ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

吾妻連峰縦走(3) 明月荘~昭元山~烏帽子山~家形山~一切経山~浄土平

2011-08-19 20:27:02 | 登山(東北南部)

【第2日・8月15日(月)】
明月荘(弥兵衛平小屋)→昭元山山頂→烏帽子山山頂→家形山山頂→五色沼→一切経山山頂
→酸ヶ平→浄土平→吾妻小舎



まんじりとしないまま朝を迎えた面々であったが、誰からともなく4時30分に起床。
各々出発仕度をし始め、ぴすけとダーリンが先発。
靴を履かなければさほどではないくるぶしの痛みも、靴を履いて歩き出した途端に激痛が貫いた。

ぐああああ~、痛い…

このまま吾妻小舎まで歩き続けられるのか少し不安になるが、そんなことは言っていられない。
むしろ骨や筋の問題ではないのだから、自分の我慢次第でなんとかなるさと歩き始めた。

夜明けを迎えながら、山形方面が開けた場所で、アキアカネの大群に囲まれながら朝食
お湯を沸かしたついでに、昼の弁当であるアルファ米の赤飯を作っておく。
のんびり朝食を摂っていたら、お昼寝青年とファッション優先氏が西吾妻へと向かっていった。

昨日、浄土平方面への縦走路の状態をお昼寝青年とスナフキンに伺ったところ
藪こぎで参ったという話だったので、どんなだろうかと思っていたのだが
道ははっきりしているし、上の写真のような状態が出たり出なかったりする程度だ。
それよりぴすけが参ったのは、朝露で濡れたササを掻き分けるためほぼ全身びしょ濡れで
かといって朝からかなり気温が高く、レインウェアを着る気持ちにはならず
結局スパッツを履いただけで通したが、速乾性の衣類を着ていても常時湿った状態になっていたためか
この後、両腕に汗疹なのか、細かい湿疹が出来てしまった
虫刺されといい湿疹といい、皮膚が弱いのが悩みだ。

東大巓には寄らず、そのまま縦走路を向かうと、こんなにも見晴らしの良い場所に出る。
これから歩く山並みと、噴気を上げる一切経山、お椀を伏せたような東吾妻山の山容が望める。

この分岐を大倉新道に入れば谷地平経由で浄土平へ行ける。
足の腫れと痛みがひどければ、エスケープルートとして利用することも考えていたのだが
痛いながらもゆっくりと歩けるし、時間にも余裕を持っているので、そのまま縦走路を進むことにする。

昭元山の登りは樹林帯で、見晴らしは利かず、しかも怪しい雰囲気が…
「ハイハイハ~イ、お邪魔しますよ~、ちょっと通してくださいな~」などと叫びながら歩く。

線香花火のようなモミジカラマツの花がたくさん咲いていて美しい。
でも、やはり何か、獣の気配を感じるのだ

昭元山山頂は展望が利かず、ビクビクしながら写真を撮っていると
ぴすけの背後で、写真の方向だと右から左に向かって、何かが動く気配が…

うううううう、うわ~っ

それが何なのか、気配のあった方向に視線を飛ばしたものの確認できず
叫び声と共にダーリンと山頂を大急ぎで後にした

烏帽子山の登りは、大石がゴロゴロとしているため、ストックをしまって手も使ってよじ登る。

背後には昭元山、その向こうには小さく小さく弥兵衛平小屋(明月荘)が見える。

烏帽子山山頂からの眺めは最高で、遠く中吾妻山を望み、谷地平を見下ろせる。
この素晴らしい展望を、たった2人で楽しむことが出来ることに、この上ない幸せを感じる。
大石の上に座って、15分ほど休憩をとる。

縦走路は、浄土平に向かってササが生い茂っているか、樹林帯のぬかるみで
所々に倒木があるものの、危険の少ない道だ。

ニセ烏帽子山山頂に着いた頃から、青空が翳り、北側からガスが流れてくるようになった。

物見岩で休憩にしようと考えていたのだが、分岐に気付かぬうちに家形山まで来てしまった。
もうこうなれば、五色沼を眺められる斜面まで一気に歩くだけだ。

ダーリンは、かなりお疲れの様子

すると右手前方に、五色沼の湖面が見えてきた。
何度見ても、何回来ても、この湖面を見るたびに胸が躍る

家形山の南斜面で、一切経山と五色沼を眺めながら、赤飯と味噌汁でお昼休憩
ここで気付いたのだが、ぴすけのくるぶしの虫刺されは
登りでは踏み込む際に、下りでは踏み切る際に、つまりは圧力が掛かると痛み
歩き続けていると感覚が麻痺するのか、若干痛みが薄まり
休憩などで歩かずにいた後、歩き始める時が猛烈に痛い。
烏帽子山の休憩の後と、お昼休憩の後の歩き出しは、叫びたいくらい痛かった


家形山の南斜面を下りて、五色沼の西岸を一切経山に向かう。

中腹から来し方を眺めると、随分遠くから着たように感じるが、距離はさほどあるわけではない。
ほとんどのガイドブックでは、浄土平から一切経山を越えて西吾妻へと向かうように紹介されているが
ぴすけはこのザレた斜面を下るのが嫌で嫌で、それだけが理由で登る行程にしたのだ。
この登り返しは、縦走の仕上げでもあり、大変きついと聞いていたのだが
登りが得意なぴすけにとっては特に苦にもならず、むしろあっという間に山頂に着いた。

先ほどのお疲れモードはどこへやら。
満足げなダーリン

天候が崩れるとみた我々は、鎌沼を周らずに、酸ヶ平避難小屋から浄土平へと向かった。
遠目からでも浄土平駐車場は満車で、ビジターセンターや天文台の裏にある駐車スペースまで
たくさんの車が停まっており、吾妻小富士の斜面には数珠繋ぎになって登っている観光客が見えた。
バイクの数も相当な数のようで、なかにはけたたましい爆音を長時間出している者もいた。
「大馬鹿者~~~っ
聞こえたか聞こえないかはわからないが、思わず大声で駐車場に向かって叫ぶぴすけ

浄土平の状況に恐れをなした我々は、下山カードをポストに入れると
そのまま一切経山を背にし、万年バロック青年と熊爺が待つ吾妻小舎へと向かったのだった。



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