《国際人権活動ニュースから》
◎ 自由権規約第6回日本審査に向けたNGOミーティング
2013年10月24日、ジュネーブのパレ・ウィルソン(国連人権高等弁務宮事務所)で、第6回自由権規約審査に向けて、目本政府に対するリスト・オブ・イシュー(質問事項)の採択に先がけ、委員とNGOによるミーティングが行われた。これは報告書提出後の人権状況の進展・変化について、NGOからの情報提供を目的として開催された。
ミーティングには、日本政府報告を担当する4名の委員を含む7名の委員が参加し、NGOは6団体(参加者は14名)。限られた時間内で順次発言を行なった。国際人権活動日本委員会からは、6名が参加し、4名が発言した。
●自由権規約第22条の「結社の自由」に違反するとして「日本航空不当解雇」問題。(松田)
●「日の丸・君が代」問題で、累積加重処分は臓量権の逸脱」であるとの判断を示した最高裁判決にも関わらず、強圧的な施策を続ける都教委の人権侵害。(新井)
●停職処分を受けた立場から、思想を侵す政府行政の姿勢を喚起。(渡辺)
●「板橋高校卒業式事件から『表現の自由』をめざす会」を代表して、「公共の福祉」の恣意的解釈によって、意見、言論、表現の自由の権利が大幅な制限を受けている状況。(賀谷)
他のNGOからは、「反差別国際運動(IMADR)」が橋下大阪市長の出身の報道を例に部落問題の現状。
「日弁連」は死刑制度、慰安婦問題、朝鮮学校の無償化排除、韓国・朝鮮人に対するヘイトスピーチの問題など。
「国境なき人権」が信者の監禁、
「言論・表現の自由を守る会」が人間の安全保障の問題、
「監獄人権センター」がスカイプを使って拘禁の問題を発言した。
◎ 委員たちから出された質問
○ニューマン氏(アメリカ):最高裁判決が下されるような重要な問題の判決文の翻訳文が公開されているか。
○ブリンターマン氏(オランダ):死刑や国旗・国歌の強制のような重要な問題が、日本において国際基準、人権に基づいて議論されているか。
○サイバート・フォール氏(ドイツ):学校での国旗・国歌崇拝の教師への強制が、生徒とその親にも行なわれているのか。
○シャニー氏(イスラエル):刑事事件に関して、2011年において99パーセントの有罪率が報告されているが、2012年も同じような有罪率か。また部落問題に関してだが、これは全国的な問題か、あるいは地域の問題か。
○マジョディーナ氏(南アフリカ):男女平等の問題、たとえばDV(ドメスティック・バイオレンス)や朝鮮半島から連れ出された慰安婦の問題などは市民の間で議論されているのか。
これらの質問には各NGOが答えた。
最後にブリンターマン氏から「情報を提供しにジュネーブまで来ていただき感謝する。NGOの情報で内容が重複しているものがある。資料作成上、また、事務局や委員の労力軽減の面からもNGO同士で調整してくれると有り難い」との発言があった。
◎ リスト・オブ・イシューが発表
11月12日、28項目からなる「第6回日本政府定期報告に関する質問事項(リスト・オブ・イシュー)」(→リンク)が発表された。
「宗教、言論、表現の自由」(第18条、19条)に関する質問として、「日の丸・君が代」問題が取り上げられた(17項)。
NGOミーティングに向けて問題の本質を訴えたカウンターレポートの提出、現地でのマスコミ各社への資料配布、各委員へのロビーイングが、委員たちから多くの質問を引き出したと思う。
すでに規約19条に関する一般的意見34で「旗およびシンボルに対して敬意を払わないことに関する法令に対して懸念」を表明し、「厳しい処罰を与えてはならない」と言及している。
また「表現の自由の制限のために、自由裁量を与えるものであってはならない」と「公共の福祉」のような曖昧な概念について言及している。
日本政府からの十分な回答がなければ、審査を経て規約委員会から規約の履行を求めて懸念・勧告が提示されると思う。
日本が国際基準に則った人権国家となるよう、規約委員会の勧告を早急に実施させるための運動が求められる。
『国際人権活動ニュース 第121号』(2013年12月20日)
http://jwchr.s59.xrea.com/
◎ 自由権規約第6回日本審査に向けたNGOミーティング
事務局長 松田順一
2013年10月24日、ジュネーブのパレ・ウィルソン(国連人権高等弁務宮事務所)で、第6回自由権規約審査に向けて、目本政府に対するリスト・オブ・イシュー(質問事項)の採択に先がけ、委員とNGOによるミーティングが行われた。これは報告書提出後の人権状況の進展・変化について、NGOからの情報提供を目的として開催された。
ミーティングには、日本政府報告を担当する4名の委員を含む7名の委員が参加し、NGOは6団体(参加者は14名)。限られた時間内で順次発言を行なった。国際人権活動日本委員会からは、6名が参加し、4名が発言した。
●自由権規約第22条の「結社の自由」に違反するとして「日本航空不当解雇」問題。(松田)
●「日の丸・君が代」問題で、累積加重処分は臓量権の逸脱」であるとの判断を示した最高裁判決にも関わらず、強圧的な施策を続ける都教委の人権侵害。(新井)
●停職処分を受けた立場から、思想を侵す政府行政の姿勢を喚起。(渡辺)
●「板橋高校卒業式事件から『表現の自由』をめざす会」を代表して、「公共の福祉」の恣意的解釈によって、意見、言論、表現の自由の権利が大幅な制限を受けている状況。(賀谷)
他のNGOからは、「反差別国際運動(IMADR)」が橋下大阪市長の出身の報道を例に部落問題の現状。
「日弁連」は死刑制度、慰安婦問題、朝鮮学校の無償化排除、韓国・朝鮮人に対するヘイトスピーチの問題など。
「国境なき人権」が信者の監禁、
「言論・表現の自由を守る会」が人間の安全保障の問題、
「監獄人権センター」がスカイプを使って拘禁の問題を発言した。
◎ 委員たちから出された質問
○ニューマン氏(アメリカ):最高裁判決が下されるような重要な問題の判決文の翻訳文が公開されているか。
○ブリンターマン氏(オランダ):死刑や国旗・国歌の強制のような重要な問題が、日本において国際基準、人権に基づいて議論されているか。
○サイバート・フォール氏(ドイツ):学校での国旗・国歌崇拝の教師への強制が、生徒とその親にも行なわれているのか。
○シャニー氏(イスラエル):刑事事件に関して、2011年において99パーセントの有罪率が報告されているが、2012年も同じような有罪率か。また部落問題に関してだが、これは全国的な問題か、あるいは地域の問題か。
○マジョディーナ氏(南アフリカ):男女平等の問題、たとえばDV(ドメスティック・バイオレンス)や朝鮮半島から連れ出された慰安婦の問題などは市民の間で議論されているのか。
これらの質問には各NGOが答えた。
最後にブリンターマン氏から「情報を提供しにジュネーブまで来ていただき感謝する。NGOの情報で内容が重複しているものがある。資料作成上、また、事務局や委員の労力軽減の面からもNGO同士で調整してくれると有り難い」との発言があった。
◎ リスト・オブ・イシューが発表
11月12日、28項目からなる「第6回日本政府定期報告に関する質問事項(リスト・オブ・イシュー)」(→リンク)が発表された。
「宗教、言論、表現の自由」(第18条、19条)に関する質問として、「日の丸・君が代」問題が取り上げられた(17項)。
NGOミーティングに向けて問題の本質を訴えたカウンターレポートの提出、現地でのマスコミ各社への資料配布、各委員へのロビーイングが、委員たちから多くの質問を引き出したと思う。
すでに規約19条に関する一般的意見34で「旗およびシンボルに対して敬意を払わないことに関する法令に対して懸念」を表明し、「厳しい処罰を与えてはならない」と言及している。
また「表現の自由の制限のために、自由裁量を与えるものであってはならない」と「公共の福祉」のような曖昧な概念について言及している。
日本政府からの十分な回答がなければ、審査を経て規約委員会から規約の履行を求めて懸念・勧告が提示されると思う。
日本が国際基準に則った人権国家となるよう、規約委員会の勧告を早急に実施させるための運動が求められる。
『国際人権活動ニュース 第121号』(2013年12月20日)
http://jwchr.s59.xrea.com/
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