ちょっとピンぼけ/倉敷界隈

日々の記録。見たり、聞いたり、買ったり、食べたり。

今日の見もの(たまこまーけっと)

2013年08月22日 19時10分34秒 | 見もの

 

たまこまーけっと
京都アニメーション 全12話

このアニメは放送時に知らなくて、友人が「お勧め」と言うので途中から録画した。BS11だったと思う。残念ながら知ったのが一話放送後で、第一話を見られるようになってから改めて全話見通した。

とある街にある「うさぎ山商店街」。そのもち屋の娘である主人公の北白川たまこは、商店街の人々に愛され、感謝しながら毎日幸せな日々を送っていた。大みそかが間近に迫った年末に彼女は、言葉を話す鳥と出会い、そこから、いつもより少し不思議な生活が始まる・・。※あらすじはネットより

主人公の北白川たまこ

正直言って、途中までただのかわいいアニメでしかなかった。特に何を言いたい訳でもなく、たまこの家や周囲で起こる色々なことを、この性格のよい子が受け入れていく物語。何があっても前向きで優しくぶれない。周囲の子もみんないい子供たち+いい住人。みんながたまこを好きで、たまこも商店街やそれに関わる人たちが好き。ぶっきらぼうな人も恥ずかしがりやの人もみんな受け入れられ馴染んでいく。鳥が言葉をしゃべろうが、何が起ころうが「まぁまぁすごいわねぇ」ですべてが受け入れられていく。会話も特別なことはなく、単なる日常が普通に流れていく。サザエさんやちびまる子ちゃんを商店街に特化させたような物語。

たまこの左が妹のあんこ(小学生)

で、どうやって終わるのかと思った。そのまま何もなく終わってこれは何だったのかと危惧したのだが、、、

今見終わって、これって深い物語だったんじゃないかと思っている。絵はかわいい。反応もかわいい。たまこは高校生らしいが、話す内容が子供っぽく、中学生と言っても違和感はないだろう。最後の展開のためにあえて17歳程度に設定してあるとのだろうと感じた。しかし、どんなに幼くても可愛らしくても、人は大人になるしそして別れていく。この物語では最初から多くの「受け入れ」がある。鳥を受け入れ、感情を出せない子を受け入れ、占い師を受け入れ、王子様までやってくる。これはすべて受け入れる人たちだ。唯一て手放す(別れる、出ていく)かもしれないのがたまこ。お父さんからも妹、家族、商店街の人たちも、今までいつも存在するのが当たり前だったものが唐突に消えるかもしれない状況。それがこのアニメの主題かと思った。

占い師のチョイちゃん(白ゴスバージョン)

今は何も感じて(考えて)ないことも、実はその時期が迫っていること。その「時期」に直面したとき初めて人はその大切さを思い出し、でもその別れを受け入れなくてはいけない。そんな現実をこのアニメはほんわかと見せてくれた。そして最後は、今はまだ大丈夫ですよとホッとさせながらも、もう覚悟しておいてくださいよと迫る。今自分はこのアニメをそう解釈している。かわいいだけのアニメじゃないのではないかと思っている。

しかしこれがアニメという世界の話で現実との違和感も感じながら見た。

普通の地方都市にはもう商店街などない。あったとしてもシャッター通りで、所々店が開いているだけだ。だって人は歩かない。歩いて商店街を通ることがない。だから店は成り立たない。シャッター通りになる。歩くのは小学生などの小さな子供か近所の学生とおばちゃん。少し離れればみんな自転車を使い学校に行く。通勤の人も、都市の中心部のごく一部を除きみんな自動車。と言うか、自動車以外で通勤するのが難しいのだ。商店街は駅そばのごく一部に存在する。つまり車に乗る人が買い物を出来ない場所なのだ。買い物が出来るのは大きな駐車場を持った郊外のスーパー以外に地方ではないのだ。

正直こんな商店街があったらいいと思う・・。

娘たちはしばらく東京にいたが、そこではみんな歩く。電車が発達しているせいもあって車はいらない。自転車も置く場所がない。だから歩く。なら商店街も存在できるのかなと思う。実際、彼女たちが東京にいる間、肉は肉屋で魚は魚屋で買い、ちゃんと近所に八百屋があったようだ。そんな店はちゃんと存在でき羨ましい。店というより、そこで人々の交流があることが羨ましい。こちらではレジでピッとしたらそれで終わり。無人レジまであってもう人から何かを買う、人同士のつながりがあるなんて状態じゃない。このアニメの商店街は、たぶん多くの地方都市では見られない異空間なのだ。それが「アニメの世界の話で現実との違和感」となる。アニメの中でしかない商店街という風景なのだ。

さて、このアニメは商業的な意味では失敗だったんじゃないかと思う。京アニと言うことで期待したのだが、絵も反応もけいおんの唯だし、5人いたメンバーが実質一人になれば魅力も小さくなる。深い悩みを持ち共感・同情・思い入れすることも視聴者にはないだろう。だったら、TVは見てもグッズに手を出すか、DVDを買うかと言われたら、たぶん多くの人が「TVが楽しかった」「満足した」で終わっているのではないだろうか。最後のシーンでチョイが首元を触るシーンがあり、彼女のそこに何か印があることをほのめかす。後日談としてOVAが制作されることは考えられるし、期待しているけど、続編は作られないだろう。そう考えると商業的には失敗かなと思ってしまう。

5人のいいとこ取りで一人にしたらたまこ?

ある人が「女性では萌えアニメは作れない」と書いていたが、私はそうかもしれないと思う。が、これ自体が萌えアニメとしての性格じゃなく、実はもっと深い物語じゃないかとの判断だ。

どの回を見てもイヤな気分にはならない。可愛らしいし、おもちを買いに行きたくなる。ワンクールで短いし、一度見てみるのもいいんじゃないかなってお勧めしたい。

最後までいぶかしかったのだけど、花屋のお姉さんって本当に女なのか!?声が男なのだが。

それだけが心残りである。

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