バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

バー・レッスン vol.8 ピルエット

2011-09-12 12:22:12 | 日記
前回練習したピケ・アン・トゥールナン、半回転と1回転をそれぞれ安定した重心の移動で回転出来るようになりましたか?
半回転と1回転の組み合わせやアン・ドゥオールとアン・ドゥダーンの組み合わせなどにも挑戦してみて下さいね。
今回ももう一つバーで行うピルエットの練習をしましょう。
プリエ-ルルヴェで回転します。この回転は、バットマン・フォンデュやロン・ドゥ・ジャンブ・アン・レールの練習に組み込まれることもあります。
でははじめましょう。
左手バーで右脚前5番ポジシオン、アームスはアン・バからプレパラシオンでアン・ナヴァンを通ってア・ラ・スゴンドへ。
→8 プレパラシオン⇒1 右脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァンから→2 ルティレ→3 デヴロッペ・アン・ナヴァン→4 軸脚ドゥミ・プリエ→5 軸脚ルルヴェと同時に右脚ルティレ・ドゥヴァン→6 バーに背を向ける方向に→7 1回転→8 ルティレ-ルルヴェから右脚前5番ポジシオン・ドゥミ・プリエ⇒1 右脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァンから→2 ルティレ→3 デヴロッペ・アン・ナヴァン→4 軸脚ドゥミ・プリエ→5 軸脚ルルヴェと同時に右脚ルティレ・ドゥヴァン→6 バーに背を向ける方向に→7 1回転→8 ルティレ-ルルヴェから右脚前5番ポジシオン・ドゥミ・プリエ⇒
これがアン・ドゥオールの動きです。
アームスは、動作脚をルティレに引き上げて回転を始めると同時にアン・ナヴァンに集めます。そして回転が終わったところで片手をバーにもう片方の手をア・ラ・スゴンドに開きます。
ルティレからアン・ナヴァンにデヴロッペをするときに骨盤を掬いあげるようにお腹が丸くならないように気を付けて下さいね。
このピルエットは、動作脚をルティレに引きつけることが回転の推進力になる、と考えて下さい。
フェッテ・ロン・ドゥ・ジャンブ・アン・トゥールナンとの違いは、このピルエットでは動作脚をドゥミ・ロン・ドゥすることはしません。アン・ナヴァンにデヴロッペした動作脚を真っ直ぐにルティレに引きつけましょう。
1回転してきちんとルティレ-ルルヴェで回転を止めてから改めて5番ポジシオンに着地します。回転終わりと同時になし崩し的に5番ポジシオンに落っこちてはいけませんね。
はじめのク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァンからルティレに動作脚を引き上げる動きと同時に軸脚もルルヴェをして、デヴロッペと同時に軸脚がドゥミ・プリエをするという動き方でもいいですよ。
ではアン・ドゥダーンの練習をしましょう。
左手バーで右脚後ろ5番ポジシオン。
→8 プレパラシオン⇒1 右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエールから→2 ルティレ→3 デヴロッペ・アン・ナリエール→4 軸脚ドゥミ・プリエ→5 軸脚ルルヴェと同時に右脚ルティレ・デリエール→6 バーの方に向かって→7 1回転→8 ルティレ-ルルヴェから右脚後ろ5番ポジシオン・ドゥミ・プリエ⇒1 右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエールから→2 ルティレ→3デヴロッペ・アン・ナリエール→ 4 軸脚ドゥミ・プリエ→5 軸脚ルルヴェと同時に右脚ルティレ・デリエール→6 バーの方に向かって→7 1回転→8 ルティレ-ルルヴェから右脚後ろ5番ポジシオン・ドゥミ・プリエ⇒
アン・ドゥオールのときと同様に、デヴロッペ・アン・ナリエールした脚をまっすぐにルティレ・デリエールに引きつけることが回転の推進力になる、と考えて下さいね。
ルティレに動作脚を引き付けるときにはきちんと骨盤を立てましょう。骨盤が前傾したままでは回転のときにお尻が出っ張った姿勢になってしまいますよ
アン・ドゥダーンではとくに、動作脚をルティレに引きつける前に回転を急いではいけませんね。

さあ、それではバットマン・フォンデュと組み合わせて練習してみましょう
左手バーで右脚前5番ポジシオン、アームスはアン・バ。プレパラシオンで右脚をポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドに、アームスもアン・ナヴァンを通ってア・ラ・スゴンドに。
→8 プレパラシオン⇒1 右脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエ→2 フォンデュ・アン・ナヴァン→3 ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエ→4 フォンデュ・ア・ラ・スゴンド→5 ク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエ→6 フォンデュ・アン・ナリエール→7 軸脚ドゥミ・プリエ→8 ピルエット・アン・ドゥダーン→1 ク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエ→2 フォンデュ・アン・ナリエール→3 ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエ→4 フォンデュ・ア・ラ・スゴンド→5 ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエ→6 フォンデュ・アン・ナヴァン→7 軸脚ドゥミ・プリエ→8 ピルエット・アン・ドゥオール
いかがですか?
このピルエットは90度の高さにデヴロッペをして、または回転の前のドゥミ・プリエのときに動作脚を90度の高さに引き上げてもよいのですが、決して無理に脚を上げる必要はありません。45度でも十分です。まずはきちんとトルソーや脚をコントロールすることを優先して練習してくださいね

バー・レッスン vol.8 バーでのピケ・アン・トゥールナン

2011-09-08 10:34:56 | 日記
前回練習したルルヴェとタン・ルヴェのアンシェヌマン、バー・レッスンのあとに試してみましたか?
呼吸を意識しながら丁寧に動いて下さいね。
今回はピケ・アン・トゥールナンの練習をしましょう。
バーで回転の練習をすることで、センター・レッスンでの回転のパを正確に無理なくコントロールすることが出来るようになりますよ。
でははじめましょう。
まずピケ・アン・ドゥオールで半回転です。
左手バーで右脚前5番ポジシオン、右アームスはアン・バからプレパラシオンでアン・ナヴァンを通ってア・ラ・スゴンドへ。
→8 プレパラシオン⇒1 ドゥミ・プリエをしながら→2 右脚をデガージェ・ドゥヴァンにジュテ→3 右脚ドゥミ・ポワントに移動して→4 左脚ルティレ・デリエール→5 バーの方に→6 半回転→7 左脚ルティレ・ドゥヴァン-ルルヴェ→8 左脚前5番ドゥミ・プリエ⇒1 左脚を→2 デガージェ・ドゥヴァンにジュテ→3 左脚ドゥミ・ポワントに移動→4 右脚ルティレ・デリエール→5 バーの方に→6 半回転→7 右脚ルティレ・ドゥヴァン-ルルヴェ→8 右脚前5番ドゥミ・プリエ→…
動きの構成を分解するようにゆっくり動くとこのようになります。慣れてきたら4カウントで半回転、そして2カウントで半回転と少しずつテンポを速くしていくといいですね。
では大事なポイントを確認しましょう。
デガージェ・ドゥヴァンにジュテをして、その脚のドゥミ・ポワントに立ち上がったときはルティレは後ろに引きつけますが、4分の1回転したところでルティレ・ドゥヴァンに移します。
アームスは回転を始めるのと同時に両手をアン・ナヴァンに集め、回転が終わったところで片手をバーにもう片方をア・ラ・スゴンドに開きます。
回転が終わると同時にドゥミ・プリエに下りるのではなく、ルティレ-ルルヴェのままさらにトルソーを引き上げてから改めてドゥミ・プリエに下りるようにしましょう。
ピケに立ちあがるときにいきなりバーのほうに身体を向けてはいけませんね。ピケはあくまでもアン・ナヴァン(=前方)にトルソーを移動します。
半回転する間にバーにもたれかかるように重心がズレてしまうとしたら、それは正しい位置にトルソーを引き上げていないか、あるいは無駄な勢いを付けているからでしょう。
それでは1回転の練習をしましょう。
左手バーで右脚前5番ポジシオンから。
→8 プレパラシオン⇒1 右脚デガージェ・ドゥヴァンにジュテ、左脚ドゥミ・プリエ→2 右脚にピケ、左脚ルティレ・デリエール→3 バーの方を通って1回転、左脚はルティレ・ドゥヴァンへ→4 左脚を後ろに下ろして5番ポジシオン・ドゥミ・プリエ→5 右脚デガージェ・ドゥヴァンにジュテ、左脚ドゥミ・プリエ→6 右脚にピケ、左脚ルティレ・デリエール→7 バーの方を通って1回転、左脚はルティレ・ドゥヴァンへ→8 左脚を後ろに下ろして5番ポジシオン・ドゥミ・プリエ→…
いかがですか?
注意しなければならないポイントは半回転のときと同じです。
半回転のときよりも一層気を付けたいことは、
バーの方に傾いたり、逆にバーから遠ざかるように傾いてしまったりと重心がズレないようにコントロールする
ことですね。
今度はアン・ドゥダーンの練習をしましょう。
左手バーで右脚後ろの5番ポジシオン。
→8 プレパラシオン⇒1 右脚デガージェ・デリエールに→2 ジュテ、左脚ドゥミ・プリエ→3 バーに背を向ける方向に4分の1回転→4 右脚デガージェ・ア・ラ・スゴンド→5 右脚ドゥミ・ポワントにピケ→6 左脚ルティレ・デリエール→7 さらに4分の1回転→8 左脚後ろ5番ポジシオン・ドゥミ・プリエ⇒1 左脚デガージェ・デリエールに→2 ジュテ、右脚ドゥミ・プリエ→3 バーに背を向ける方向に4分の1回転→4 左脚デガージェ・ア・ラ・スゴンド→5 左脚ドゥミ・ポワントにピケ→6 右脚ルティレ・デリエール→7 さらに4分の1回転→8 右脚後ろ5番ポジシオン・ドゥミ・プリエ⇒…
大事なポイントは…。
はじめの4分の1回転のところはフェッテ・アン・ドゥダーンの要領でトルソーの向きを変え、動作脚もしっかりターン・アウトしてデガージェ・ア・ラ・スゴンドにします。
デガージェ・ア・ラ・スゴンドした脚にピケしてドゥミ・ポワント、ルティレの脚を引き付けることで回転をすすめます。
バーから離れてしまう位置にピケをしないように気を付けましょうね。
では1回転を練習しましょうか
左手バーで右脚後ろの5番ポジシオン。
→8 プレパラシオン⇒1 右脚デガージェ・デリエール-ドゥミ・プリエ→2 フェッテ・アン・ドゥダーン→3 右脚にピケ、左脚ルティレ・デリエールで残りの回転→4 左脚前5番ポジシオン・ドゥミ・プリエ→5 右脚デガージェ・デリエール-ドゥミ・プリエ→6 フェッテ・アン・ドゥダーン→7 右脚にピケ、左脚ルティレ・デリエールで残りの回転→8 左脚前5番ポジシオン・ドゥミ・プリエ→…
 半回転のところでもいいましたが、1回転をするときに勢いをつけ過ぎてバーから離れたところにピケで飛びださないように気を付けましょうね。

このパは今回練習した半回転と1回転のほかに1回転半と2回転でも行います。
まずは無駄な力をいれないでスムーズな半回転と1回転が出来るように練習を重ねましょう。
右にピケ・アン・ドゥオール半回転→左にピケ・アン・ドゥオール半回転→右にピケ・アン・ドゥオール1回転→右にピケ・アン・ドゥオール半回転⇒左にピケ・アン・ドゥオール半回転→右にピケ・アン・ドゥオール半回転→左にピケ・アン・ドゥオール1回転→左にピケ・アン・ドゥオール半回転
こんな風に半回転と1回転を組み合わせて、またはアン・ドゥオールとアン・ドゥダーンを組み合わせて練習することも、方向感覚を育てるのに効果がありますよ

バー・レッスン vol.8 ルルヴェとタン・ルヴェ

2011-09-05 11:34:32 | 日記
前回練習したリンバリング、自分の身体と相談しながら丁寧に練習していますか?
余裕があるならばア・ラ・スゴンドに脚を引き上げたまま、少しバーの方にカンブレをしたり、足から手を離してポゼをしたり、デリエールも膝を引き上げて伸ばしたあとにパンシェをいれたりするのもよいでしょう。
今週はルルヴェとタン・ルヴェの練習をします。
とはいうものの目新しいやり方や特殊な動き方ではなく、バー・レッスンの最後に呼吸を整えたり脚や腰の緊張をほぐすための動きです。
でははじめましょう。
両手バーで1番ポジシオン。
→8 プレパラシオン⇒1 →2 グラン→3 →4 プリエ→5 →6 ア・テールに→7 戻って→8 ルルヴェ→1 →2 カンブレ→3 →4 アン・ナリエール→5 →6 トルソーを→7 起こして→8 ア・テール→1 →2 グラン→3 →4 プリエ→5 →6 ア・テールに→7 戻って→8 ルルヴェ→1 →2 カンブレ→3 →4 アン・ナリエール→5 →6 トルソーを→7 起こして→8 ア・テール⇒1 →2 ドゥミ・プリエ→3 →4 ア・テール→5 →6 ルルヴェ→7 →8 ア・テール→1 →2 ドゥミ・プリエ→3 →4 ア・テール→5 →6 ルルヴェ→7 →8 ア・テール⇒1 ルルヴェ→2 ア・テール→3 ルルヴェ→4 ア・テール→5 ルルヴェ→6 ア・テール→7 ルルヴェ→8 ア・テール・ドゥミ・プリエ⇒1 タン・ルヴェ→2 ドゥミ・プリエ→3 タン・ルヴェ→4 ドゥミ・プリエ→5 タン・ルヴェ→6 ドゥミ・プリエ→7 タン・ルヴェ→8 ドゥミ・プリエ
いかがですか?
大事なポイントは呼吸を丁寧にすることです。
カンブレ・アン・ナリエールをするときは1回目は右のエポールマンに、2回目は左のエポールマンに顔をむけましょう。
ルルヴェをするときには勢いよく立ち上がるのではなく、カカトから足指の付け根に向かって足の裏をゆっくり床から引きはがしていくイメージで丁寧にルルヴェをしましょう。そしてルルヴェからア・テールに戻るときも足の裏を少しずつカカトに向かって床に吸い付かせていくイメージで下りましょう。
タン・ルヴェはバーの上に乗り上げるイメージでしっかり跳躍の練習をしましょう。足首をしっかり伸ばし爪先で床を突き通すイメージで跳んでみましょう。
勢いよく着地のドゥミ・プリエをして重心が後ろに落っこちないように気を付けて下さいね。バーを掴んだまま身体を支えようとして、バーを自分の方に引っ張るようなことになっては困りものですよ。
1フレーズ目と2フレーズ目のグラン・プリエ&カンブレ・アン・ナリエールは8カウント×2を1フレーズにしていますが、8カウント×1を1フレーズにしてもいいでしょう。その場合グラン・プリエのテンポが速くなりますから、勢い任せにしゃがみ込むようなプリエをしたり、乱暴なカンブレをしないように気を付けて下さいね。グラン・プリエをドゥミ・プリエに変えてもいいですよ。

このプリエ&ルルヴェ&タン・ルヴェの練習はバー・レッスンに必ず組み込まれるものではありませんが、バー・レッスンが終わって次にセンター・レッスンに入る前の準備としては効果的ですよ。バー・レッスンに組み込まれないときは、深呼吸をするつもりで軽く動いてみるといいでしょう。

バー・レッスン vol.8 リンバリング

2011-09-01 09:56:03 | 日記
前回練習したカンブレとパンシェ、安定した動きでトルソーと上げた脚とを支えることが出来るようになりましたか?
綺麗なパンシェやカンブレをするためには、腹筋や背筋の力やしっかりと股関節をターン・アウトすること、そして柔軟性も必要です。
今回はリンバリングの練習をしてみましょう。
リンバリングのLimberには、
①筋肉をしなやかにする
②柔軟体操をする

という意味があります。
以前、バーに脚を載せておこなうストレッチをしましたが、今回は手で脚をもって引き上げるストレッチ=リンバリングをしましょう。
でははじめましょう。
左手バーで右脚前5番ポジシオン、アームスはアン・バからプレパラシオンでアン・ナヴァンを通ってア・ラ・スゴンドへ。
→8 プレパラシオン⇒1 右脚を引き上げて→2 ルティレに→3 アティチュード・ドゥヴァンをしながら→4 左脚ドゥミ・プリエ→5 右足の土踏まずを→6 持って→7 アン・ナヴァンに→8 脚を伸ばす→1 左脚ドゥミ・プリエのまま→2 右脚をトルソーの方に引き寄せる→3 右足の土踏まずをもったまま→4 ア・ラ・スゴンドにドゥミ・ロン・ドゥ→5 脚をトルソーに引き寄せながら→6 ストレッチをすすめ→7 軸脚の膝をの伸ばす→8 ポゼ⇒1 右膝を曲げ→2 その膝を持ってトルソーに引き寄せながら→3 デリエールに→4 ドゥミ・ロン・ドゥ→5 膝を引き上げながら→6 トルソーはパンシェ→7 上げた脚の膝を伸ばして→8 ポゼ⇒1 トルソーを起こしながら→2 脚を下ろして→3 ロン・ドゥ・ジャンブ・パール・テール・アン・ドゥダーン→4 右脚前5番ポジシオン→5 右脚を前に滑らせながら→6 スプリッツ→7 →8 ポゼ→1 トルソーを→2 カンブレ・アン・ナヴァン→3 ポゼ→4 起こす→5 デリエールに→6 カンブレ→7 ポゼ→8 トルソーを起こして両手アン・オーでポゼ→…
いかがですが?これがもっとも一般的なリンバリングの一つです。
では大切なポイントを確認していきましょう。
アティチュード・ドゥヴァンでドゥミ・プリエをしたとき腰が丸くならないように気を付けて、骨盤をまっすぐに支えましょう。
足の土踏まずに手をかけて脚を伸ばしていくとき、股関節のターン・アウトが失われないように気を付けて下さいね。そして脚を伸ばしたときお尻が後ろに出っ張って“お辞儀”のような姿勢にならないよう注意しましょう。
足をもったままア・ラ・スゴンドにドゥミ・ロン・ドゥしていきますが、骨盤が前傾しないように気を付けましょう。骨盤をまっすぐに支えながら、ゆっくり軸脚の膝を伸ばしていきます。
股関節の構造から見ると、一般的には130度前後、およそ肩の高さくらいまでは脚をもってア・ラ・スゴンドに上げることが出来ます。それ以上は生まれながらの股関節の形状や靭帯の柔軟性、脚腰の筋肉の柔軟性といった条件に左右されます。そのような条件に加えて正確なトレーニングの積み重ねによって180度前後まで脚を上げることが出来るようになるのです。でもそれは“誰にでも出来るということではありません”
膝をもってトルソーのほうに引き上げてからデリエールにドゥミ・ロン・ドゥしますが、このときにウエストの後ろを縮めたりお尻を突き出すような姿勢になったりしないように気を付けて下さいね。脚の移動に伴ってトルソーも少しずつ前に移動します。
少しずつ膝を引き上げながらアティチュード・デリエールを高くしていきましょう。このとき腰を痛めないようにトルソーは少しずつパンシェ・アン・ナヴァンをして、最後にしっかり膝を伸ばします。
スプリッツは骨盤の幅よりも外に両脚がはみ出さないように、そして後ろの脚の方に骨盤全体が傾かないように気を付けましょう。また前の脚のほうのお尻の上にトルソーが落っこちて傾かないように気を付けて下さいね。重心はあくまでも両方の脚の真ん中にありますよ。
スプリッツが完成したら、両方の肩の高さが揃っているか、両肩がきちんと正面を向いているか、後ろの脚側のウエストが縮んでいないか、そして後ろ側の脚のターン・アウトが失われていないかなどをチェックするようにしましょう。
スプリッツだけでなくストレッチ(=リンバリング)全般にいえることですが、決して無理に力任せにストレッチをしてはいけません。関節や靭帯、筋肉を傷める原因になってしまいますからね。

ストレッチは関節や靭帯、筋肉の柔軟性を高めるために大切なエクササイズですが、丁寧にストレッチをすることで事故や故障を未然に防ぐことにも繋がり、疲労を溜めないためにも役立ちます。バー・レッスンから始まってセンター・レッスンまですべてのレッスンが終わったあとに、クール・ダウンのためのストレッチをすることも大切ですよ。