ちょっとピンぼけ/倉敷界隈

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今日の見もの(偽物語)

2013年07月23日 17時36分15秒 | 見もの

偽物語 アニメ 全11話

化物語を見終わって、続編に当たる偽物語を見始めた。どれを見ても切ない話だ。

戦場ヶ原にしても羽川にしても、背負っているモノが余りに大きく重く、しかしそれから逃げることもできずポーカーフェイスにするか優しく頭のいい優等生の顔にするかしかない。それを思うとひどく切ない。もちろん実在の人物でもないし、あり得ない設定はわかっているが、それでも時折見せる愁いを帯びた表情とか、言葉の端々に見える悲しみや苦しみが私の胸を締め付ける。TVの電源を落とした時にやっと、あぁこれは作りモノなのだとホッとできる。これが偽物でよかったと思う。

偽物語は衝撃的な場面から始まる。私は理解できなかった。その後数話見てその行動の意味が分かったが、それまでは混乱だけだった。このアニメは不明な部分が多すぎて一度見ただけではわからない箇所が多い。

化物語も一度目はTVを録画したものを見て、二度目はDVDを見たのだが、二度目に見て初めて理解できたことも多い。

エンディングの歌にしても同じで、戦場ヶ原との初デートで彼女の言った言葉を聞いて初めてあの歌詞の意味が分かった。今はあの歌を聴くと、あの歌詞を読むと、孤独で誰にも頼れず心を閉ざすしかなかった彼女が、阿良々木と言う人物に巡り会えてどれだけ救われたのだろうと思えてホントに胸が締めつけられるように感じてしまう。化物語の最後、戦場ヶ原が阿良々木に「お帰りなさい」と言った言葉の意味や、自転車の後ろに乗っていた時の彼女の満ち足りたような優しい表情を見ると、本当に良かったと泣きそうになってしまう。

戦場ヶ原と阿良々木のこの表情が好きで、
携帯の待ち受けにしている

こんなにはまりこむ作品はEVA以来だ。が、EVAはキリスト教の謎の部分に知的興味で惹かれたのも半分はあるから、主人公たちの悲しみの部分だけをクローズアップはしてなかった。化物語シリーズの、個の持つ「自分が背負うしかない悲しみ」とは少し違って見える。やはりこの作品はすばらしい。私はこの作品群に出会えたことを今深く感謝している。

最近はこのシリーズのブルーレイボックスを買おうかとまで思い始めた。逆に、もうこれ以上見る人を増やしたくない気持ちもある。子どもが、大切な物を他の人に渡したくない、見せたくない症状とにている。そんな本能的な行動がでてきてしまう。

さて、化物語は、阿良々木の周りの人に降り懸かる怪異の話だったが、偽物語は阿良々木の妹たちに降り懸かる話から、戦場ヶ原、羽川、忍野忍へとつながる。まだ半分ぐらいしか見ていないからこれからが楽しみであり恐怖でもある。なぜ戦場ヶ原は羽川にへりくだるか。羽川の髪を切った理由は。詐欺師はどう動いていくのか・・。

最近ゲオは土日は必ず準新作・旧作80円セールをしていえる。こんなセール故、貸し出されている物が多いのだが、化物語、偽物語の横に猫物語というのが見えた。名前や置き場所からこのシリーズの続き物と思われる。戦場ヶ原たちがでてくるなら見なければなるまい。見終わった後、この切なさがなくなるならうれしいのだが、それは期待してはいけないだろうなと、半ば確信めいた結論が今の私の心に渦巻いている。