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「半分の月がのぼる空」(ポニーキャニオンほか)

2010-03-27 10:11:54 | エンターティメント情報
「半分の月がのぼる空」(ポニーキャニオン、IMJエンタテインメント、アスキー・メディアワークス)


恋 難病 驚く「仕掛け」

 少年少女の恋愛と難病を描いた映画は山ほどある。
 これも同じようなものだろうと思っていたが、さすがは、「真木栗(まきぐり)ノ穴」「60歳のラブレター」の深川栄洋(よしひろ)監督だ。きれいに一本取られた。どんでん返し、いやトリックと呼んでもいいような、驚くべき展開が待っていたのである。ある意味反則だと思うが、その見事さには感心するしかない。
 三重県伊勢市。肝炎で入院した高校生・裕一(池松壮亮=写真右)は、9歳のころから病院で暮らす心臓病の少女・里香(忽那(くつな)汐里(しおり)=同左)と出会う。外との接触がほとんどない里香はわがままに振る舞うが、裕一はなぜかひかれていく。
 肝炎と心臓病。2人とも病気なのに、走ってばかりいる。冒頭から、裕一は夜の商店街を自転車で駆ける。父親との思い出が残る山へ登りたいという里香を、裕一は夜、病院から連れ出す。看護師たちに追われ、病院内を息を切らせ、ひたすら走る。
 「追っ手」を振り切り、山へとバイクで走る姿に、アメリカン・ニューシネマの主人公たちが重なってくる。「体制への反抗」ではないが、若さのエネルギーがマグマとなって、自らを壊しかねないほど、噴出しているように見えるのだ。
 彼らが出会い、心を通わせていく舞台は、病院の屋上だ。いっぱいに干されている洗濯物のシーツが強風になびき、少女の姿を隠したり、見せたりする。シーツが画面を様々に切ってみせる。シーツの海を泳ぐように、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を朗読し合う場面は実に印象的だ。
 シーツの海のイメージは、揺れるカーテン、頭から布団をかぶってライトを照らした時の真っ白な世界などにつながっていく。単調になりがちな病院内の情景が、何と豊かに表現されていることか。
 2人の恋と並行して、同じ病院に勤める医師・夏目(大泉洋)の悲しみが切々と描かれる。かつて心臓外科医だったが、妻の命を救えず、メスを持つことが出来ない。夏目と2人の話が交差した時、映画は全く違う顔を見せ始める。
 「虚をつかれる」とは、このことだろう。驚いて一瞬「空白」になった観客の心に、主人公の悲しみがどんどんと流れ込む。それが涙となって、あふれ出てくる。この〈仕掛け〉は、分かっていても止めようがない。悔しいが、仕方ない。1時間52分。シネセゾン渋谷など。(小梶勝男)


2. 東京国際アニメフェアが開幕、世界最大級

 東京ビッグサイトで25日、アニメ関連イベントとしては世界最大級の「国際アニメフェア2010」が開幕した。
 開催期間は4日間で、このうち25─26日はビジネス関係者や報道関係者を対象としたビジネスデー、27─28日が一般客向けのパブリックデーとなっている。
 主催者によると、28日までの来場者数は約13万人に上る見通し。


3. ハリー・ポッターのテーマパーク、6月にフロリダで開園

米フロリダ州のユニバーサル・オーランド・リゾートは25日、ベストセラー小説「ハリー・ポッター」のテーマパーク「The Wizarding World of Harry Potter」を6月18日にオープンすると発表した。
 広さ8万平方メートルの同パークでは、小説の舞台となる「ホグワーツ城」をめぐるアトラクションなどが楽しめ、映画「ハリー・ポッター」の出演者が新たに撮り下した映像が見られる乗り物もある。
 また、作品には名前しか出てこなかったグリフィンドールやハッフルパフなど、魔法学校の創設者ら4人が新しいキャラクターとして登場するのも目玉の一つだという。
 ユニバーサル・オーランドが販売を開始したパッケージツアーによると、ホテル宿泊を含めた4日間のツアーは大人1人645ドルから、家族4人で1548ドルからとなっている。