上がるような動きは決してしてはいけませんよ。アン・ナヴァンとア・ラ・スゴンドのアームスで大きくゆったりした円を描くようなポジシオンを大切にして下さいね
前回も今回も跳躍のバロネを練習しましたが、ドゥミ・ポワントでもポワントでも行います。
軸脚と動作脚が同時に曲がって同時に伸びる、この基本は変わりません。

センター・レッスン vol.3 バロネ

2010-06-14 10:09:39 | 日記
今回も跳躍のパを練習しましょう。
バロネ(Ballonne)です。
ballonne膨らんだという意味で、大きなボールのような、風船のようなという意味を併せ持つパです。
動きの構造をちょっと説明しましょうか。
鏡に対してアン・ファス、右脚後ろ5番ポジシオン、アームスはアン・バ。
ドゥミプリエで後ろ側の右脚をデガージェ・ア・ラ・スゴンドに擦り上げて跳びあがる、アームスはア・ラ・スゴンドに引き上げる⇒跳躍の頂点に達したら右膝を曲げる⇒右脚をク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァンにして着地、アームスはアン・バに下ろす
これがバロネ・ドゥシュー。
このパを連続して行うときには、ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァンからア・ラ・スゴンドにデヴロッペをして跳び上がり、ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァンでの着地を繰り返します。
それでは続けて練習してみましょう。
鏡に対してアン・ファス、右脚後ろ5番ポジシオン、アームスはアン・バ。
ドゥミ・プリエ⇒1 右脚をデガージェ・ア・ラ・スゴンドに擦り上げて跳びあがる、アームスをア・ラ・スゴンドに引き上げる⇒2 右脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァンで着地、左脚ドゥミ・プリエ、アームスはア・ラ・スゴンドのまま⇒3 右脚でデヴロッペ・ア・ラ・スゴンドをして跳びあがる⇒4 左脚ドゥミ・プリエ、右脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァンで着地⇒5 跳び上がる⇒6 着地⇒7 跳び上がる⇒8 着地⇒
さあ、いかがですか?
場所を移動することなく同じ場所で跳躍と着地を繰り返すことが出来ましたか?
着地のしたときは、ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァンの脚のポジシオンを必ず守りましょう。内腿をしっかり引き上げておきます。
デガージェ・ア・ラ・スゴンドに脚が上がりきっているのに跳び上がるのが遅れたり、着地のドゥミ・プリエよりも脚をク・ドゥ・ピエに引き付けるのが遅れたり、バラバラの動きになっていませんか?
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、デガージェ・ア・ラ・スゴンドに擦り上げた脚が伸びきったときには軸脚も爪先まで伸びきって空中にあり、軸脚が着地のドゥミ・プリエを始めるのと同時に動作脚のク・ドゥ・ピエへの引き付けが始まる。《空中でのデガージェ・ア・ラ・スゴンドと着地のドゥミ・プリエ‐ク・ドゥ・ピエ、この2つのポーズを明確に見せること》と伝えています
高く跳び上がろうとして、トルソーが後ろに反っていませんか?着地のとき股関節のターン・アウトが失われて骨盤が前傾し、トルソーが“お辞儀”のようになっていませんか?それを繰り返すとトルソーが“漕ぐ”ように前後に揺れて、スムーズな跳躍が出来なくなりますよ
初めにア・ラ・スゴンドに引き上げたアームスはバタバタと上下に動かないように、きちんとポジシオンを守りましょう。
デガージェ・ア・ラ・スゴンドに脚を擦り上げて跳び上がったものの、まるで落っこちるようにすぐに着地して、休憩のようにドゥミ・プリエの時間が長くなるのは考え物ですよ。とくにドゥミ・プリエの間はトルソーを引き上げておくことを忘れないで下さいね。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、ジャンプの頂点に達したと思う瞬間に、さらに上へ伸び上がるつもりでと跳躍のイメージを伝えています。そうすることで、ひとつの跳躍に張りをもたせることが出来ます
今回は移動しないバロネ・ア・ラ・スゴンド・ドゥシューの練習をしましたが、ドゥスーでの動きもありますし、横方向へ移動しながら(=ドゥ・コテ)のバロネや、エファッセあるいはクロワゼのアン・ナヴァンまたはアン・ナリエールのバロネもあります。
いずれの場合でも忘れてはいけないことは、軸脚(跳躍をする脚)と動作脚(振り上げる脚)は常に同時に伸びきり、同時に曲げる(ドゥミ・プリエとク・ドゥ・ピエ)ということです。バー・レッスンにおけるバットマン・フォンデュを思い返してみて下さいね。



センター・レッスン vol.3 シソンヌpart2

2010-06-10 09:24:08 | 日記
今回はシソンヌの練習です。
シソンヌは、レッスンを始めた最初の頃に、鏡に向かってシソンヌ・ウーヴェルトシソンヌフェルメを練習しましたね。
その二つのシソンヌを組み合わせてシンプルなアンシェヌマンにしてみましょう。
右脚前5番ポジシオン・エファッセ、アームスはアン・バで準備して下さい。
7・8 ドゥミ・プリエ→1 シソンヌ・ウーヴェルト→2 5番ドゥミ・プリエ→3 シソンヌ・ウーヴェルト→4 5番ドゥミ・プリエ→5 シソンヌ・フェルメ→6 シソンヌ・フェルメ→7 シソンヌ・フェルメ→8 シャンジュマン・ド・ピエ=左脚前5番ポジシオン・エファッセ⇒… →… →…
同じ順番で左側を繰り返します。
シソンヌのときのアームスは右方向に進むときは右がアン・ナヴァン、左がア・ラ・スゴンドで1番アラベスクのポジシオンです。
シャンジュマン・ド・ピエのときにアームスを一度アン・バに下げます。
アン・ナヴァンのアロンジェにしたアームスが、シソンヌの跳躍のときに肩幅よりも外にはみ出したり、無意味に浮き上がったりしないように気を付けて下さいね
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、アン・ナヴァン・アロンジェにした人差し指の上に“スコープ(=望遠鏡)”が付いていて、その“スコープ”で遠くを見通すイメージで、と伝えています。
また、見えない力に指先を引っ張られて前に飛び出すイメージで、と跳躍の感覚について伝えています
シソンヌは後ろに伸ばした脚を上げることにだけ気をとられてはいけませんよ。前の脚もきちんと空中で膝・足首を伸ばさなければなりません
高く跳びあがれば膝や足首を伸ばせる、というものではありません。跳躍のために重心が上がり始めるのと同時に、前方へ強く“バットマン・ジュテ”をするつもりで膝・足首を伸ばすといいですよ。
シソンヌで大きく前方に移動することに気をとられると、骨盤が前傾して上体を前に突き出し、背中を丸くしたような姿勢になったりしますね。それでは美しいシソンヌは跳べません
前方へ大きく跳ぶためには、後ろ側の足で床を強く押しのけるようにして脚全体を伸ばすと、それが“ばね”になって前方への推進力になりますよ
高く跳ぶことばかり考えて、トルソーが後ろに上げた脚の方に傾いたり、肋骨が上がってトルソーが反ったりしないように気を付けましょう。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、シソンヌは両足で踏み切って跳び上がる瞬間に前と後ろに同時にグラン・バットマンをするつもりで、と伝えています。シソンヌは片脚を後ろに上げるだけのジャンプではなく、両脚の伸びを見せるジャンプだからです。
ではもう一つシンプルなアンシェヌマンを練習してみましょうか。
右脚前5番ポジシオン・エファッセから。
7・8 ドゥミ・プリエ⇒1→2 シソンヌ・フェルメ⇒3→4 シソンヌ・フェルメ⇒5→6 シソンヌ・ウーヴェルト⇒7 パ・ド・ブーレ⇒8 左脚前5番ポジシオン・ドゥミ・プリエ・エファッセ⇒… →… →…
シソンヌ・ウーヴェルトの後のパ・ド・ブーレ、最初の5番ポジシオン・ドゥミ・ポワントに真っ直ぐに引き上げて立つことが出来ますか?
シソンヌのあとアラベスクに残した脚を下ろしながら軸脚をドゥミ・ポワントに引き上げて、軸脚の後ろ側に下ろした脚を引き付けます。
肋骨が上がってトルソーが後ろに反っていませんか?重心が後ろにズレていませんか?
パ・ド・ブーレを5番ポジシオン・ドゥミ・プリエに収めるとき、崩れるように、落っこちるようにトルソーを引き上げる力が失われていませんか?きちんとエファッセの方向にトルソーを向けていますか?

これらのシンプルなアンシェヌマンもきちんとコントロールされた美しい動きが出来るようになれば、十分に振付の中で活かせるアンシェヌマンなのですよ。そして上級レヴェルのダンサーのシソンヌは、まるでグラン・ジュテ・アン・ナヴァンを跳んでいるかのように両脚がきちんと伸ばされ、宙に浮くような跳躍になっていることを忘れないで下さいね。