バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

センター・レッスン vol.8 グラン・バットマン

2011-09-26 09:55:34 | 日記
前回練習したロン・ドゥ・ジャンブ・パール・テールのアンシェヌマン、パ・ドゥ・バスクや“グラン・コントゥルタン”などの繋ぎのパからアン・ドゥオールやアン・ドゥダーンの回転までスムーズに安定した動きを続けることが出来るようになりましたか?
パ・ドゥ・バスクや“グラン・コントゥルタン”はとくに、成り行き任せの勢いで脚を振り回すような動きにならないように気を付けて下さいね。クロワゼからエファセにトルソーの向きが変わっても、その方向はあくまでも正確に守らなければなりませんね。
今回はグラン・バットマンです。
早速はじめましょう。
右脚前5番ポジシオン、アームスはアン・バからプレパラシオンでアン・ナヴァンから左をアン・オー、右をア・ラ・スゴンドに。
→8 プレパラシオン⇒1 グラン・バットマン・クロワゼ・ドゥヴァン→2 5番ポジシオン→3 グラン・バットマン・クロワゼ・ドゥヴァン→4 5番→5 グラン・バットマン・クロワゼ・ドゥヴァン→6 5番→7 グラン・バットマン・エカルテ・ドゥヴァン→8 右脚後ろ5番ポジシオン→1 グラン・バットマン・エファセ・デリエール→2 5番→3 グラン・バットマン・エファセ・デリエール→4 5番→5 グラン・バットマン・エファセ・デリエール→6 5番→7 グラン・バットマン・エカルテ・ドゥヴァン→8 右脚前5番→1 グラン・バットマン・エカルテ・ドゥヴァン→2 右後ろ5番→3 グラン・バットマン・エカルテ・ドゥヴァン→4 右前5番→5 グラン・バットマン・エカルテ・ドゥヴァン→6 右後ろ5番→7 グラン・バットマン・エカルテ・ドゥヴァン→8 右脚前ドゥミ・プリエ、左脚・ク・ドゥ・ピエ・デリエール→1 パ・ドゥ・ブーレ→2 左脚前4番ドゥミ・プリエ・クロワゼ→3 トゥール・アン・ドゥオール→4 4番ドゥミ・プリエ→5 右脚ポワン・タンジュ・デリエール・クロワゼ、左膝を伸ばす→6 4番ドゥミ・プリエ→7 トゥール・アン・ドゥオール→8 左脚前5番ドゥミ・プリエ⇒左サイド
アームスの動きは
左アン・オー、右ア・ラ・スゴンドでグラン・バットマン・ドゥヴァンを3回したらアン・オーの左アームスをア・ラ・スゴンドに開き、右はアン・バに下げてからアン・ナヴァンを通してアン・オーに上げます。エカルテ・ドゥヴァンにバットマンをした脚を下すのと同時にアン・オーにした右アームスをア・ラ・スゴンドに開いて、ア・ラ・スゴンドの左アームスはアン・バを通してアン・ナヴァンのアロンジェに引き上げます。そのままグラン・バットマン・デリエールを3回したらアン・ナヴァン・アロンジェの左アームスをア・ラ・スゴンドに開き、右はアン・バとアン・ナヴァンを通してアン・オーに引き上げ、そのままエカルテ・ドゥヴァンのグラン・バットマンを続けます。最後のエカルテ・ドゥヴァンにグラン・バットマンした脚を下ろしながらアン・オーのアームスをアン・バまで下げて、右脚ドゥミ・プリエ、左脚ク・ドゥ・ピエ・デリエールと同時にアン・ナヴァンに引き上げます。
いかがですか?シンプルなアンシェヌマンでしょう?
それでは大事なポイントを確認していきましょう。
グラン・バットマンで高く脚を上げるためにはもちろん勢いが必要です。でも勢いに任せて放り上げた脚を落っことしてはいけません。脚は“下ろして”5番ポジシオンに引きつけるのです。上げた脚をポワン・タンジュに下したときに“音がしない”ようにコントロールしましょうね。
エカルテ・ドゥヴァンは運動の方向であって、トルソーに対する脚のポジシオンとしてはア・ラ・スゴンドです。股関節のターン・アウトが失われたりトルソーが前かがみになったりしないように気を付けましょう。
エファセ・デリエールのグラン・バットマンをするときに最も気をつけなければならないのはトルソーのことです。鏡に対して斜めになっていますから、軸脚がわのウエスト辺りが縮んでトルソーが傾いていることを見逃しやすいのです。左右の肩の高さがきちんとそろっていることを鏡を見て確認してくださいね。いつも言うことですが動作脚側の腰を縮めたり背中を無理に反らせたりしないように気を付けましょう。腰を痛める原因になってしまいますからね。
最後のエカルテ・ドゥヴァン・グラン・バットマンをした脚をドゥミ・プリエに下すとき、下す脚の勢いに引きずられてトルソーが沈んではいけませんね。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、“脚を下ろすためにはトルソーは上に”とアドヴァイスするようにしています。
パ・ドゥ・ブーレは、初めのク・ドゥ・ピエ・デリエール-ドゥミ・プリエはクロワゼになっていますね。そこから次のルティレ-ルルヴェでアン・ファス、次のルティレ-ルルヴェでエファセの方に向きを変えて最後にクロワゼの4番ポジシオン-ドゥミ・プリエに脚を下ろします。
1回目のトゥール・アン・ドゥオールのあとの4番ポジシオン-・ドゥミ・プリエから軸脚の膝を伸ばしてポワン・タンジュ・デリエールをするときには、後ろがわの脚の上に重心がのこったまま中途半端なポワン・タンジュをしないようにトルソーを軸脚の上にしっかり引き上げましょう。

グラン・バットマンを練習することは高い跳躍力を得るためにも有効なことですが、だからといって自分の身体の可動域を無視した高さまで脚を上げる必要はありません。きちんとポジシオンを守って丁寧な動きを心掛けて下さいね。もっとも、高く脚を上げたりコントロールするのは辛いからほどほどの高さで抑えておく、というのも正しいことではありません。可動域の範囲で最高の高さを目指しましょう。