ちょびっツ
CLAMP 全8巻 88話
アニメ 全26話+1話
このアニメは当時東京方面でしか放映してなく、録画して貰って見た。もう10年以上前の話だよね。非常に奥深い話で、その後マンガも全て買いそろえて何度も読んだ。今でも自室の本棚に置いてある。引っ越しの時にも捨てる気にはなからなかった。
人型の情報端末である「パソコン」と呼ばれる機械が普及した東京。主人公の本須和秀樹は大学受験に失敗した浪人生。北海道から上京し、予備校通いの日常の中、コンビニの帰り際に捨てられていた少女型のパソコンを拾い家まで持ち帰った。秀樹が何を尋ねても「ちぃ」としか言わないそのパソコンは「ちぃ」と名づけられた。
機械に疎い秀樹はパソコンの使い方を調べようとするが、ちぃはどこのメーカーでも販売されていない機種であることが判明。故障した場合に修理できなければ治すことができないという理由もあり、秀樹はちぃの素性を突き止めようとするが、その不可解な挙動や、匿名の何者かから送られてきた情報によってむしろ彼女の謎は増えていく。そうした出来事を通じ、「ちぃ」はプログラムではなく感情に基づいて行動できると言われる都市伝説上のパソコン「Chobits」ではないかという疑念が深まっていく。
「ちぃ」と秀樹の共同生活と、パソコンと人間との距離の取り方に悩む登場人物たちの苦悩を織り混ぜながら、物語は「ちぃ」に隠された秘密へと迫っていく。そこには、はたして機械と人間は恋愛をすることができるのか否かというパソコンシステムの創造主による問いと、その答えによっては現在のパソコンと人間の関係を一変させてしまうかも知れない、彼女に組み込まれた危険な機能が関係していた・・。※あらすじはネットより(改)
このアニメを見直したきっかけは、単純に再放送があったからだった。たまたまCSの無料体験の時にこれが放送されていて、残念ながら1話だけ撮り逃したが、それ以外は無事見ることが出来た。昔のことでスタンダード画質だが、やはり考えさせられる深い内容だった。
ちょびっツを思いだす度に、昔会った二人の若い子を思いだす。一人の子はちょびっツを「エロい」と言って、話の内容には全く触れることはなかった。もう一人の子はちょびっツの話が出た時に、「深い話よね、あれは」と少し表情を曇らせたように見えた。
私は後者の女の子の感受性、文学的な資質を非常に高く評価していた。私が出会った若い子の中で、30年前に会ったある子とその子の二人が間違いなく最高の才能を持っていると確信している。だけど結局どちらもその才能を生かすことはなかった。親はその才能を伸ばす方法を知らなかった。私は、子どもを伸ばせるかどうかは親の資質によると思っている。結局その親は、彼女に学歴を与えることもなく、バイトと遊びの生活しか与えられなかった。こういう人はみんな同じことを言う。
「自分の人生だから、この子が自分で決めるんです。」
一見物わかりがいいように見えるその言葉は、どうすべきかを知らずに他人任せにする責任放棄の言葉だと言うことがわからない。親は子度選べないし、親以外が子に援助を与えることは出来ない。出来るとすれば祈ることぐらいか。
ちょびっツを見る度に、そんなやるせないことを思いだす。もうずっと前のことなのに、どうしても忘れることが出来ない。