ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

寒天工房讃岐屋の寒天

2016-11-23 22:37:23 | 味・食べ物

「寒天工房」の名のとおり、讃岐屋の寒天は天下一品だと思う。
少なくとも、私が今まで食べた寒天のなかで
自分でテングサを煮て作った寒天の次においしい寒天だ(これはかなり自慢だ)。
だが、テングサを煮て寒天を作るのは、時間も手間もかかり、そう日常的にできることではない。
だからついつい粉寒天や棒寒天を使ったり、出来合いの物を買ってくるのだが
伊豆や房総の民宿で食べる寒天を除き、商品として販売されている寒天のなかで
讃岐屋の寒天は他と比べものにならない極上の味だ。
最初に食べたのは、高島屋新宿店の地下での試食。
試食は滅多にしないぴすけだが、大好きな寒天とあって珍しく手が伸びた。
一切れの寒天を口に入れた瞬間、テングサの香りが口に広がり鼻に抜けた。
噛むと、コリコリした歯ごたえがあり、かなり堅い寒天だ。
こ、こ、これは猛烈においしい
こんなの食べちゃったら、ほかの寒天が食べられなくなるじゃないか
じつはぴすけ、「この食べ物はここの商品しか食べない」というのがいくつもある。
もちろん、初めて食べる物は一度味見をしてみるものの
それが「この食べ物はここの商品」に該当しないとなると、あっさり購入圏外に。
そうすると、「ここの商品」がない限り、「この食べ物」は食卓に登場しないことになるか
万が一別の商品が登場しても、ぴすけは箸をつけない(こういうの、偏食って言うのか)。 


昨今、しっとりやわらか、ぷるぷるとろーり、みたいな、なめらかで柔らかい食感と
噛まずに口の中でとけてしまうような歯ごたえのない食べ物がおいしいと言われることが多くなった。
クッキーでさえしっとりソフトで、まるで子供が一度口に入れたのを出したかのような湿り具合
話題のバウムクーヘンの謳い文句が、「しっとりジューシーで飲み物がなくても食べられます」
人気のプリンはただのカスタードクリームとどこが違うのかわからないし
団子も餅菓子も、堅くなるのを防ぐためか、生地自体が甘くてぐにゃぐにゃ、ねちょねちょだ
ぴすけの好みはそれとは反対。
とにかく密度が濃くて、しっかり堅く、歯ごたえがあってコシのある食べ物が好き。
乾いてパサパサしていようとも、粉や素材の味や香りがする食べ物が好みなのだ。
ところが、これは世の中の流れに逆らうことになるらしく
ぴすけが好む味や食感は人気がないのか、これまで贔屓にしていた店や商品がなくなっていき
残った店や商品は、生き残りをを掛けた結果
商品の味や食感を変えて全てがマイルドになっていくのが現状だ。
今まで大好きだった商品を久しぶりに食べて
「なんだ、昔と味が違うじゃないか
と、頑固おやじさながらに怒ることは日常茶飯事だ。
怒るならまだしも、おいしくない食べ物を飲み込むのは拷問に等しい。
あまりにそんなことが続いたので、てっきり加齢による味覚変化かと疑ってもみたが
先日豊島屋の鳩サブレーが昔と変わらぬ味と食感を保っているのに感激し
自分の舌が間違っていないことを確信したのであった
讃岐屋は、以前試食で食べた寒天のまま、堅くて香り高い寒天を作り続けている。


とはいえ、讃岐屋も高島屋新宿店からは撤退し
田舎暮らしのぴすけはネット通販か電話とFAX注文で商品を購入するしかなくなった。
都会暮らしの方は紀伊国屋ストアでも購入できるらしい(ただし店舗は限られる)。
讃岐屋では、日によって寒天の堅さが微妙に変わるため、もし購入した寒天が柔らかかった場合
驚くべきことに、堅い寒天と交換してくれると、店員さんが話していた
堅い・柔らかいという感覚は人によって異なると思うので、交換してくれるというのはすごいことだ。
讃岐屋新宿本店は工場を併設しており、店内で商品をいただくことができる。
もちろん店内は完全禁煙
讃岐屋の寒天は、寒天好きの皆さんに、ぜひ一度召し上がっていただきたい寒天の逸品だ。 



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
鳩サブレーは美味しすぎるのだ(*^^*) (ぽぴ)
2016-11-29 22:29:55
鳩サブレー、あの変わらぬ味と食感…大好きですよ、そして先日はその懐かしき味を堪能でき幸せでした。あの形と大きさも変わらない。
記憶と心に残る味なのです。。。(^^)

しかし、この寒天も、記事を読んでしまうと無性に気になりますね!!
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店員さんにお礼を言った (ぴすけ)
2016-11-29 22:46:01
ぽぴさん、本当に、鳩サブレーはおいしいですよね。
昨年も鎌倉を訪れた時買い求め、変わらぬ味に涙が出るくらいうれしく、その味を守り続けている豊島屋に敬意を抱きました。
先日豊島屋を訪れた時、店員さんが
「いつも豊島屋をご利用くださいまして、ありがとうございます」
と、おっしゃるので
「こちらこそおれいをいわなければなりません。いつも変わらぬ味を守り続けてくださって、ありがとうございます」
と、お伝えしました。
そうしたら、その店員さんのお顔が一段と明るくなって
「ありがとうございます。うれしいです」
と、大きな声が返ってきました。

讃岐屋の寒天にも、興味をそそられますか?
では今度、東京散歩をご一緒したら、寄ってみましょうかね。
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