この日は無性にカレーが食べたかった。
都合がいい事に、久留米工場の目と鼻の先にCoCo壱番屋がある。
「ココイチに行ってくる。」
経理担当重役にそう告げた。
「そんならカレーパンをお持ち帰りで買ってきて。」
どうやら例の弁当屋には注文していないらしい。
カレーパンで昼食を済ませる気のようだ。
カレーパンてあったっけ?
「ある!」
力強く断言した。
じゃあ俺もあとで食べよかな。2~3個買って帰るか。
店内に入り、メニューも見ずに
チキン煮込みカレー頂戴。
あとね、
お持ち帰りでカレーパンを3個!!
何の迷いもなく、さも当然のごとく、自信満々に、断固として店員にそう告げた。
しかも指を3本立てて。
「カ、カレー・・・パンでございますか?」
店員の顔に、ありありと不審者を見る表情が浮かぶのが見てとれた。
店員のその顔は、
『いつのメニューだよ。んなもんねえよ!』
と言う事を瞬時に理解させるのに十分だった。
あ、いや。
カレーパンはよか。
むやみに恥ずかしかった。
指まで立てた事を激しく後悔した。
店員が去って、こっそりメニューを確認した。
影も形もなかった。
以後、気配を消した。
「お待ちどうさまでした。チキン煮込みカレーで~す。」
スプーンを口に運びながら、
経理担当重役に沸々と怒りがこみ上げてきた。
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