紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

夜行列車が好き・その1

2005-06-21 07:10:28 | 8・山と旅の思い出
旅が好きだ。旅の中でも、特に列車の旅、それも夜行列車の旅が好きだ。

「日の出号」なんて名前の列車を知っている人は、どのくらいいるんだろう…。
今をさかのぼることウン十年、中学の修学旅行といえぱ、都内の学校は、たいてい行く先は奈良・京都。その往復に乗ったのが、「日の出号」だった。
一日かけて京都に行き、そこで何日か過ごして、夜行で帰ってくる。ひたすらのんぴりとした、いい時代だった。

それが、わずか二年後の高校の修学旅行の時には(その時もまた奈良・京都だった)「日の出号」はなくなり、新幹線に変わっていた。その時、あっという間に京都に着いてしまい、つくづく、修学旅行は旅の途中、乗り物に乗っている時間が一番楽しかったのだとさとった。

大学時代はしじゅう山に行っていて、それも、時間とお金の節約のため、ほとんど夜行列車だった。夜十時十三分上野駅発の上越線鈍行列車には、一体何十回乗ったことだろう。
尾瀬の山に行くのも、谷川岳方面に行くのも、その他クラブの山小屋のある上越地方に行くのも、すべてその夜行列車だった。
その列車を利用する人は、みなお金がないので、列車の床に新聞紙を広げて寝たり、網棚にのぼって、そこで寝ている人もいた。あれは、見ている分には、結構快適そうだったけど、実際はどうだったのか。
時代は変わって、世の中は豊かになり、今ではそんなことしている人なんて、もういないだろう。
(明日に続く)

(写真は夜行寝台「はくつる」)

本棚より 「空の名前」

2005-06-19 10:39:47 | 13・本・映画・演劇・音楽など
先日テンプレートを変えた際、山頂ではどんなことを考えているのかしら? とサトさんから質問された。
実は、何も考えていない。
しいていえば、もうこれ以上登らなくていい、ということかな。

考えないで、何をしているか・・・というと、雲を眺めている。
目の前を流れる雲を見るために、高い山に登っていると思うこともあるほど、雲が好きだ。
ああ、夏だなあと思うのも、真っ青な空に白い雲がもくもくとわきでるのを見た時。
あの瞬間、夏が来た! と思って血が騒ぐ。

「空の名前」
この本も一目惚れして買った一冊。写真を見ているだけで、心がなごむ。

序章に「気象学による雲の分類法」がのっていて、一見学術書のようだけれど、そのあと1・雲の章 2・水の章 3・氷の章 4・光の章 5・風の章 6・季節の章と続く。

季節をあらわす自然現象が、美しい写真とともに紹介されている。
日本は四季折々、変化に富んでいるなあと、つくづく思う。


たとえば、写真のこのページでは、「天使の梯子」「ブロッケンの妖怪」「二本の虹」「虹の神話」「水平虹」などが、紹介されている。

著者:高橋健司 光琳社刊

◆anikobeさんの「天からのシャワーがいいね」にトラックバック。いつもカフェテラスのすてきな写真を見ては刺激をもらっている。

連句・夏の巻

2005-06-18 23:47:05 | 7・連句・俳句・短歌
ついこの間、「春の巻」が巻き終わったと思ったら、もう季節は夏である。
それで、せっかち歌仙・その12の発句を募集したところ、けっこうたくさん集まった。

夏雲や 行く手はるかに 山そびゆ

山頂を 見上げる先に 雲の峰

霧晴れて 夏日射したる 山路かな

水走る 樺の森行く 夏帽子  

雷雨去り 山頂に射す 日の光り

川下り 舟を追ひゆく 夏つばめ  
   
蛇がゐて 全景はっと 息を呑む 
    
星々の 声も降り来ぬ 竹落葉 

紫陽花の 色濃くなりて  虹淡し

せせらぎと 和して流るる 河鹿笛

草原に 響くさえずり 光る風

山あいに 一声高く 時鳥

梅を摘む 袖に無情の 小糠雨

浅漬けの 小梅で朝げ 進む箸

参加者6人に、よいと思う発句を選んでもらったところ、

せせらぎと 和して流るる 河鹿笛    良流娯

の句が一番多く票を集めた。そして、昨日、せっかち歌仙・その12「河鹿笛の巻」がスタートした。どんな歌仙が巻けるか、楽しみ。

(写真:良流娯さんが句を詠んだ会津の写真に句をのせたもの。良流娯さんもホイッスル山の会の会員なので、先々週一緒に七ヶ岳に登ってきた。)

テンプレートを変えてみました!

2005-06-17 18:37:42 | 12・Blog・PC・カメラ・家電など
テンプレートをカスタマイズできるようになってから、CSSをいじってみるものの、なかなか思うようにいかず、もうほとんどあきらめ状態。

それで、時々「ブログのタイトル部上」のところだけ変えてみている。それだけでも、気分も雰囲気もかわる。かな(?)

本日のは、去年良流娯さんと一緒に登った北アルプス薬師岳からみた立山方向。
梅雨、ほかの事情で、しばらく山には行けないので、せめて自分のBlogの窓から山が眺められるようにしてみた。



(写真:薬師岳山頂。山小屋で知り合いになったご夫妻と)

本棚より 「音のことのは」

2005-06-16 15:02:20 | 13・本・映画・演劇・音楽など
この本は、本屋さんで見て、一目惚れ。

ちょうど私の誕生日の頃刊行されたので、何かほしいものをあげるという娘に頼んで、プレゼントしてもらった。

音にまつわる言葉が、いろいろな人の文章や句、短歌、詩とともにおさめられている。
それに添えられている写真もいい。

たとえば、右の写真のページには、
「夕とどろき」「夕耳」「朝の響き」「夕静(ゆうしず)」「夕しじま」
という言葉がのっている。

なんと美しい響きをもった言葉なのだろう。

この本を読むと、音のある世界とは、一見矛盾するようだが、すなわち、静の世界なのだということがわかる。
この本にも「黙(もだ)の章」というのがある。

「かごやか」「しめやか」「寂々」「沈沈」・・・静なる世界をあらわすことのは。

文章を書く時に、それらの言葉をいれるには、かなりこなれないと難しそうだが、連句で句を詠む時には使えるかもしれないと、密かにねらっている。

追記)綺羅のかがやき「ことのはの贈り物」はシリーズになって、幻冬社から出ている。構成・文はネイチャー・プロ研究室。
ほかに「自然のことのは」「花とみどりのことのは」「水のことのは」

本棚より 「北の国から」

2005-06-15 12:39:54 | 13・本・映画・演劇・音楽など
一昨年、富良野を訪れた時のことを、このBlogにも書いたことがある。「北の国から」のドラマは、どれも2回以上は見た。

でも、なんといっても大好きなのは、純君と蛍ちゃんが小さな子ども時代の話し。離婚した父親に連れられて、二人が富良野に行くところから始まる。だいぶ前の連続ドラマで、その後20年以上続く、この物語の始まりの部分である。

ところが、初回に放映された時、私はその連続ドラマを見ていなかった。その続きの物語が単発で放映されるようになってから、見るようになったのだ。
「北の国から’83冬」。それを見た時から、ドラマにはまり、以後ずっと見続けている。

最初の連続ドラマを見なくても、合間にエピソードが流れるので、大体のストーリーはわかる。が、そのうち、どうしても前の方の物語の一部始終を知りたくなった。
それで、倉本聡さんが書いたこのシナリオ本を買ったのだ。

シナリオというのは、読み慣れないので、最初ちょっと読みにくい感じがした。が、すぐにぐいぐいと引き込まれた。会話を読むだけで、富良野のあの大きな自然が頭の中に広がった。それは驚きであった。

しかも、その頃、本を書き始めていた私は、編集の人から「会話が下手」といわれ続けていた。とくに男の子のセリフが下手といわれた。

倉本聡さんの本を読んだ時は、あまり意識はしなかったが、あとで思うと、「北の国から」のシナリオで、ずいぶん会話を学ばせてもらった。

本はその後も、ドラマ化される度に買った。
一度、本の方が先に出たので、いけない、いけないと思いつつも、ドラマより先に本を読んでしまったことがある。そうすると、ドラマを見ながら、本に出ていたあのセリフが抜けた、と余計なことが気になってしまったので、それは失敗だった。それ以後は、絶対にドラマを先に見ようと決めた。

私の本棚

2005-06-14 12:45:25 | 13・本・映画・演劇・音楽など
本棚は家にいくつかあるけれど、私にとって大事な本だけを集めているのが、写真のこの棚。(タイトルをクリックすると大きくなる)
ジャンルはいろいろで、子どもの本あり、絵本あり、小説、エッセイ、画集、写真集、脚本、歌集などもある。

大事な本の中には、すごく好きだという本もあるけれど、その本を見たことで、心動かされ、自分でも新たに本を書きたくなったというのも含まれている。一枚の写真、一枚の絵を見て、突然本を書きたくなることもある。

真ん中左の棚は、今までに出版された私の本。(「著作一覧」参照
これらももちろん大事だけれど、それらは「作品紹介」などにすでに書いたので除き、たまに、この本棚にある本のことをとりあげて、Blogに書こうと思う。

額の絵は、「緑色の休み時間」の仕事をした時に、さし絵を担当して下さったいせひでこさんから頂いたもの。ボツになったさし絵の一枚だけれど、これは私の宝物である。

いせひでこさんのエッセイ集も好きで、「カザルスへの旅」「グレイがまってるから」「グレイのしっぽ」「気分はおすわりの日」「空のひきだし」・・などが、この本棚におさめられている。
ちなみに、いせさんは、私の高校の二年先輩。もちろん高校生当時は知らなかったけど。

千倉の週末

2005-06-13 07:40:01 | 5・旅の日記
友人のKさんが千葉の千倉に別荘を持っている。それで、時々家のようすをみたり、空気をいれたりするために行くのに、1年に一度くらい、私もついていく。今回は友人のYさんと3人で、金曜の夜出で、いってきた。
きのうは、私は早めの父の日の祝いをするため、別行動で電車で夫の両親のところに寄ってきたので、千倉でゆっくり過ごしたのは土曜日一日。

そこの生活は、テレビ、ラジオ、新聞などがないので、たった一日とはいえ、下界と遮断される。
鳥の声を聞き、風のさやぎを聴きながら、ゆったりとした時間が流れる。
場所は山の中なので、深い闇があたりをおおう。あいにくと梅雨入りの日だったので、星は見えなかったが、夏行った時には、降るような流星が見えた。

別荘の自治会長さんのところを訪れ、ビワ、夏みかん、梅の実をとってもいいと許可をもらい、とる道具も貸してもらった。毛虫におびえながら、全身くまなく衣類でおおい、汗だくになってとった。
自然の果実はたわわになっていて、きりなくとれるが、適当なところで切り上げる。早速ビワを食べた。おいしかった。
その後は、山をおりて、汗を流しに海辺の温泉に行った。


(写真:同行の友人と自治会長さんご夫婦。会長さんは自分で手を入れて、遊び心のあるすてきな家に住んでいる)

鳥の巣と原画展

2005-06-10 06:41:44 | 20・日々のできごと
先日、このBlogにも書いたが、夕方、鈴木まもるさんの「鳥の巣と原画展」を見にいった。

以前5年ほど前に、新宿で開いた時にも見にいったが、その時にくらべて、かなり充実していた。
鳥の巣の数も増えたし、巣の形もバラエティーに富んで、世界中の鳥の巣のようすがよくわかった。それにしても、鳥は木の上に巣を作るわけだし、どうやって収集したのだろう。
鈴木さんの絵もすばらしい。

最近、同じ年代の人の仕事を見て、「ライフワーク」という言葉が頭に浮かぶことがたびたびある。鳥の巣は絵本作家である鈴木さんにとっての、ライフワークだなあと思う。
私も50代。「ライフワーク」を視野にいれて仕事をしなくては、などと考えた。

その後は、近所の友だちと調布駅前で集まって飲んだ。娘の保育園時代の親仲間なので、かれこれ20年の付き合い。みんな、家が近いこともあるし、いざという時、最後に助けて! といえる友だち。遠くのなんとかより、近くの・・。誰にとはいわないが、我が家のカギも預かってもらっている。楽しい一夜だった。