ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

蓑山・琴平丘陵 ~高校1年生の遠足~

2012-04-25 23:53:09 | 登山(奥多摩・奥武蔵・秩父)

曇り
親鼻駅→萬福寺(仙元山コース)→お犬のくぼ→蓑山山頂→和同遺跡→黒谷駅(秩父鉄道利用)
→御花畑駅→羊山公園→琴平丘陵→長者屋敷跡→岩井堂(円融寺)→護国観音→大淵寺→影森駅



先々週から、1週ごとに小学1年生から中学1年生へと進級し、今週ぴすけは高校1年生になった
というわけで、本日は高校1年生の時の遠足の地である、秩父・蓑山へと向かった。
最寄り駅6時44分発の東武伊勢崎線に乗り、羽生駅で秩父鉄道に乗り換える。
通常は土・日・祝日のみ発売の秩父鉄道の「秩父路ゆうゆうフリー切符」(1500円)だが
年末年始や夏休み、花の開花期にも発売され、今はちょうどシバザクラの季節のため、平日も発売されている。
その、「秩父路ゆうゆうフリー切符」を利用しての山行となった。

8時32分、親鼻駅で下車し、構内の踏切を渡り、萬福寺へと向かう。
萬福寺から蓑山までは、仙元山コースと関東ふれあいの道の2つのコースがあるが
整備されつくした関東ふれあいの道があまり好きではないので、仙元山コースを選択。
境内の前を左に戻るように入る舗装路を登る。

墓地の手前の鳥居をくぐり、仙元山コースの登山道へ入る。
次の木製の鳥居をくぐっても、さらに奥の富士嶽大神の祠からも、同じ道に出る。


排水場を下に見ながら歩くと、すぐに気持ちのよい尾根道になる。

マムシグサが鎌首をもたげている。
仙元山コースは、マムシグサが大変多かった。

宝くじの運営金で植えられたという桜並木がある車道を横断する。
続く登山道は、目の前なので迷うことはない。

山道に入って5分くらい歩くと、登山道の両脇と、この先の斜面に、ニリンソウのちょっとした群落がある。
ここでニリンソウに出会えるとは思ってもみなかったので、かなりの感激だ

このニリンソウ、葉をおひたしなどにして食べられるのだが、猛毒のあるトリカブトの葉と似ているため
トリカブトをニリンソウだと思って食べてしまい、命を落とされた方がいると
ニュースで知った方も多いのではないだろうか。

山道を歩くこと20分弱で、また車道に出る。
左に行けば、いこいの村美の山で、仙元山コースは右に折れて、少し車道を歩く。
車道のヘアピンカーブの手前に道標があり、そこを登ると七曲りを経てお犬のくぼに至る。

お犬のくぼの先で、萬福寺から来た関東ふれあいの道と合流する。

お犬のくぼから10分で、ヤマザクラが咲くみはらし園地に出る。

蓑山山頂部は、国民休養地・美の山公園として整備されているため
さまざまな小道が枝分かれし、公園内を散策出来るようになっている。
ぴすけは、蓑山神社へと続く道を歩く。

ちょうど蓑山神社に着いた時、皆野からの表参道を登って来る男性がいた。
近くの山々を登ることを楽しみとしているということで、歩いてこそ感じられる季節の移ろいや
道に咲く山野の花々について、大変楽しそうに話されていた。
ここでなぜか、かつて運行されていた急行八甲田や、周遊券の話で盛り上がる。
この男性、女性に鉄道の話をしたら引かれるかと思ったとのこと。
ところがどっこい、妙に話がわかるのでびっくりしたと言われてしまった

蓑山神社の御眷属、阿形のお犬様。
秩父地方のお犬様は、ヤマイヌともニホンオオカミともいわれ、神様のお使いである。
ここから一登りすれば、展望台のある榛名山神社の前に出る。

榛名山神社から芝生の広場を抜け、蓑山の山頂へと向かう。


高校1年生の遠足で、この石垣の前で記念写真を撮ったと記憶している。
この遠足で覚えているのは、記念撮影のことと、バスの中でマッチ(近藤真彦)ファンの同級生が
マイクを握って「スニーカーぶる~す」や「ギンギラギンにさりげなく」を熱唱していたことくらいだ
ぴすけは一体何をしに行ったのだろう…

美の山公園は、ほぼ山頂と言ってもいい高度まで、自動車で来られるため
今日のようにあまり天候が優れない日でも、山頂付近は花見客で賑わっている。
ぴすけは花見には興味がないので、園地を抜けて和銅黒谷駅を目指す。

道標の示すとおりに、いったん車道を歩き、しばらく行くと山道に入る道しるべが立っている。
今日が初めての山登りだという、5歳児の集団とすれ違う。
へとへとになって、言葉も出ない子供がいるかと思えば
まだ有り余る体力に任せ、ふざけて引率の先生からお目玉をもらっている子供もいる。
集団登山って、山にとっても人にとっても、酷だよな

和銅黒谷駅へ下りる道は、大変歩きやすく、美の山公園から30分で下山集落に出る。
ここから和銅黒谷駅に向かう途中に、和銅遺跡へと導く道標があり、それにしたがい左折。

5分ほどで到着した和銅遺跡にあった、とても大きな和銅開珎の碑。
「なぜこの大きさなの」と、思わずにはいられないほど、とにもかくにも大きい
大きさを対比できる物を探したがないので、自分をものさしにすべく、セルフタイマーで撮影
ぴすけの身長は163.5cmなので、台座を含めた高さで約4m70cm前後
貨幣部分の直径は3m60cm前後あるのではないかと推測できる。
ここは、日本最初の鋳造貨幣である和銅開珎の原料となった和銅(自然銅)が発見された地である。
和銅の発見を機に、元明天皇は元号を「和銅」と改め、武蔵野国の税を免除したりした。

和銅開珎の碑の前にある橋を渡り、少々急だがしっかりと整備されている山道を登ると
山肌に刻まれている和銅の露天掘りの跡(青っぽい断層面)を、はっきり見て取れる。

和銅遺跡を後にし、10分ほどで秩父鉄道の和銅黒谷駅に着く。
まだ昼前で、このまま帰ってしまうのは物足りなく、さらに琴平丘陵を歩いてみることにした。
高校1年生の遠足に+αがついた
電車の待ち時間はたっぷりあるので、駅のベンチでおにぎりを食べて腹ごしらえをする。
12時発の下り電車に乗り、12時10分にお花畑駅で下りると、駅からぞろぞろと人の流れが出来ている。
随所に羊山公園を案内する立て看板があり、交差点には交通整理の警備員まで立っている。
これはすごい
天気の悪い平日でこれなのだから、5月の連休などは、どんなことになるのだろう。
恐ろしい

人の流れに乗って歩けば、15分ほどで羊山公園に着く。

ソメイヨシノは終わっているが、シダレザクラはちょうど満開で、花見客が木の下で宴会をしている。
この時期、皆様お目当ての話題の芝桜の丘を、振り返ればこんな感じ。
ここなど、入口を入ったばかりの所で、恐らく、奥にはもっと人がいるようだ。
途中、出口手前に作られた土産物の出店には、人でごった返している様子が見て取れた。
ぴすけは芝桜の丘には興味がないので、そのまま琴平ハイキングコースへと向かう。

羊山公園最奥のふれあい牧場を左手に見ながら続く道が、ハイキングコースに入る道だ。

正面には、武甲山が秩父盆地を抱くようにして聳えている。
琴平丘陵まで足を延ばしたのは、この武甲山の山懐に抱かれたかったからだ

琴平ハイキングコースの冒頭は、舗装はされていないものの、ほとんど平坦な道である。
ふれあい牧場から15分ほど歩いた武甲山入口の碑を右手に折れると、山道になる。

最初は植林帯の中を行くが、熊出没注意の看板があり、ここで熊鈴をつける

ところどころに、ヤマザクラが咲いており、ハッとするほど美しい

武甲山入口の石碑から40分、長者屋敷跡と呼ばれる開けた場所に出る。


尾根伝いに歩きながら、左手に眼をやると、石灰採掘のために武甲山の山肌についた筋が見える。
山頂部も削り取られ、台地状になっている姿は、痛々しい

長者屋敷跡から15分で、岩を越えるための鉄製の階段が現れるが、しっかりしているので怖くはない。

鉄製の階段を上りきった所に修験堂が建てられており、堂の正面には武甲山が聳える。

修験堂の先には、トウゴクミツバツツジに彩られた正(聖ではないか?)観音坐像が鎮座している。

観音坐像の先、二手に分かれる道の急な道を採れば、この岩谷堂の裏に出て
緩やかな道を採れば、回り込むようにして岩井堂(円融寺)の正面脇に出る。

岩井堂の参道の石段を降り、尾根道を進んで露岩を登れば、そこには巨大な護国観音が。

護国観音の前から眺めた影森の街並みと秩父長尾根。

護国観音からツツジの咲く道を下りると、秩父札所27番の大淵寺だ。
ここから地図を見ながら影森駅を目指す。

大渕寺から歩くこと10分で影森駅に到着。
上り電車が行ってしまったばかりなので、15時26分発の電車まで25分ほど待たねばならなかった。
影森駅のホームから眺める武甲山は、威風堂々とした構えだ。
この武甲山という山は、とても大きな山に感じる不思議な山だ。
標高は1300mに欠けるが、とにかく大きく感じるし、「秩父のお父さん」のようだ。
影森駅15時26分の秩父鉄道に乗り、羽生駅で東武伊勢崎線に乗り換え
最寄り駅に着いたのは17時37分だった。

早く帰ってきたダーリンと、夕食後にお茶を飲みながら
羊山公園の出店で買ってきた、秩父婦人会お手製の炭酸まんじゅうをほおばった。
秩父の炭酸まんじゅうは、小麦の香りと絶妙な塩加減の餡がおいしい、素朴な味わいだった



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