マナウスから南西に400㎞ほど離れたところにマニコレという町があります。
人口は55,000人ほど。
農業が主な産業の町です。
そこに6歳と8歳になるインディオの兄妹が住んでいます。
ほぼ1か月前の2月18日、自宅近くで遊んでいた二人は 小鳥ていて、そのまま森に入ってしまいました。
夕方になっても二人は戻ってきません。
家族は近所中を探しますが、どこにも二人の姿はありません。
近所の人たちも協力して、森の中を懸命に探しました。
幸い近くには大きな川もなく、水の事故の心配はなかったそうです。
二人を見つけられないまま、1週間がたち、2週間がたち、とうとう20日以上の日が過ぎました。
まだ小さい子供たちのこと、誰かに連れ去られたのではないか?
そう人々は思い始めていました。
残念ながらブラジルでは、売買目的の子供の誘拐があるのです。
人々がそう思い始めたころ、森の中で伐採の仕事をしていた男性が、普通ならそこにいるはずがない 小さな二人の子供の姿を見つけました。
驚いた男性、すぐに近くの家に走り、警察に連絡をしました。
二人は立ち上がることもできないぐらい衰弱していました。
すぐに町に移送され病院で手当てを受けました。
ようやく口がきけるようになった二人によると、1か月近く雨水を飲むだけで過ごしてきたそうです。
病院の話によると ひどい栄養失調と脱水状態、そしてそこからくる尿路障害の状態だそうです。
マニコレの病院で応急処置を受けた二人は、今日のお昼にマナウスに移送されました。
小児専門病院で集中治療室に入り、治療と詳しい健康状態のチェックを受けるとのこと。
それにしても、1か月近く そんな小さな子供が森の中で食事もとらずに過ごし、まだ多くいる野生動物の被害にも会わずに過ごしてきたのは 本当に奇跡のようなことだと思います。
マニコレの森の中には、子供と動物を守ってくれるという森の精がまだいるのでしょう。
二人が早く回復することを祈っています。