バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

アラベスク・ルルヴェ

2009-09-23 14:09:43 | 日記
《ピケ・アラベスク》の練習をして、《1番~4番までのアラベスクの違い》についても確認しましたので、今回は《アラベスク・ルルヴェ》の確認と練習をしましょう。
たとえば、《アラベスク・ルルヴェ》を1回したら次のへとアンシェヌマンが続いていく場合もあれば、《アラベスク・ルルヴェ》だけを何回も続けるアンシェヌマンもあります。
まずは丁寧に正確に美しく《アラベスク・ルルヴェ》が出来るように練習してみましょう。
右足軸で左脚を《1番アラベスク》ポワン・タンジュ・デリエールにして準備して下さい。
《1番アラベスク》は軸脚と同じ側のアームスが前、動作脚側のアームスを横にして、エファセのアラベスクでしたね。ここでは右斜め45度を向いていますよ。
《1番アラベスク》
ポワン・タンジュ・デリエールのまま、右脚でドゥミ・プリエ、その〈バネ=反動〉を利用して一気にトルソーを引き上げ膝を伸ばしてルルヴェに立ちます。
真っ直ぐに立ち上がろうとして、トルソーが後ろに傾いてはいけませんよ。お臍が爪先の上、バストで爪先を追い越すとイメージして下さい。トルソーのコントロールは、《ピケ・アラベスク》と同じです。
ルルヴェに立つ瞬間、股関節のターン・アウトを守りましょう。ターン・アウトが守れなくなって膝や足首が進行方向を向くようでは美しくありません。また、軸脚の小指側に重心が落ちないように気を付けましょうね。
最後は5番ポジシオンのドゥミ・プリエに収めて下さい。
これが一番基本の《アラベスク・ルルヴェ》です。何度か繰り返し練習して、ルルヴェにしっかり立ち上がる感覚を掴みましょう。
膝が緩んで力が抜けてはいけませんね。しっかりトルソーを引き上げることが出来ずに中途半端なルルヴェをしていると、膝や足首に余計な負担が掛かってしまいますから気を付けましょうね。
今度は、デガージェ・デリエールに左脚を上げて、《1番アラベスク》で準備して下さい。
右足でドゥミ・プリエをして、一気にルルヴェに立ち、それから5番ポジシオン・ドゥミ・プリエに収めます。
ルルヴェに立ち上がるときの反動で、後ろに上げた脚が下がらないように、内腿をしっかり引き上げておきましょう。そして5番ドゥミ・プリエに収めるときも、決して力を抜いて脚を落っことしてはいけませんね。
さあ、それでは《アラベスク・ルルヴェ》だけ、続けてみましょう。
まずは3回続けたら5番ドゥミ・プリエに収めるようにしましょうか
アラベスクに上げる脚の高さは低くても構いませんよ。
右脚ドゥミ・プリエ アラベスク・ルルヴェ ドゥミ・プリエ アラベスク・ルルヴェ ドゥミ・プリエ アラベスク・ルルヴェ 5番ドゥミ・プリエ
いかがですか?
ドゥミ・プリエに降りるたびに重心がカカトに落ちるようではすぐに疲れてしまいますから気を付けましょう。ドゥミ・プリエの時もトルソーはしっかり引き上げておきます。
ドゥミ・プリエとルルヴェを繰り返すたびに、アラベスクした脚がブラブラと上下に動いていませんか?脚の高さが変わらないよう、そして膝が緩んでしまわないように、内腿でコントロールしましょう。
ドゥミ・プリエとルルヴェを繰り返すうちに、股関節のターン・アウトが崩れないように気を付けて下さいね。
高く脚を上げることだけが素晴らしいわけではありません。脚の高さは低くても、最初から最後まで同じ脚の高さを保って安定した《アラベスク・ルルヴェ》を繰り返すことが出来てこそ美しいのです。脚は高く上がっているけれど、力任せにガツガツ動くことは決して美しいとはいえません。たとえ脚の高さは低くても、無駄な力が入っていない伸びやかにバランスの取れた《アラベスク・ルルヴェ》こそ美しいと、私は思いますよ。

アラベスクのいろいろ

2009-09-15 15:11:05 | 日記
前回の《ピケ・アラベスク》は、軸脚と同じ側のアームスをトルソーの前に置き、アラベスクに上げる脚の側のアームスをア・ラ・スゴンドにして練習しましたね。
これは《1番アラベスク》です。
アラベスクの基本形は、身体の向きとアームスの位置によって1番から4番まであり、さまざまなバリエーションもあります。
まず基本の形を一つずつ確認しながら練習してみましょう。
今回は全部右脚を軸脚とします。
1番アラベスク
右足前の5番ポジシオン・エファセ(=右斜め45度の方向です)を向いて、準備します。
そのまま、左脚を後ろに上げて、右腕は手の平を下に向けて肩より少し上、前に伸ばし、左腕は肩より少し後ろに、やはり手の平を下に向けて伸ばします。
顔の向きは、実際には繊細で微妙な角度を伴いますが、今は前に伸ばした右腕の指先の方に向けるようにしましょう。
脚を上げた左側のウエストが縮んでつぶれないように気を付けましょう。
前に伸ばしたアームスでトルソーを引き上げるようにイメージするといいですよ。
2番アラベスク
身体の向きも上げる脚も1番アラベスクと同じですが、アームスが変わります。
左腕を前に伸ばし右腕を横に伸ばします。そして顔は左に向けます。
脚を上げた左側のウエストを縮めてトルソーが左に傾かないように気をつけて下さいね。
前に伸ばした左手の指先と後ろに上げた左脚の爪先が大きな円周に触れているとイメージしてみましょう。
3番アラベスク
今度は右足前の5番ポジシオン・クロワゼ(=左斜め45度の方向)を向いて準備して下さい。
その向きのまま、2番アラベスクをして下さい。それが3番アラベスクです。
つまり2番アラベスクはエファセ3番アラベスクはクロワゼということです。
顔は前に伸ばしたアームスの指先のほうを向きます。
4番アラベスク
同じく右足前5番ポジシオン・クロワゼからまず1番アラベスクをしたら、正面から背中が見えるように、ウエストから上のトルソーを大きく捻って引き伸ばします。
顔は前に伸ばしたアームスの肩越しに指先の方を見るようにします。
アラベスクのなかで一番難しいのが、この4番アラベスクでしょうね。
トルソーを大きく捻って引き伸ばしますが、骨盤が傾きすぎて、トルソーが軸脚側に倒れ掛かってはいけません。また、背中だけでなくお尻まで全部正面に向いてしまうほどトルソーが倒れるのは間違いですよ。股関節のターンアウトをしっかり守って下さい。4番アラベスクでもない、ア・ラ・スゴンドでもない、不思議な曖昧な形にならないように気を付けて下さいね。
1番から4番までのアラベスクのほかに、アラベスク・ア・ドゥ・ブラ(=チェケッティ・メソッドでの“3番アラベスク”)があります。
これは、両腕をトルソーの前に伸ばすアラベスクです。軸足側のアームスを高く、後ろに足を上げた側のアームスを肩より少し上にして手のひらを下に向けます。
アラベスクは美しいポーズであり《パ》ですが、決して脚を高く上げることにこだわって、トルソーや股関節、膝や足首のコントロールを無視してはいけません。トルソーが歪み膝が曲がってただ高く脚を上げただけのアラベスクは美しくありません 脚の高さは低くてもトルソーや両膝・足首がきちんとコントロールされて安定しているアラべスクこそが美しいのです

ピケ・アラベスク vol.2

2009-09-08 10:16:57 | 日記
お待たせいたしました。
前回は、1回ずつ丁寧にピケ・アラベスクをして5番ポジシオン・ドゥミ・プリエに収める練習をしましたね。
今回はその動きを少し発展させて、ピケ・アラベスクを繰り返しながら前方に進む練習をしてみましょう。
まず準備のポジシオンは左脚軸で右脚クロワゼ・デリエール・ポワン・タンジュにして下さい。アームスはアン・バです。
クロワゼ・デリエール・ポワン・タンジュから、右脚を1番ポジシオンを“通過”させてポワン・タンジュ・ドゥヴァンに伸ばします。同時に左脚はドゥミ・プリエ。前回練習したように、左脚ドゥミ・プリエの“バネ”でトルソーを右爪先の上に押し上げる のとほぼ同時に左脚を後ろに伸ばして 上げます。
アームスは右がアン・ナヴァン、左がア・ラ・スゴンドで手の平は下に向けましょう。
次に、後ろに上げた左脚を降ろし て、1番ポジシオン・ドゥミ・ポワントを“通過”させて、《ア・テール》に降ります。同時に右脚はポワン・タンジュ・デリエールになります。アームスはアン・バにまとめます。
ポワン・タンジュ・デリエールから、ポワン・タンジュ・ドゥヴァンに脚を伸ばすとき、“1番ポジシオンを通過させる”だけでなく、ク・ドゥ・ピエを通過する“プティ・デヴロッペ”からポワン・タンジュ・ドゥヴァンに伸ばすやり方もありますが、まずはきちんと1番ポジシオンを“通過”する動きを身に付けましょう。
後ろに上げた脚を下ろして1番ポジシオン・ドゥミ・ポワントを通過させるとき、両方のアームスでしっかりトルソーを引き上げましょう。脚を降ろすのですが、トルソーは更に上に伸びていくとイメージして下さいね。
後ろに脚を上げるときは、蹴り上げてはいけません。脚全体を“跳ね上げる”とイメージするといいですよ。“蹴り上げる”ような動きでは、膝が曲がってしまいがちです
ドゥミ・プリエした脚の“バネ”でトルソーを押し上げる ときは、アン・ナヴァンに伸ばしたアームスでトルソーを引き上げるように、腕を少し前に指し伸ばすようにするといいですよ。
アン・ナヴァンに指し伸ばしたアームスは自分の肩幅の内側に、ア・ラ・スゴンドのアームスはバスト・トップの高さ、この2点をしっかりマスターしましょう。
後ろに上げた脚を降ろして1番ポジシオン・ドゥミ・ポワントを通過させ、ア・テールに降りたとき、重心をカカトの上に落としたり、トルソーの引き上げが緩んだりしないように気を付けましょうね。
“ピケ・アラベスク”、本当に美しいパです。様々なアームスのヴァリエーションを伴って多様に変化します。まずは基本のピケ・アラベスクを美しくコントロール出来るようになりましょう
次回は色々なアラベスクについてご説明する予定です。