ピアノの鍵盤を深く弾く感覚を掴むために、スライムを使うイリーナ先生のアイディア。
これはピアニストのホフマンが、熟れた苺に苺をつぶさないように指を深く埋めるように弾くと深く美しい音が出ると言ったことを、子供に分かりやすく伝えるために考えられたものです。
子供でなくともスライムを使うことは有効です。
私自身もこれによってそれまで自分の中にはなかった感覚を身に付けることができ、タッチの種類が増えました。
さて、このスライム。指を入れれば良いのではなく、入れ方があります。
表面を触っただけの音ではなく、腕の重みで押し下げられた深い音が欲しいことが目的なので、力でグイグイ押しては逆効果です。
ゆっくり腕の重みで沈めていくようにします。
ところが私の生徒はグイグイと力任せに指を突っ込む子が多く、百均で買ったものをそのまま使っているので入れ物が大きいからかと思っておりましたら、この回のミラちゃんを見るとそういうことではないようで··
気持ちはわからないでもないですが、ゆっくりとです。
以前、70代の方でいきなりスライムに指をグサッと刺した方がいらっしゃいました。
ピアノはこう弾くものだと思っていたと仰いました。
性格ってあるな、と思ったのでした。
今回参考になったことは、ソの音を見つけて弾く時に生徒さんが不注意に間違えたり、雑に音を出した時に、注意をはらっていないですね、とか、良い音で弾きましょう、と4歳の子供にきちんと言っていることです。
強く注意はされていませんが、見逃してはいません。
私なぞは、まだ小さいから仕方ないかと何も言わないことが少なくないのですが、このような積み重ねが、集中力や音を大切にすることに繋がるのだなと思いました。
ミラちゃんは音をソソソソと連続してよく雑に弾きますが、それをイリーナ先生はonly one note と注意するだけにしています。
これをやられると結構イラッと来るものなのですが、注意はしても叱りはしない。
今回も学びました。