大型連休初日、
と言っても何か予定があるわけではない。
もこ、散歩に行こか。
時間はたっぷりあるし、車で少し離れた公園まで行った。
『お散歩は?』
着いたらな。
公園の駐車場に車を停めた。
『あ!!』
オジサンが猫を散歩させていた。
『猫を捨てないで』というポスターのそばにオジサンと猫はいた。
オジサンは謎の青いバッグと晴天にもかかわらず傘を持参していた。
猫はノーリードだが、オジサンのそばから離れようとはしない。
矢も盾もたまらず、オジサンに訊いてみた。
猫を散歩させてるんですか。
「ええ。」
あ、犬はそばに近づけない方がよかですよね。
「ええ。」
取りつく島もなかった。
振り向いてもくれない。
話しかけづらくなったので、もこと公園の周囲を散歩することにした。
木漏れ日洩れる木陰の路が心地よかった。
振り返るとオジサンはまだあの場所にいた。
ゆるやかな坂を上りまた降りた。
20分ほどゆっくり公園の周囲を歩き、駐車場へ戻った。
オジサンはいた。
同じ場所から微動だにせず、オジサンと猫はいた。
ずっとそこですか。
「ええ。」
あいかわらず、取りつく島がなかった。
おもむろにオジサンは青いバックに猫を入れた。
ここに至って謎のバックの用途が判明した。
傘の謎は未だに不明のままだが。
オジサンと猫は、すぐそばに停めていた車で帰って行った。
オジサンと猫の移動距離は4mほどであった。
猫に至っては数10cmを歩行したに過ぎない。
これは果たして散歩なのだろうかと思った。
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